校長室から発信
自然災害と安全
昨日発生した 越谷市や野田市付近での竜巻被害から学ぶ
校長 杉橋 朋子
9月1日は、防災の日。9月2日の始業式後、本校では毎年この時期に、防災訓練を行っている。この日の午後 埼玉県越谷市、千葉県野田市で竜巻とみられる突風によって、大きな災害が発生し、けがをした生徒が出たニュースを聞いた。 本校で起こったとしたらと考えると背筋が寒くなった。しかし、「対岸の火事」にしてはならない。あらためて学校で行ってきた防災訓練の在り方を考えるきっかけとなった。
このような災害では、情報の断片が飛び散り、全体概要が把握しきれない。学校内でも同様で、体育館の生徒の情報、教室内の情報、下校中の生徒の情報、家庭の状況、地域の状況などの情報を集約、俯瞰することができずに、生徒の下校の可否、保護者のみなさんへの連絡方法など、正しい判断ができにくい。断片情報をつないで概要をつかむ努力をすることこそ、リスクを最小にした有効な対応となると考える。
「情報を紡いで、つなげて全体概要として共有化」することの訓練こそ、最も必要な内容なのだろう。その意味で、防災訓練は、生徒の訓練であると共に、教職員の「情報を紡ぐ」訓練なのだと思う。
本校は、地震を想定した訓練、校内で重大な事故発生を想定した訓練の2つを1日かけて実施。受傷者の状況、捜索の状況、AEDや担架の要不要などの判断をリレのーようにつないで本部の指揮官に届ける訓練だった。情報伝達ルートの検証をこの先、行っていく予定。
越谷市野田市の生徒たちのけがの回復を心から祈っている。
学校のウチとソトをつなぐ部活動
布佐中の「部活動」は学力向上を担っている!
校長 杉橋 朋子
梅雨明けとともに、炎暑となった。いよいよ総合体育大会の始まりである。一年のうち最も生徒のエネルギーが集中するする重要な時期となった。「部活動」をやると疲れて勉強しなくなる。「成績が下がったのは部活動のせい!」などの話は私も時々耳にするが、それはホントだろうか。
【部活動は、豊かな表現力や思考力を開花させる】
【部活動は、豊かな表現力や思考力を開花させる】
「部活動」と「学校の勉強」は別ものと考えられてはいないだろうか。
たがいに相反するものと。それは、本当だろうか。
7月10日、総合体育大会の皮切りに、葛南陸上競技大会が白井陸上競技場で開催された。
この大会では、1年生の多くが自己新記録をマークし、2人県大会出場を決めた。帰校したあと、
私は真っ先に生徒たちに意見を聞いた。新鮮な感覚のうちに彼らの感じたままを引き出し、
表現させることが重要だからである。
緊張したこと、他校の生徒から学んだこと、練習態度のこと、監督不在の時の態度のこと、
多面的に彼らは感じ取っていた。
「それらの原因や背景はどんなことから来ているだろう」と尋ねた時、あたりはシーンとして考え始めた。
まさに総合的に考えさせるチャンスだ。彼らにはその力がある。回答を教師が述べるのでなく、生徒が考えるのだ。
彼らは、部活動を軸として素晴らしい学習をしている。
7月13日(日)に吹奏楽部が「社会を明るくする運動」の趣旨に賛同し、ボランティアでミニコンサートを開いた。
会場となった布佐ナリタヤ駐車場では、主催の保護司さん、他民生委員、少年指導員、社会福祉課、
市長、地域住民など約70人が集まって聞き入った。当日までの段取り、道具の手配、楽器運搬のこと、
趣旨を広めるチラシ1000枚の作成と地域配布を吹奏楽部長を中心として生徒がすべて進めてきた。
担当窓口の社会福祉課の岡さんは、生徒を「おとな」として扱ってくれ、彼らの要望を丁寧に聞いて解決に導いてくれた。
このことは、生徒の自己肯定感を大きく引き上げ、やる気を持たせてくれたのである。
学校のソトの交渉を生徒が行い、学校のウチの力(部活動の意欲やコミュニケーション力)を高めてを引き出したのである。
学校のソトとのつながりや交渉は、部活動でできる学力である。結果は必ずついてくると確信している。
これから大会に臨む部活動には、ソトから学ぶことを期待している。保護者のみなさん、地域のみなさん、
布佐中を今後ともご支援していただきたい。
”節目”を考える進路保護者会
15歳の生き方を振り返る(進路選択)
校長 杉橋 朋子
体育館前に咲く紫陽花が一段と鮮やかに見える。湿度が高くうっとうしい梅雨空だった
が、実におおくの保護者の皆さんが集まった。それだけ、保護者の皆さんの関心の高さがうかがえる。いつも、この第1回の進路保護者会では、私にはどうしても伝えたいことがある。毎年、1月末に公立の”志願理由書”がとりまとまって私のところへ報告がくる。一人ずつ読みながら、中学校3か年の教育内容を振り返る機会としている。さらに、12月から2月にかけて、個別に”校長面接”を実施し、生徒の思考力や判断力・表現力などの「学力と「社会性」の一端が見える。その内容や書き方、所作から感じることが多くあり、そのことの一つを、保護者会の際に伝えたいと思っていたのである。
あの「志願理由書」には、3年間の生徒の思考力・判断力・学習意欲などが凝縮されてい
る。「高校の志望動機」一つを尋ねても、かえってくる回答は様々だ。それでよいと思って
いる。 自分の学習や体験活動に裏打ちされた”自分だけの答え”がかえってくる場合では、語彙も多く、場に応じた回答がある。さらなる質問にも、ひるむことなく答える。最終的には、「人の役に立つ」という発想も見える。人との豊かなコミュニケーション力があるということだ。
この力は、点数で出る力とは少し違う。いわゆるPISA型といわれる学力だ。学校での
勉強は、その深くて広い”人間力”をあげるためだ。よく考え、自分なりの判断を自分でできる。結果も自分で引き受ける。そんな力だ。
そのような力を評価するのは、社会の人や高校の校長先生であって、自分ではないということも重要だ。目線は常に「社会から」「自分」を見ることである。15才は、そんなことも十分できるような年齢となっている。この機会に、自分を客観視し、足りないものは何かと考えて、この先の数か月を送っていけるとよう、学習指導に当たりたいと思っている。
学習で「自立、自律」を教えていかねば。 そんなことを考えながら、帰り際、多くのお母さんと窓越しに話ができたことがうれしかった。明後日から試験。生徒には、自分の責任において、しっかりとした学習にいそしんでもらいたい。
体育祭から得る充実感
地域の皆さんと保護者と卒業生と生徒と教師
校長 杉橋 朋子
修学旅行や林間学校に引き続き、陸上競技大会、体育祭と終えることができた。やや忙
しい感もあったが、生徒の育ちが目に見えるような一か月だった。学級集団を形作ることに
先駆けて、学年や学校といった大きな集団を形成することとなり、新しいタイプの集団の形
成となった。大きな集団の形成は、生徒に全体を見通す広い発想を生む。これが実に
いい。
体育祭週間とはいえ、正味4日間。教師も生徒も情熱を傾け、ひたむきに作り上げた。
そこへ、自治会の皆さん、布佐地区の民生委員さん、市教委、教育長、教育委員、布佐
中の卒業生、保護者などが準備、撤収など団結して進めてくれた。
体育科の緻密な計画に支えられ、競技の相手を大切にするようにルールを守る教えを
施し、総力を挙げて取り組んだ。今までたくさんの体育祭を実施してきたが、正直な感想と
して、平成25年度の体育祭は、私自身にとっても、言葉にならない感動を覚えたので
ある。今、振り返ると、それは、まさしく「絆」によって支えられたものであったからだろうと
思う。述べ80人以上が来賓としてお越しになり、卒業生、保護者も懸命に支えてくれて
いる。私の心の中が次第に温かくなったのを感じている。感謝。感謝。
校長 杉橋 朋子
修学旅行や林間学校に引き続き、陸上競技大会、体育祭と終えることができた。やや忙
しい感もあったが、生徒の育ちが目に見えるような一か月だった。学級集団を形作ることに
先駆けて、学年や学校といった大きな集団を形成することとなり、新しいタイプの集団の形
成となった。大きな集団の形成は、生徒に全体を見通す広い発想を生む。これが実に
いい。
体育祭週間とはいえ、正味4日間。教師も生徒も情熱を傾け、ひたむきに作り上げた。
そこへ、自治会の皆さん、布佐地区の民生委員さん、市教委、教育長、教育委員、布佐
中の卒業生、保護者などが準備、撤収など団結して進めてくれた。
体育科の緻密な計画に支えられ、競技の相手を大切にするようにルールを守る教えを
施し、総力を挙げて取り組んだ。今までたくさんの体育祭を実施してきたが、正直な感想と
して、平成25年度の体育祭は、私自身にとっても、言葉にならない感動を覚えたので
ある。今、振り返ると、それは、まさしく「絆」によって支えられたものであったからだろうと
思う。述べ80人以上が来賓としてお越しになり、卒業生、保護者も懸命に支えてくれて
いる。私の心の中が次第に温かくなったのを感じている。感謝。感謝。
林間学校でつくる「絆」
学習の質を保障する 総合学習(林間学校)カリキュラム
校長 杉橋 朋子
福島県会津地方は、私たち2学年の教員と生徒の訪問を歓迎するかのように5月22日
から3日間、晴天であった。3,11以来3年間、この会津に林間学校で訪れているから、
経年で人や車の数の変化は一見してわかる。今年の会津地方は一昨年にくらべ、観光
客の数も多くなり、活気が感じられた。
休暇村裏磐梯の総支配人は、今年も布佐中を歓迎してくれた。横田先生以下パークボラ
ンティアの皆さんもお元気そうだった。前日に私たちの学校のために、磐梯山登山の可否
や雄国沼方面を歩いて、安全を確認してくれてあり、到着した日の夕方わざわざ、火山
博物館 副館長の佐藤 公先生がホテルまで訪ねて現状報告に来てくださった。
小山学年主任とその報告を聞いた。私たちの学校は、毎年このような方々との交流に
よって、奥の深い学習をさせていただいている。
さらに、「布佐中がどのような学習を何のために実施しているのか」といった目的もよく
理解していただいている。 このようなつながりを一過性にすることなく、次年度につない
でいくことが、この学習を成功させる秘訣だ。次年度につなぐものこそ、本校の総合学習
カリキュラムであり、校長や教員が変わっても、学校の教育の質を変えることなく、継続
していけるものなのである。 学校の外から支援するさまざまな方々とネットワークをつな
ぐ役目を、前年度の学年主任が果たして来てくれていることに感謝だ。今年もガイドさん
に直接お礼もいうことができた。
豊かな学習を終えてみると、2学年の生徒の新たなよさも多く発見できた。送り出してくだ
さった保護者の皆さんには心より御礼を申し上げたい。