校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「冷静に見極める」
最近の技術革新はめざましく、その技術を扱う人間側のモラルや判断力が追いついていないと実感しています。人工知能AIも日々進化を続け、人間が描いたかのような絵画、声優の声を学習させ、まるで本人のような音声を作り出す、もう何が本当で何がどうなっているのかわからない状況です。これらが悪いというつもりはありませんが、使う側の意識やモラルが追いついていなければ、技術を悪用したり、ネット上のフェイクニュースなどに翻弄されたりしてしまいます。戦時中からフェイクニュースは存在していたようですが、今は誰でも簡単に作ることができ、ネットを通して拡散させることも可能です。報道とはとても言えない間違えた内容、興味を引くために個人が作りあげたものなどです。私もこの「校長室のひとりごと」を書く際にネットを開いて話題を探したり、詳細を調べたりとインターネットを使用しています。その際、その情報が正しいものなのか、過剰すぎる表現はないかなど必ず複数のサイトを確認し、最終的には冷静に自分で判断しています。
今やインターネットを小中学生も当たり前に閲覧しています。しかしその情報の真偽まで考えているかと言えば、そうではない場合も少なくないと感じています。SNSでも同様です。その書き込みが全て真実とは限りません。我々大人は「ちょっと待てよ」となりますが小中学生もそうとは限りません。最近話題の闇バイトも「ちょっと待てよ」と冷静な判断力があれば、おかしいと気づくものが多いと言われています。
技術革新が進み便利になり、多くの人が簡単に使えるようになればなるほど、その使い方、使う側の冷静な判断力が必要になってきます。その危険性を学校、家庭で大人が教える必要があるとつくづく感じます。
校長室のひとりごと「77年目の今年」
このところ、地域関連の話題が多いのですが、「地域と関わる」「地域と共生」を語るからには、この川間地域を知らなくては話になりませんよね。私は昨年の着任以来地域を歩き、本やインターネットで色々と調べたりしています。もちろん「川間中学校」についても調べる必要があると、最近は中学校について色々と過去の記録を見直しているところです。
本校は昭和22年、旧川間村に川間中学校として誕生し今年で創立77年を迎えた地域に根ざした歴史と伝統ある学校です。そこで創立当時の記録を校長室の金庫から引っ張り出し調べたところ衝撃(?)の事実を知ってしまいました。私は平成元年より市内の中学校で勤務してきましたが、概ねどこの学校も昭和の終わりから平成の始めに生徒数が一番多く、逆に創立当時が一番少ないというパターンが一般的です。 本校の創立当時昭和22年の生徒数は257名、翌昭和23年には300名を超え、そのまた翌昭和24年には400名を超えるほどの急増でした。昭和35年には500名を超え、昭和57年には600名を…右肩上がりに生徒は増加し昭和61年には774名という規模まで膨れあがりました。しかし、それからは徐々に生徒数は減少し、昨年令和5年度には268名にまで減少しました。現在は全校生徒246名で生活しています。これが衝撃(?)の事実です。77年目にして実は初めて創立当時の生徒数を下回り過去最少人数だったのです。更に川間小学校、尾崎小学校の児童数を見ると、来年度は更に過去最少人数を塗り替えそうで、あと数年はこの状況が続きそうです。
衝撃(?)的な事実は事実として、少ないからといって何が変わるわけでもありません。体育祭では迫力の応援を披露し、川創祭(文化祭)では一致団結した素晴らしいハーモニーの合唱を作り上げてくれました。この生徒数はハンデキャップではなく、むしろ小回りが効く強みだと捉え、これからも生徒たちのために頑張ってまいります。
校長室のひとりごと「努力」
教員がよく使う呪文のような言葉の一つに「努力」という言葉があります。
部活動顧問、学級担任として第一線で生徒たちと関わっていた頃は、一切迷いもせず「努力は報われる」と生徒に呪文(?)を唱えていたものです。
多くのスポーツ選手は「努力」について名言を残しています。例えば世界のホームラン王「王貞治」氏は「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるとすれば、それはまだ努力と呼べない」と残しています。また、サッカーのメッシ選手は「努力は報われる?そうじゃないだろ、報われるまで努力するんだ」と述べています。一方でフィギュアスケート「羽生結弦選手」は「努力はウソをつく。でも無駄にはならない」。他にも「努力は報われるとは限らない」「努力が報われるのであれば、みんなメダリストになっている」…… などと残しています。 陸上競技の「為末 大」氏は「一流のアスリートは、そもそも努力を努力だと思っていない」と著書に綴っています。いったい「努力」って何なのでしょう?
以前、全校生徒に「努力は必ず報われる。しかし、自分が思っている形で報われるかどうかは別の話。仮に努力したのに報われなかったと感じていても、その努力は違う形で自分の力になっているはずです。これからも惜しまず努力できる人になってほしい」と話したことがあります。
歳を重ねるにつれ、私自信「努力は報われる」と思っていますし、一方で「努力しても報われないこともある」とも思っています。
先ほどの「為末大」氏は「現在の日本は、努力しても報われないと感じる人間が多数派を占める社会になっているように思う」とも記しています。
中学生という成長段階においては、どのパターンで「努力」という言葉を投げかけるかが問題です。中学生は全てが経験全てが勉強です。何事にもガムシャラに取り組める人間、そして惜しまず努力できる人間になって欲しいと切に願っています。
校長室のひとりごと「地域に関わる」
土曜日に「川間地区ふれあいの広場」が行われました。川間地区社会福祉協議会が主催し規模も大きく地域にとって大切な行事です。こういった地域行事では中学校や小学校も発表団体として、吹奏楽部などが招待されることが少なくありません。この「ふれあいの広場」も同様で、これまで本校は吹奏楽部、特設郷土芸能部が出演していましたが、今年は「次世代の地域を担う中学生には、もっと地域に目を向け、地域の一員として自覚を持って欲しい」とわがまま言って運営団体の一つに加えていただきました。事前の会議、前日の会場準備、当日の司会進行、受付、接待、商品販売などの各ブースに分かれて生徒たちは地域の方々に混じってお手伝いさせていただきました。生徒からは「色々な発表を通して地域の文化や伝統を知ることができた」「初めての経験でしたが優しく教えていただき一緒に活動していて楽しかった」などの声が聞かれました。
また、会場にいる私にたくさんの方が声をかけてくれました。「中学生が優しく案内してくれ嬉しかった」「元気な中学生と一緒にいて、こっちまで元気になりました」「いつもの決まった面々に中学生が加わり、みんな笑顔が増え若返ったように感じました。とっても楽しかった」「孫(中学生)が笑顔で手伝っているのを見て泣けてきました」など数えきれないほどの言葉をいただきました。
会を終え生徒たちに「地域の一員だと自覚できましたか?みんなは、この先どこの高校に行こうとも、大人になってもどこに住もうとも、いつまで経っても故郷はここ川間地区だということを忘れないで欲しい。10年、20年30年先に、みんながこの「ふれあいの広場」を運営していて欲しい」と話しました。社会福祉協議会など運営に携わった皆さんには「生徒がお世話になりました。日頃学校では見せない「優しさ」「気遣い」「笑顔」を見ることができました。本当に良い経験ができました。ありがとうございました。」とお礼を述べました。
今年の「ふれあいの広場」は多くの笑顔にあふれ「育てよう川間の絆」というスローガンに近づけたと感じて、ホッコリと温かい気持ちの一日でした。
校長室のひとりごと「振替休業」
いつもアクセスいただきありがとうございます。
土曜日の「ふれあいの広場」が全校登校日だったため、今日は振替休業になります。
この「校長室のひとりごと」もお休みします。
今後ともよろしくお願いしますね。