校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「魔法の言葉」
想像してみてください。例えば、比較的混んでいる電車に乗りましたが詰めればもう一人くらいは座れそうです。乗ってきたあなたに気づき何人かが席を詰めてあなたが座れるスペースを空けてくれました。あなたはその席に座りますが、そのときどのような言葉を口にしますか?例えば、道を歩いていてハンカチを落としてしまいました。自分では気がつきませんでしたが、後ろから「落としましたよ」とハンカチを手に駆け寄ってくれた人に、どのような言葉かけをしますか?例えば、飲食店で店を出る際にスマホをテーブルに置き忘れてしまいました。店員さんが慌てて「忘れてますよ」とスマホを持ってきてくれました。その店員さんにどのような声をかけをしますか?
三つの例で考えてもらいましたが「何も言わず頭を下げるだけ」と言う人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は「○○○○○」という5文字を口にするでしょう。皆さんの5文字はどちらでしょうか。「すみません」「ありがとう」・・・
つい「すみません」と言ってしまいがちですが、やはり「ありがとう」を選びたいものです。人は「ありがとう」と言われれば嫌な気持ちにはなりません。むしろうれしくなるものです。人をうれしくさせる力がある美しい日本語「ありがとう」。そんな「ありがとう」が飛び交う社会になれば良いなと思っています。
校長室のひとりごと「不易流行」
年度末を迎え、今は来年度の日程やカリキュラムなど来年度の様々なことを決めたり調整したりしています。過去のこととなりつつあるコロナ禍の余波は学校にたくさん残っています。行事の精選・縮小、地域交流の自粛、部活動時間の短縮、リモート学習…もちろんこれらはコロナだけではなく、教員の業務改善や社会全体の変化も影響しています。一方でコロナの余韻は悪いことだけではなく、昭和から続く古い体制を見直す機会にもなり、学校教育は大きな転換期を迎えています。
この大きな転換期に私が校長として常に意識していること、それは「不易流行」です。「不易」とはどんなに社会や時代が変化しても変わらないこと、変えてはならないこと。「流行」とは社会や時代の変化に合わせて変わること、変えなくてはならないことです。コロナ禍では、感染拡大防止が最優先だったため、様々なことをいわば削ってきました。そしてコロナ禍が明けた今、削ってきた何を戻して、何をそのままにするか、単にコロナ禍前に戻すわけには行きません。生徒達はもちろん先生方も若返りコロナ禍前の学校の様子を知らない先生もたくさんいます。
「生徒にとって」必要なことは削らず、むしろ手厚く時間を割いて、逆に削っても影響ないものは過去にとらわれず削るなど形を変えていくことがこれからの学校には必要だと思います。
校長室のひとりごと「3年生を送る会」
令和6年度もいよいよ大詰めです。今日は「3年生を送る会」が行われます。「卒業式」や「修了式」はまだこれからですが、生徒会が企画し行われる行事としてはこの「3年生を送る会」が今年度最後になります。今年1年間の生徒会活動の集大成として、また、卒業してゆく3年生への感謝や激励、餞を表現する大切な生徒会行事です。1.2年生はこれまで時間をかけて準備し、何度も何度も練習をしてきました。3年生は入試の関係でほとんど練習していませんが、それでも例年1.2年生はやはり3年生にはかないません。
3年生は今日の「3年生を送る会」から「卒業生」と呼ばれるようになり入試モードから卒業モードに切り替わります。また1.2年生は改めて3年生の卒業後の自分たち、つまり1年生は先輩に、2年生は最上級生になる自覚と責任を持つきっかけにする会でもあります。単に「お世話になった3年生のために…」の会ではなく、自分たちの1年間の成長を実感し4月からの新年度の準備となる、それが「3年生を送る会」です。
約1ヶ月後、新年度最初の生徒会行事は「新入生歓迎会」です。先輩となって、最上級生となって新入生達を迎え入れる会、そのためにも今日の「3年生送る会」はとっても大切です。心のこもった温かい「3年生を送る会」になることを期待しています。
校長室のひとりごと「合格発表」
今日午前9:00に千葉県公立高校の入試の合否の発表があります。明日の「3年生を送る会」を挟んで6日は埼玉県の公立高校の合格発表があります。もちろん既に入試は終わっているため、今更合否が覆ることもありませんが、それでも「みんな合格しますように」と願ってしまいます。
既に第1希望の私立の高校に合格している生徒も含めて、今日、そして6日にはみんな進学先が決定することになります。もちろん全員に合格してほしいわけですが、現実には不合格の生徒が出てくるかもしれません。周りが合格に喜ぶ姿を見れば、尚更「この世の終わり」とばかりに落ち込むことでしょう。中には初めて経験する挫折を味わうかもしれません。でもそんな生徒にこそ「どこの学校に通うかはそんなに大した問題ではなく、むしろどんな3年間を過ごすかが問題だ」と話してあげたいと思います。そういえば「負けるが勝ち」という言葉もあります(不合格が負けという意味ではありませんが)。
4月から通う学校が「良い学校だったのか」は3年後に判断できるのだろうと思います。3年後「この学校を選んで良かった」と胸を張って言えるような高校生活を送ってほしいと思います。
校長室のひとりごと「桃の節句」
いよいよ3月、3月といえば「春」「旅立ち」「卒業」「別れ」を思い浮かべます。どことなくもの思いに浸る季節です。今日3月3日は「桃の節句」です。「桃の節句」といえば女の子をお祝いする年中行事で、お雛様(雛人形)を飾り、ちらし寿司や雛あられを食べる、その程度は知っていました。7月に初孫(女の子)が生まれ今年が初節句ということで「桃の節句」について改めて調べてみました。
旧暦の3月3日「上巳(じょうし)の節句」はちょうど桃の花が咲く頃ということで「桃の節句」と呼ばれ、5月5日が男の節句「端午の節句」であることから「桃の節句」は女の子の節句お祝いの日となったそうです。女の子が遊ぶ物として雛人形が飾るのが風習となりました。この雛人形は平安時代に貴族の女の子たちが紙で作った人形を紙で作った御殿で遊ばせるという遊びが由来だそうです。また雛人形には厄を引き受ける役目があり、女の子から災いを守り幸せな人生を送れますようにと願いが込められているそうです。
「桃の節句」で食べるちらし寿司の具にもそれぞれ願いが込められており、例えば「エビ」は腰が曲がるまで長生きできましょうように、「いくら」は子沢山に恵まれますように、「豆」は健康でまめに働けるように、「レンコン」は先が見通せますように…だそうです。
今日は、そんな願いを込めて孫に会ってこようと思います。