ほごログ(文化財課ブログ)

2021年9月の記事一覧

臨時休館のお知らせ

9月18日(土)から9月21日(火)は、燻蒸作業を行うため郷土資料館は休館いたします。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようお願いいたします。

*18日(土)~20日(月)は、教育センター全館立ち入り禁止になりますのでご注意ください。

*21日(火)は、郷土資料館は休館となりますが、教育委員会事務局は業務を行っております。 

 

 

【動画】「春日部市の昔と今」公開中!

郷土資料館ホームページの「かすかべデジタル写真館」の古写真が活用され、市の公式動画チャンネル「かすかべ動画チャンネル」に、動画「春日部市の昔と今」が公開されています。 #かすかべプラスワン

この動画は、令和3年度の敬老会の中止に伴い、高齢者支援課により制作・公開されたものです。古写真を現在のまちの様子と比較していて、さまざまな世代の皆さんがお楽しみいただけるものと思います。いよいよ、郷土資料館もyoutubeデビューです。出典元の「かすかべデジタル写真館」も合わせてご活用ください。

武里大枝公民館で「神明貝塚の巡回展示」を開催しています

9月7日(火曜日)より武里大枝公民館にて「神明貝塚の巡回展示」を開催しています。

 

武里地区においては県指定無形民俗文化財の「やったり踊り」(大畑)が馴染み深い地区ではありますが、前回の豊野地区同様に「遺跡」は確認されておらず、また神明貝塚の所在する西親野井地区とも市内の中でも遠いところに位置しています。

 しかし、市内にたくましく生きた縄文人のなりわい、食生活、そして国史跡になった大規模な貝塚を多くの市民の皆さまに知っていただきたく、土器や石器、貝類の実物、縮尺1/150のジオラマ、盛りだくさんの解説パネルを用意しました。 

今回の展示場所である武里大枝公民館は、かつて「東洋一の団地」とも称された武里団地の中に所在しています。武里地区での神明貝塚の知名度を上げるべく、是非多くの方々にご覧いただきたいと思いますが、その際には新型コロナウィルス感染拡大防止にご協力いただければと思います。

 

展示の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示場所:武里大枝公民館 1階ロビー左手

展示期間:9/7(火)~12/19(日) ※月曜・祝日また選挙投票日等は休館 

開館時間:8:30~17:15

明日 #ミュージアムトーク やります

令和3年9月5日(日)をもって、夏季展示「桐のまち春日部」展もいよいよ最終日。最終日は、展示担当学芸員によりミュージアムトーク( #展示解説 )を開催します。 #かすかべプラスワン

時間は10時30分~と15時~の2回。「語り出したらキリがない」ので60分ほどになるかと思います。解説を聞きたい方、ご自分の体験談を聞いてほしい方、お付き合いいただける方をお待ちしています。もちろん予約不要、費用はかかりません。

元・桐材屋さんから資料を寄贈いただきました

おかげさまで「桐のまち春日部」展もたくさんの方にご覧いただき、なかには関係者の方もちらほら。先日、夏季展示「桐のまち春日部」展をご覧いただいた、市民の方から資料を寄贈いただきました。

お話をうかがったところ、以前、粕壁で桐材店を営んでいた方でした。

その昔、郷土資料館にも、桐材店に関連する道具を寄贈いただき、その一部は「桐のまち春日部」展でも展示しています。展示をご案内したところ、ご来館いただきました。ご来館された方は、桐材店の娘さんでしたので、直接ご家業に携わっていたわけではなかったようですが、展示資料をご覧いただき、「懐かしい」「○○さんという名前聞いたことがある」とお話しいただきました。

ご来館の折、ご持参いただいたのが今回ご紹介する資料です。資料は、昭和50年ごろに夏休みの自由研究の成果(模造紙)です。自由研究のテーマは「春日部桐箪笥のできるまで」。当時、小学生だった桐材店のご子息が家業の仕事の風景を写真で記録し、模造紙に貼り付けまとめたものです。桐材店のご子息が調べた内容もさることながら、とりわけ貴重なのは写真です。そこで、今回その写真を紹介します。

写真:桐の丸太

まずは、桐の丸太の写真です。工場には、大量の丸太が山積されていたそうです。

桐は丸太のまま乾燥させ、そのあと、製材・製板していくことになるようです。

写真:製板された桐材

次は、製板された桐材です。屋根が映り込んでいるので長い板であることがうかがえます。

板を乾燥させているところのようです。桐は雨ざらしにしてアク(シブ)を抜かないと製品になった後に変色してしまうそうです。板を斜めに立て掛ける干し方は、面積をとるため、広い敷地がないとできないと聞いたことがあります。

写真:木取り

つづいて、工場内部の写真。木取りをしている場面のようです。

丸鋸盤で板材を必要な寸法に切ります。木取りが箪笥を製造する上で重要なことは以前紹介しました。

写真:箪笥の枠組み

つづいても工場の中。箪笥のワクを組んでいるところです。

職人さんは、「アツイタ」とよばれる作業台の上で生地を組んでいきます。

ホゾを組むときや、木釘をうちつけるときには、木槌やトンカチ(ゲンノウ)が使用されます。

「トントントン」と、リズミカルで心地よい音が聞こえてくるようです。

ところで、最近の箪笥屋さんは、「箪笥屋さん、儲かるかい?」「トントントントン、トントンのカミ」というそうです。意味は、箪笥を一生懸命「トントン」と組んでも、儲けは「トントン」(差し引きゼロ)だということです。

かつては、「箪笥屋さんかい?神様かい?天皇陛下のオジサマかい?」といったほど、春日部の箪笥産業は盛んでしたが、近年は手間賃が安く箪笥屋さんの景気もあまりよくないとか。聞き取り調査の折に、こんな話をうかがったこともあります。

話は脱線しましたが、「桐のまち春日部」展は9月5日まで。あとわずかですが、春日部の桐産業について、まだまだ、わからないことが沢山ありますので、関係者の方、ぜひ教えてください。