2025年6月の記事一覧
石造物部会の巡見(粕壁地区)を行いました
6月12日(木)に春日部市市史石造物部会で粕壁地区の巡見をおこないました。
春日部市では令和5年4月より「第2次春日部市市史編さん事業計画(第2期)」を策定し、継続的な市史の編さんを進めています。令和6年2月には、この計画に基づき『春日部市史 自然誌編』を刊行しました。次は身近な歴史遺産である石造物編を刊行予定です。
今年度から石造物部会を立ち上げ、数年がかりのプロジェクトが本格的に始動しました。
まずは具体的な調査に入る前に、春日部市域にどんな石造物があるかを確認します。
今回は市史編集委員の皆さまと粕壁地区の神社や寺院にある石造物を見て回りました。粕壁地区は神社や寺院の数が多く、その中でも特に石造物が集中しているところを厳選して巡りました。
午前中は、春日部八幡神社、春日部稲荷神社、浅間社に行きました。3社は隣接しており、それぞれに石造物が遺されています。春日部八幡神社には市指定文化財である都鳥の碑もあります。これは在原業平の隅田川おける伝承等を伝えるために嘉永6年(1853)に建立された石碑です。
午後は、日枝神社、八坂神社、東八幡神社、真蔵院、成就院、玉蔵院に行きました。
各地に庚申塔や記念碑など様々な石造物があります。東八幡神社の境内には江戸時代の有名な力持ちである三之宮卯之助の力石が奉納されています。
成就院には市指定文化財である見川喜蔵墓および見川家五輪塔があります。見川喜蔵は古利根川の洪水を防ぐために堤防などをきずいた人物です。
今回は巡見のほかに、郷土資料館所蔵の板碑を使って市史編集委員の先生に拓本の取り方を教えていただきました。
郷土資料館では7月6日(日)まで企画展示「発掘された板碑」を開催していますので、ぜひ足を運んでいただければ幸いです。
もし個人的に市内の石造物をご覧になる場合は所有者や周りの方へのご配慮をお願いいたします。
石造物部会では今後も他の地区を巡見しつつ調査の準備をおこなっていきます。
調査にあたりましては、所有者や関係者のご協力をいただきながら進めていきますので、どうぞよろしくお願いします。