ほごログ(文化財課ブログ)

2025年4月の記事一覧

地学さんぽ講座3「大河古隅田川を探ろう」を開催しました

 3月30日(日)、穏やかな春の日差しに恵まれ、地学さんぽ講座の3回目、「大河古隅田川を探ろう」を開催しました。 今回は、古隅田川の流路をたどり、豊春駅から八木崎駅に向かうルート(古隅田野鳥の森、古隅田公園、古隅田川緑道)を散策しました。古隅田川は、下総国と武蔵国の国境であり、中世の頃までは川の流れが現在と逆で、古利根川から古隅田川へ向かって流れていました。また、古隅田川とすでに「古」がつくのに、さらに「旧」がつく旧古隅田川があることなど謎に満ちた川です。こうした謎に迫るため、古隅田川の流れの変遷、かつて暴れ川だった痕跡の押堀(おっぽり)(注1)クレバススプレー(注2)、やじま橋や満蔵寺のお葉附きイチョウなどの文化財、梅若塚の伝承、昭和の河川改修による流路変遷などを数多くの見所のある箇所を散策しました。参加された皆さんは、所々で咲き始めたサクラの花を愛で、講師の先生の案内で、地学の探求者として、古隅田川の滔滔としたかつての流れに想いをはせ、様々な謎にみちた川について意見をかわしながら、長い行程の道のりを歩かれました。次回は、地学さんぽ講座の4回目、生きている化石植物の観察場所としてレジデンシャルパーク(庄和総合公園)、10万年前の地層を展示する龍Q館(地下神殿(調圧水槽)の見学は行いません)などを散策する予定です。参加希望の方は広報かすかべ4月号17面をご覧の上、お申し込みください。

注1:押堀(おっぽり) 川の洪水によって堤防を越えたり、破って氾濫した平野部に水が勢い流れた時に水の圧力で地面が掘られた跡。そのまま水がたまって池になったり、湿地として残ることがありますが、現在は、ほとんどは埋め立てられて目にすることは少なくなっています。

注2:クレバススプレー 川の流れに沿って形成された自然堤防が洪水によって破堤し、勢いよく流出した濁流によって引き起こされた地形です。

旧古隅田川(川面橋)で川の流れの確認

古隅田川堤防跡(古隅田野鳥の森)

古隅田川の堤防跡での解説(古隅田野鳥の森)

やじま橋(市指定文化財)