校長室から発信
福島に寄せる
明日から 林間学校へ
校長 杉橋 朋子
一年とはこんなに早いものだったか。もう林間学校の時期になった。本校の林間学校は、平成23年の5月、今年卒業した生徒が中学校2年生になった5月に福島県裏磐梯へ予定されていた林間学校から新しい1ページを開いたのである。震災と原発の影響で、軒並み、福島行きの教育旅行が取りやめになったおり、本校は、保護者の大きな後押しを得て、風評被害にあえぐ福島へ林間学校に出かけた。当時の実行委員長が、「私たちは風評被害を起こさない。」と勉強に勉強を重ねて行ったことによる。本校にとっても風化させてはならない保護者や生徒の思いである。
小山学年主任が、今日、最後の集会が行われる旨を知らせてくれたので、「風化させてはならないそのこと」を2年生に伝えたいと考えた。集会で往時の動きを話したところ、生徒たちは、じっと聞きいってくれた。生徒たちの真摯は態度と思いにふれて、意義深い林間学校になることは間違いないと確信した。保護者の皆さんにも今日まで、ご支援くださったことに感謝したい。
奈良のまちで
人とのつながりの中で 3年生の京都・奈良への歴史探訪の旅
校長 杉橋朋子
深緑の時期とはいえ、奈良はとにかく暑かった。うだるようなといったほうがよいほどで
ある。そんな中、全く見知らぬ土地に自分たちだけでたどり着いた生徒は、本当に見上げ
たもの。それだけでも尊敬に値する。
私は、薬師寺の北川参与に挨拶するため、いくつかの生徒のグループとともに、JTBの
山岡主任と出かけた。薬師寺の参与が、直接生徒のガイドをするなど普通では考えられな
いだけに、どうしても感謝の気持ちを伝えておかずにはいられなかったからである。
越川教諭と共に北川参与の話をきかせていただいた。生徒たちには、伽藍配置のこと、
薬師寺が塔の修復を、どのような思いで乗り越えようしたかなどを、切々と話していただい
た。私は、心の奥深くから湧き上がる何かの思いを感じ、今日ここに来れたことを幸せに感
じた。そのあと、斑鳩町のiセンターへ移動し、観光ガイド班の皆さん12人にお礼を申し述
べ、法隆寺へ出かける生徒を見送った。古都奈良のまちでの一日は、多くの方々との出会
いがあり、そのこと自体が私に充実感を与えた。無事帰校でき、関係各位に感謝したい。
修学旅行の意義
修学旅行の意義 校長 杉橋朋子
布佐中学校の修学旅行は「古都学習」として行われます。私にとっては、生徒引率としては、最後の修学旅行となります。5月8日(水)~5月10日(金)の2泊3日を、生徒にとっても、私自身にとっても有意義な学習の場としてしたい、そんな思いです。
【哲学のある学習を】
このように、歴史探訪とは実に奥が深い。皆さんは、2泊3日の学習で、しっかりと調べた疑問なら何らかの答えを見つけることができるでしょう。
しかしながら、私たちの古都学習は、少しばかりの回答を出すことのみに、多くのお金と時間をかけているのではありません。その先にあるもっと大切なこと、すなわち、物事に対する見方、考え方を鍛錬しようとしているのです。多くの時間とお金をかけるだけの学習の意義深さを追求してこその学習なのです。
さてそれはどのようなことでしょうか。布佐中の「総合的な学習」の計画には、2つの探究が含まれています。
1つ目は、3年生は「大人」になる最終章だということ。これはどうすることなのか。グループ活動や集団行動の中で、常に大人として、どのように行動するのか考えていくという探究です。
2つ目は、歴史探訪から見える「史跡や文化を今に受け継ぐ人間の存在」。これをどう受け止めるのか。ただ、「○○に行きました」という報告では不足です。行って、見て、史跡の存在する意味を探究してください。そこには、多くの人々の思い、英知、価値観が隠れています。それを考えることこそ、この学習の極意なのです。それには、京都や奈良のまちを歩き、人々に触れ、言葉をよく聞き、そこからわかることをしっかりと論じて、書き留めてください。
【この古都学習で“総合的な学力”がアップする】
ということで、皆さんが3年間培ってきた「総合的な学力」はこの古都学習で一つの区切りを迎えます。つまり、この学習にそれまでの成果がすべて表われていると言い換えることができます。京都、奈良を中心とした史跡は、古代日本の美意識や繊細なほどのセンスや思い、英知、価値観が詰め込まれています。皆さんなら、前述した2つの探究ができるものと確信しています。3日間、歴史探訪の「遊学子」として深く学んでください。本物の学力を向上させることは間違いない。いざ、出発!!
布佐中丸の出航!
新年度に当たり・・・
布佐中学校 校長 杉橋朋子
今年、布佐中は、心から「勉強したい」と考える子を育てることに力を
入れます。「 生きて働く学力」の向上を図ります。どうかご支援を。
子どもが「学習習慣」をつける ひ・み・つとは・・・・
お子さんは、毎日、家庭で勉強する習慣がありますか。「試験がなければ勉強しない。」こんなことはありませんか。
「○○があるから勉強する」方式では、勉強することが目的ではなく、何か他のわけがあってそのために「やらされている」ということです。「やらされ」方式は、長続きしませんね。単発で終わりますし、意欲を引き出すことも困難です。「やる気」を自分で引き出すためには、「試験があるから仕方なく勉強する」方式の考え方を繰り返していてはダメです。試験がなくなれば、とたんに勉強しなくなるのは目に見えています。勉強とは、自分がしたくなるからするものです。そのような「意欲」を引き出すことにもっと大人は、時間と熱意を傾けることが求められますね。
そのようにやらされ方式になる理由の一つに、「やる気欠如」の問題があります。「やる気」がでないのです。ここを改善しないといけません。この改善の一つに、友達の力を借りる方法があります。
つまり、「他者」と関係を作って進めるのです。「わからないから教えてよ。」と友達に声をかけるように促すこと、「わかるのなら、友達の手助けをしてみたらどうかな。」と言葉がけをすることなどです。「自分の力」が「人」に役立った、あるいは、「教えてもらってわかった。」などという成功体験を味わわせるのです。友達に「助かった。ありがとう。」と言われたら、「次、また、頑張るぞ。」というようになりませんか。
「教えてくれてありがとう。」というつながりを作る機会を提供することが私ども大人の役目のようです。
今年一年は、子どもの心から湧き上がる「学習意欲」を育てること、そ
してそれを習慣化することを、皆さんと一緒に考えていきたいと思いま
す。ご支援ください。
平成25年4月12日
保護者・地域の皆さんとつながって歩む学校
「学校の安心・安全は、保護者・地域社会とのネットワークから」
学校は、いろいろな方々に支えられて成り立っています。その一例を学校の安心・安全で見てみましょう。
布佐中学校は、まず布佐小学校と布佐南小学校とつながっています。 学力向上に関連したカリキュラム、生徒指導課題、登下校など。我孫子東高校とも連携しています。地域に貢献する生徒の育成は、4校の共通取り組みとして歩んでいます。
また、わだ幼稚園や宝保育園などにも多くの支援をいただきつながっています。
次に地域からは、ふさの風まちづくり協議会、布佐南まちづくり協議会、各自治会、民生委員児童委員、主任児童委員の方々、防犯協議会布佐支部の防犯指導員の皆さん、布佐地区のキャリア教育推進として布佐商興会、地区社会福祉協議会のみなさん、職場体験受け入れ事業所のみなさん、そして、布佐4校の防犯健全育成地域会議、我孫子警察署の生活安全課、地域課のおまわりさんなど。多くのネットワークに支えられています。このネットワークの網の目が、学校の安心・安全と、生徒の健全育成を支えているのです。
布佐中学校は、保護者の皆さんの大きなご支援とこのネットワークの網の目を大切にして地域の一員として歩んで行く所存です。今後ともご理解・ご支援をお願い申し上げます。
布佐中学校 校長 杉橋朋子