校長室より

校長室より

寿命100年の時代をどう生きる

今から30年後、2045年の日本人の平均寿命は100歳になると言われています。

NHKの「ネクストワールド」のテレビ番組でもその話題が取り上げられていました。織田信長の時代は、「人生50年」でした。明治時代でも平均寿命は男女共に45歳位、戦後の1947年初めての全国調査でも男性50歳、女性53歳です。私が生まれた1957年は、男性63歳、女性67歳です。定年までどんなに一生懸命働いてもその後の余生は、数年間という時代でした。本当に哀しい時代だと感じます。昔の人の楽しみは何だったのだろうと思います。短い人生を潔く散っていったのでしょうか。

 2015年の現在、男性80歳、女性86歳の時代となりました。1日平均で5時間ずつ寿命が延びているそうです。60歳定年後、平均寿命までの約20年間、寝る食べる以外の余暇時間は10万時間あるとも言われています。定年後にもう一つの新しい人生が始まると思っていいのかもしれません。生涯現役で働く、生涯学習をする、趣味に生きる、地域貢献する、ボランティア活動をする等の幅広い選択肢があります。定年後、いきなり新しい仕事や趣味は恐らくリスクが高いことが予想されます。現役の時代に少しずつ慣れておくことの方が良いと老後に備える様々な指南書には書かれています。

 長生きが本当の意味で「幸せ」に繋がるには、健康が大前提かもしれません。健康寿命は平均寿命より10歳位前倒しの状態です。どうしたら頭も体も健康でいつづけることができるのでしょうか。若い世代の人にとっては更に大事な問題です。

 6年生を対象にした「思春期講座」を1月に実施しました。講師は、助産師さん2名の方です。「大人に向かって、見つめ直そう体・命・心」のお話をして頂きました。子ども達全員が授業後の感想文を書きました。その中である男子は、「どれだけ命が貴重か分かった」「このようなことを真剣に教えてくれる人達がいるのはありがたいと思った」ある女子は、「赤ちゃんが産まれる時には、自分も母親も頑張っていることを聞いて少し自分が誇らしくなりました。あのビデオを見て私も産みたいと思いました」又、感想で多かったのは、「自分の命は自分の物ではなく、その他にもお父さんお母さんや自分に関わっている人の物なのだと思いました」

子ども達は、命の具体性を今回の性教育で学んだことと思います。

自分のことを好きになり、自分の命を大切にできる子どもに育つような支援を続けていきたいと思います。

自分の命を大切にできることが、他人の命のことも本当に大切にできることに繋がると思います。