校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「読書の日」
昨今、若者の読書離れが気になります。これには学校としても少々責任を感じているところです。数年前まで多くの小中学校では「読書の時間(朝読書)」をカリキュラムに取り入れていました。これをお読みの皆さんには「朝自習」の時間に読書を取り入れていた、と言えばイメージが掴めるでしょうか。毎日10分~15分でも読書に触れる時間があり、それが読書の習慣に繋がっていたことは否めません。しかし、コロナ禍頃からでしょうか、教員の時間外勤務時間の削減の動きと相まって、特に中学校では一日のカリキュラムを見直す動きが出てきました。勤務時間内に部活動の時間を確保するためです。本校も例外ではありません。そこで「朝読書」の時間をなくし、登校後、朝の諸連絡を済ませ1時間目の授業開始としています。中学校の場合は年間1015時間、週29時間、1単位時間は50分の授業を削るわけにはいきませんから、ある意味苦渋の決断と言えます。では中学生に読書は必要ないのかと言えばそうではありません。ゲームやSNS、動画など眼から入る情報ばかりの世の中だからこそ、読書により「文字」や「文章」から想像を巡らせる、読み取る力は子ども達に培ってほしい能力の一つだと考えています。
10月27日、今日は「読書の日」です。そして11月9日までが「読書週間」でもあります。秋の夜長、子ども達に読書を勧めるのはもちろんですが、私も文字や文章の世界に浸ろうと思います。
校長室のひとりごと「君ノ高校」
君津市にある「君ノ高校」という学校をご存じでしょうか。「君ノ高校」とは2020年に廃校となった緑豊かな君津市立亀山中学校の施設を活用して2023年11月に民間会社が開校(?)した外国人向けの体験施設です。この施設でのアクティビティは、日本の学校の伝統的習慣を取り入れ、まずは学ランとセーラー服を選んで着替え、午前中は授業体験。体育の授業では運動会さながらの「玉入れ」「パン食い競争」などを行い、筆を手に書道の授業などを行います。お昼は給食体験、割烹着を着て給食当番を体験したり、放課後には、ホウキとちりとりで掃除を体験します。最後には卒業式を行い「卒業証書」を受け取るという、日本の学校を疑似体験できる施設です。SNSなどの口コミで広がり、これまでに多くの外国人が参加しているそうです。
成田空港でポスターを見て「君ノ高校」で実際に体験した外国人の方は「給食の揚げパンが気に入った。日本への理解が深まった」「アニメで見ていた日本の学校風景とまた違って面白かった」などと語っています。
人口減少による少子化・過疎化など地域によって抱える問題も様々ですが、この「君ノ高校」の取り組みの原点は「地域の活性化」だそうです。これからも多くの外国人が体験することで、日本の伝統文化を正しく知ってもらうことで日本人も外国人も共に理解し合えると良いですね。
校長室のひとりごと「全ては関係している」
先日この場で、英国政府による干ばつ対策の一つとして「干ばつ対策のためPCの古いデータを削除して」というメッセージを国民に送ったという、一見関係のない両者が、実は深く関わっていることがあるという話をしました。文章を書きながら「こんなことわざがあったな」と気になっていましたが思い出せませんでした。しかし遂に思い出しました。「風が吹けば桶屋が儲かる」です。もうご存じかと思いますが簡単に紹介を・・・
・強い風が吹くと土埃が舞い上がる。
・舞い上がった土埃で眼を病み失明する人が増える。
・失明した人は三味線弾きになり三味線の需要が増える。
・三味線には猫の皮が使われるため猫が減る。
・猫が減ればネズミが増える。
・増えたネズミが家中の桶をかじって使えなくする。
・結果として桶の需要が増え桶屋が儲かる。
江戸の街で生まれたこのことわざは、直接の因果関係がないように思えても間接的に連鎖し影響するという意味で使われています。また、ことわざではありませんが、似たような意味を持つ「バタフライ効果」という言葉があります。ご興味がある方は調べてみてください。
校長室のひとりごと「だからどうした・・・」
日頃は興味なくても、不思議といざ報道されると、なぜか見入ってしまうことってありませんか。先日そんな報道に見入ってしまい、すぐに詳細を知りたくてタブレットで検索してしまったことがあります。「都道府県魅力度ランキング」なるものです。この「都道府県ランキング」といっても「移住したい都道府県ランキング」「人が優しい都道府県ランキング」など様々ですが、今回は「地域ブランド調査」に基づいた「魅力度」のランキングです。「だからどうした」という気持ちもありますが、すぐに調べたのがやはり千葉県のランキング、18位でした。千葉県は昨年の15位から3つ順位を落としてしまい、なぜか「いや~落ちちゃったか・・・」などと悔しい気持ちになりました。やはり「だからどうした」って話ですが。栄えある第1位は北海道、調査を開始した2009年から17年連続の1位だそうです。確かに広大な大地の北海道は暑い夏でも爽やかなイメージがあり、冬なら寒くても雪まつりやラーメンを食べに行きたいなんて考えてしまいます。ちなみに第2位はこれも17年連続で京都府、3位は沖縄県と観光地が上位を占めています。また昨年度最下位47位だった佐賀県は45位、46位は昨年45位の茨城県、そして47位は昨年46位だった埼玉県という結果でした。実際お隣の埼玉県や茨城県に観光地がなく魅力がないかというと決してそんなことはありません。なぜかこうした「都道府県ランキング」、各県の自慢などのTVのトーク番組では、つい我が故郷千葉県に注目してしまうものです。
*温かくしてお出かけ、お過ごしください・・・
校長室のひとりごと「2つの天体ショー」
冬に向かい大気が乾燥し夜空の星の輝きが一段ときれいに見える季節になってきました。今日21日「オリオン座流星群」が活動のピークを迎えます。オリオン座という明るい星座からの放射で、空の高い位置からの流星群なので、条件が合えば肉眼で十分に見ることができそうです。街の明かりが少なくなる深夜から明け方にかけて1時間に10個程度の出現が見込まれているそうです。
もう一つ、今日は一生に一度の天体ショーのチャンスでもあります。今年1月、米国アリゾナ州レモン山天文台で発見された「レモン彗星」が地球に最接近するのが今日21日の日本ではPM10:00頃です。「レモン彗星」は「ハレー彗星(76年周期)」などと同様に長周期彗星で、諸説ありますがNASAによると次に地球に接近するのは1150年後、西暦3175年と予想されています。一生に一度のレモン彗星の観測のチャンスともなれば気になりますよね。晴れていれば東京近郊はPM6:30頃、西北西の高さ15度程度に望遠鏡や双眼鏡でも(肉眼では微妙)見ることができるそうです。そもそも彗星とは、主に氷や固体の微粒子でできており、太陽の周りを楕円の軌道で周回し、太陽に接近すると、氷が溶けたりガスや塵が放出され、ホウキのように尾を引いたように見えるのだそうです。
う~ん、今日の天気は曇り(11月上旬まではチャンスあり)
次回1150年後の3175年に期待しましょうか・・・
校長室のひとりごと「データセンターと節水」
今日は一段と秋の深まりを感じますが、今年の夏は本当に暑く、山沿いではゲリラ豪雨はあったものの、ここ野田市では、いわゆる「夕立」もほとんどありませんでした。日本と同じように今年の夏は世界中至る所で記録的な暑さに見舞われ、小雨と猛暑で各地で山火事も発生してしまいました。英国では連日の猛暑と小雨による干ばつが深刻だったそうで政府は国民に対して節水を呼びかけました。その節水に関する具体的な項目の中に「干ばつのためPCの古いメールや画像をできるだけ削除するように」という内容の項目があり話題になりました。「干ばつとPC」何の関係があるのでしょう。どう考えてもPCと節水に接点は見いだせず、遂にはネットで関連の記事を検索し読み進めてみました。すると、もともとこの要請を政府にお願いした出どころはPCのデータセンターだそうです。PCのデータセンターでは常に水で機器を冷やしており、一人一人のユーザーが不要な古いデータへアクセスするたびにデータセンターの負担が増え、機器を冷却するための水の使用量が増えてしまう。そこでPCデータセンターの要請で、政府が国民に対して異例(?)の節水要請をしたということです。世の中には、一見関係のなさそうなことでも、結果として大きく関係していることがあるものだと考えさせられました。
確か、こんな状態を表すことわざがあったような・・・
校長室のひとりごと「第77回東葛飾地方中学校駅伝競走大会」
明日10月18日、第77回東葛飾地方中学校駅伝競走大会(東葛駅伝)が行われます。この地域でない方もいると思いますので、東葛駅伝について簡単に説明します。
今年で77回目を迎える歴史と伝統ある中学校の駅伝大会で、東葛地域、つまり野田市、流山市、柏市、松戸市、我孫子市、鎌ヶ谷市にある74の中学校が出場します。一斉に松戸市民劇場前を9:00にスタートし、野田市の清水公園(野田市総合公園陸上競技場)までの31.9kmを10区間でタスキをつなぎゴールを目指します。大学の駅伝大会ではお馴染みですが、中学校の駅伝大会で一般道路を規制し白バイが選手を先導する、ましてや70校を超えるチームが一斉に走る大会は全国でも珍しく、歴史と伝統だけではなく、その大会規模でも全国屈指です。第一回大会は終戦間もない昭和23年、創立間もない川間中を含む12校が出場し野田市立福田中学校が初代優勝校となりました。コロナで実施できない年もありましたが、道路事情、交通事情が変化した今もなお続いています。歴史ある大会ですから、皆さんの中にも中学時代に出場したり、また親子3代で出場したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。過去には、中学生時代に東葛駅伝を走った選手が、後に箱根駅伝やオリンピックに出場した日本を代表するような長距離ランナーもいます。どの学校の選手達も皆来る日も来る日も長い距離を走り、晴れて学校の代表としてタスキをつなぎます。川間中はもちろんですが、全ての学校の中学生を応援したいと思います。
校長室のひとりごと「3年生から受験生へ」
今日は3年生の保護者(生徒同席)を対象とした「第2回進路保護者会」が行われます。6月に第1回目の進路保護者会(生徒も同席)を行いましたが、そのときの内容は「進路開拓に向けて」「受験校の選び方」「夏休みの過ごし方」など受験生としての「心構え」が中心でした。生徒達は7月の「三者面談」を経て、各高校の「学校説明会」に参加し、自分の肌で各高校を知り、受験校を選び始めています。そして、決まりつつある受験校について「進路希望調査」を行い、間もなく始まる「三者面談」で最終的な受験校を絞っていくわけです。話を戻しますが、今回の進路保護者会では、具体的な進路関係の今後の予定や進路事務の進め方などについて教員と保護者、生徒達本人が共有し、自分が選んだ受験校に照らし合わせながら各自のスケジュール感を掴むことが主な目的です。
高校受験は毎年同じ高校でも少しずつ変化しています。かつては「紙」が主流だった出願も「インターネット出願」に代わるなど今年も様々な変化があるようです。各高校8月、9月に正式な受験日程、募集人員、受験制度など募集要項を発表しました。夏休み返上で受験勉強に励んできた受験生3年生にとって、またその家族にとっても、この第2回進路保護者会を境に「受験モード」に切り替わる、そんなきっかけになるのが「第2回進路保護者会」というわけです。
校長室のひとりごと「野田から世界へ!」
「ジョージア」という国をご存じでしょうか。日本では余り馴染みがないかもしれませんが「旧グルジア」と言えば少しはピンとくる方もいるかもしれません。この3連休中、野田市国際交流協会主催の野田市制施行75周年記念事業「講演会」に行ってきました。「野田から世界へ!ジョージア大使が語る国際交流」という演題で、ジョージアの大使「ティムラズ・レジャバ閣下」による講演です。レジャバ閣下は、幼少期から日本との関わりがあり、早稲田大学を卒業され「キッコーマン株式会社」に入社され、その後ジョージア外務省に入省され、2021年には特命全権大使に任命され現在に至っています。現在はSNSで積極的に情報発信するなど日本とジョージアの架け橋となり活躍されています。このような立派な方がなぜ野田で講演かというと、そうです、閣下にとって第二の故郷、それが野田だったからです。講演は、流暢な日本語で時折ユーモアを交えながらわかりやすく、ジョージアの歴史や文化、日本との関わりをお話しいただきました。招待された市内の中学生も終始目を輝かせながら話を聴き、講演後多くの質問を投げかけていました。
現在、ロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、同様に2008年ロシアとグルジアの間で紛争が勃発した暗い歴史もあり、ロシア語読みのグルジアから2015年に英語読みのジョージアに改名されました。そんなジョージアは約8000年もの歴史を持つワイン発祥の地で、訪問者を各家庭が作るワインと家庭料理、伝統の歌でもてなす文化が今も残っているそうです。コーカサス山脈と黒海に接する豊かな自然など、機会があれば一度訪れてみたいと思わされた講演会でした。
校長室のひとりごと「一つの区切り新たなスタート」
約半年間の開催だった「大阪・関西万博」も昨日閉幕しました。また、イスラエルとハマスの戦闘も停戦合意に基づき人質を解放する映像が報じられるなど、何か世の中の一つの区切りを迎えたように感じます。
学校はといえば今日から「令和7年度後期」がはじまりました。「実りの秋」「充実の秋」、生徒達には後期も様々な経験を通して「実りある」「充実した」学校生活を送ってほしいものです。1年間を「走り幅跳び」に例える(体育科教師なので)なら、4月に助走を始め、各学年共に徐々にスピードを上げ、9月には「共栄祭」「体育祭」など力強く大きく高く踏み切ることができました。この高さや力強さ、勢いをそのままに、まずは距離を伸ばすために空中での姿勢を整えなくてはなりません。気張り過ぎたり、脱力し過ぎたりと、どちらにしても空中で失速してしまいます。そして着地です。砂場に尻餅をつかないよう大きく手を上から後ろに振り、先を見据え上体を前傾します。着地の目標地点、3年生は「卒業式」、1.2年生は「修了式」が着地点の目標です。
WHOによると人間が活動するのに適している気温(室温)は18~22℃、湿度55%~65%だと示されています。まさにこれからの季節です。運動にしても勉強にしても読書にしても何にしても本気を出すのに丁度良い「実りの秋」「充実の秋」の到来です。皆さんは「何の秋」を目指しますか?