校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「体育」と「スポーツ」
10月14日は「スポーツの日」。この「スポーツの日」2019年までは「体育の日」と呼んでいました。2000年にハッピーマンデー法が制定されたことで、現在の10月の第2月曜日が「体育の日」となり毎年三連休になりましたがハッピーマンデー法の施行以前は、今日10月10日が「体育の日」でした。こちらの方が馴染み深いかもしれませんね。なぜ10月10日が「体育の日」だったかというと、1964年の東京五輪の開会式の日を記念してのことです。この10月10日、気象統計的に晴れの特異日だったためと言われています。余談ですが、1964年以前、10月の第一土曜日「スポーツの日」があったそうです。
今、佐賀県で開催されているのは「国民スポーツ大会」です。昨年までの「国民体育大会(国体)」が、今年の第78回大会から「国民スポーツ大会(国スポ)」と変更されました。
「体育の日がスポーツの日」に、「国体が国スポ」へと変更されたことは、個人的に大歓迎です。むしろもっと早く変更すべきだとも感じています。と言うのも「体育」とは教育用語で様々なスポーツを利用した「心身の健全な発育発達」が目的です。ですから「体育」と「スポーツ」を曖昧に横並びかのように使ってきたことが間違いだったのだと思います。体育からスポーツへと名称変更したのは「体を鍛えよう」から「スポーツを楽しもう」、そして純粋にスポーツとして各競技を競い合おうという「スポーツの日」「国民スポーツ大会」本来の目的に合った名称になったというわけです。
日本スポーツ界は長年、この曖昧な横並びの考えから、部活動など学校体育を基礎に位置付けられていたこともあり世界の強豪国に遅れをとっていました。しかし近年、体育とスポーツを区別したことで、専門的に競技力向上を目的としたジュニアスポーツの隆盛が、強豪国と肩を並べるようになったのでしょう。
校長室のひとりごと「氷河がなくなる?②」
ヨーロッパ氷河の融解が進んでいるという話をしてきましたが、その続編です。
地球温暖化により急激に氷河が解け出した結果、発見された人や物もここ数年で増加しているそうです。ヨーロッパの最高峰の一つマッターホルンでは氷河に沿って歩いていた登山家により37年前に行方不明となっていたドイツ人登山家の遺体が発見されました。温暖化により長い年月氷河に閉じ込められてきた遺体が、氷の表面が解け始めたことで、偶然発見されたものです。この他にも1942年、放牧の世話中に行方不明になっていた夫婦の遺体、1968年に墜落した飛行機の残骸、1979年に行方不明になっていた英国人登山家の遺体、1970年に嵐に巻き込まれ行方不明になっていた日本人登山家2名の遺体など、氷河が解け出したことで発見されているそうです。また第二次世界大戦中の軍服を着ている身元が明らかになっていない遺体や野生動物の遺体などが発見されているそうです。
1942年に家畜の放牧中に行方不明になっていた夫婦の娘(79歳)さんは「こんなことがあるなんて」「生きている間に再び両親に会えてとてもうれしい」と語っていたそうです。
いずれも冷凍で保存されてきたため当時の様子をうかがい知ることができるタイムマシンのようだと専門家は注目しており、様々な研究材料にもなっているそうです。
校長室のひとりごと「寒露(かんろ)」
昨日の暑さに打って変わり上着が欲しくなるような涼しい一日になりそうです。そんな今日は二十四節気の「寒露(かんろ)」です。これまでの「秋分」から「寒露」、朝晩ひんやりと肌寒く草木に露が宿る秋本番の季節になった頃を指します。また秋の長雨が終わり秋晴れが続く季節でもあります。
四季、季節の移り変わりがはっきりとしており、その季節ごとに美しい景色情景を見せる日本には、カレンダーのような数字で表される一般的な暦だけではなく、二十四節気のように、その時々を美しい語句で表す暦が伝わっています。この二十四節気は「春夏秋冬」を更に6つに分け、一年を均等に24等分したものです。ちなみに24のうちいくつ言えるでしょう。無知な私はこの機会にちょっと調べてみました。春、「立春」「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」。夏、「立夏」「小満」「芒種」「夏至」「小暑」「大暑」。秋、「立秋」「処暑」「白露」「秋分」「寒露」「霜降」。そして冬、「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」でした。半分も言えませんでした。
この二十四節気を更に三分割した「七十二侯」という暦もあるそうです。丁度今の時期は「寒露」の中の「鴻雁来賓(こうがんきたる)」だそうです。
世界広しとはいえ漢字を上手に使い季節を表す「二十四節気」「七十二侯」などの暦があるのは日本だけ、そんな四季、季節を満喫したいと思います。
校長室のひとりごと「氷河がなくなる?」
時折り雨が混じる中でしたが、先週金曜日に予定通り無事に体育祭を行いました。平日開催ということもあり駐車場も確保できず、おまけにあいにくの天気でしたが早朝より多くの皆さんにご参観いただきました。本当にありがとうございました。
ところで、この場でも、何度となく気候変動、地球温暖化について話題にしてきましたが、今日もその関連です。地球温暖化を語る際に一般的によく出てくる話として、氷河が溶け始め、その影響で海面が上昇してしまう。日本では、まだ実害が少ないためか、一般論として聞き流してしまいがちですが、実際にモルディブやマーシャル諸島などでは既に被害が出ているとも報じられています。
今月1日、スイスでの氷河調査の結果が公表されました。それは今年に入り氷河全体の2.5%が解け過去10年間の平均を上回ったということです。調査団体によると「温暖化でこの傾向が続けばスイス氷河にとって大惨事になる。今世紀末までに完全に消滅するだろう」とコメントしています。スイスをはじめ欧州では当然日本よりもこの問題を重く受け止められており事態は深刻化しています。スイスとイタリアの氷河上の国境を変更することが両国で決まっているそうです。この国境変更では、ヨーロッパの最高峰マッターホルンの麓のスキー場などにも影響してくるそうです。
実は、この一連の氷河が解けた水が物凄い勢いで海へと流れ続ける映像を、TV報道で見ましたが、あまりにも衝撃的で恐ろしささえ感じました。確実に地球が悲鳴をあげているとも感じました。
校長室のひとりごと「体育祭」
10月というのに暑い日が続きます。今日の予想最高気温は30℃超えですが体育祭を行います。先週が川創祭だったこともあり実質1週間という限られた練習期間でしたが、生徒たちは3年生を中心に競技の練習に応援練習にと取り組んできました。
学校の雰囲気自体も、先週の「文化的」と打って変わって、合唱の歌声から応援の叫び声を張り上げ、本格的に「体育的」各色の優勝、応援賞を目指し取り組んできました。本校は若い先生方が多く生徒たちに混じって、大声を張り上げ応援したり、一緒にダンスを踊ったりと一気に「体育祭モード」の一週間でした。
今年の体育祭のスローガンは「Break the Limit ~敗北は受けつけない~」です。練習からこのスローガンのように「限界を超える」勢いですべてに全力で取り組む生徒たちの姿には関心、いや感動すら覚えるほどでした。わずか3年間の中学校生活、時にはクラス全員で互いを思いやりながら一曲の合唱を仕上げ、それを歌いきることの満足感と達成感、そして時には、今までの自分を超えるかのようにガムシャラに踊ったり、競技したり応援したり…
そんな青春の1ページとも言える貴重な時間を全校生徒で共有することの清々しさ、素晴らしさを、体育祭を通して生徒たちには経験してほしいと思っています。
そして、そんなキラキラ輝く時間を生徒たちと一緒に過ごすことができる中学校の教員という職業に就いていることの幸せを実感するとともに、これこそ教員の醍醐味だと感じています。
今日の体育祭が無事に終わりますように…