ほごログ(文化財課ブログ)

2025年6月の記事一覧

夏季展示「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」のチラシ

夏季展示のチラシのデザインが出来上がりました。

画像:チラシ

春日部市市制施行20周年の記念の年の夏季展示は、春日部の特産品「麦わら帽子」をテーマにしました。

題字は、春日部女子高の書道部の生徒さんにご協力いただき、揮毫いただきました。定型化されたパソコンのフォントとは違い、手書きならではの温もりがあって、イイ感じになりました。春女とのコラボは初の試みです。

背景の写真は、粕壁の大通りで帽子製造をされていたお宅から提供いただいた、昭和31年(1956)12月、麦わら帽子の寒干しの様子。麦わら帽子は、麦稈真田を水で湿らせながら縫製、型入れの工程を進めますので、その都度都度に帽子を乾燥して製造されています。乾燥に適しているのが、一年のなかで最も湿度が低い冬場。夏にかぶる麦わら帽子を冬場に干すというのが、帽子のまち=「帽都」春日部の風物詩でもあります。

展示図録(パンフレット)、関連イベントについても絶賛準備中です。詳しくは後報をお待ちください。

麦わら帽子の関係者の方がいらっしゃいましたら、資料・情報を提供いただけますと幸いです。

【展示情報】

展示会名:春日部市郷土資料館夏季展示(第72回)「麦わらのかすかべ~帽都いま・むかし~」

会  期:令和7年7月23日(水)~9月7日(日) 月曜・祝日休館

会  場:春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15 教育センター内)

入  館  料:無料

 

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】幸手市郷土資料館でリレー展示が開催されています

幸手市郷土資料館で東部地区文化財担当者会リレー展示「埼玉東部と古代の幸手」が開催されています。

令和7年度企画展『埼玉東部と古代の幸手』(幸手市ホームページ)

幸手市郷土資料館は、幸手市大字下宇和田にあります。平成30年にオープンした資料館です。

企画展示は、歴史展示室内の企画展示のコーナーで開催されているほか、ロビーにパネルが展示されています。

  

特大の東部地区の地形図を、今後のリレー展示開催館の場所とともに展示しています。

幸手市ではこれまで、下総台地上の槇野地北遺跡で、奈良時代の竪穴建物跡11軒、平安時代の竪穴建物跡2軒が確認されています。今回の展示では、槇野地北遺跡から出土した代表的な資料をまとめて展示しています。

幸手市郷土資料館には、昭和24年(1949)5月に竣工した旧吉田村立吉田中学校の木造校舎が残されており、民具展示室として使われています。あわせてご見学ください。

 

東部地区文化財担当者会報告書第9集「埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」も好評発売中です。詳しくはこちら

 

展示の詳細は下記の通りです。6月29日には、関連した内容で市史講座も開催されます。

●幸手市郷土資料館会場「埼玉東部と古代の幸手」

開催期間 令和7年6月3日(火曜日)~7月21日(月曜日・祝日)

開催場所 幸手市郷土資料館 幸手市大字下宇和田58番地4

(東武スカイツリーライン 東武動物公園駅下車朝日バス 境車庫行き「吉田橋」下車徒歩約5分)

開館時間 午前9時から午後5時まで

休館日 毎週月曜日(7月21日は開館)

お問い合わせ (0480)47-2521

 

(関連事業)第23回市史講座日時 : 令和7年6月29日(日曜日)  午後1時30分~午後3時30分

内容 :『埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡』

講師 : 鬼塚 知典 (春日部市郷土資料館学芸員、埼玉県東部地区部文化財担当者会考古部会部会長)

場所 : 幸手市郷土資料館 2階講座室

定員 : 30名(先着順)

申込 : 令和7年6月10日(火曜日)午前9時から 電話にて受付

 

*リレー展示「都鳥が見た古代」は、下記日程で開催予定です。

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示

古文書勉強会、館蔵の古文書を定期的に講読しています。

6月1日、古文書勉強会を開催しました。郷土資料館では、市民の皆さんと館蔵の古文書を読む「古文書勉強会」を定期的に実施しております。

写真:古文書勉強会の模様

今、講読している史料は、元治2年(1865)「御神忌日記」というものです。

この年は、徳川家康の二百五十回忌にあたり、家康の命日の4月17日の日光山で大規模な回忌法要が実施されました。この史料は、武蔵国埼玉郡中野村(現武里中野地区)の翁助という人物が書き残したもので、この年の2月から4月までの記事が日記仕立てで記されているものです。翁助は、代官から御神忌の祭礼の裏方(下役)に命じられ、日光に向かい御用を果たしました。翁助が携わった具体的な御用の中身はよくわからないのですが、中野村から日光まで往路には様々な事を見聞きしたこと、日光山内に入ってからも近隣を見分したことを記録しており、道中記としても面白い記事です。

本史料は今年の1月から読み始め、途中、難解な文字、解釈が難しい部分がありましたが、どうにか山場は越え、終盤にはいってきました。

今回、講読したところは、御神忌の祭礼に参席した京の公卿の名前、泊まった宿坊、翁助と同様に関東地方の農村から下役として動員された人名、地名が列記されている部分でした。

固有名詞を読むほうが却って大変で、皆さん苦戦されていました。ただ、地名事典や人名事典、また関連史料を確認して、入念に調べていただいた方もおり、どうにか地名・人名を確定することができました。

本史料・参考史料の記述が絶対に正しいというわけでもないので、比較検討をし、地名・人名をきちんと事実を確定しながら、史料を読む必要性を感じていただけたように思えます。

「調べてまでして読まないとダメなのですか」と弱音を吐く方もおられましたが、実はそれが史料(古文書)を読む、ということなのだと思います。

次回は、7月5日(土)14時~です。

 

上映会とトークショーのダイジェスト動画が公開されました

先日、3月1日(土)に、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ(川口市)で開催した、令和6年度映像公開ライブラリー上映会とトークショー「春日部大凧あげの魅力」の模様が、ダイジェスト版でYouTubeに公開されました。

 

映像の製作・保存管理を専門とする、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの制作・編集とあって、とてもよく仕上がっています。動画は、西宝珠花の歴史のこと、大凧あげにかける保存会の皆さんの思いが伝わるものになっています。ぜひご覧ください。