ほごログ(文化財課ブログ)

2019年11月の記事一覧

神明貝塚のシンポジウムを開催しました

11月24日(日)、『「和食」のルーツ?3800年前の縄文人の食文化』というテーマのもと3人の先生をお招きし、シンポジウムを開催しました。ちなみに11月24日は偶然にも「和食の日」でした。(担当者も全く意図していませんでした…)

会場の様子
市内外、さらには県外から多くのお客様にご来場していただき、シンポジウム全体の参加者は130名を超えました!!

担当者の報告
最初に文化財保護課の調査担当者から「神明貝塚で発掘された動物、植物、人骨」と題し、報告を行い、神明貝塚の縄文人は海の幸だけでなく、陸上の動植物を多く食べていることが分かりました。

植月先生の講演
続いて講演では、植月学先生が「神明貝塚人の食を彩った魚と肉」と題し、動物考古学の観点からお話しいただきました。特にフグ(トラフグ)がどこからやってきたのか、受講者の皆さんも興味深く聞いていらっしゃいました。

佐々木先生の講演
佐々木由香先生は植物考古学の専門家で、「神明貝塚で利用された植物からみた縄文時代の植物資源利用」と題し、縄文人の植物資源の利用についてご講演いただききました。クリは食物だけではなく木材として利用されたことや、土器に残る植物の種実や昆虫の圧痕から、多種多様な植物の利用があったことをお話しいただきました。

阿部先生の講演
阿部先生は考古学の立場から、「縄文後期と神明貝塚の生業」と題し、調理具として使用された縄文土器にスポットをあて食文化の発達についてお話しいただきました。また昨年のシンポジウムでも話題となった「塩作り」のお話も聞け、こちらも会場から大きな関心を集めていました。

パネルディスカッションの様子
最後に4名の講師によるパネルディスカッションを行いました。それぞれの専門領域から神明貝塚の縄文人の多様な食文化を垣間見ることができたと思います。身近にある旬な食材を利用した食文化であったことも「和食」というテーマにつなげることができました。


来年以降もテーマを変えシンポジウムを開催する予定となっています。引き続き神明貝塚へのご理解、ご協力をよろしくお願いします。