2019年5月の記事一覧
春日部の旧石器時代―指定文化財でめぐる春日部
現在第60回企画展示「指定文化財でめぐる春日部」開催中です。
今回は、企画展示で展示中の春日部市指定文化財、「坊荒句(ぼうあらく)遺跡出土旧石器時代旧石器時代石器群」、「慈恩寺原北(じおんじばらきた)遺跡出土旧石器時代石器群」、「風早(かざはや)遺跡出土旧石器時代局部磨製石斧(きょくぶませいせきふ)」を中心に、春日部市域の旧石器時代をご紹介します。
風早遺跡の局部磨製石斧
これらの石器が使われた約3万年前、地球は最終氷期にあたり、現在よりも気温が6~7℃低く、海水面も80mほど低かったと考えられています。北海道はサハリンを通じてユーラシア大陸とつながっていました。
春日部市域では、展示されている3遺跡とともに、10遺跡から旧石器時代の石器が発見されています。いずれも関東ローム層と呼ばれる土の中から石器のみが出土しています。
さらに、約2万8000年前に噴火した鹿児島県の姶良(あいら)カルデラの火山灰は広域に飛散し、この火山灰の堆積層(AT層)を境に、旧石器時代の新旧が分けられています。
坊荒句遺跡の旧石器
展示されている春日部市域の石器群は、AT層よりも下層から出土したもので、約3万年前のものと考えられています。またAT層よりも上層からは、ナイフ形石器や細石器と呼ばれる石器が出土しています。
石器に使われる石材は、黒曜石やチャート、珪質頁岩など様々です。慈恩寺原北遺跡では、玉髄やガラス質黒色安山岩など実に6種類の石材が使われています。
石材の中で特に黒曜石は、産地の研究が進んでおり、春日部市域の遺跡で発見された石器には、栃木県の高原山や長野県の和田峠、伊豆諸島の神津島などの石が使われていることが判明しています。
慈恩寺原北遺跡の旧石器
風早遺跡の局部磨製石斧『新編図録春日部の歴史』からのご紹介53
今回は、企画展示で展示中の春日部市指定文化財、「坊荒句(ぼうあらく)遺跡出土旧石器時代旧石器時代石器群」、「慈恩寺原北(じおんじばらきた)遺跡出土旧石器時代石器群」、「風早(かざはや)遺跡出土旧石器時代局部磨製石斧(きょくぶませいせきふ)」を中心に、春日部市域の旧石器時代をご紹介します。
風早遺跡の局部磨製石斧
これらの石器が使われた約3万年前、地球は最終氷期にあたり、現在よりも気温が6~7℃低く、海水面も80mほど低かったと考えられています。北海道はサハリンを通じてユーラシア大陸とつながっていました。
春日部市域では、展示されている3遺跡とともに、10遺跡から旧石器時代の石器が発見されています。いずれも関東ローム層と呼ばれる土の中から石器のみが出土しています。
さらに、約2万8000年前に噴火した鹿児島県の姶良(あいら)カルデラの火山灰は広域に飛散し、この火山灰の堆積層(AT層)を境に、旧石器時代の新旧が分けられています。
坊荒句遺跡の旧石器
展示されている春日部市域の石器群は、AT層よりも下層から出土したもので、約3万年前のものと考えられています。またAT層よりも上層からは、ナイフ形石器や細石器と呼ばれる石器が出土しています。
石器に使われる石材は、黒曜石やチャート、珪質頁岩など様々です。慈恩寺原北遺跡では、玉髄やガラス質黒色安山岩など実に6種類の石材が使われています。
石材の中で特に黒曜石は、産地の研究が進んでおり、春日部市域の遺跡で発見された石器には、栃木県の高原山や長野県の和田峠、伊豆諸島の神津島などの石が使われていることが判明しています。
慈恩寺原北遺跡の旧石器
風早遺跡の局部磨製石斧『新編図録春日部の歴史』からのご紹介53