ほごログ(文化財課ブログ)

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粕壁宿めぐりが開催されました。

9月19日(水)と9月27日(木)に「粕壁宿めぐり」が開催されました。
 
宿場町とは、幕府から宿駅業務を行うように指定された町のことで、粕壁宿は江戸日本橋を起点にする日光道中第4の宿場でした。
かつて粕壁宿の街並みがあった現在のかすかべ大通を、参加者の皆さんと一緒に巡りました。

◆宿内の解説板をたどりながら、近世~近代にかけての歴史について文化財保護課職員がご案内しました。



◆かすかべ大通り沿道周辺は、平成28年度に埼玉県より「歴史のみち景観モデル地区」に指定され景観上重要な地区となっているため、都市計画課の職員が取り組みについてご紹介しました。



◆様々な「こだわり」のもと生み出された春日部ならではの優れた食品を「かすかべフードセレクション」として認定しています。かすかべ大通り周辺にある認定品を取り扱う店舗を観光振興課の職員がご案内しました。



また、田村荒物店さんのご協力で、蔵の中も見学させていただくことができました。参加者からは、「貴重な体験ができた」、「春日部に長く住みながらも、身近な歴史を学ぶ機会がなく、大変有意義なひと時になった」との声が多くありました。9月27日はあいにくの雨となってしまいましたが、ご参加いただきありがとうございました。両日とも無事に終了することができました。

来年度も広報かすかべ等で募集をしますので、ご応募お待ちしています。

総武鉄道の開通『新編図録春日部の歴史』ーその63

昭和5年(1930)10月1日、東武アーバンパークライン(野田線)の前身である総武(そうぶ)鉄道が全線開通しました。

東武野田線の起源は、明治44年(1911)に柏駅ー野田町駅(現野田市駅)間に開通した千葉県営鉄道野田線です。大正12年(1923)には、当時の野田町有志が設立した北総鉄道に払い下げられました。北総鉄道は、野田町駅から粕壁駅を経て、大宮駅までを結ぶ新線の敷設(ふせつ)免許を受け、昭和3年(1928)に建設を開始しました。
工事の進行に合わせて部分的に開通し、最後に江戸川を渡る橋の完成をもって全線開通となりました。また、北総鉄道は、昭和4年(1929)に総武鉄道と会社名を変更し、昭和19年(1944)に東武鉄道と合併しました。

写真の庄内古川橋梁(きょうりょう)は、藤の牛島駅、南桜井駅間に、昭和5年に開通したトラス橋で、”プラットトラス”と呼ばれる特徴的な構造で作られています。

「総武鉄道の開通」『新編図録 春日部の歴史』194ページ

庄内古川橋梁

豊野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年9月28日に豊野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

時代とともに変わっていった春日部を学芸員から説明を聞いたり、少し昔の生活について、説明を聞くだけでなく、当時使っていた物を触ったりして体験しました。

見学の様子

80年前の8歳の小学生の平均身長のパネルと背比べ♪
見学の様子

見学の様子

郷土資料館では、10月2日(火)から3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

神明貝塚の巡回展が始まります

平成30年9月16日に惜しまれながら幕を閉じました「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展(郷土資料館開催)の一部が市内各所を巡ることとなりました!

さすがに郷土資料館での開催時のボリュームとまではいきませんが、神明貝塚の暮らしの様子を形作ったジオラマやパネルを中心に、先の企画展を”ギュッ”と凝縮した内容となっています。

巡回展の第一弾は、神明貝塚の地元でもあります庄和地区の庄和総合支所にて明日(9月28日)から開催します。是非ご覧いただければと思います!
また現在のところ曜日(休日祝日を除く)は決まっていませんが、神明貝塚の紹介動画を1階イベント情報コーナーで上映します。こちらも是非ご視聴ください。さらに支所に併設されています庄和図書館でも神明貝塚に関わる特集コーナーが開設されています。季節柄、読書の秋として、縄文人にアプローチしてはいかがでしょうか。




場 所:庄和総合支所(春日部市金崎839番地1)  1階エントランス
期 間:平成30年9月28日(金)~平成31年1月22日(火)(予定)

花蔵院の四脚門『新編図録春日部の歴史』ーその62

西金野井に所在する花蔵院(けぞういん)は、新義真言宗豊山派(しんぎしんごんしゅうぶざんは)のお寺です。永禄(えいろく)年間(1558~1570)に創建されたといわれます。
花蔵院にある四脚門(しきゃくもん)は、江戸時代中期の建立(こんりゅう)と考えられています。「四脚門」とは、2本の本柱のほかに前後に2本ずつ計4本の袖柱がある門の形式です。
花蔵院の四脚門は、多くの装飾や彫刻をもち、彩色(さいしき)が施されていた痕跡が残っています。昭和30年に埼玉県の有形文化財(建造物)に指定されました。

花蔵院は、当初、現在の江戸川の河川敷にあたる位置に建てられましたが、江戸川の改修工事により大正4年(1915)、昭和27年(1952)の2回にわたり、本堂、四脚門が移転しました。
平成19年(2007)~平成21年(2009)にかけて、四脚門は半解体修理を行い、建物のゆがみの改善や瓦屋根の軽量化がはかられました。さらに将来への保存に向けて、彩色の痕跡の剥落(はくらく)止めなども行いました。

花蔵院の四脚門」春日部市教育委員会サイト
「春日部の寺院」『新編図録 春日部の歴史』105ページ

花蔵院の四脚門
花蔵院の四脚門
花蔵院彩色復元
彩色の復元図

神明貝塚のキャラクター名が決まりました

9月16日(日)まで開催していた「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の会期中に皆様にご投票いただいた、神明貝塚のオリジナルキャラクター(女の子と土偶)の名前が決まりましたので、結果を発表いたします。
写真:キャラクターふたり
その名は......
「めいちゃん」(女の子)、「ぐうすけ」(土偶)
です!

ここだけの話、担当者の予想に反する結果でした。やはり、春日部には「しんちゃん」は、某永遠の5歳児ただ一人だけなのですね。
余談に次ぐ余談で恐縮ですが、愛らしい土偶の「ぐうすけ」は、展示会のパネルのなかで、豊かな表情をみせてくれました。なかでも私のお気に入りは、このイラストですイラスト:埋葬するぐうすけ
埋葬する悲しいシーンですが、仲間がいたんですね!そして、亡くなったもう一人の土偶の表情が何とも言えないです。

多くの皆さまにご投票いただき、ありがとうございました。
これからも神明貝塚と、めいちゃん・ぐうすけをよろしくお願いします。
写真:めいちゃんとぐうすけ


≪投票結果≫
女の子(投票総数360票)
・めいちゃん  174票
・めいかちゃん 85票
・どきみちゃん 52票
・もんちゃん     49票

土偶(投票総数355票)
・ぐうすけ  174票
・しんちゃん 107票
・おやっきー   42票
・しんくん    32票
写真:投票のパネル

展示会は今日終わりますが、神明貝塚は永久に不滅です

本日(9月16日)が最終日となった「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展。その最後を飾るギャラリートーク(学芸員による展示解説)を開催しました。

午前の回、午後の回とも、最終日とあって、これまで以上に多くのみなさんにご参加いただきました。

写真:午前の様子

写真:午後の様子
展示会も終盤にかけて、よりコアな縄文好きの方がいらっしゃる傾向がありましたが、本日も、すでに展示を何度かご覧になった方や、縄文ファン(もとい神明貝塚ファン)の方にお集まりいただき、質問が飛び交うなかでギャラリートークが進みました。

また、神明貝塚から出土した土器を実際に触っていただきました。真剣に話を聞いている方も、「意外と軽い」などと土器を抱えるときには笑みをこぼしていました。ギャラリートークが終了しても、学芸員に質問する方、詳しく話を聞く方で終始にぎやかな一日となりました。

写真:土器にさわる
展示会や各種のイベントを通じて、春日部市の神明貝塚の認知度が少しは上がったでしょうか。

展示会は今日終わりますが、神明貝塚は永久に不滅です!
…と胸をはっていえるよう、今後も、遺跡の保存・活用に取り組んでまいりたいと思います。皆さまのご協力のほど、よろしくお願いいたします。
神明貝塚、まだまだこれからです。

内牧塚内古墳群『新編図録春日部の歴史』ーその61

内牧にある塚内古墳群の塚内4号墳は、昭和52年に発掘調査が行われ、様々な副葬品が発掘されました。(過去の記事:内牧塚内4号墳から発掘された直刀発見された副葬品は全て春日部市指定文化財に指定され、一部は春日部市郷土資料館で展示しています。

埴輪(はにわ)は人物埴輪や円筒埴輪(えんとうはにわ)が発見されましたが、今回は円筒埴輪についてご紹介します。
塚内4号墳からは、下総型(しもうさがた)と武蔵型(むさしがた)と呼ばれる2種類の円筒埴輪が発見されています。これらは簡単に見分けることができ、下総型は全体的にスリムで、表面には突帯(とったい)と呼ばれる粘土の帯が3本付けられています。これに対し武蔵型は、埴輪の高さが低く、突帯も2本という特徴があります。さらにデザインだけでなく、焼き上がりの色や素材の粘土の質も異なっています。

春日部市周辺の古墳では、一つの古墳に使われる円筒埴輪は、武蔵型、下総型のどちらか一方の円筒埴輪が使われることが一般的ですが、塚内4号墳はその両方が使われる唯一の事例です。これら2種類の円筒埴輪が使われた塚内4号墳は、現在の千葉県方面にあたる下総地域と埼玉県から東京都にあたる武蔵地域の境界に立地していたことを良く示しています。

塚内4号墳の埴輪は、行田市のさきたま史跡の博物館で9月15日から開催される「埼玉の古墳3-北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾-」に出展されます。さきたま古墳群をはじめとする埼玉県東部地域の古墳が一挙に紹介されます。ぜひお出かけください。

さきたま史跡の博物館「埼玉の古墳3-北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾-」
会期:平成30年9月15日(土)~11月14日(水)
開館時間:9時~16時30分(最終入館は16時まで)
休館日:月曜日(9月17、24日、10月8日、11月5日は開館)
会場:埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市埼玉4834)
さきたま史跡の博物館サイト

*塚内4号墳出土の「下総型埴輪」は、「下総型埴輪」が成立する以前のものであることから「下総系埴輪」と呼ばれることもあります。
「武蔵の埴輪と下総の埴輪」『新編図録 春日部の歴史』28ページ

武蔵形埴輪
武蔵型円筒埴輪
下総型埴輪
下総型円筒埴輪

動画で解説!神明貝塚(最終日)

本日(9/12)、春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベント「動画で解説!神明貝塚」の6回目(最終日)を開催しました。

このイベントは、展示室で神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説するものです。会期中、毎週水曜日に開催してきましたが、最終日とあって、多くの皆様においでいただきました。
まずは、動画の上映です。神明貝塚が後世に遺していくべき遺跡であることが紹介されます。本日が上映の最終日でしたが、動画は世界中でいつでもユーチューブでご覧いただけます。
写真:動画上映

その後、展示室に移動して、学芸員が展示解説をしました。

こちらも、最終日ともあって、解説する学芸員もいつも以上に熱が入っていたようでした。また、皆さんも、熱いまなざしで縄文人を見つめていました。
写真:縄文人をみつめる皆さん

「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展は9/16(日)まで。最終日の9/16(日)にはギャラリートークも開催します。担当者が展示を解説するのは、本当にもう最後です。お見逃しなく!!

手作り季節展示を展示してます♪

十五夜・十三夜をテーマとした手作り季節展示を展示中です。   
可愛い"うさぎ"が月見団子を前にお月見をしています。    
一緒に月見をしませんか?

季節展示

郷土資料館の9月の休館日は、毎週月曜と18日(火)および、臨時休館の22日(土)と祝日の23日(日)となりますので、ご注意ください。