ほごログ(文化財課ブログ)

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郷土資料館体験ワークショップを開催しました

令和4年3月20日(日)に、郷土資料館体験ワークショップ「発泡スチロールひこうきを作ろう」を開催しました。

 

広報かすかべ3月号に郷土資料館が特集されたこともあってか、いつもより参加される方が多く、特に人数が多かった午前中は密を避けるため、展示室内で二手にわかれて開催しました!

 

まずは蓄音機でレコード鑑賞の時間です。

レコード鑑賞風景

音の出口である開口部を開くと音が大きくなり、びっくりしてしまう子もいるほどの音量になります!

 

発泡スチロールひこうき作製風景

そして今回作る昔のおもちゃは「発泡スチロールひこうき」!

材料は食品トレーや、展示で使用するパネルの切れ端など、なるべく廃材を利用しています。

完成したひこうきは資料館内では飛ばせないので、ホールにでて飛ばしました!

 

ひこうき飛ばし風景

飛ぶって、、、ロマンですよね。。。私だけでしょうか(笑)

 

オリジナル缶バッジ

最後にお土産の缶バッジ作りです!

今回はおもちゃのひこうきに乗るうめわかくんとぐうすけです!背景が空のようになっているのもポイント♪

 

今年度の体験ワークショップはこれにて終了となります!

子供から「来月はなにやるの?」という期待の声をいただいたのですが、来月の開催はないんです。。ごめんね!

また夏ごろに開催を予定していますので、その時はぜひまた来てください!ありがとうございました!

 

旧倉松第二調整池の河津桜  #桜咲くかすかべ

#桜咲くかすかべ

郷土資料館では、桜咲くかすかべに協力しています。

不動院野の旧倉松第二調整池では、河津桜が見ごろを迎えています。写真は令和4年3月12日(土)撮影のものです。

旧倉松第二調整池

この桜は平成18年5月に春日部ロータリークラブが植樹したものです。

昨年、かすかべ特派員であった山本さんが春日部ロータリークラブの方にお話を聞いて経緯をまとめてくださっています。

春日部市特派員だより:旧倉松第二調整池の河津桜(令和3年3月9日)山本特派員

 

 

旧倉松第二調節池が設置されている旧倉松川は、もとは倉松落(くらまつおとし)といい、江戸時代初期に整備されました。現在の幸手市にあった志手沼(しでぬま)から、杉戸町を経て春日部市の八丁目で古利根川に排水されました。倉松落は悪水路として水田の排水を担っていましたが、大雨が降ると古利根川の水位が上昇し、倉松落に水が逆流することから、明治24年(1891)、逆流を止めるため、八丁目にめがね橋(埼玉県指定有形文化財・倉松落大口逆除(くらまつおとしおおぐちさかよけ))が設置されました。

その後、排水不良を改善するため、昭和8年から15年(1933〜1940)に行われた河川改修により、倉松川の本流は、杉戸町本郷で分岐し、春日部市牛島で中川(庄内古川)に排水する流路に改められ、旧流路は旧倉松川や旧倉松落と呼ばれるようになりました。

平成12年(2000)、小渕地区と不動院野地区の浸水被害軽減を目的として、旧倉松川の流路をもとに旧倉松第二調整池が設置されました。さらに平成18年(2006)には、旧倉松第二調節池の南側に首都圏外郭放水路第四立坑が設置され、さらなる浸水被害の軽減が図られています。

旧倉松第二調節池は、周囲の堤防上に遊歩道があり、自然豊かな環境でウォーキングが楽しめます。地域の方々を中心に「旧倉松落第二調節池を守る会」が組織され、環境が整えられています。

 

参考文献

埼玉県『中川水系 III 人文』1993年

杉戸町役場(町史編さん室)『杉戸町史 通史編』2005年

 

【3月14日】 #今日は何の日? in春日部

3月14日はホワイトデー。いやいや、春日部市郷土資料館的には硬派に「多田新十郎の日」としましょう。 #かすかべプラスワン

今から453年前の3月14日(旧暦)は、北条氏政が多田新十郎に感状を発給した日です。時は戦国時代。永禄11年(1568)12月、武田信玄は相甲駿の三国同盟を破り、駿河国の今川氏を攻めました。今川氏真の義兄にあたる北条氏政は、氏真救出のため駿河に出陣し、現在の静岡県静岡市の薩た山(たは土篇に垂、以下同じ)付近で武田軍と衝突しました。この合戦を薩た峠の戦いといいます。

多田新十郎は、はじめは甲斐の武田氏に仕えていましたが、主君に諫言して退身し、岩付城主太田資正に従ったという土豪武士です。のちに小田原北条氏に仕え、この時に戦功をあげ、北条氏政から感状を与えられました。

その感状はこちらです。釈文などは、こちらをご覧ください。

「多田新十郎は、春日部と関係ないじゃん」と思った方は鋭いですね。その通り、新十郎と春日部は直接関係はないようです。すでに江戸時代には、新十郎が亡くなった年月や墓所すらも不明とされていますから、春日部に住んでいたのかも、春日部で亡くなったのかもわかっていません。

ただ、新十郎の子どもたち三兄弟がそれぞれ粕壁に住み、江戸時代の初めに宿場町が整備された時に、開発の主導的な役割を果たしました(草分け百姓)。その後、三兄弟の家は、江戸時代には関根姓、明治以降には多田姓を名乗り、近世・近代の粕壁宿・町の名主や町長などを歴任してきました。上の感状は、三兄弟の系譜をひく多田家に伝来したものです。

そういうわけで、多田新十郎のご子孫は粕壁、春日部の歴史に深いかかわりがあるのです。歴史に「たら」「れば」はありませんが、多田新十郎が活躍しなかったら、感状を拝領していなかったら、今日の春日部はなかったかもしれません。

もうひとつ。春日部ゆかりの中世の古文書はほとんどありません。その意味でも大変貴重な地域の資料なのです。 

春日部ゆかりの中世文書は限られていますので、また中世文書シリーズで「今日は何の日」をお知らせしたいと思います。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月27日版4月28日版9月16日版

【画竜点睛】「牛島のフジ」展におススメ資料が加わりました

「NSNM牛島のフジ」展に新たな資料が加わりました。今回の目玉でもある「北白川宮能久親王所用の草履」(埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵)です。

北白川宮能久親王所要の草履(埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵)

牛島のフジには、明治・大正・昭和の政治家や文化人が多数訪れています。

ただ、江戸時代の状況はよくわかっていません。そうしたなかで、明治10年の史料に伝聞の情報ではありますが、幕末(慶応年間)には輪王寺宮が牛島のフジに訪れ、観覧したことがわかっています。慶応年間の輪王寺宮は、公現法親王という人で、明治3年(1870)に宮家の北白川家を継いだ、北白川宮能久です。明治33年(1900)刊の『藤の紫折』にも北白川宮能久が訪れたことが触れられています(以前紹介しました)。

今回、追加展示した、「北白川宮能久親王所用の草履」は、明治5年(1872)に能久が日光参拝の折に、幸手宿に宿泊した際に使用したと伝えられるものです。牛島のフジの観覧時のものではないのですが、観藤者ゆかりの品として、また、市内の内牧地区の旧家に伝来した春日部ゆかりのものとして展示しました。高貴な方が使った草履とあって、非常に丁寧に作られています。

ぜひ、ご覧ください。

3/27考古学講座「米島貝塚を探る」を開催します

3月27日(日)に、考古学講座「米島貝塚を探る」を開催します。

米島貝塚は、庄和地区の米島に所在し、昭和36年(1961)に住宅地開発に先立つ発掘調査が行われました。調査では、縄文時代前期の「黒浜式土器」が多く発見され、黒浜式土器の移り変わりが研究されました。

米島貝塚の黒浜式土器のうち2点は、「米島貝塚出土黒浜式土器」として、春日部市指定文化財に指定されています。米島貝塚出土黒浜式土器過去の記事:米島貝塚出土黒浜式土器ー指定文化財でめぐる春日部

 

<考古学講座「米島貝塚を探る」>

日時:3月27日(日)午前10時~12時

場所:教育センター2階 視聴覚ホール

定員:30人

申込:郷土資料館に直接、または電話(048-763-2455)または電子申請

*新型コロナウイルス感染症の状況によっては中止することがあります。

春日部市指定文化財米島貝塚出土黒浜式土器

 春日部市指定文化財「米島貝塚出土黒浜式土器」

【体験ワークショップ】発泡スチロールひこうきをつくろう!

3月20日(日)に体験ワークショップを開催します。

体験ワークショップでは、蓄音機の上演と昔のおもちゃづくりをします。

今回つくる昔のおもちゃは「発泡スチロールひこうき」です。

 

発泡スチロールひこうき写真

昔、近所の駄菓子屋に発泡スチロール製のかるーいひこうき、売っていませんでしたか?

今回は食品トレイを利用して、そのおもちゃを再現してみました。

 

駄菓子屋も少なくなってきた昨今ですから、今の子はなかなか見る機会も少ないのではないでしょうか。

懐かしの文化を伝える郷土資料館で、一緒に作ってみましょう♪

 

申し込み不要、おもちゃの材料も資料館で用意しております!

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【体験ワークショップ】

日時:令和4年3月20日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機の上演

   昔のおもちゃづくり(発泡スチロールひこうき)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館におこしください)

※新型コロナウイルス感染防止のため、参加者多数の場合、人数制限をさせていただく場合がございます。当日はマスクを着用いただき、体調が優れない場合は参加をお控えください。

春のミニ企画展「NSNM牛島のフジ」展やります!

 #牛島のフジは伊達じゃない!! 

企画展示の合間をぬって、そんなメッセージを込めたミニ企画展を開催します。

今回は、昨年度好評だった「渋沢栄一もみた春日部の藤」展を継承しつつ、国特別天然記念物牛島のフジにフィーチャーし、牛島のフジと春日部の町のあゆみを紹介するものです。

展示名称は、国特別天然記念物(National Special Natural Monument)の頭文字をとって、「NSNM牛島のフジ」展です。藤で、国特別天然記念物は牛島のフジが唯一です。けれども、特別天然記念物である自体がスゴイことではなく、牛島のフジをめぐって人々が歩んできた、歴史こそが唯一無二なのです。NSNMや渋沢栄一のネームバリューに頼らずとも、一本立ちの魅力がつまった牛島のフジ。新出資料も出展します。

関連イベントも予定しています。ぜひ、郷土資料館にお立ち寄りください。

画像:チラシ

会期 令和4年3月8日(火)~5月1日(日) *月曜祝日は休館

会場 春日部市郷土資料館 企画展示室(春日部市粕壁東3-2-15)

入場 無料

関連イベント(無料)

・展示解説講座「深堀り!牛島のフジ」

 日時:4月30日(土)10時~12時

 場所:春日部市教育センター

 定員:30名(申込制)申込受付4月5日(火)~

・ミュージアムトーク(展示解説)

 日時:4月13日(水)・24日(日)

    両日とも10時30分~、15時~(30分程度)

 場所:郷土資料館企画展示室

 

大沼中のみなさんが郷土資料館の魅力を紹介!

春日部を楽しむためのサイト「はるたび」に、大沼中学校の2年生の総合学習「ココ見て!春日部プロジェクト」の成果が公開されています。 #かすかべプラスワン

中学生のみなさんがまちを取材し、春日部のオススメを紹介しています。全五回にわけて春日部の魅力を紹介するようですが、このなかの第二弾「大沼中生かすかべ旅②」で、郷土資料館の魅力を紹介いただきました。

博物館・資料館は、一般的に中高生をはじめ、若い世代の利用者が少ないので、中学生のみなさんがどんなことに着目し、魅力を感じているのかは、館にとって非常に参考になりました。

館内は雑然といろいろなものがありますが、中学生のみなさんが紹介してくれたことは、日ごろから、私たちが工夫している点だったり、手塩にかけたコンテンツだったりします。それらに注目してくれて、率直にとてもうれしく思いました。

改めて、大沼中のみなさん、先生方、はるたび関係者の方に感謝申し上げます。

大沼中のみなさんがどんなことを紹介しているのか。詳しくは、サイトをご覧ください。

3/5から富士見市で開催される「埼玉の4大貝塚」展に神明貝塚の資料が出品されます 

郷土資料館の神明貝塚展示コーナーで展示している市指定文化財の「堀之内式組合せ土器」と、同じく神明貝塚の注口土器(ちゅうこうどき)が、富士見市の富士見市立水子貝塚資料館で3月5日(土)から行われる企画展「埼玉の4大貝塚ー水子貝塚 真福寺貝塚 黒浜貝塚 神明貝塚」にて展示されることになりました。埼玉県内の国の史跡に指定されている4つの貝塚を紹介する展示です。概要は下記の通りです。ぜひお出かけください。

<埼玉の4大貝塚ー水子貝塚 真福寺貝塚 黒浜貝塚 神明貝塚>

日時:令和4年3月5日(土)~5月8日(日)

会場:富士見市立水子貝塚資料館(富士見市大字水子2003-1、049-251-9896)

開館時間:午前9時~午後5時

休館日:月曜日(3/21は開館)、3/22(火)、5/6(金)

入館料:無料

水子貝塚資料館サイトへ

ちなみに、富士見市の市の花は、春日部市と同じ「フジ」で、公式サイトには、各ページにフジのイラストがあしらわれています。春日部市郷土資料館では、3/8(火)からミニ展示「NSNM 牛島のフジ」展を開催します。

 さて、貸出しに伴い、縄文土器展示コーナーの一部の展示品を変更し、ご要望が多かった「花積下層式(はなづみかそうしき)」土器の土器片を5点、展示しました。「花積下層式」は市内花積にある花積貝塚の土器をもとに設定され、花積の地名が使われた土器型式です。関東地方の約7,000年前にさかのぼる縄文時代前期の始まりとともに出現します。

郷土資料館ご来館の際は、ぜひご覧ください。

花積下層式土器

花積下層式土器

市の広報誌に #郷土資料館 の特集記事が載りました!

広報かすかべ2022年3月号の2・3面に、特集「「今」を知るために「昔」を知る #学芸員 が教える郷土資料館 のススメ!」が掲載されました。

画像:特集ページ

広報かすかべ3月号 郷土資料館特集ページ

郷土資料館と文化財保護課の学芸員の顔写真入りで、学芸員が推す資料を紹介しています。

それぞれの学芸員のパッションが詰まっている記事になっています。それぞれのパッションは170字程度では語りつくせないのですが、ちょっとむずかしめな専門的な説明をわかりやすく皆さまに届けるため、推敲に推敲を重ね何とか納まりました。170字以上の想いは、今後機会があれば本ブログでお披露目させていただければと思っています。

個々の記事もそうですが、ぜひご注目いただきたいのは、下段の小さな写真。郷土資料館の収蔵庫の様子です。

ご承知の通り、当館の展示室は、それほど広くなく、展示資料も限られていますが、実は、裏方の収蔵庫には、皆さんにまだお披露目したことのない資料が盛りだくさんあります。溢れんばかりの資料で、収蔵庫はぎっしりの様子、目に見えぬ収蔵・保存の現状を知っていただければと思い、写真を載せました。資料の保存に適している中性紙製の資料保存箱が棚いっぱいにつまっている様子お分かりいただけるでしょうか。これだけモノが詰まっているということは、まだ可能性がある。展示室は小さい館ですが、裏に秘めたポテンシャルもあるんですよ。

ともかく、郷土資料館の特集記事を、ぜひご覧あれ。広報誌は郷土資料館でも配布しています。