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考古学講座第2回を開催しました

 

 10月29日(土)に考古学講座第2回を開催しました。

 講座風景

本日は、1.発掘調査の方法、2.層位学、3.春日部市の縄文時代の遺跡についてお話をしました。縄文時代については、現在、様々な研究がすすめられており、ばらばらと一貫性のない紹介となってしまいました。次回以降、型式学や年代の決定のなかでも、縄文時代のことを補足的に触れていこうと思います。

さて、そのようなとりとめのない話でしたので、アンケートに多くの質問をいただきました。そのなかのいくつかをとりあげます。

・春日部は関東ローム層の上の土が薄い地域という話があったが、風の影響か?土の堆積が多い地域では、どれくらい堆積しているのか?

春日部市付近の台地上の場合、関東ローム層堆積後の時代に、ローム層上に土となる物質の飛来が少ないということがローム層までの土層が少ないことの理由です。関東ローム層も長い時間を経て、火山性の物質が主に風の作用によって堆積したものです。講義でも紹介しましたが、ローム層は噴火による火山灰そのものではなく、火山付近に堆積した火山性の物質が風によって、移動し再堆積したものと考えられています。

一方、春日部市の低地部分では、主に縄文海進の影響で、縄文時代以降、有楽町層と呼ばれる層が約40m堆積しています。また火山に近い地域では、火山灰層が厚く堆積します。金井東裏遺跡(群馬県渋川市)では、6世紀の2回の榛名山噴火の2mを超える火山灰層の下から鎧をつけた古墳時代の人骨が発見されました。

 

・神明貝塚の組合せ土器の用途は?

用途は、多く出土している東北の例でも、煮炊きに使われた痕跡はないことから、お墓などに使われたのではと推測されています。詳しいことはわかりません。

 

 ・外国にも貝塚があるか?

海外にも貝塚はあります。中緯度の地域に多いようです。

   

・古隅田川でシジミがとれたが、ヤマトシジミか?

昭和30年ごろまでは古隅田川でシジミがとれたという話はありますが、ヤマトシジミかどうかはわかりません。ちなみに、現在の中川では、松伏町あたりから潮の満ち引きが確認され、汽水域となっています。

 

 ・神明貝塚の人骨の年代測定は行われているか?

骨片から放射性炭素年代測定を行っており、3体とも3988~3834cal.BPの範囲であるという結果が出ています。

cal.:較正された年代を示す。半減期と14C生成量が補正される。

BP:放射線炭素年代測定の基準である1950年から何年前かを示す。

 

来月は、1.分類と型式学、2.春日部の弥生時代についてお話します。