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館跡とくらし『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその56
外堀は、幅が約2.5mの溝が2重に作られています。内堀の規模は、140m×100mの楕円形に展開しています。掘立柱建物は、2棟が発見されており、柱の穴の中には礎石(そせき)が置かれているものもあります。
また、館跡の北西側には、県指定天然記念物の浜川戸河畔砂丘(はまかわどかはんさきゅう)があり、館の防御機能の一つとなっていたと考えられます。
この館跡は、鎌倉時代に、この地域に暮らした春日部氏の館であった可能性が高く、中国で作られた青磁(せいじ)や白磁(はくじ)、お茶をたしなむ天目(てんもく)茶碗などの品々と共に当時の武士の暮らしをうかがい知ることが出来ます。
「館跡とくらし」『新編図録 春日部の歴史』62ページ
上空からみた外堀(写真中央左上から右下へ斜めに通っている溝・下図中の「外堀1」)
内堀とその断面
浜川戸遺跡で発見された館跡
「縄文」を体験しました!
このイベントでは、まず企画展示室で神明貝塚で発見された女性の人骨や、いろいろな模様のついた土器について、担当の学芸員が解説しました。
当日は、小学生の子どもたちが多く参加しており、人骨をみて「ちょっとこわい」「大昔の人がピアスやブレスレットをつけていたなんでびっくりした」などと感想をもらしていました。
解説の後、人骨と一緒に埋葬されていた土偶をもとにして、オリジナルの土偶粘土でつくりました。縄や竹べらなどで土器と同じような模様をつけて、子どもたちも、大人のかたも熱心に土偶づくりをしました。
午後の部では、土器のかけらをつかって、鉛筆拓本をとりました。縄文人がつけた不思議な模様をじっくり観察もらいました。
最後に、神明貝塚出土の縄文土器をかかえて記念撮影。
「楽しかった」「来てよかった」と満足そうに話してくれた参加者のみなさん。
3800年前の神明貝塚を身近に感じていただけましたでしょうか。
次回の「さわってみよう!縄文体験」は、9月1日(土)10:30~、15:00~です。
申込は要りませんので、ぜひお越しください。大人の方にもお薦めです。
土器たちのその後①・・・
参加者の皆さんが作成した土器たちは、教育センター内の日陰で風通しのよい場所で、野焼きの日を待っています。
今日からは直射日光に当てて土器の乾燥を進めました。
◇本格的な土器です!
◇表面が茶色から白くなってきました!少しちいさくなったかも・・
◇かわいい土偶や土鈴、手形もあります!
2日目の土器作り教室は、8月19日(日)に開催予定です。ブルーベリーの収穫体験もご用意しております。
※雨天の場合8月26日へ順延となります。
完成した土器に会える日が楽しみですね。
古文書解読勉強会の成果(その7)
去る6月30日(土)に古文書解読勉強会を行いました。関係者の皆様、更新が遅れて申し訳ありません。引き続き、市内の神間地区に伝わった神間村文書(館蔵)を解読しました。
次回は、9月8日(土)14時~16時。教育センター2階にて、前回に配布した神間村文書慶安3年神間村新田屋敷御検地御水帳写」(№334)を解読する予定です。
【史料番号40】
入置申金子請取之事
一 金五両也
右は此度縁談之儀ニ付身代
為取替セ右之金子差出し被下無相違
慥ニ請取申候、尤右金子内弐両弐分之
者、万一家出致候儀も有之候得は
急度返金可申候、若又其節差滞
候得は私請人ニ罷立、急度引請
弁済可仕候、為後日請取一札如件
嘉永元申年 東宝珠花村
四月 栄蔵㊞
木間ケ瀬村
伝兵衛㊞
請人
惣次郎㊞
神間村 立会人
源次郎殿 菊右衛門㊞
【ひとことメモ】
神間村の源次郎の縁談により、東宝珠花村栄蔵が金5両を受領した証文。「家出」した場合には半額の2両2分を返金するとあるが、この証文だけでは事実関係が不分明であり、誰の「家出」なのか解釈することが難しい。今後の課題である。
【史料番号49】
入置申一札之事
一此度私義金子加印一條ニ付種々
御利解ニ預り、何共申訳無之故
講下弥右衛門殿相頼、度々詫言申
入候処、早速ニ御聞済被下忝奉存候
向後右加印之義ニ付貴殿江難渋
相掛申間敷候、依之為念詫書
一札差入申処如件
嘉永弐年 神間村
酉四月 詫人
弥右衛門㊞
入置主
源次郎㊞
同村
源太郎殿
【ひとことメモ】
神間村の源次郎が「金子加印一条」により、源太郎に迷惑をかけたので、「講下」弥右衛門と連判して源太郎に提出した詫び証文。詫び証文については前回の記事参照。「金子加印一条」や「講下」についてもこの史料だけでは詳しくわからない。今後の課題としたい。
この夏は「神明貝塚」展【はじまりました】
8月5日(日)には、学芸員によるギャラリートーク(展示解説)を、8月8日(水)には動画で解説!神明貝塚を開催しました。
ギャラリートークでは、資料をじっくりみながら、展示・発掘担当の学芸員が展示を解説しました。参加された皆さんは、興味深そうに解説を聞き、解説終了後には担当者に質問をなげかけていました。
午後の回は、博物館実習生も展示解説の補助をしました。
動画で解説!神明貝塚は、神明貝塚の普及のため制作した動画を上映して、その後、学芸員は展示を解説するイベントです。
動画上映後、展示室に移動して、学芸員が展示資料を簡単に解説。参加された方々の質問に応えながら、神明貝塚の調査の成果について、わかりやすく解説しました。
「神明貝塚」展の関連イベントは、まだまだ続きます。
①8/10(金)、9/1(土)には「さわってみよう!縄文体験」(体験型のイベント)
②会期中の毎週水曜日には、「動画で解説!神明貝塚」
③最終日の9/16(日)にはギャラリートーク
④9/2(日)にはシンポジウム神明貝塚「発掘調査から分かる3800年前の縄文人のくらし」
を開催します。
上野の東京国立博物館でも「縄文」展を開催していますが、ぜひ身近な郷土春日部の「縄文」も体感してみてください。