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修学旅行の意義

 絵文字:電車  いにしえを学ぶ遊学子たれ 
 
修学旅行の意義           校長 杉橋朋子               
 布佐中学校の修学旅行は「古都学習」として行われます。私にとっては、生徒引率としては、最後の修学旅行となります。5月8日(水)~5月10日(金)の2泊3日を、生徒にとっても、私自身にとっても有意義な学習の場としてしたい、そんな思いです。

【哲学のある学習を】

京都の大徳寺には、国宝の唐門があります。この門は、茶人千利休の切腹の口実となった楼門です。しかし、珍しいことに国宝であっても「国宝」といった看板は見当たりません。調べてみると、この寺の歴代住職の中に、一休禅師もいました。世間に媚びることがない伝統が今日まで伝わっていることに私は感服です。

このように、歴史探訪とは実に奥が深い。皆さんは、2泊3日の学習で、しっかりと調べた疑問なら何らかの答えを見つけることができるでしょう。

しかしながら、私たちの古都学習は、少しばかりの回答を出すことのみに、多くのお金と時間をかけているのではありません。その先にあるもっと大切なこと、すなわち、物事に対する見方、考え方を鍛錬しようとしているのです。多くの時間とお金をかけるだけの学習の意義深さを追求してこその学習なのです。

さてそれはどのようなことでしょうか。布佐中の「総合的な学習」の計画には、2つの探究が含まれています。

1つ目は、3年生は「大人」になる最終章だということ。これはどうすることなのか。グループ活動や集団行動の中で、常に大人として、どのように行動するのか考えていくという探究です。

2つ目は、歴史探訪から見える「史跡や文化を今に受け継ぐ人間の存在」。これをどう受け止めるのか。ただ、「○○に行きました」という報告では不足です。行って、見て、史跡の存在する意味を探究してください。そこには、多くの人々の思い、英知、価値観が隠れています。それを考えることこそ、この学習の極意なのです。それには、京都や奈良のまちを歩き、人々に触れ、言葉をよく聞き、そこからわかることをしっかりと論じて、書き留めてください。

 【この古都学習で“総合的な学力”がアップする】

ということで、皆さんが3年間培ってきた「総合的な学力」はこの古都学習で一つの区切りを迎えます。つまり、この学習にそれまでの成果がすべて表われていると言い換えることができます。京都、奈良を中心とした史跡は、古代日本の美意識や繊細なほどのセンスや思い、英知、価値観が詰め込まれています。皆さんなら、前述した2つの探究ができるものと確信しています。3日間、歴史探訪の「遊学子」として深く学んでください。本物の学力を向上させることは間違いない。いざ、出発!!