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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「ペップトーク③」

 以前2回にわたり「ペップトーク」について書きました(4/24・25)。この「やる気を引き出す魔法の言葉」、アメリカのスポーツ界に根付いている指導者が選手本来の力を発揮させるための話術であり手法です。私が「ペップトーク」に注目してるのは、またスポーツの指導者になろうというわけではありません。「やる気を引き出す」のは別にスポーツに限ったことではなく、生徒のやる気を引き出す教員にも十分に生かせるはずだと考えているからです。例えば、合唱コンクール本番前に担任の先生が声をかける。部活動で顧問の先生が大会前に激励する。入試の前日に担任の先生がみんなに話す…教師というのは子ども達の可能性を最大限に伸ばしてあげる職業であり意外と話す機会が多いものです。思春期で多感な子ども達は、色々な悩みや心配事を抱えています。そんな子ども達の「やる気」を引き出すために役に立つのが、この「ペップトーク」だと考えています。その子の置かれている状況、これまでの様子、どうしたいと考えているのか。「ペップトーク」によってやる気を引き出してあげられれば生徒個々の力を引き出すことができるのではないでしょうか。これまで精一杯頑張ってきた生徒に「頑張れ!」では「これ以上何を頑張れば…」と。また失敗しないか心配な生徒に「失敗するなよ!」では「わかってるよ、だから緊張してるのに…」などと逆効果になりかねません。先生達と共に「ペップトーク」の手法を学び、生徒達のやる気を引き出していこうと思います。

校長室のひとりごと「先生のたまご」

 教員になるには「教員免許」が必要です。その教員免許も学校種によりいくつかあり、我々中学校であれば、教科担任制のため教える専門教科の中学校免許が必要になります。高校も同様で専門教科の免許が必要です。小学校は基本的にどの教科も担任の先生が指導するので中学・高校とは違い「小学校」の免許が必要です。ちなみに私の場合は「中学・高校保健体育」の免許なので、小学校では教えられません。皆さんの中にも教員免許を持っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。このような教員免許は大学で教職課程を専攻し必要な単位を取得することで、大学のある都道府県教育委員会より発行されます。教職課程の単位には実際に学校現場で学ぶ「教育実習」も含まれています。そして教員免許を取得(見込み)することが、教員採用試験受験資格であり、採用試験に合格した者が実際の教員になれるわけです。

 高知県では昨年の教員採用試験の合格者270人のうち7割を超える204人が採用を辞退したそうです。合格者のほとんどは他県の採用試験も受験していたそうですが・・・昨今、「ブラック教員」などの悪評もあり、教員のなり手が減少し全国的に教員不足が大きな問題になっています。今、2名の大学生が教育実習に来ています。全国の教育実習生には実際の学校現場を経験し、子ども達と触れる中で、教員の魅力ややりがいを感じた上で、将来を選んでほしいと思います。

校長室のひとりごと「代行サービス」

 近年、離職や転職が特別なことでなくなるなど、若者を中心に働き方が以前に比べ随分と変わってきているようです。「終身雇用」なんて言葉からもわかるように、一度就職したら定年を迎えるまでその仕事を貫くというのが私など昭和時代の一般的な考え方でしたが、確かに最近はTVのCMでもしきりに転職サポートの宣伝が流れたり、転職に関するサイトの宣伝が目に入ります。私の考え方が古いのかもしれませんが、就職する時には皆、それなりの覚悟を持っていたように思いますが、これだけ「転職ありき」の時代では、仕事に対する覚悟も、日々の仕事へのモチベーションにしても以前とは違い「毎日が逆に辛いんじゃないかなぁ」と心配になってしまいます。ちなみに2009年に入社した大卒社員の離職者は約5人に1人だったのに対し、2021年では約3人に1人が離職したという調査もあります。

 「5月病」、ゴールデンウィーク明けには子ども達も、我々大人でも通勤通学の足取りが重くなったりします。この5月、特に先週のGW明けから離職、転職する新入社員が年々増えているそうです。そして、自分で退職の意向を告げるのではなく「退職代行サービス」を利用する若者が急増していると報じられています。「退職代行サービス」というシステムに違和感を覚えるのは私の考え方が古いのでしょうか。中には代行ではなく、親が代理で退職手続きをするケースもあるそうです。

 子ども達への「キャリア教育」特に「職業観」についてもアップデートが必要なのかもしれません…

校長室のひとりごと「安心安全なはずの学校」

  東京都立川市の小学校での不審者侵入事件が起き,連日関連のニュースが報じられています。この事件報道に驚かされ、学校長という立場から、背筋が凍るようななんとも言えない危機感を覚えています。

 学校への侵入事件というと思い出すのは2001年の「池田小学校事件」です。校内に侵入した男が持参してきた包丁で教師や児童を次々に斬りつけ、児童8人が死亡、児童13人と教師2人が負傷した事件です。この事件をきっかけに全国の学校では不審者対応マニュアルを作成し、不審者が校内に侵入したことを想定しての訓練なども行ってきました。また「さすまた」などの対応グッズを配備したのもこの事件がきっかけだったと記憶しています。今回の立川市の小学校の事件を機に、改めて過去の事件を調べてみたところ、実に多くの不審者侵入事件が起きていることに驚かされました。刃物を持っている不審者、中には爆発物を持った不審者が実際に敷地内や校舎の中まで侵入していることには驚愕するばかりです。保護者のフリをして「忘れ物を届けに来た」と嘘をつき校舎内に侵入したケースもあります。学校という性質上、毎日のように関係の業者さんや来客など多くの訪問者があるのが実情です。出入り口全てを施錠することは難しい面もあります。これまでは当たり前のように侵入者1人を想定していましたが、今回は2人の侵入者。今回の事件を自分ごとと捉え、生徒たちや先生方の命を守るための方策を改めて考えなくてはと痛感しています。

校長室のひとりごと「教員の業務改善その2」

 先日、文部科学省が先頭に立って全国的に教員の業務改善に取り組んでいるという話をしました。先生方が元気はつらつで生徒の前に立つために、本校で取り組んでいることをいくつか紹介します。

 中学校では、1年間に1015時間(1時間は50分)、1週間あたり29時間の授業時数が決まっています。ですから授業を勝手に削ったり、時間を短くするなど1015時間を下回ることはできませんし、そもそも本末転倒です。そこで授業以外の一つ一つの業務について見直しました。まず、放課後に行われる職員会議など様々な会議です。これまでの紙ベースから会議資料をデジタル化しました。これにより印刷や綴じ込み作業が必要なく、更には事前に資料に目を通すことができ会議時間の縮減につながりました。デジタル化と言えば、家庭に配布する「〇〇便り」や「朝の欠席連絡」などもメール配信などデジタル化したことで随分と業務がスマートになりました。そして、今年度大きく変えたのは一日の日課です。朝と帰りの学活の時間を短縮し、毎日全員で行っていた「掃除」を放課後の当番制にしました。これにより、6時間授業の日でも15:20から部活動を始められ、結果として部活動の時間を十分確保しても放課後の先生方の余裕が生まれています。ここでも生徒一人一台端末を活用してのデジタル化を図ることで、内容はそのままで時間を短縮させることができました。

 これが全てではありませんが、新しい発想で業務改善に取り組みながら生徒も教師も「笑顔あふれる学校」を目指していきます。

校長室のひとりごと「教員の業務改善」

 時代の流れ社会の変化に伴い、学校への期待やニーズも変化し、学校が抱える課題は山積状態が続いています。例えば感染症対策、いじめ、児童虐待、ヤングケアラー、多様化、不登校などの子どもの対応、一人一台端末による授業スタイルの変更、少子化による児童生徒数の減少、それによる学級減、教員数の削減、大量退職に伴う教員の若年齢化、SNSによるトラブル対応、保護者対応…そしてこれらの諸課題に対する調査など膨れ上がる事務仕事など挙げればきりがありません。近年、文部科学省を先頭に各学校では教員の業務のスリム化、時間外勤務の削減など業務改善が喫緊の課題として取り組んでいます。「自分たちのために教育を簡略化するのか」と誤解されがちですが、そうではありません。教員が毎日仕事に追われ、子ども達の前に立つ教員の姿が疲れきっていては良い影響は与えません。毎日元気にハツラツと子どもの前に立ち、子どもと接するために、業務改善が進められているわけです。一般的にはあまり知られていませんが、我々教員の勤務時間は7時間45分。本校で言えば8:00から16:30(45分間の休憩を含む)ですが、現実にはその通りにはいきません。教員には残業手当は支給されません。こんな状況を少しでも改善できるよう生徒達のためにも先生方の業務改善、ライフワークバランスを考えた学校運営を目指しています。(愚痴っぽくなってしまいました)具体的な方法については、追々お話していきます。

校長室のひとりごと「端午の節句」

 3月3日は「桃の節句」、5月5日は「端午の節句」。子ども達がまだ小さい頃には、我が家も「ひな人形」を飾ったり「鯉のぼり」を立てていました。それなりに準備や片付けに苦労していたことも今では懐かしく感じます。

 近年その「ひな人形」も様変わりし、昔のような「〇段飾り」と言われる階段状になった一部屋使いそうな(?)大型の「ひな人形」セットに代わり、ちょっとしたスペースに置けるような「お雛様と御内裏様」二人だけのセットが主流だそうです。また、この季節あちらこちらで目に入ってきた5月の風にたなびく「鯉のぼり」も、近年めっきり見なくなりました。連休中も妻と車に乗りながら「そういえば鯉のぼり上がってないね~」なんて辺りをキョロキョロと探しましたが、やはり「鯉のぼり」は見当たりません。住宅地ならまだしも自然豊かな農村地でもほとんど見つかりませんでした。ちらほらとベランダに括られた小さな可愛らしいものばかり。これも時代の流れなのかと少し寂しい気がします。それでも「ひな人形」なら勝浦市の「ビッグひな祭り」、「鯉のぼり」なら加須市の100mを超える「ジャンボ鯉のぼり」など、地域のイベントや名所で季節の風物詩として残り、人の目を和ませくれていることにホッとしています。「ひな人形」や「鯉のぼり」も将来は見ることができなくなってしまうのでしょうか。

校長室のひとりごと「野田市内大会」

 今日、明日と各運動部活動の野田市内大会が行われます。

 中学校の運動部活動は1年間に各種目ごとに様々な大会があります。一つはこの「野田市内大会」や夏の「葛北大会」「県大会(千葉県中学校総合体育大会)」など、小中学校体育連盟が主催している大会、そしてもう一つは各種目、各競技団体が所属している〇〇連盟、〇〇協会が主催している大会に分けることができます。今回の市内大会は、小中学校体育連盟主催の大会ですが仮に優勝したとしても、県大会などその上の大会につながることはありません。夏の葛北大会に向けた前哨戦となる大会です。野田市が所属している同じ葛北支部の流山市でもこの時期に市内大会が行われ、野田市流山市双方の大会結果が夏の県大会や関東大会、全国大会まで続く「葛北支部総合体育大会」つまり葛北大会でのシード権に反映されたりもします。昨晩の雨で天気も心配されましたが、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、卓球の各部が、市内の各会場に向けて出発しました。このあと私も各会場に応援に行こうと思います。これまでの練習の成果を発揮できるよう頑張って欲しいものです。

校長室のひとりごと「子どもの減少」

 このところ保護者会や全校生徒の前で話す機会があるたびに、在籍生徒数が令和7年度は創立以来一番少ない人数だということを話しています。昭和22年の創立当初は257名、昭和61年には774名にまで増加した生徒数も徐々に減少を続け、今は224名にまで減少しています。全国的な少子化は本校にも影響しています。

 総務省は「こどもの日」に合わせ、子どもの数(15歳未満)が44年連続で減少し、昨年度より35万人少ない過去最低の1366万人だと発表しました。これだけ「少子化」「少子高齢化」という言葉が頻繁に使われれば、わかってはいても具体的な数字に驚いてしまいます。全人口の子どもの占める割合も0、2ポイント昨年度より低く、人口4000万人以上の国では、韓国に次いで二番目に低いポイントだそうです。都道府県ごとに子どもの割合を見ると、沖縄県で15、8%の最高で、次いで滋賀県、佐賀県が12、7%で、最も子どもの割合が少ないのは秋田県で8、8%という結果だそうです。ちなみに千葉県はというと10、8%だそうで、全国平均の11、2%を下回る結果です。

本校に入学してくる小学生の児童数からしても、しばらくは本校生徒は微減していく見込みです。生徒数が少ないからとネガティブに捉えるのではなく、少ないからこそできることを探りながら、チャンスと捉え様々なことに取り組んでいこうと考えています。

校長室のひとりごと「75歳の野田市」

 明日からGW後半の4連休ですね。4連休の初日、明日5月3日は「憲法記念日」です。今から75年前の昭和25年の5月3日、野田町、旭村、梅郷村、七福村の1町3村が合併し野田市が誕生しました。これは生誕150周年を迎えた千葉県で8番目のことだったそうです。その後、昭和32年に川間村、福田村の2村を編入し、平成15年には関宿町と合併し現在の野田市に至っています。そんな野田市誕生から75年、明日は「市制誕生75周年記念式典」が行われます。野田市では市民と共に新たな一歩を踏み出すスタートの年と位置づけ様々な取り組みを予定しているようです。

 市内を循環している「まめバス(コミュニティバス)」を「幸運を呼ぶまめバス」と称しラッピングを施したり「まめバスのチョロQ制作販売」「市民のど自慢大会の開催」「ギネス世界記録挑戦」などを計画していそうです。その他にも例年行ってきた関連行事を記念事業と位置づけ行っていくようです。

 明日の「市制誕生75周年記念式典」には私も出席してきます。