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村の行政と文書『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその54


江戸時代の村では、村方文書(むらかたもんじょ)と呼ばれる村の公文書が作成され、様々な行政的な手続きが、文書の発行によって行われていました。市内でもこうした文書が多く残されており、当時の生活を垣間見ることができます。


村方文書の中でも重要なものは、年貢に関わる検地帳、年貢割付状(ねんぐわりつけじょう)、年貢皆済目録(ねんぐかいさいもくろく)です。
検地帳には田、畑、屋敷地ごとに測量された縦横の面積、地目の種別、面積、所有者などが、また、年貢割付状には、毎年作成され、年貢を納める年、村名、村の石高と、免除・控除される石高、納める年貢の石高などが書き記されています。
年貢を納めると、その領収書として年貢皆済目録が作成されます。本来、領収書なので、納められた領主から村に発行されるものですが、今回紹介する神間村の目録は、村から領主にあてて作成され、裏面に領主の受取りが記入されています。

 

「村の行政と文書」『新編図録 春日部の歴史』90ページ

水角村年貢割付状
延宝4年(1676)水角村年貢割付状(長本家文書)

神間村年貢皆済目録
天保3年(1832)神間村年貢皆済目録(神間村文書)
*上記文書について、『新編 図録 春日部の歴史』では「元禄3年(1690)」とされていますが、「天保3年(1832)」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。