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内牧塚内古墳群『新編図録春日部の歴史』ーその61

内牧にある塚内古墳群の塚内4号墳は、昭和52年に発掘調査が行われ、様々な副葬品が発掘されました。(過去の記事:内牧塚内4号墳から発掘された直刀発見された副葬品は全て春日部市指定文化財に指定され、一部は春日部市郷土資料館で展示しています。

埴輪(はにわ)は人物埴輪や円筒埴輪(えんとうはにわ)が発見されましたが、今回は円筒埴輪についてご紹介します。
塚内4号墳からは、下総型(しもうさがた)と武蔵型(むさしがた)と呼ばれる2種類の円筒埴輪が発見されています。これらは簡単に見分けることができ、下総型は全体的にスリムで、表面には突帯(とったい)と呼ばれる粘土の帯が3本付けられています。これに対し武蔵型は、埴輪の高さが低く、突帯も2本という特徴があります。さらにデザインだけでなく、焼き上がりの色や素材の粘土の質も異なっています。

春日部市周辺の古墳では、一つの古墳に使われる円筒埴輪は、武蔵型、下総型のどちらか一方の円筒埴輪が使われることが一般的ですが、塚内4号墳はその両方が使われる唯一の事例です。これら2種類の円筒埴輪が使われた塚内4号墳は、現在の千葉県方面にあたる下総地域と埼玉県から東京都にあたる武蔵地域の境界に立地していたことを良く示しています。

塚内4号墳の埴輪は、行田市のさきたま史跡の博物館で9月15日から開催される「埼玉の古墳3-北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾-」に出展されます。さきたま古墳群をはじめとする埼玉県東部地域の古墳が一挙に紹介されます。ぜひお出かけください。

さきたま史跡の博物館「埼玉の古墳3-北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾-」
会期:平成30年9月15日(土)~11月14日(水)
開館時間:9時~16時30分(最終入館は16時まで)
休館日:月曜日(9月17、24日、10月8日、11月5日は開館)
会場:埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市埼玉4834)
さきたま史跡の博物館サイト

*塚内4号墳出土の「下総型埴輪」は、「下総型埴輪」が成立する以前のものであることから「下総系埴輪」と呼ばれることもあります。
「武蔵の埴輪と下総の埴輪」『新編図録 春日部の歴史』28ページ

武蔵形埴輪
武蔵型円筒埴輪
下総型埴輪
下総型円筒埴輪