ほごログ(文化財課ブログ)

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施設めぐりの方が見学されました

12月6日(金)、施設めぐりの方々が、郷土資料館を見学されました。
施設めぐりは、市役所シティセールス広報課で開催しているもので、バスで市内の施設をめぐる大変好評な事業です。
令和元年度の2回目となる今回は、郷土資料館のほかに、看護専門学校、道の駅「庄和」、環境センター、埼玉県立春日部高等学校に行かれるとのことで、約30名の方が参加されました。

資料館では、常設展示室の解説を行いました。最近、国指定史跡にするよう答申があった神明貝塚の話題など、熱心に聞いていただきました。また、いくつかご意見もいただきましたので、今後の運営に生かしていきたいと思います。

春日部市施設めぐり見学の様子

第9回春日部市民俗芸能公開事業を開催します♪

師走に入りめっきり寒くなってきました。
皆さまも外出時は厚着をし、風邪等にはくれぐれもお気をつけください。


さて令和元年12月15日(日)は、
「第9回春日部市民俗芸能公開事業」
 ~地域に育まれた獅子~
開催します!
時  間:13:10~16:00(開場 12:50)
場  所:庄和地区公民館(正風館)大ホール
出演団体:銚子口獅子舞保存会、西金野井獅子舞保存会
料  金:無料
定  員:500人
※申し込み不要。当日お越しください。


文化遺産を継承されている「銚子口獅子舞保存会」「西金野井獅子舞保存会」の2団体による「獅子舞」の披露になります。
両保存会の皆さまは、江戸時代から現代まで、300年間以上も「獅子舞」という「無形の文化財」を代々守り、伝えてきました。もし、どこかの時代で「一度」でも「伝統が途絶えていれば、今こうして「獅子舞」を見ることはできなかったわけです。
いかに「伝統」を続けることが大変で大切かを考えさせられますね。
令和の新時代と、未来を考えるために「伝統」と「歴史」に目を向ける良い機会です。
ぜひ、お越しください。会場でおまちしております!

【ミュージアムトーク】春日部の歴史と2019年をふり返る

12月28日(土)、常設展示のミュージアムトーク、「春日部の歴史と2019年をふり返る」を開催します。

平成31年から令和元年と変わった2019年も、もう12月を迎えました。今年1年間の様々なニュースと、常設展示をできるだけむすびつけて、今年最後の開館日に、参加者の皆さんとトークしたいと思います。

大掃除の手を少し休めて、資料館展示室で今年を振り返ってみませんか。みなさまのご来館をお待ちしております。

【ミュージアムトーク】春日部の歴史と2019年をふり返る
日時:令和元年(2019年)12月28日(土)10:30~、15:00~
   各60分程度
場所:郷土資料館常設展示室
*ミュージアムトーク中の入場、退場は自由です。

常設展示水とのたたかい
2019年後半は台風被害なども多く発生しました。ミュージアムトークのテーマの一つとして、過去に市内で起こった水害とともに振り返ります。また当日は蓄音機の上演も予定しています。

【歴史文化講演会】歌から額田王に迫る

令和元年11月30日(土)前回に引き続き、堀越令子先生をお招きして歴史文化講演会「万葉の世界」を開催しました。今回は「額田王の歌と生涯」と題して、伝説の女流歌人・額田王(ぬかたのおおきみ)についてご講演いただきました。
写真:講演会の様子
実人生は謎に包まれていますが、堀越先生は万葉集に収録される額田王の歌を斉明朝時代とそれ以後に分けて解釈し、彼女の半生に迫りました。
写真:堀越先生
担当者は門外漢でまったく知りませんでしたが、万葉集には訓読・解釈しづらい「難訓歌」と呼ばれる歌があるそうで、一つの歌の解釈だけで40数通りもあるそうです。額田王が遺した歌のなかも「難訓歌」があり、そうした歌が彼女の人物像をさらにミステリアスにしているように思えました。
受講者の方々からは、「こういう機会をまた設けてほしい」とのご意見をいただきました。郷土史の講座と違って、文学・文芸の講座・講演会は女性の受講者が多く、みやびな万葉の世界を堪能し、皆さん満足いただけたようです。来年度も郷土埼玉にかかわる文学・文芸について、講演会を企画できればと考えておりますので、お楽しみに。

【常設展】神明貝塚の土器を貸し出しました

常設展の縄文時代コーナーに展示している、神明貝塚出土の堀之内式組合せ土器と注口土器を、埼玉県立歴史と民俗の博物館に貸し出しました。歴史と民俗の博物館で、年明けの1月2日から開催される企画展「縄文時代のたべもの事情」に出展されます。

組合せ土器
神明貝塚出土堀之内式組合せ土器

注口土器
神明貝塚出土注口土器

会期などは以下の通りです。ぜひみなさまお誘い合わせの上お出かけください。

企画展「縄文時代のたべもの事情」
会場:埼玉県立歴史と民俗の博物館(さいたま市大宮区高鼻町4-219)
会期:令和2年(2020)1月2日(木)~2月16日(日)
休館日:月曜日(1月13日は開館)
開館時間:9時~16時30分(観覧受付は16時まで)
観覧料:一般400円 高校生・学生200円 中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方は無料
交通アクセス:東武アーバンパークライン(野田線)大宮公園駅より徒歩5分

県博チラシ展示会チラシ(PDF195kb)

小渕小6年生出張授業【戦中の春日部の人々のくらし】

令和元年11月29日(金)小渕小学校6年生が、戦争中の春日部の人々のくらしについて学ぶ時間に、出張授業でお邪魔しました。今回は、市民の方々からご寄贈いただいたアジア・太平洋戦争ゆかりの資料を持参しました。
写真:戦争関係資料
皆さん、真剣に、少し怖がりながら(?)学芸員の説明を聞いてくれました。
写真:説明する学芸員
そして、代表の皆さんに資料に触ってもらいました。普段は常設展示でケースのなかに入っている、軍事教練で使用しといわれる訓練用の手りゅう弾を実際にもってもらったり、千人針などを手に取って興味深そうにじっくり見ていました。
写真:道具に触れる

写真:道具に触れる児童
その後、先生が用意された戦争中の春日部について調べるワークシートに取り組み、市内が戦争に巻き込まれていく状況を理解し、当時の人々の心情を考えていました。
写真:ワークシートに取り組む
最後に、戦争の経験が今日の春日部にどう活かされているのか、考えていました。市内には、戦没者を慰霊するモニュメントがたてられていたり、「平和」を掲げる各種イベントがあることが紹介されました。そして、今回持参した資料が、市民の方々が実際に経験した遺産であり、郷土資料館では、戦争の経験を未来に引き継いでいくために、それらを展示し、末永く保存していると紹介しました。
授業の後にも、資料を触りたい、よく見たいと希望があり、休み時間中も児童たちが集まって体験を続けていました。
写真:道具に自由に触れる
実物の資料だからこそ、そして実際に触れるからこそ、過去の先人たちの想いを身近に感じることができるのかもしれません。リアルな歴史を少しでも感じていただけたのならば、大変うれしく思います。

さて、郷土資料館では、学校の授業の教材の貸し出しを行っています(近々、今回持参した「アジア太平洋戦争関係資料」も紹介する予定です)。もちろん出張授業も可能です。学校の先生方には、ぜひご活用いただければと幸いです。

神明貝塚のシンポジウムを開催しました

11月24日(日)、『「和食」のルーツ?3800年前の縄文人の食文化』というテーマのもと3人の先生をお招きし、シンポジウムを開催しました。ちなみに11月24日は偶然にも「和食の日」でした。(担当者も全く意図していませんでした…)

会場の様子
市内外、さらには県外から多くのお客様にご来場していただき、シンポジウム全体の参加者は130名を超えました!!

担当者の報告
最初に文化財保護課の調査担当者から「神明貝塚で発掘された動物、植物、人骨」と題し、報告を行い、神明貝塚の縄文人は海の幸だけでなく、陸上の動植物を多く食べていることが分かりました。

植月先生の講演
続いて講演では、植月学先生が「神明貝塚人の食を彩った魚と肉」と題し、動物考古学の観点からお話しいただきました。特にフグ(トラフグ)がどこからやってきたのか、受講者の皆さんも興味深く聞いていらっしゃいました。

佐々木先生の講演
佐々木由香先生は植物考古学の専門家で、「神明貝塚で利用された植物からみた縄文時代の植物資源利用」と題し、縄文人の植物資源の利用についてご講演いただききました。クリは食物だけではなく木材として利用されたことや、土器に残る植物の種実や昆虫の圧痕から、多種多様な植物の利用があったことをお話しいただきました。

阿部先生の講演
阿部先生は考古学の立場から、「縄文後期と神明貝塚の生業」と題し、調理具として使用された縄文土器にスポットをあて食文化の発達についてお話しいただきました。また昨年のシンポジウムでも話題となった「塩作り」のお話も聞け、こちらも会場から大きな関心を集めていました。

パネルディスカッションの様子
最後に4名の講師によるパネルディスカッションを行いました。それぞれの専門領域から神明貝塚の縄文人の多様な食文化を垣間見ることができたと思います。身近にある旬な食材を利用した食文化であったことも「和食」というテーマにつなげることができました。


来年以降もテーマを変えシンポジウムを開催する予定となっています。引き続き神明貝塚へのご理解、ご協力をよろしくお願いします。

この道具はなんでしょうか?【くらしのうつりかわり展より】

「くらしのうつりかわり」展では、なつかしい道具を所せましと展示しています。今回は、激レアな昔の道具を紹介します。この道具は一体なんの道具でしょうか。
写真:民具1

正解は、「文化洗濯機(ぶんか せんたくき)」です。
洗濯機のプレートは摩滅しつつありますが、次のように印字されています。
  性能優秀簡単安全
  農村生活改善普及会
  文化洗濯機
  埼玉縣北葛飾郡庄和村米崎(農協前)
  電話南桜井14番
とあります。

実は詳しい調書などが残っていませんので、使い方や製造の経緯など、これ以上の情報はまったくありません。
しかし、この「文化洗濯機」は、昭和31年(1956)3月21日付の埼玉新聞に次のように紹介されています。

ここで生産される文化式(電機)洗たく機は生活の合理化という時代の要望をにない県産業改良課生活改善課からも推奨を受け、日本女子大学車田教授より優秀品として折紙をつけられた。簡便、性能の優秀さ、経済的の三拍子そろったこの洗たく機は一般家庭から歓迎されている。


新聞紙上では、上尾の製造元が写真付きで紹介されており、広告には、「僅か二千円程度で誠にも簡便」「類似品注意」とあり、県内でそれなりに普及していた可能性があります。
紙面からは動力が「電機」(電気)だったことが推定されます。動力と洗濯機のハンドルのような部位をベルトでつなげてスクリューを回転させ、水流を起こして洗濯をしたものと思われます。
謎の「文化洗濯機」について、今後の検討が俟たれます。何か情報をお持ちの方は、お知らせいただけると幸いです。


八木崎小3年生がやってきた

令和元年11月26日(火)春日部市郷土資料館に八木崎小3年生が調べ学習のため来館しました。
総合的な学習の一環で、「春日部じまんを探そう」というテーマで調べ学習をすすめているそうです。

写真:質問する八木崎小3年生
郷土資料館に来た2人は、
・50年前の春日部はどんなところだったのか?
・春日部の地名の由来は?
・昔、大きな地震が起こったときはどんな状況だったのか?
質問してくれました。

2人は、学芸員に話を聞き、展示室にある古い写真や資料をみて、昔の春日部についてたくさんメモをとっていました。とくに、関東大震災について強い関心をもったようで、「このときには避難所はあったんですか?」と自ら考え、質問をしてくれました。
「春日部のじまん」が見つかりましたでしょうか?

さて、皆さんは50年前の春日部についてや、地名の由来、関東大震災のときの状況を知っていますか?
ご存じない方は、ぜひ郷土資料館にお越しください。知りたいことや新たな発見がきっとありますよ。