校長室

校長室から

礼儀正しく 誠実な日本人でありたい

 

                      校長  金子 博之

 

新年あけまして、おめでとうございます。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

 高野山小学校の新年早々、1月の学校生活目標は、「礼儀正しい生活をしよう」です。『いいことはおかげさまで 悪いことは身から出たさび』という、相田みつを氏の言葉があります。ここまで徹底して、人間が謙虚になるのは大変ですが、これに一歩でも近づきたいものです。今の社会の状況を見ていると、相手の言葉尻をとらえて批判をしたり、自分に都合が悪いことが起こると他人のせいにしたり、相手が傷つくと分かっていながらいじめをしたり、振り込め詐欺などお年寄りのなけなしの蓄えを巻き上げたり、あおり運転で相手の運転手を脅かしたりと、悲しいことが多すぎるように思います。

 

 江戸時代に日本を訪れた外国人の多くが、日本人の礼儀正しさ、誠実で親切であること、誰もが学ぶ意欲を持っていて教養があることなどを本国への手紙や書物にして、驚き、敬意を表しています。もちろん、多くの日本人は今もそうであると思いますが、そうでない人が増えていることもまた、事実として認めざるをえません。

 

 昨年の10月に日本のパスポートが世界最強になったというニュースがありました。「パスポート・ランキング」で、日本がビザなしで行ける国が190カ国で、世界一になったというものでした。もちろん、これには経済的な理由や、国家間の取り決めなど、様々な理由があるわけですが、私は、一人の日本人として、このことをうれしくそして誇らしく思いました。なぜなら、日本人なら信頼できる、大丈夫と世界が認めてくれたと感じたからです。

 礼儀正しく、誠実な日本人であり続けたい。そう考えるのは私だけでは無いはずです。そうは言っても、毎日のせわしい生活の中で疲弊し、悩みや苦しみが重なって、時には怠け心が頭をもたげたり、悪い考えが浮かんだり、卑怯な気持ちがよぎったりしそうになります。年が改まり初詣に出かける一月です。悪い心を払って、いいことがあったらそれは身の回りの人のおかげ、悪いことがあったとしたらそれは自分に大部分の原因があったというくらいに相田みつを流に考え、今年は過ごしたいものです。

 本年もご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

社会体験のできる冬休み

                     校長 金子 博之

 

 今年も残すところ僅かとなりました。今年も、子どもたちが学習も生活もがんばり、仲良く過ごすことができました。これも保護者、地域のみなさまの子どもたちのため学校運営や教育活動にご理解とご支援をいただいたお陰と感謝しております。ありがとうございました。

 冬休みは短期間ですが、年末・年始を含むので、子どもたちは様々なことを体験できます。

 〇年末・年始の家の仕事を手伝い、仕事体験ができる。

 〇1年を振り返って、良かったことを確認して新年に続け、良くなかったところを反省し、自分をよりよくすることができる。

 〇年末・年始のさまざまな行事に参加し、日本の伝統・文化、習わしなどに触れることができる。

 〇新年に当たって、今年の目標を決め、これからがんばることをはっきりさせることができる。

 〇年末年始は、たくさんの人と出会うことができ、礼儀、挨拶、言葉遣い、人とのかかわり方などの社会体験ができる。

 〇年末助け合いなど、世界の子どものために行動する機会がある。

 以上のように貴重な体験ができるのが冬休みの特徴です。

 更に、常日頃から学校でも指導していますが、「交通事故、誘拐、変質者か

らの被害、携帯サイト、万引きなど悪いことへの誘惑など」にあわないように

十分に話してあげてください。1月7日始業式の日に、元気な子どもたちの笑

顔に会えることを楽しみにしています。

 どうぞ、みなさま良いお年をお迎えください。


看脚下

                    校 長  金子 博之

 校長室の月めくりカレンダーがいよいよ今月と来月の2枚となりました。月日がたつのは本当に早いものです。季節も同じです。高い山からは初冠雪の便りが届き始め、高野山小学校でも体育館脇のイチョウの葉が、黄色く色づいて、秋の深まりを肌で感じることができる頃となってきました。

 子どもたちは今、11月9日の合唱祭、10日のふれあい祭りでの合唱発表に向け練習に余念がありません。当日は、子どもたちが一生懸命に歌う姿をお見せできることと思います。どうぞ、お楽しみに。

 さて、昨年度本校に着任して真っ先に取り組んだのが、「あいさつ」と「靴を揃える」ということでした。あいさつについては、全校朝礼で児童に話をした際に、使用した掲示物を児童昇降口にしばらく掲示していましたので、保護者や地域の皆様の中にもご覧になった方がいらっしゃるかもしれません。

『 さきに 目をみて にこにこ あいさつしよう 』という水色の掲示物でした。おかげさまで、朝、学区を歩いていると子どもたちは本当に元気よくあいさつをしてくれるようになりました。『さきに』というのは実は難しいのですが、低学年の児童の中には、実践してくれている子が何人もいて本当にうれしい限りです。あいさつについては、児童会でも毎週木曜日の朝に「あいさつ運動(はっきりあいさつ、とまっておじぎ)」を実施しています。更に地域の方々にも照れずに元気よくできるようになればいいのですが・・・課題だと認識しています。

  このあいさつと同時に、昨年のうちから子どもたちに意識させたいと考えていたのが、「靴を揃える」ということでした。あいさつができるようになり、そして「靴を揃える」ことができるようになれば、本校の学校教育目標「自立」は、到達できたと考えても良いとさえ思っています。        

 禅の言葉で、看脚下(かんきゃっか)というものがあるそうです。意味は字の如く、脚下を看よ、自分の足下をよく見なさいという意味です。看るという字には、看護師の看という字からもわかる通り、「世話をする」という意味も含まれているそうです。お寺や他人の家にあがる際に、足下を世話する・・・つまり履き物をそろえなさい。という教えなのだそうです。

 私は、毎朝児童の靴箱を見ることが日課となっています。高野山小学校の子どもたちの七割の子どもたちは、靴をきちんと揃えています。きれいに整った靴箱を見ると、私の心も穏やかになりますが、乱雑に乱れた靴を見ると、この子は今朝、何かあったのだろうか。兄弟げんかでもしたかな?親に怒られたかな?と気になってしまいます。靴一つからでも、そんな心の変化がわかるものです。   

  靴を入れるという作業は、ほんの些細な作業ですが、一歩ふと立ち止まって、自分の気持ちを落ち着かせる。さらにはしっかりと切り替える、そんな作業にしてほしいと願っています。

 保護者の皆様、地域の皆様、今度高野山小学校においでの際は、是非、子どもたちの靴箱をご覧ください。その時、きれいに並んでいたらそれはうれしいことですが、もし、乱雑に入っている靴があったら、『落ち着いて』と、そっと直していただけたら幸いです。

 今月もどうぞよろしくお願いいたします。

自分の身を守るのは自分だと言うこと

校長 金子 博之

 

 すでに高野山小学校のホームページでお知らせしていたことですが、夏休み中の部活動に参加をするため、「いきなりステーキ」前の横断歩道を渡っていた児童が、赤信号で突っ込んできた車と接触するという事故がありました。幸いにも怪我の程度は軽傷でしたが車はそのまま走り去ってしまいました。当て逃げ事件です。警察にも通報し、現在捜査中となっています。子どもたちには、改めて青信号でも右、左をしっかりと確認するよう指導しました。ご家庭でも注意喚起をお願いいたします。

 

           7月   159回

           8月   131回

           9月   388回

           

 

 この数字は、何の数字でしょうか・・・・

 そんな問いかけから10月の「全校朝礼」は話を始めました。

実はこの数字は、日本全体の月別の「地震発生回数」なのです。(震度1以上)保護者・地域のみなさま方もご承知の通り、日本は地震の国です。9月上旬にも北海道で大きな地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。地震はいつ、どこで起きるか分かりません。

 10月の「全校朝礼」では、もしも登下校中に地震に遭遇したら、どのように対応すれば良いのか、ということについてDVDを見ながら具体的に話をしました。

 ブロック塀や自動販売機など倒れてきそうなものから離れる。

 身を低くし、ランドセルなど丈夫なもので頭を保護する。

 丈夫な建物が近くにあれば避難する。

 

交通事故にあわないようにするのも、地震への対応も自分の身を守るのは自分という意識を子どもたちには常に持っていて欲しいと思います。守ってあげたくてもそこに大人はいないという場面があり得ます。だからこそ、そうした意識が必要になります。

 今月も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

地域の子は地域で育って欲しい

校長 金子 博之

 楽しかった夏休みが終わり、高野山小学校に子どもたちの元気な声がもどってきました。子どもたちの明るい声は、活気があっていいですね。こちらも元気になります。

 今年は大変暑い夏休みでしたが、そればかりではなく西日本の地域では、記録的な大雨の影響で、各地で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、大きな被害が出てしまいました。ご親戚の方が被害に、というご家庭があるかもしれません。一日も早い復興を心より願っております。

 さて、6月9日の読売新聞の読者欄に次のような投稿記事が載っていました。

 

 


女の子に声かけ 迷惑かけた     幼稚園職員  ○○ ○○ 75歳

 

 交差点で信号待ちをしていると、ピカピカのランドセルを背負った女の子がやってきた。「お帰りなさい。車に気をつけて、おうちに帰ってね」と声をかけると、突然、女の子がランドセルに付けていた、防犯ブザーが鳴り響いた。

 逃げるように横断歩道を渡っていく。女の子の後ろ姿を見て、知らない人に声をかけられたら、ブザーを鳴らすようにと家の人から言われているのだろうと思った。どんなに怖い思いをさせてしまったことか。

 顔見知りの卒園生だと、「はーい、気をつけて帰ります」とニコニコ応答してくれるので、知らない子どもにも同じように声をかけてしまったのだ。やはり、おせっかいだったろうか。自分では、親切なことをしたと思っても、かえって、迷惑なことがあるのだと痛感させられた。

 

 

 どんなに怖い思いをさせてしまったことか。・・・この方は、反省しているような言い方をしていますが、これが、現在の社会の様子だとすると、悲しいことですね。善意が善意とならないわけですから。

 幸いにも高野山小学校の学区で同じことが起きているという話は聞きませんが、保護者のみなさま、各町内会にお住まいのみなさま方の中には、少なからず、よその子には気を遣い、この新聞記事の方と同じよう気持ちで過ごしている方がいるかもしれないと感じ、学校にできることは何かと考えました。

 現在、我孫子市では「我孫子市子ども見守り隊」という組織を立ち上げ、保護者、地域の方々に子どもたちの見守り活動をお願いしています。しかし、そのことを肝心の子どもたちに紹介していませんでした。そこで、9月3日の始業式の日に、「我孫子市子ども見守り隊」の活動の紹介と、実際に登録いただいている保護者の方々数名に、学校に来ていただき、子どもたちに紹介させていただきました。(安全管理員の今井さん、三枝さん、千葉さんと交通安全推進隊の古賀さんも同時に紹介させていただきました)

 これで、少なくともこの人は不審者?ということはなくなるはずです。大人も子どもも安心して会話ができる。あいさつのあふれる高野山小学校に一歩近づけたかなと考えています。地域の子は地域の中で育って欲しい。・・・心からそう願っています。