校長日記

2020年9月の記事一覧

偏見や差別を引き起こさないためにできること

9月2日(水)
 本日、給食中のお昼の放送で、子供たちに話をしました。
新型コロナウイルス感染症に関わって偏見や差別があとを絶たないということで文部科学大臣からのメッセージも届きました。
 保護者の皆様や地域の皆様にも読んでいただけたと思いますが、多摩市内全校でしっかりと子供たちに指導をする必要があります。
 ひとたび感染者が出ると「学校をつぶせ」「日本から出ていけ」等の誹謗中傷も後を絶たないとニュースでも話題となっています。どうかそんな悲しい出来事が起こりませんようにと願うばかりです。


お昼の放送です。
みなさん、おいしい給食を食べていますか?
しっかりよくかんで、いただく命に感謝しながら残さずに食べてくださいね。

 さて、今日は校長先生から大切なお話があります。
給食を食べながら静かに聞いてください。

 新型コロナ感染症についてのお話です。

 みなさんも知っている通り、いまだにこの感染症に対するお薬、ワクチンと言いますが開発されていませんね。
 東京でも毎日まだ多くの人たちが感染し、私たちもいつどこで感染するのかわかりません。怖いなと思っているのは皆さんだけではなく大人もそうでしょう。

 そんな中、一昨日皆さんに文部科学大臣からのお手紙が届きました。
 お手紙をちゃんと読んでくれましたか?


 そこにはこんなことが書かれています。
「新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があります。感染した人が悪いということではありません。感染した人や症状のある人を責めるのではなく思いやりの気持ちをもち、感染した人たちが早く治るように励まし、治って戻ってきた時には温かく迎えてほしいと思います。」と。

 そうなのです。こんなお手紙が届くということは、感染した人を責めたり、一生懸命治してくださる医療関係の人たちの悪口を言ったり差別をするような発言や行動をとる人がいるのです。
 とても悲しい事です。

 差別やいじめにつながる発言や行動があった時、皆さんには、それに同調せず、「そんなことを言うのは止めよう」と勇気をもって言ってほしいと思います。
 
 きちんと言える一人一人になってください。
校長先生も、みんなのやさしさが、ウイルスとの戦いの強い武器になると思います。

 寺方小のみんなは一人残らず本当の勇気と正しさをもった子供でいてください。

 これでお話を終わります。

避難訓練の話

9月2日避難訓練がありました。
 晴れていたのですが、避難時にWGBTが31度を超えました。
短時間といえども、防災頭巾をかぶって全校児童500名が外に避難するのは危険と判断し、急きょ廊下までの避難といたしました。
 

 今日は、「大地震の後、理科室から火災が発生し避難する」とい 
う訓練を行いました。しっかりと非難ができましたか?

 さて、昨日は、何の日だったか知っていますか。

 そうです、「防災の日」です。
 今から約100年前の9月1日お昼頃に、「関東大震災」という大地震が発生しました。
 地震の震度はM7、大勢の人々が亡くなりました。なんと、10万人もの尊い命が失われました。

 いつも皆さんにお話している通り、地震はいつどこで起きるか分かりません。
 恐ろしいことに、今後30年以内に、70%の確率で大地震が起こるといわれています。

 そして、江戸時代から関東大震災が起きるまでの地震の歴史記録を基に、将来発生すると予想されている地震が、「首都直下地震」です。 
 この首都直下地震がどのような規模になるのか、校長先生にも想像がつきません。

 ただ、今から10年前に起きた「3.11 東日本大震災」の時に子どもたちと非難する時、学校のプールの水がトップンタップンとものすごく揺れて、地面も歪んでうまく歩けず、非常に怖かったことを今でも覚えています。

 「自分の命は自分で守る力」をしっかりと身に付けてください。

 地震が起こると建物が崩れ、また、その後の火災が原因で亡くなる人が多いのです。いつどこで起きるかわからないからこそ、毎月の避難訓練が大切です。


 みなさんは、災害が起きたときの「避難場所」は、家族で確認していますか?
 いつもハンカチを身に付けていますか?
 先生のお話をしっかり聞いていますか?
 きちんと家族で「避難場所」や「約束事」を話し合っておきましょう。
 普段からお話をしっかり聞いて行動しましょう。

 


 これで、今日のお話を終わります。


 

 

学校便り 9月の巻頭言

9月1日(火)
     ~元気に前期後半スタート!子供たちに向かう姿勢の原点~

 8月24日から前期の後半がスタートしました。
 短い夏休みを無事に過ごし、元気な子供たちの明るい声が学校に戻ってきました。
 この夏季休業中は、まれに見る暑さ厳しい夏でしたが、おかげさまで大きなけが病気、何より心配した感染症の報告はありませんでした。各ご家庭で安全管理に十分取り組んでいただいたことに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

  さて、改めて「子どもたちに向かい合う姿勢の原点」に立ち戻りたいと思います。以前読んだことのある雑誌の一文を思い出します。簡単にご紹介します。

 トーマス・エジソンの話です。
 エジソンは、電球や蓄音機をはじめ約1300件もの発明をした発明王として有名ですが、興味の対象が次々と変わり何でも知りたがる特性をもっていたそうです。 

  例えば小学校で「1+1=2」を習うとなぜ「1+1」が「2」になるのか学校の先生を質問攻めにしたというエピソードが残っています。
  好奇心が旺盛で、ガチョウ小屋の中でガチョウの卵を何時間も抱えて座っていたり、なぜ物が燃えるのかを探ろうとして自宅の納屋を全焼させてしまったりしたこともありました。
  次々と突拍子もない行動を起こすエジソンに向かって担任の先生はこう言い放ちました。

「君の頭は腐っている」

  可能性に満ちた子どもに、何とひどい言葉を投げつけたことかと呆れますが、さらには校長先生からも他の子の迷惑になると見放されエジソンは小学校を3カ月で退学することになってしまいます。
 
  そのまま社会からドロップアウトしても当然の状態ですが、この時の母親の対応がエジソンを救うことになります。

  母親のナンシーはエジソンの才能を信じ彼を否定することはしませんでした。小学校を退学になったエジソンに自ら教育を施しました。

  この母親の存在が助けとなり、彼は社会に出てから次々と発明をしていきました。
  その結果、発明王エジソンが残した功績は私たちもよく知っているところです。

1人の前途ある子供を思う熱き心情が、一人の偉大な科学者を生み出したという話です。

  今年は、感染症の拡大でこの先の学校教育がどうなるかさえ予想がつきません。
  しかし、各教科の学習で、さらに友達関係で、数多くの学びの機会は待っています。

  その学びがその子にとって最善となるよう、大人の私たちがもう一度原点に立ち戻り、子どもたちに丁寧に向き合っていきたいと思います。
  こんな状況ですが、実りと学びが学校内のあちらこちらに見受けられるよう,寺小教職員全員が一致団結して教育活動に取り組んでまいります。