校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「ザ、昭和」
昨日は「昭和の日」、今年は「昭和100年」ということもあり昭和を振り返る特別番組が流れていました。番組では昭和の家電なども紹介されており、チャンネル式のTVやダイヤル式の黒電話、振り子式の掛け時計や鳩時計、ラジカセなど…コテコテの昭和世代の私は、つい「そうそう、あったあった」などと懐かしんでいました。また、昭和の子どもの遊びも紹介されており、缶蹴りや警ドロ、ゴム跳び、スーパーカー消しゴム、メンコなどなど
私もそうでしたが、昭和の子どもはよく公園や道ばたで遊び、暗くなったことを合図に家に帰っていたものでした。私も何であんなに熱中して遊んでいたのか今となっては不思議でなりません。自然と仲間と合流し「今日何やる?」なんて話し合い、協調しあい、「缶蹴り」にしても何にしても、遊びの中で自分たちでルールを決め、楽しんだものです。そうしなければ楽しくありませんでしたから。昭和の子どもはそうして規範意識を養っていたのかもしれません。そして遊びの中で負けたりうまくできなかったとしたら、明日こそ勝つぞ!明日はこうしてみよう!などと戦術を考えたり工夫したりと競技性もあったのかもしれません。勝てばうれしく、負ければ悔しく、失敗して転べば擦りむいて血も出ます。そんな簡単にリセットできないバーチャルではない社会を経験しながら、皆大人になる準備をしていたのかもしれません。
改めて昭和を振り返ると、意外と楽しかった記憶が蘇ってきました。
校長室のひとりごと「PTA活動」
今日は、年度はじめ保護者会が行われます。そして引き続き「PTA総会」も行われます。残念なことに例年、事業参観や学級懇談会が終わるとお帰りになる保護者の皆さんが多く、PTA総会まで残ってくださる方は多くはありません。今、巷では「PTA活動」について疑問を投げかけるような世論が広まっています。
PTAは、保護者(P)と先生(T)で構成される組織(A)で、子ども達の健全育成のために、戦後間もない昭和20年に誕生しました。子ども達のために環境整備を行ったり、学校行事お手伝いを担ったり、登下校の見守りなどの活動が一般的です。誕生から80年、時代や社会、教員だけではなく保護者の皆さんのライフスタイルも変化し、共働きの家庭も増え、なかなかPTA活動に参加できない方々もおり、近年PTA組織自体を見直す自治体も出てきています。PTA組織自体を廃止したり、PTAへの加入者が少なく、活動を維持できずPTA組織自体を廃止する学校もあるようです。
本校もこういう状況を鑑みながら、PTA活動を大きく見直し、役員等を極力減らして、お手伝いいただけるときにお手伝いしてくださいね、というスタンスで保護者の皆さんに呼びかけて子ども達のために活動していただいています。今日のPTA総会、多くの方が参加くださることを願っています。
校長室のひとりごと「ペップトーク②」
昨日の続き「やる気にさせる魔法の言葉ペップトーク」について書いてみます。「ペップトーク」とはアメリカのスポーツ界で古くから重んじられている指導者必須の技術で指導者が率先して学ぶ「話術」です。
最も有名なペップトーク例です。舞台は1980年レークプラシッド冬季五輪アイスホッケーの決勝ラウンド。アメリカの相手は五輪4連覇中のソ連(現ロシア)、当時プロ選手の出場は認められておらずアメリカは代表とはいえ学生選抜。試合前のロッカールームは、勝てっこないという思いから来る恐怖と不安と緊張で静まりかえっています。そこへヘッドコーチがやってきて「偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。チャンスは今夜だ、その手でチャンスをつかみ取ったんだ」「たった1試合だ。10試合戦えばソ連が9回勝つだろうが、今日のこの1試合は違う。今夜は敵と肩を並べとことん食らいつく。そして完全に封じ込めるんだ、必ずできる」「今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。お前達はホッケーをやるために生まれてきた。今夜お前達がここに来たのは運命だ」「その時が来たぞ、ソ連の時代はもう終わった。もういいだろう、いい加減聞き飽きた。どこでもソ連は凄いという話ばかり聞かされ続けた。でももう古い」「時代はお前達のものだ。必ず奪い取ってこい!」そして選手達はリンクへ出て行き、結果は逆転の4対3で勝利、アメリカは金メダルに輝き、後に「氷上の奇跡」と呼ばれ語り継がれています。(つづく…)
校長室のひとりごと「ペップトーク①」
雨の休日には、一日中動画配信サービスで映画を観ることがあります。多い日には5.6本ぶっ通しで観るなんてこともあります。邦画、洋画、アニメなど特にジャンルは決まっていませんが、比較的洋画が多いかもしれません。特にアメリカの実話をもとにしたスポーツに関する映画をよく観ます。映画化されるようなスポーツの実話ですから、弱き挑戦者が最後には強き者に勝つ、というような内容が少なくありません。「結末がわかってるのに何で観るの?」と家族に言われますが、長年スポーツに携わり指導経験もある私にとっては、つい目に入り、気づけば「リモコンのプレイボタン」を押しています。
いろいろな逆境を乗り越え決勝の舞台に。しかし決勝の相手は強敵、誰もが分が悪いと思っている最後のゲーム、不安と緊張で静まりかえったロッカールーム、そこでヘッドコーチが選手を奮い立たせるために話をする。するとヘッドコーチの話に奮起した選手は見違えたように闘志をみなぎらせロッカールームから大舞台へと歩を進める・・・実はこんな場面で指導者が話す「やる気」にさせる魔法の言葉を「ペップトーク」と呼んでいます。この「ペップトーク」の場面を観たくて、人を「やる気」にさせる言葉を学びたくて、結果がわかっていても、実話をもとにしたスポーツ映画を観てしまうのです。この「ペップトーク」という言葉、覚えましたか?(つづく…)
校長室のひとりごと「マンホール」
毎日道路を通っていれば、必ず視界に入っているはずなのに、存在すら忘れているような物の一つに「マンホール」があります。マンホールは地下の下水道につながっており、その地表部分には頑丈な鉄製の蓋(フタ)が被せてあります。このマンホールの蓋、自治体ごとにデザインが違うのをご存じでしたか?
先日、茨城県龍ケ崎市が使用されてきたマンホールの蓋を販売すると新聞に掲載されていました。記事によると龍ケ崎市のマンホールの蓋のデザインは2種類、一つは中央に市章があしらわれた蜘蛛の巣柄で、もう一つは牛久沼を背景に筑波山、そして白鳥があしらわれているそうです。こうした土地土地でデザインされた「ご当地マンホール」はマニアの間で人気のコレクションアイテムだそうです。例えば静岡市は「ちびまる子ちゃん」、福井県勝山市は「恐竜」、横浜市は「BAYSTARS」、川越市は「小江戸の町並み」など探せば実に様々で見ているだけで楽しめます。ここ野田市はといえば「けやき(市木)、ツツジ(市花)、ヒバリ(市鳥)」が描かれた物や、旧関宿町の「ぼたん(町花)」や「関宿城」が描かれた蓋、また桜木神社境内内には綺麗に桜色に塗られた「満開の桜」柄の蓋があるようです。
これまで気にもとめず通り過ぎていましたが、この連休にお出かけの際には、その土地土地をPRするマンホールの蓋に注目してみるのも面白そうですね。
校長室のひとりごと「ラーケーション」
いよいよ今週末からゴールデンウィークですね。新年度、生活環境が変わり慌ただしく過ごしてきた約一ヶ月、生徒達も先生達もこのゴールデンウィークを利用してリフレッシュしてほしいものです。
今年は、カレンダーの並びがあまり良くなく、ある調べでは、円安も手伝ってか海外旅行へ出かける人は少なく、短期の国内旅行や日帰りのお出かけが増える見込みだそうです。
ところで、近年中学校でも「家族で出かけるので休ませます」という欠席連絡が入ることがあります。時代の流れか「欠席」という概念も随分変わってきたようです。
「ラーケーション」という言葉を聞いたことがありますか。愛知県(名古屋市を除く)は、平日に旅行などで学校を休んでも欠席扱いにしない「ラーケーション制度」を2023年度より導入しました。「ラーニング(学習)」と「バケーション(休暇)」を掛け合わせた造語で、子どもが平日に休み地域や家庭での体験学習などを通して学びを深めようという狙いで始まりました。事前に活動の計画を立てて申し出れば年に3日間まで取得できるという制度です。これには賛否両論ですが、昨年度より沖縄、大分、茨城、熊本なども同様に制度を導入しているそうです。(千葉県では家庭の事情ということで「事故欠」という扱いです)
校長室のひとりごと「未来に運動は必要か」
先週「微細運動能力」が低下していることについて書きました。「微細運動」とは手や指を使った細かな精密な動きのことですが、関連して「粗大運動」について書いてみます。「粗大運動」とは姿勢の維持やバランス、立ったり座ったりと日常生活に欠かせない基本的な動きで、その能力を「粗大運動能力」と言っています。この「粗大運動」は赤ちゃんの時には寝返りを打つとかハイハイをする。もう少し成長すればつかまり立ちや歩行になり、中学生なら一般的に運動能力と言われる能力で、成長に合わせてその能力は変化します。「微細運動」と同様に「粗大運動能力」も低下傾向であるのは否めません。ある専門家は、いわゆる幼児体験、特に外遊びの機会が減少していることが大きく影響しているのではないかと話しています。
こう書くと「微細運動」「粗大運動」の能力低下が、あたかもマイナスであるかのようですが、この能力の低下が、人類の退化なのか人類の進化なのか、Society5.0「予測不能」な世の中、今は判断できないかもしれません。なぜなら、そもそも近未来で細かな作業能力が必要なのか、そもそも運動が必要なのかは想像もできません。我々は過去の経験から「そりゃそうでしょ」と答えますが、AI等の進歩により、これまでの常識が覆され始めているのが現状です。
校長室のひとりごと「新入生から1年生へ」
「新入生歓迎会」が行われます。今年度最初の生徒会行事、2.3年生は企画や事前準備、合同発表の練習に励んできました。大げさかもしれませんが、経験上「新入生歓迎会」の出来栄え(?)が一年間を左右しかねない大切な行事だと思っています。「新入生歓迎会」はその名のとおり、新入生に対して慣れない中学校生活へのエールを送ったり、生徒会活動や部活動、日常の生活などについて説明や紹介、そして2.3年生が歓迎の意を合同発表という形で表す会、そんな行事です。その何が一年間を左右するの?という話ですが、言い方は悪いですが2.3年生は上級生として力を見せつけ、1年生は「先輩達のように」と上級生に憧れ「頑張らなくちゃ」と中学校生活に意欲を持たせるねらいがあります。もし逆に「先輩ってたいしたことないな~」なんて思われるようなことがあれば、部活動にしても生徒会活動にしても全校で作り上げる行事、スムーズな学校生活など全てに暗雲が垂れ込めてしまいます。だからこそ2.3年生で力を合わせた「迫力ある全校応援」「調和のとれた合唱」などの練習に取り組んできたというわけです。
そうそう、今日までは「新入生」。明日からは「1年生」と呼ばれ中学校の日常が始まります。(部活動仮入部も今日から始まります)
校長室のひとりごと「各種学力調査」
小学6年生と中学3年生を対象に毎年実施している全国学力学習状況調査が行われています。既に14日に中学校「理科」を実施しました。その理科の調査ではデジタル端末を使いオンラインで出題・解答する新しい方式(CBT)が初めて導入されました。ネットワークへの負担軽減のために全国の中学校を17日までの4日間に分散させ、本校は14日に実施したというわけです。
今日は、残りの「国語」「数学」の調査が行われます。また1.2年生は「野田市学習到達度調査」を実施します。毎年実施されているこれらの調査の結果は経年でデータ蓄積しており、その対象学年の学習状況の傾向を知ることができます。全国調査については、どこの県がどうだとか、野田市はどうだとか、自治体ごとの順位が興味本位で取り沙汰されます。結果として順位や序列は出ますが、それは二の次三の次、調査の結果から学習状況の傾向を分析することで、今後の指導改善に努めるという大きな目的のもと行っているのがこの調査です。
過去の分析から見た本校の学習状況の傾向はというと「授業では内容を理解している」しかし「テストでは正答率が高くない」。つまり「授業内容を学力として定着させる取り組みが足りていない」…こういった現状から、今年度本校の先生方で「より効果的な学習サイクルの確立」というテーマで研修を始めたところです。今年度の調査の結果も生徒達のために有意義に使っていこうと思います。
校長室のひとりごと「微細運動能力」
「微細運動能力」という言葉をご存じですか?今、日本はもちろん、各国の教育関係者の間で、児童生徒達の、「微細運動能力」の低下が問題視されています。この「微細運動」とは、例えば靴紐を結ぶとか、物を積み上げる、ペンで字や絵、図などを描く、はさみを上手に使うなど、簡単に言えば「手先の器用さ」に関わることで、その能力を「微細運動能力」と言っています。2024年に行われたアメリカの調査によると、教師の77%が低学年では5年前の低学年に比べ、鉛筆やペン、はさみを上手に使えなくなっていると回答しており、また69%の教師は、靴紐を上手に結べない子どもが増えていると回答したそうです。確かに中学校でも、はさみやカッター、レタリングなどの機会はめっきり少なくなっています。以前はこの時期には教室内の掲示物を自分たちで見栄え良く作るために、丁寧にレタリングした文字をはさみやカッターで切り、それを台紙に貼って・・・などを時間を設け行っていましたが、今は、先生方がPCを使い、それなりに見栄えのする物を準備したりできるだけ手間がかからない工夫をしています。
ある専門家は、スマートフォンやタブレットなどの普及でデジタルな学習が増えている一方で、学習で画面を見ている時間が増えた分だけ、手を動かす「かく」「切る」「ぬる」「めくる」などの時間が減ってしまったことが影響しているのではないかと話しています。