校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「1並びの11月11日」
猛暑もいつの間にかおさまり、過ごしやすい日が続いています。例年思うことですが「秋・春」が短く、季節が「二季」になってしまうのかと不安になってしまいます。秋の深まり(冬の到来)を感じる昨今、気づけば校庭のイチョウは黄色く色づき始め、猛暑で葉焼けしてしまったもみじも、薄ら赤く、校庭の景色からも秋(冬)を感じる季節となってきました。
ところで、1位は8月8日で69件、2位の10月10日は63件、3位は11月11日で61件・・・ これは何の順位でしょうか?日本記念日協会が認定した「記念日」の数が多い順のベスト3です。数字の「1」の形が4つ並んでいることから、今日11月11日は3番目に記念日が多いそうです。例えば「ポッキー&プリッツの日」「うまい棒の日」「きりたんぽの日」「チンアナゴの日」など確かに棒状の物が記念日になっています。一方変わり種としては漢字では「十一」と書くためプラス・マイナスで「プラズマクラスターの日」と言うのもあるそうです。「ポッキー・プリッツの日」が制定されたのは「1」が6本並んだ平成11年11月11日だそうです。ちなみに1位の8月8日には「世界のこの日(日本の猫の日は2月22日)」や「そろばんの日」などがあり、2位の10月10日には「眼の愛護デー」「銭湯の日」などがあるそうです。世の中には様々な記念日があるものですね。
校長室のひとりごと「ピグマリオン効果」
よく先生方に「良いところを見つけて褒めてあげよう」と話しています。
1963年、ある心理学者による実験です。実験は学生達にネズミを使った迷路実験を任せました。ネズミを二つのグループに分け、一方のグループは「訓練された賢いネズミ」だと学生に伝え、もう一方のグループは「訓練されていない『のろま』なネズミ」と伝え学生に渡しました。実際には双方のネズミとも個体差はありません。学生は無意識のうちに先生の期待に応えようと「賢いネズミ」と渡されたグループのネズミに声をかけたり、応援したりより丁寧に扱いました。実験は結果的に賢いとされたグループのネズミの方が優れた結果だったそうです。
1968年、別の心理学者の行った実験です。小学校のあるクラスで知能テストを実施しました。後日このテストは「将来成績が伸びるかどうかがわかるテスト」だとクラスの担任に伝え、ランダムに選んだ一部の児童を「今後伸びる児童」だと担任に伝えました。数ヶ月後、「今後伸びる」と期待された児童は実際に成績が向上したそうです。「この子達は伸びしろがある」と担任が信じたことで、無意識のうちに子ども達への期待や接し方が変わり良い影響を与えたと考えられるという実験です。
このように他者から期待されることで、成績や仕事の効率が向上する心理現象を「ピグマリオン効果」と呼んでいます。これとは逆に期待されないことで成績が下がったり、仕事の効率が下がったりすることもあり、これを「ゴーレム効果」と呼んでいます。
校長室のひとりごと「津波防災の日」
今日は立冬、暦の上では冬の到来です。先日11月5日は「津波防災の日」。2011年3月11日東日本大震災が発生し、大地震による津波で多くの人が被害を受けたことは記憶にあるところです。この東日本大震災を機に「津波対策を推進に関する法律」が制定され、11月5日を「津波防災の日」にすることが記されました。1854年11月5日に発生した安政南海地震による津波が和歌山県を襲った際に、暗がりの中でもわかるように稲を焼いて避難場所を示したことで多くの人が助かったという逸話「稲むらの日」にちなんでいるそうです。先日5日には、各地で津波を想定した防災訓練が行われました。東日本大震災による津波で千葉県でも銚子や旭市は被害をうけましたが、銚子市では市として中学生も交えて高台に避難したり、避難所の設営などの訓練を行ったそうです。
今年の7月30日、カムチャツカ半島付近でM8.7の地震が発生し、日本の各沿岸部では津波警報が発令されました。実は、ちょうどそのタイミングで私は九十九里の海岸におり、急に防災無線のサイレンが鳴り、海岸には消防車やパトカーが連なり始め、ただ事ではない状況に気づき、周囲の人々と共に急いで車に乗り込み、海岸を離れ高台方面へと車を走らせ帰路についたということがありました。幸い大きな被害に繋がる津波が到達することはありませんでしたが、危機を感じる経験でした。海に囲まれた島国、また地震大国と言われる「日本」、津波だけではなく、あらゆる災害への、知識や備えをすることが大切だと改めて感じました。
校長室のひとりごと「明晰夢(めいせきむ)」
「夢」を見ていますか?ここで言う「夢」とは将来の夢や希望の「夢」ではなく、睡眠中に見る「夢」です。昔より「夢」は「神のお告げ」「不吉な予感」などと扱われてきた現象でこれまで様々な研究がなされています。近年は「夢を見やすい人・見づらい人」の特徴もわかってきており、夢を見やすい人の特徴として「ストレスを抱えている人」「睡眠の質が低い人」「感受性が豊かな人」「直感が鋭い人」などがあるそうです。ネガティブな夢を見るのは「疲労やストレス」のサインだとも言われています。私も夢を見ますが、朝起きると「夢」を見ていたはずなのに内容を覚えていない、なんてこともしばしばあります。また「夢」を覚えていても「どうせ夢ならもっと・・・」と欲張ることもしばしばです。「夢」について検索すると「明晰夢(めいせきむ)」という興味深い言葉がヒットしました。「明晰夢」とは、夢を見ている最中に「これは夢だ」と自覚し、内容をコントロールできる夢のことだそうです。そしてその「明晰夢」は訓練により能力が向上し、思った通りに夢の内容や夢の中での行動を操ることができるのだと言われています。「そんなことが可能なのか」と思ってしまいますが、「明晰夢」を見るための訓練方法に「日常生活で創造力を使う練習」「明晰夢を見たいと強く思い、夢でどうしたいかを具体化する」など簡単にできそうなので、私も訓練(?)を始めてみました。 今は、夢を操るまではいきませんが「これは夢だ」と夢の中で自覚することが少しずつできるようになってきました。
校長室のひとりごと「AI対AI?」
昨日に続き、AI関連の話題です。今のところ本校では生徒のAI使用(悪用)が問題になってはいませんが、巷では夏休みの宿題にAIを使っている(悪用)という話や記事を見かけます。AIの使用、活用自体はこの時代ですから問題ありませんが、例えば小中学生の「読書感想文」「絵日記」「自由研究」「生活記録」など、あたかも自分の考えを綴ったかのようにAIを使用している例もあるようです。「ようです」なんて、のんきに他人事で構えている場合ではなさそうです。昨今大学のレポートや論文、課題をAIにつくらせ提出してくる学生が少なくないようです。そしてそのレポートや課題を採点する先生が四苦八苦しているという記事を読みました。以前は提出された文章を読み内容を採点するのが先生の仕事でしたが、最近はまず「AIかも?」と疑いの眼差しで本人の何十倍もの時間をかけて「AIっぽい」文章と向き合っているそうです。場合によっては、疑わしい膨大な文章をAIに読み込ませ、AIがAIによるものか判定するなど、AI対AIという訳のわからない状況にもなっているともいわれています。それでも限りなく黒に近いグレーの場合には、学生を呼び出し、口頭で内容を質問し受け答えで判断しているそうです。
これまで読み書きが基本だった教育も、もはや過去の物となってしまったのかと思わされます。近い将来、教育、学問に何を求め、どんな能力を身につけさせたいのか、そしてそれをどう評価していくのか。なんだか訳がわからなくなってしまいます。
校長室のひとりごと「心のよりどころ?」
皆さんは人工知能AIをどのくらい使っているのでしょう?実際に対話型AIを週1回以上使っている12~69歳1000人を対象にAIについて調査したところ「AIを信頼している」と回答した割合は86.0%、「AIと感情を共有できる」では10代と20代では7割を超え、40代以降でも5割だったそうです。更に踏み込んだ質問、「感情の共有相手として・・・」、では「親友が64.6%」「母親は62.7%」「父や配偶者が4割前後」という興味深い調査とその結果です。また、AIを使用している人の中には、AIに「ニックネーム」つけている人もいるようです。では実際にAIをどう使い、何を求めているのかといえば、全体の46.6%が「自分が知らないことを教えてほしい」と回答し、「心の支えになってほしい」が15.8%、10代に限っては23.8%が「心の支え」を求めているそうで、「自分の存在を認めてほしい」もほぼ同様の結果だったそうです。
調査担当者は「AIは本音を話せる相手としてストレス対応にも役立っている」「ただAIが間違った回答をすることや、依存性があることも理解した上で上手に使ってほしい」と述べていました。私自身は、自分からAIを使う、頼ることはほとんどありませんが、スマホやPCで調べごとをしていると、知らずのうちに「AIの回答」なるものが表示され、知らず知らずのうちにAIに触れています。SF映画のようにAIロボットが家族のような存在になる日も、そう遠くはないかもしれませんね。
校長室のひとりごと「算術・算数・数学」
教育相談(三者面談)が始まっています。中学生ともなると得意な教科、苦手な教科が生まれ、その差が広まってくるものです。中学校ではより専門的内容を学習するため得意・不得意が出てくるのも当然かもしれません。学級担任だった頃の面談を思い出すと「苦手な教科は?」と尋ねると「数学です」と答える生徒が少なくありませんでした。更に「いつ頃から?」と尋ねると「小学校の頃は大丈夫だったのに中一頃からだと思います」というようなやりとりをしたことを思い出します。なぜ中学校に入ると数学が苦手になるのでしょうか。小学校では数学ではなく「算数」という教科です。明治時代には「算術」と呼ばれ、買い物でのお金の計算や土地の測量など、日常生活で使える計算技能を身につけることが最優先だったそうです。その名残で、まずは日常生活で必要となる数字に関する意味、数量の関係性など数量感覚(例:消費税の計算など)を学ぼうというのが小学校の算数です。一方中学校の「数学」では代数や関数、証明や確率など日常生活に直結しているわけではありません。これが苦手な原因かもしれません。しかし、これらを学ぶのには理由があります。数学的な物の捉え方・考え方、つまり「物事を筋道立てて考える力」を身につけることを目的としているからなのです。ですから「こんなの学者じゃなければ一生使わないし・・・」などと苦手な生徒は愚痴をこぼしたりします。中学校では、直接日常生活に直結するとは言いがたい学習を各教科で進めているのはこのような理由からなのです。
校長室のひとりごと「熊」
連日、報道されている「熊」関連のニュース、全国的に熊の目撃情報、農作物被害、人的被害が報じられています。今年の熊による人的被害はここ数年間で異例の増加ペースだそうです。専門家は、東北や北海道で記録的な少雪もあり熊の冬眠が例年より早く明けたこと、ブナの大凶作など猛暑による深刻な餌不足などが影響していると話しています。また、秋めいたとはいえ、例年より冬眠に入るのが遅く12月末まで注意が必要だとも話しています。
先日、文部科学省は異例とも言える熊対応策を全国の学校に(教育委員会経由)通知すると報じられました。全国各地で熊の目撃情報が相次ぎ、その近隣では「休校」や保護者の車での送迎で登下校する学校も出ています。特に北海道や東北地方などでは市街地でも目撃情報があり、通常の生活ができない状況を思えば納得できる対応かもしれません。この通知は環境省の熊出没時のマニュアルを参考に「学校のゴミ集積場所は施錠する」「登下校中など熊の足跡を見つけたらすぐにその場を離れる」等が示される予定だそうです。そんな中、昨日は小学校や高校に熊が出没した映像が報じられました。幸い子ども達に被害はなかったものの心配はつきません。
「熊なし県」の千葉県に暮らしていることもあり、どこか他人事のように捉えてしまっていましたが、近県でも目撃情報があることからも、この文部科学省の通知文に沿って生徒達に注意喚起していこうと思います。考えが甘いかもしれませんが、なんとか人間と熊と上手に共生できないものでしょうか。
校長室のひとりごと「マジックアワー」
特に「写真」に凝っていると言うわけではありませんが、夏の「モクモク」とした積乱雲、秋なら高く線状の雲冬であれば澄み切ってキラキラ光る空など季節の特徴が現れているような空を撮影しています。最近は日の出、日の入り前後の空を撮影しています。
「マジックアワー」という言葉をご存じでしょうか。日本語では「薄明」ですが、一般的に「マジックアワー」という言葉が使わます。このマジックアワーとは、日の出前と日の入り後のわずかな時間で、条件が整えば見ることができる朝焼けや夕焼け、オレンジ色をはじめカラフルな「魔法のような色をした空」を見ることができる、そんな時間をマジックアワーと呼んでいます。色々な色が混じった太陽の光が、大気中の小さな粒子とぶつかることで空は色々な色に見え、ちなみに青い光は空気中で拡散しやすいため昼間の空は青く、空気中の粒子が水蒸気など大きくどの色の光りも同じように混ざると「空は白く」つまり雲は白く見えます。そして朝や夕方の太陽は低い位置にあると青い光は途中で散乱しきってしまい、赤やオレンジ、黄色の光が目立ち夕焼けや朝焼けになるのだそうです。
そして、オレンジ色だけではなく、青や紫、ピンクや赤などが混じり絶妙なグラデーションの「美しい空は」は日の出前と日の入り後の各10数分間(水平線に対し太陽が0°~6°)だけ見えるという、まさに魔法のような時間帯「マジックアワー」、皆さんも注目してみてはどうでしょう。
校長室のひとりごと「ビースト」
米国トランプ大統領が6年ぶりに来日しました。大統領専用機「エアフォースワン」で羽田空港に到着し、都内の米軍施設に向かうため大統領専用ヘリ「マリーンワン」に乗り換え、そこから大統領専用車で皇居に入り天皇陛下と面会されたと報道されていました。もともと車好きの私が注目したのは「ビースト」と呼ばれる大統領専用車です。移動中のテロから大統領を守るため特別な装備が施されていることは知っていましたが、都内を走るビーストの窓から手を振る大統領の映像を見て一層興味が湧き詳しく調べてみました。まず、車全体が厚さ5cm を超える軍レベルの装甲板で覆われ、ロケット弾が着弾したり近くで爆発が起こっても壊れないそうです。ドアに至っては厚さ20cm、窓は12cmの防弾ガラスという徹底ぶりです。タイヤは銃弾を受けパンクしても走行可能、車内は完全密閉されており化学兵器攻撃にも耐えられ、車内には暗視カメラ、酸素ボンベ、輸血用の血液製剤も装備されているそうで、正に「走る要塞」です。ちなみに普通の自家用車が車重1〜2トンなのに対して「ビースト」は車重約9トン、燃費は2.8km/lだそうです。
また万全を期すために「エアフォースワン」「マリーンワン」「ビースト」は各2機、2台で移動し、どちらに大統領が乗っているのかわからないように移動するそうです。そのため通常は窓をスモークにしているのですが、昨日の移動ではビーストの後部座席で手を振る大統領の姿が見られたなど、安全な日本だからこその一幕だと感じました。