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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「ペップトーク②」

 昨日の続き「やる気にさせる魔法の言葉ペップトーク」について書いてみます。「ペップトーク」とはアメリカのスポーツ界で古くから重んじられている指導者必須の技術で指導者が率先して学ぶ「話術」です。

 最も有名なペップトーク例です。舞台は1980年レークプラシッド冬季五輪アイスホッケーの決勝ラウンド。アメリカの相手は五輪4連覇中のソ連(現ロシア)、当時プロ選手の出場は認められておらずアメリカは代表とはいえ学生選抜。試合前のロッカールームは、勝てっこないという思いから来る恐怖と不安と緊張で静まりかえっています。そこへヘッドコーチがやってきて「偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。チャンスは今夜だ、その手でチャンスをつかみ取ったんだ」「たった1試合だ。10試合戦えばソ連が9回勝つだろうが、今日のこの1試合は違う。今夜は敵と肩を並べとことん食らいつく。そして完全に封じ込めるんだ、必ずできる」「今夜は俺たちが世界で最も偉大なチームだ。お前達はホッケーをやるために生まれてきた。今夜お前達がここに来たのは運命だ」「その時が来たぞ、ソ連の時代はもう終わった。もういいだろう、いい加減聞き飽きた。どこでもソ連は凄いという話ばかり聞かされ続けた。でももう古い」「時代はお前達のものだ。必ず奪い取ってこい!」そして選手達はリンクへ出て行き、結果は逆転の4対3で勝利、アメリカは金メダルに輝き、後に「氷上の奇跡」と呼ばれ語り継がれています。(つづく…) 

校長室のひとりごと「ペップトーク①」

 雨の休日には、一日中動画配信サービスで映画を観ることがあります。多い日には5.6本ぶっ通しで観るなんてこともあります。邦画、洋画、アニメなど特にジャンルは決まっていませんが、比較的洋画が多いかもしれません。特にアメリカの実話をもとにしたスポーツに関する映画をよく観ます。映画化されるようなスポーツの実話ですから、弱き挑戦者が最後には強き者に勝つ、というような内容が少なくありません。「結末がわかってるのに何で観るの?」と家族に言われますが、長年スポーツに携わり指導経験もある私にとっては、つい目に入り、気づけば「リモコンのプレイボタン」を押しています。

 いろいろな逆境を乗り越え決勝の舞台に。しかし決勝の相手は強敵、誰もが分が悪いと思っている最後のゲーム、不安と緊張で静まりかえったロッカールーム、そこでヘッドコーチが選手を奮い立たせるために話をする。するとヘッドコーチの話に奮起した選手は見違えたように闘志をみなぎらせロッカールームから大舞台へと歩を進める・・・実はこんな場面で指導者が話す「やる気」にさせる魔法の言葉を「ペップトーク」と呼んでいます。この「ペップトーク」の場面を観たくて、人を「やる気」にさせる言葉を学びたくて、結果がわかっていても、実話をもとにしたスポーツ映画を観てしまうのです。この「ペップトーク」という言葉、覚えましたか?(つづく…)

校長室のひとりごと「マンホール」

  毎日道路を通っていれば、必ず視界に入っているはずなのに、存在すら忘れているような物の一つに「マンホール」があります。マンホールは地下の下水道につながっており、その地表部分には頑丈な鉄製の蓋(フタ)が被せてあります。このマンホールの蓋、自治体ごとにデザインが違うのをご存じでしたか?

 先日、茨城県龍ケ崎市が使用されてきたマンホールの蓋を販売すると新聞に掲載されていました。記事によると龍ケ崎市のマンホールの蓋のデザインは2種類、一つは中央に市章があしらわれた蜘蛛の巣柄で、もう一つは牛久沼を背景に筑波山、そして白鳥があしらわれているそうです。こうした土地土地でデザインされた「ご当地マンホール」はマニアの間で人気のコレクションアイテムだそうです。例えば静岡市は「ちびまる子ちゃん」、福井県勝山市は「恐竜」、横浜市は「BAYSTARS」、川越市は「小江戸の町並み」など探せば実に様々で見ているだけで楽しめます。ここ野田市はといえば「けやき(市木)、ツツジ(市花)、ヒバリ(市鳥)」が描かれた物や、旧関宿町の「ぼたん(町花)」や「関宿城」が描かれた蓋、また桜木神社境内内には綺麗に桜色に塗られた「満開の桜」柄の蓋があるようです。

 これまで気にもとめず通り過ぎていましたが、この連休にお出かけの際には、その土地土地をPRするマンホールの蓋に注目してみるのも面白そうですね。

校長室のひとりごと「ラーケーション」

 いよいよ今週末からゴールデンウィークですね。新年度、生活環境が変わり慌ただしく過ごしてきた約一ヶ月、生徒達も先生達もこのゴールデンウィークを利用してリフレッシュしてほしいものです。

 今年は、カレンダーの並びがあまり良くなく、ある調べでは、円安も手伝ってか海外旅行へ出かける人は少なく、短期の国内旅行や日帰りのお出かけが増える見込みだそうです。

 ところで、近年中学校でも「家族で出かけるので休ませます」という欠席連絡が入ることがあります。時代の流れか「欠席」という概念も随分変わってきたようです。

「ラーケーション」という言葉を聞いたことがありますか。愛知県(名古屋市を除く)は、平日に旅行などで学校を休んでも欠席扱いにしない「ラーケーション制度」を2023年度より導入しました。「ラーニング(学習)」と「バケーション(休暇)」を掛け合わせた造語で、子どもが平日に休み地域や家庭での体験学習などを通して学びを深めようという狙いで始まりました。事前に活動の計画を立てて申し出れば年に3日間まで取得できるという制度です。これには賛否両論ですが、昨年度より沖縄、大分、茨城、熊本なども同様に制度を導入しているそうです。(千葉県では家庭の事情ということで「事故欠」という扱いです)

校長室のひとりごと「未来に運動は必要か」

 先週「微細運動能力」が低下していることについて書きました。「微細運動」とは手や指を使った細かな精密な動きのことですが、関連して「粗大運動」について書いてみます。「粗大運動」とは姿勢の維持やバランス、立ったり座ったりと日常生活に欠かせない基本的な動きで、その能力を「粗大運動能力」と言っています。この「粗大運動」は赤ちゃんの時には寝返りを打つとかハイハイをする。もう少し成長すればつかまり立ちや歩行になり、中学生なら一般的に運動能力と言われる能力で、成長に合わせてその能力は変化します。「微細運動」と同様に「粗大運動能力」も低下傾向であるのは否めません。ある専門家は、いわゆる幼児体験、特に外遊びの機会が減少していることが大きく影響しているのではないかと話しています。

 こう書くと「微細運動」「粗大運動」の能力低下が、あたかもマイナスであるかのようですが、この能力の低下が、人類の退化なのか人類の進化なのか、Society5.0「予測不能」な世の中、今は判断できないかもしれません。なぜなら、そもそも近未来で細かな作業能力が必要なのか、そもそも運動が必要なのかは想像もできません。我々は過去の経験から「そりゃそうでしょ」と答えますが、AI等の進歩により、これまでの常識が覆され始めているのが現状です。