校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「自分の言葉でアウトプット」
過日、本校を会場として「関東甲信越地区中学校技術家庭科研究大会」が行われました。(様子は本HPにアップしています)当日は3年生の家庭科授業をモデルとし集まった家庭科教育の専門家の皆さんに参観いただきました。最後に助言者の千葉大学准教授の先生に講評をいただきましたが、その准教授のある言葉にハッとさせられました。「グループの話し合いでは積極的に皆自分の意見を発表し合い素晴らしかった。でも最後の「振り返り」をノートに書く際に、素晴らしい発表をしていた男子が1行しか書いていなかったことが残念でした」という一言です。
各学校は「主体的で対話的な深い学び」を目指し授業改善に取り組んでいます。その基本は「アウトプット」です。授業で新たに学んだことを「インプット」だとすれば、インプットした内容を自分なりに噛み砕きながら理解する。そして、まとめとして「アウトプット」することで授業の理解が定着した力になるものです。その定着が次の授業につながり主体的な学びのサイクルを形成します。「アウトプット」とは、自分の言葉で今回のように文字や文章にしたり、声に出して発表したり仲間に説明することを指します。今回は家庭科の授業でしたが、日頃から各教科の授業において、1番肝心な「アウトプット」が十分になされていないため習慣付いていないのだと反省させられました。1単位時間は50分。教師はこの50分が勝負です。「少しでも…」と考えれば考えるほど、まとめ「振り返り」の時間が足りなくなり「アウトプット」の時間を十分に確保できなくなってしまいます。改めて先生方で「アウトプット」の時間の確保をお願いしました。
そう言えば、かのアインシュタイン博士は「6歳の子どもに説明できなければ理解したとは言えない」と名言を残しています。
家庭科の研究大会、本校にとって大切なことに気付かされた有意義な研究大会でした。
校長室のひとりごと「行事は人を育てる、平常日課は学力を向上させる」
11月の第一土曜日(今年は2日でした)は「のだ教育の日」、それに合わせて11月は「学力向上月間」でもあります。本校でもこの11月、落ち着いて学習に取り組み学力向上を図りたいところです。
私は常々「行事は人を育てる」ために必要だと考えており、一方「平常日課が学力を向上させる」のだと考えています。この行事と平常日課のバランスが大切でどちらかに偏ってしまっては義務教育の目的、目標に近づくことはできません。近年、中学校では「何もない日」そもそも平常日課(時間割通り)の日が少なくなってきています。4月からスケジュール帳で振り返ってみても、3学年揃って1週間平常日課が続いたのは、7月にわずか1回しかありませんでした。では「学力向上月間」の11月はどうかと言えば、連日の「教育相談」のための短縮日課で始まり、7日は「野教研(市の教員の研究会)」のため給食後下校、次の週には「定期テスト」、その次の週は「市長と話そう集会」3年生の「思春期講演会」、1年生の「環境教育」2年生の「主権者教育」などの市主催の出前授業など、11月も例外ではなく連日何かがあり、校長室の行事予定の黒板もぎっしりです。生徒たちも落ち着いて計画的に学習を進めるのも一苦労です。一方で、業務改善に迫られている教員も同様です。平常日課ではなく何かがあるということは、そのために授業とは別に計画を立てたり、時には特別に指導をしたりと準備をしなくてはなりません。
先生方には授業に集中し、生徒たちには、その授業を主体的に受け学習に取り組んでほしいと思います。
校長室のひとりごと「今日から11月」
今日から11月、澄んだ朝の空気に日差しが清々しく感じます。以前「校長室の窓から見る学校の風景は最高」だと書きましたが、窓から見る秋の風景もなかなかのものです。校長室と校庭を隔てるように植えられた「ハナミズキ」も今は赤く色づき小さな実をたくさんつけ、その実を目当てに野鳥が啄みにやってきます。そんな「ハナミズキ」越しには敷地を囲むように葉を落とした桜や、高くそびえるヒマラヤ杉が連なっています。そして敷地の東側、北側には大きな大きな「イチョウ」が連なりライムグリーンの葉が少しずつ黄色に色づき始めています。そんな景色を眺めているとつくづく秋を感じます。
ところで「ハナミズキ」は20世紀初頭に日本からワシントンDCに送られた桜のお返しとしてアメリカから日本に入ってきた「ミズキ」という種類の植物です。日本古来のミズキよりも花が綺麗だったことから「ハナミズキ」と呼ばれるようになったそうです。
比較的学校には珍しい「イチョウ」と言えば、神宮外苑をはじめ東京の「イチョウ並木」を思い浮かべますが、この街路樹にイチョウを植え始めたきっかけは関東大震災だと言われています。関東大震災で焼け野原となった東京でイチョウだけが焼け残り延焼を抑えたという実績から、他の樹木よりも火災に強いイチョウを街路樹として積極的に植え始めたそうです。そんなイチョウに守られていると思うと頼もしく感じます。「イチョウ」もあと数週間で見頃を迎え黄金色に変身した「イチョウ」を見ることができるでしょう。
「イチョウ」は中国語で「イーチャオ(鴨脚)」、葉の形が水掻きのある鴨の脚に似ていることが語源だそうです。
校長室のひとりごと「ハロウィン」
日本でも仮装するなど若者中心に盛り上がりを見せている行事、今日は「ハロウィン」です。しかし盛り上がり過ぎて羽目を外す若者たちの行動が毎年問題視されているのも事実です。渋谷区が先日路上飲酒禁止条例を10月から施行したのもこのハロウィンが影響したともいわれています。
日本ではハロウィンと言えば仮装して騒ぐ行事という認識しかない人も多いようなので、少し本来のハロウィンについて調べてみました。
その起源は2000年以上前、アイルランドやスコットランドに住む古代ケルト人のお祭りだと伝えられています。一年の終わりである10月31日に収穫物を集め、夏が終わり冬の到来を告げるお祭りです。また一年の終わり10月31日には死後の世界との扉が開き先祖の霊が家族に会いに戻ってくると伝わる、日本の「お盆」のような意味合いもありました。 死後の世界との扉が開けば先祖の霊だけではなく悪霊も現世に紛れ込んでしまい子供たちを襲うと考えられ、子供たちは悪霊に仲間だと思わせるようなメイクや仮装するようになったそうです。日本でいう「大みそか」と「収穫祭」と「お盆」を同時に祝うようなお祭りです。オレンジ色のかぼちゃのランタンもハロウィンに付き物ですが、もともと欧州では「株」をくりぬいて作っていましたが、アメリカへの移民たちが、その季節アメリカに豊富にあるカボチャに目をつけたのが始まりです。また日本ではなじみがありませんが、ハロウィンの日の夕暮れになると、仮装して悪霊の仲間を装った子供たちが「トリック・オア・トリート」「お菓子をくれないといたずらするぞ」と家々を回ります。すると住人は「いたずらだけは勘弁して!」とお菓子を渡して悪霊が家に入らぬようお願いするというのが、アメリカでのハロウィンの風物詩です。
日本では、悪霊の真似をした仮想だけではなく、アニメのキャラクターなど様々な仮想をしていますが、これも日本独自の形に変化したハロウィンなのでしょう。
校長室のひとりごと「◯◯の秋」
雨ということもあり今朝は随分と寒く感じましたね。11月を目前にやっと、本格的な秋の到来といったところでしょうか。気づけば日没時間も早まり、日の出も随分と遅くなり「秋の夜長」になってきました。校長室に日差しが直接入るようになったということは、夏に比べるとやはり太陽の軌道が傾き冬に向かっていることを実感します。そんな秋本番、皆さんの秋は、どんな秋でしょうか。
いつものようにインターネットであれこれ閲覧していると「◯◯の秋ランキング」なるサイトを見つけました。このサイトによると第1位は「紅葉の秋」綺麗な紅葉を見たいとの結果です。第2位は、秋の味覚を存分に楽しみたいと「食欲の秋」、第3位は、やっと涼しくなり体を動かしたいと「スポーツの秋」、以下「読書の秋」「睡眠の秋」「芸術の秋」「旅行の秋」「音楽の秋」「実りの秋」「行楽の秋」と続いています。順位はともかく、どの秋も想像するだけで楽しいのは私だけでしょうか。
ところで、近年温暖化の影響でしょうか、いつまでも残暑が続き、やっと秋が来たかと思えば、すぐに寒くなって冬になってしまい、その冬を終えて、暖かな春の日差しを感じたかと思えば、もう5月には暑くなってしまう。日本が誇る「美しい四季」が、秋、春のない「二季」になってしまうのではと心配になってしまいます。
などと書いてきましたが、まずはこの週末は季節外れの「台風」に気をつけましょう。