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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「幸せって?」

 5月に紹介した「低緯度オーロラ」でしたが、どうやら昨日、今日、明日も再度最大級の太陽フレアが発生すると予想されており、また日本のどこかでオーロラが観測されるかもしれませんね。
 突然ですが「幸せって何だろう?」と問われたとしたら、何と答えますか?
 簡単すぎて言葉を探してしまうかもしれませんね。小中学生に同じ質問をすれば「幸せとはお金持ちになること」という「幸せ=お金持ち」という考えの答えが多いことでしょう。確かにあるにこしたことがないお金ですが、お金持ちになることは人生の目的ではないはずです。この場(5月17日)でも書きましたが、最終的な目的(ゴール)は「幸せ」で、その手段として「お金持ち」になることを望んでいるのでしょう。
 「お金と幸福度」に関する研究で「所持金が2倍になれば幸福度が2倍になるのか?」と研究した方がいるようで、当然、所持金が2倍になっても幸福度は変わりないという結果だったそうです。幸福度には、お金以外にも様々な要因が関係しています。例えば「健康であること」「時間的な余裕があること」「信頼し合える仲間がいること」「正しく評価されていること」などが要因として考えられます。
 毎日、このHPを読んでいただいている皆さんは「今、幸せですか?」。
 我々教員は「社会の形成者として自立できる人材」に生徒たちを育てようと日々奮闘しています。キャリア教育や進路指導では本来「生き方指導」を進めたいところですが「受験指導」に偏りがちです。しかし実際には学校生活の様々な場面で、例えば保健指導や保健体育の授業を通して健康の保持増進、また、時間の使い方や、視野を広く持つこと、探究的な学習で興味があることを深く広く学ぶ、行事や日頃の生活を通して人間関係の構築、他人の意見を聞き入れ自他の良いところを認める、など日頃から中学校で心掛けている内容が「幸せ」の要因につながっていることを、今キーボードを叩きながら改めて気づかされました。

校長室のひとりごと「虫歯予防デー」

 今日6月4日は「虫歯予防デー」です。生活するうえで、人間大切ではない部分などはありませんが、特に大切に感じるのが「歯」だという人も少なくないでしょう。
 虫歯で歯が痛くなれば、本当にどうしようもなく痛く感じますし、それが上の歯なら脳に近いため尚更ですよね。また、何より食欲に影響します。美味しく感じられないばかりか、食べることが億劫になってしまいます。いつまでも丈夫な歯で生活したいとつくづく感じます。
 さて、「歯」はスポーツにも大きく関係します。日本でも90年代に「スポーツ歯学医学会」が設立され「スポーツ歯学」の認知が広まりました。世界のホームラン王「王貞治選手」は現役中は奥歯がボロボロだったそうです。ボールを打つインパクトの瞬間に繰り返し歯を食いしばっていたためです。我々昭和世代は「しっかり歯をくいしばって頑張れ」などと表現しますが、実は歯を強く嚙み締めることで、実際に筋力が4~6%程度アップすると言われています。近年、ボクシングだけではなく様々な競技のアスリートがマウスピースを着用していますが、繰り返し奥歯を噛み締めることから歯を守り、かみ合わせを矯正してくれ、奥歯を効率よく食いしばることを可能にしてくれるからです。
 実際に、瞬発的に筋力を使う競技の選手たちは、マウスピースだけではなく、虫歯、歯並び、歯のケアにも気を使っています。
 100mのウサイン・ボルト選手は、スローで見ると口を開けリラックスして走る姿が印象的ですが、スタート時にはしっかりと歯を食いしばり加速しています。加速してからは、筋肉をリラックスさせ無駄な力が入らないように、わざと口を開けしているのです。
 また、運動をつかさどっている脳の「運動野」、認知機能をつかさどる「前頭前野」ともに、歯を強くかむことで血流が増し機能が向上するため、スポーツ中にガムを噛んでいる選手がいるのも、このためなのです。
 どうですか? 「スポーツと健康と歯」、密接な関係ですよね。今日6月4日に、自分の歯について改めて意識してみませんか。

校長室のひとりごと「山場の6月」

 6月になりました。本校にとってこの6月、ある意味大きな山場となる一カ月です。
 1年生は「マザー牧場」へ校外学習、2年生は、コロナでしばらく中断していた「職場体験学習」、3年生は京都・奈良への「修学旅行」と、各学年の大きな行事が6月に集中しています。既に取り組みも本格化しています。
 また、今年初めての定期テストもあり、生徒たちは、テストに向けた取り組み、つまりテスト勉強も始めています。
各部活動でも、3年生にとって最後の大会「葛北大会」が今月末から、水泳・野球を皮切りに開幕します。
毎日の授業にプラスし、テスト勉強をしつつ、葛北大会に向け部活動に取り組む。そして各学年行事に向け準備を進めるという、生徒たちにとっては一日一日が大切で、毎日が目まぐるしく過ぎてゆく6月がスタートしました。
 一方教員にとっても、やはり6月は大きな山場です。中学校の教員は年間を通して授業準備は行うものの、その時期によって忙しさは変わります。例えば8月などは夏休み中なので、比較的自分の仕事のために自由に時間を使えますが、4月は、年度はじめにやらなくてはならないことが一気に押し寄せ、猫の手も借りたいくらいです。それでも「もう少し頑張ればゴールデンウィークだ!」と頑張れるものですが、6月はボディーブローのようにじわじわと疲労がたまります。テストづくりやら採点作業、行事の取り組みのための企画や準備、休日には部活動練習試合など「早く夏休みならないかな」と愚痴の一つも出てきます。まして6月は息つける祝日がありません。例年なら6月15日「千葉県民の日」が祝日扱いなのですが、今年は残念ながら土曜日と重なってしまっています。
 愚痴ばかり書いても始まりません。この梅雨特有の何とも言えない気候、各種検診や熱中症対策、食中毒予防なども含めて、何とか生徒たちとともに大きな山場6月を乗り切ろうと思います。

校長室のひとりごと「空からの贈り物」

 昨日、出勤すると教頭先生から「これが落ちていました」と紙が付いた割れたピンク色の風船を手渡されました。何かと思いその紙を見れば表には「武蔵村山市立第一小学校」の名前が印刷されていました。そのピンク色の風船に付けられた紙(手紙)をもう一度よく見れば、表には5月23日の日付で「110周年おめでとう」と、また「開校110周年を記念して風船を飛ばしました。拾われた方はメッセージをいただければうれしいです」と印刷されていたため、この風船が何なのか理解できました。紙の裏面には、鉛筆で書かれたこどもの字で手紙が書かれていました。内容は「学校でヤギを2匹飼っていること」「何かのスポーツをやっていて勝ち進み優勝したいこと」などが可愛らしい字で書かれており「この手紙を読んでくれてありがとう。5年」と締めくくられていました。
 小学5年生が、間違えては消しゴムで消し、書き直しながら、最後の行までビッシリと字が書かれており、一生懸命手紙を書いている姿が頭に浮かんできました。自分が通う歴史と伝統ある第一小学校の110歳の誕生日に、大空という無限で未知の世界に向けて自分が書いたメッセージを風任せの風船に託すという、小学生にとってはワクワクするイベントだったに違いありません。
 以前、市内小学校の周年記念行事に招かれた際に同じように風船メッセージを児童が飛ばしたことがありました。子供たちが声高らかに「せーのっ!」と満面の笑みで風船を放ち、いつまでも見えなくなるまで大空の風船を見ていた、あの輝くまなざしを思い出しました。今回の件があり、その市内小学校の校長先生に電話して伺えば「風任せだから、実際には人が暮らす街なのか、海の真ん中なのか、山の中なのか、どこに飛んで行くかわからないし、ほとんどメッセージは返ってこなかった」と教えてくださいました。
 子供たちの夢を乗せた風船にしては、現実はそんなものかと淋しい気持ちになり、私なりに少しでも武蔵村山市立第一小学校のためになればと、返事を書き早速割れた風船とそれに付けられた手紙を返送しました。

 ピンク色の割れた風船、そこにテープでとめられた雨風にさらされた跡の残る紙に、鉛筆で書いては消し書き直しを繰り返された空からの贈り物の手紙。
何となくホッコリと心温まる一日でした。

校長室のひとりごと「ごみゼロの日」

 今日5月30日は「ごみゼロの日」。野田市では26日(日)に江戸川クリーン作戦が行われましたが、全国各地で様々な形で「ごみゼロ」にちなんでクリーン作戦などが計画されていようです。
 この「ごみゼロの日」、始まりは1970年代、愛知県のある山岳会の「美しい山を守るために落ちているごみを見つけたら拾って持ち帰りましょう」という呼びかけが広まり、その後官民一体となって更に全国に広まり今日の「ごみゼロの日」に至っているそうです。
 当時は、自然の中に捨てられたゴミを拾いきれいな山、環境を維持することが目的でしたが、最近のゴミ事情は、そう単純な問題ではなくなっています。皆さんもご存じのとおり、2015年の国連サミットで全加盟国が合意した、持続可能な開発目標いわゆる「SDGs」について「何か学校としてできないか」「どうしたら生徒たちの意識が高まるか」私は常に考えています。そんなこともあり色々と調べを進めると「ゴミ問題」がやはり地球にとって喫緊の問題だと学びました。近年ファストフードでは、プラゴミを出さないためにストローなどを紙製品に変更したり、スーパーやコンビニでは袋を有料化が進んでいます。

 ちなみに、自然に放置されたゴミが自然に戻るには「ペーパータオルが3週間」「レジ袋が20年」「発泡スチロールが50年」「ペットボトルが400年」かかると言われています。また2050年の海はプラスティックゴミの数が、全海洋生物の数を上回るのではとも言われています。衝撃的な話です。もう少し身近な話として日本の1年間の食品ロスは「洋菓子が1905㌧」「パンは3468㌧」「豆腐が4148㌧」「乳製品に至っては6360㌧」とも言われています。(プール1杯分で約360㌧)
 「落ちているごみを拾おう」と始まった「ごみゼロの日」ですが、今では「ゴミの削減」「ゴミを出さない」ための活動に変化しつつあります。
 次の世代、またその次の世代にと美しい地球を引き継ぐために、一人一人ができることを続けることが大切なのだと改めて考えさせられました。