ほごログ(文化財課ブログ)

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資料の取扱いと発表準備

実習三日目の本日は、午前中は「日章旗」や「掛軸」の資料取扱いを行いました。午後には8月7日の展示コンテンツの発表に向けてそれぞれが準備を行いました。

日章旗の取扱いでは、年代を探るため、春日部町という文字に注目をしました。春日部町は戦争中の昭和19年(1944年)、内牧村と春日部町が合併し、春日部氏ゆかりの名をとって春日部町が誕生しました。その為、日章旗は昭和19年(1944年)のものだということが分かりました。文字の持つ情報の重要さを感じました。

写真:日章旗

掛軸の扱いでは、矢筈を使い壁に展示を行いました。実際に展示をしてみると、掛け軸が傾いているかが分かりにくく、難しさを感じました。展示の際はお客さんの目線になって展示するように工夫をしたいと思いました。

写真:掛け軸の取り扱い

午後の発表準備では、それぞれ興味関心のあるテーマを決め、資料紹介の資料作成を行いました。各自が担当した資料は円筒埴輪、古墳時代の直刀、江戸川で使用された漁業の網、粕壁町の半纏、江戸川の河岸場の文書です。

発表原稿を作成するため、春日部市史などを活用しました。発表まではまだ日にちがありますが、頑張りたいと思います。

写真:文献の調査

写真:資料の撮影

残りの実習も楽しみつつ、一生懸命取り組んでいこうと思います。

 

(令和4年度博物館実習生)

#博物館実習 二日目

2日目は、内容も本格的な実習となりました。まず、午前中は資料整理。市内の某施設に収蔵保管されている民具を整理してもらいました。

郷土資料館所蔵の資料はすべて館内で保管できればよいのですが、そうもいかず、別置されているものも多くありません。資料の整理作業は資料を活用するための基礎的作業として重要です。

資料の整理札を確認しつつ、資料の採寸をしながら、カードを記述していきます。なかには整理札が紛失して、資料名や出所がわからなくなってしまったものもありました。実習生のみなさんは、資料をよく観察しながら、道具が使われた時代や使い方を考えながら、整理を進めてくれました。

午前中は気温・湿度も高く、蒸し風呂状態のなかの作業でした。汗だくになりながら、またお召し物も少し汚れてしまったかもしれません。お疲れさまでした。

写真:資料の採寸

 

午後は、本物の縄文土器を教材にして、梱包の実習をしました。梱包する前に、まず梱包具「綿布団(わたぶとん)」を作ってもらいました。続いて、縄文土器の梱包。考古資料担当の学芸員に指導しながら、恐る恐る梱包していました。実物の土器を触るのが初めてだった人もいたことでしょう。感触はいかがでしたでしょうか?

 写真:縄文土器の梱包

引き続き、頑張ってください。

【久喜市立郷土資料館】連携展示「明治天皇と久喜」

今回から、宮内庁との共催展「明治天皇と春日部」の連携展示の紹介。初回は久喜市立郷土資料館です。 #かすかべプラスワン

「春日部の話じゃないじゃないか!」とお叱りを受けそうですが、春日部市内の歴史を切り取っても理解は深まりません。視野を広くもって春日部の歴史も考える必要があります。歴史は地域をつなぐ。そんな思いから、連携展示「埼玉県東部と近代の皇室」は企画されました。

さて、久喜市立郷土資料館は、旧鷲宮町の郷土資料館で、鷲宮神社のそばに立地します。常設展示では旧石器時代から、近現代までの久喜市の歴史が紹介されます。とりわけ、鷲宮神社が県内でも屈指の古社であり、文化財の宝庫でもあることから、鎌倉時代以降の鷲宮神社をめぐる展示、国指定重要無形民俗文化財「鷲宮催馬楽神楽」の展示が特徴的です。

写真:建物の外観

連携展示「明治天皇と久喜」では、明治天皇の巡幸を中心にした展示です。久喜市内には、春日部と同様に明治9年・14年に栗橋で明治天皇が御小休になり、9年には利根川で鯉漁をご覧になっています。また、明治29年には、埼玉県での近衛師団の演習をご覧になるため、鷲宮神社に立ち寄られ、御休憩となっています。展示では、宮内庁宮内公文書館のパネルのほか、久喜市立郷土資料館で収蔵する資料を展示しています。また、明治天皇ゆかりの人物として、久喜の偉人本田静六の事績も紹介されています。本田静六は「公園の父」とも称される久喜出身の林学者で、明治神宮の造営にも携わったそうです。

写真:展示のポスター

明治天皇の巡幸のみならず、本田静六にまで広げて展示されており、久喜市の歴史の特徴が出ています。春日部会場では展示していない資料も多く並んでいますので、ぜひご覧ください。

また、近隣には鷲宮神社をはじめ、明治天皇の聖跡の地に石碑が遺されています。あわせてお楽しみください。

 ◆久喜市立郷土資料館「明治天皇と久喜」

  会期:7月20日(水)~9月4日(日)

  開館時間:10時~18時

  休館日:月曜日、7月29日、8月12日、8月26日

  住所:久喜市鷲宮5-33-1

  電話:0480-57-1200

  https://www.city.kuki.lg.jp/miryoku/rekishi_bunkazai/kyodoshiryokan/

#博物館実習 はじまりました

令和4年度の博物館実習がはじまりました。今年度は5名の大学生が実習生として来ています。 #春日部市郷土資料館 #かすかべプラスワン

初日の今日は、オリエンテーション的な内容。午前中は館内やバックヤードの見学・案内。たっぷりと学芸員から展示の説明、館内の説明を受けて、郷土資料館の見方が少しかわったでしょうか?

 写真:展示室の見学・案内

午後は、見学を踏まえてディスカッション。理想の博物館像や春日部市郷土資料館の良い点、悪い点などを話し合ってもらいました。さらに、実習生たちだけで、郷土資料館のキャッチコピーを考えてもらいました。

写真:ディスカッション

実習生は、展示室は狭いが内容が奥深いのが春日部市郷土資料館の特徴であり、そうした春日部の特徴を扱う施設はほかにない。がしかし、ローカル色が強くとっつきにくい、と館の性格を分析してくれました。主要なターゲット層を子育て世代の親子として、子どもたちがが大人になってからも来館してくれる。過去だけでなく未来にもフォーカスをあててはどうか。そうした観点からひねり出してくれたキャッチコピーは、「春日部の歴史は動いた。そして、これからも」です。

持続可能なまちを標榜する春日部市にコミットしたキャッチコピーだと思いました。具体的な策を聞いてみたいところです。

 

実習は計8日間と長丁場です。実習の活動は、「ほごログ」で実習生自身にリポートしてもらいますので、お楽しみに。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

令和4年7月24日(日)の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館体験ワークショップ「糸でんわを作ろう」を開催しました。

 

まずは蓄音機でのレコード鑑賞から。曲は有名な「かっこうのワルツ」です。

蓄音機鑑賞

CDとレコードを比べながら説明しています。

「なぜこの円盤(レコード)から音がなるの?」などの質問もあり、興味を持ってくれたようでした。

 

紙芝居の朗読

次に、西金野井に伝わる伝説「江戸川を流れてきた獅子」の紙芝居を朗読しました。

春日部に伝わる伝説を知ることで、子供のころから郷土への愛着・関心を深めてもらえると嬉しいです。

 

そして糸でんわ作りなのですが、作る前に少しだけ声や音に関する実験を行いました。

実験装置

ボウルにビニールをピンと張り、そこに塩をまいたものです。これに声をあてると、声の振動がボウル内で反響してビニールを揺らし、塩が模様を描くように動きます。コロナの影響もあり、マスク越しでしか声を出せないため、塩を大きく動かすことはできませんでしたが、こんな実験から声が空気を伝わる振動であることをちょっとでも理解してくれたら幸いです。

 

糸でんわ作り風景

糸電話づくりには、学習のために来館していた高校生の皆さんにもご参加いただきました。ありがとう!

作るおもちゃの難易度から広報等には参加対象が幼児から小学生となっていますが、中学生・高校生も実は大歓迎です!

糸でんわ遊び風景

糸でんわの糸の長さは約5メートルあり、子供にとってはかなり遠い距離での会話に感じたのではないでしょうか♪

 

最後に缶バッジ作りをして、約40分程度で終了しました。

次回の体験ワークショップは令和4年8月21日(日)に開催予定です。詳しくは広報誌等でご確認ください。次回のおもちゃは新作「ミニ空気砲」を作るのでお楽しみに!

郷土資料館は適宜換気や消毒を行って開館しております。コロナや熱中症など気を付けながら、またぜひお越しください。