ほごログ(文化財課ブログ)

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宝珠花の大凧揚げ

宝珠花地区の江戸川土手では、市の無形民俗文化財に指定されている宝珠花の大凧揚げが行われました
宝珠花小学校の児童のみなさん、そして江戸川中学校の生徒のみなさんが引手となった「小凧」はさわやかな五月晴れの下、見事に舞い上がりました。
 大凧の全貌はみられませんでしたが、5月5日にも行われますので、ご期待ください。

円空仏の公開

小淵山観音院で『円空仏』の公開が始まりました
 
五月晴れの5月3日、午前10時から観音院本堂で埼玉県有形文化財に指定されております円空仏7体が公開されております。この公開は年一度の機会となりますので、是非、拝観してみてはいかがでしょうか。
 公開期間:5月3日から5月7日(午前10時~午後5時)
 場  所:春日部市小渕1634番地

権現山遺跡の底部穿孔壺形土器『新編図録春日部の歴史』からーその8

東中野に所在する権現山(ごんげんやま)遺跡では、昭和38年の発掘調査で、底に穴があけられた壺形の土器が13点出土しました。これらの土器は、昭和62年に埼玉県指定文化財に指定され、現在、さいたま市にある埼玉県立歴史と民俗の博物館で展示されています。底部穿孔壺形(ていぶせんこうつぼがた)土器と呼ばれています。

これらの土器は「方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)」と呼ばれる古墳時代のお墓から発掘されました。土器を焼く前の粘土で形を作った段階で底に穴をあけており、日常的に使用するためではなく、製作当初から墓に供える目的で作られた土器であることがわかります。

埼玉県立歴史と民俗の博物館では5月7日まで、企画展「縄文の空間ー暮らしと願い」を開催中です。春日部市内から発掘された古墳時代を代表する文化財である権現山遺跡の土器とともに、ぜひお出かけ頂いてご観覧ください。
埼玉県立歴史と民俗の博物館サイト

「前方後円墳の出現」 『新編図録 春日部の歴史』25ページ
『権現山遺跡第1次調査』2005庄和町文化財調査報告書第15集


ゴールデンウィーク中の指定文化財公開

ゴールデンウィーク中には、牛島のフジで有名な藤花園の開園をはじめ、大凧あげ祭り、円空仏祭と文化遺産の公開やイベントが開催されます。
期間限定の花期や催しですので、ぜひ、お出かけください。

藤花園の開園
(国指定特別天然記念物「牛島のフジ」)
日時:
平成29年4月19日(水)~5月7日(日)8:00~18:00
場所:藤花園(春日部市牛島786)
入園料:
大人1,000円 、子供500円(4歳以上小学生まで)
詳細は下記ページをご覧ください。
藤花園サイト
 
大凧あげ祭り
(国選択無形民俗文化財「関東の大凧揚げ習俗」、春日部市指定無形民俗文化財「宝珠花大凧揚げ」)
日時:平成29年5月3日(水)、5日(金)
場所:西宝珠花江戸川河川敷
3日、5日とも大凧は午後2時ごろにあげられます。
詳細は下記ページをご覧ください。
大凧あげ祭り(春日部市公式サイト)

円空仏祭
(埼玉県指定有形文化財「小渕観音院円空仏群」、春日部市指定文化財「小渕山観音院仁王門」)
日時:平成29年5月3日(水)~7日(金)10:00~17:00
場所:小淵山観音院(春日部市小渕1634)
拝観料:500円(お1人様1日限り、中学生以下無料)
詳細は下記ページをご覧ください。
小淵山観音院仁王門と円空仏群の公開(春日部市公式サイト)

春日部の領主たち『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその7

江戸時代、春日部市域は、江戸幕府領の村と岩槻藩領の村から構成されていました。元禄10年(1697)になると、時の将軍、徳川綱吉が「元禄の地方直し(げんろくのじかたなおし)」を行い、市域には旗本に米をおさめる旗本領が数多く設定されました。

旗本領の村では、複数の旗本が同規模の小さな領地を与えられる「相給知行(あいきゅうちぎょう)」の形が一般的でした。神間(かんま)村には、旗本中根氏の領地に囲まれた中に一区画だけ旗本能勢(のせ)氏の領地が存在しました。
また、旗本たちは江戸の暮らしが苦しくなると、しばしば村から御用金などを徴収しました。その見返りとして、写真の「旗本能勢氏下知状(のせしげちじょう)」にあるように、武士と同じく名字を名乗ったり刀を持ったりする苗字帯刀(みょうじたいとう)を名主(なぬし)に認めたりすることがありました。

「春日部の領主たち」 『新編図録 春日部の歴史』80ページ


相給知行の土地を描いた図(右側の中央に能勢氏の領地が描かれている)


文政7年(1824)旗本能勢氏下知状