ほごログ(文化財課ブログ)

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出張・旅行 【資料の出張】幸松地区公民館「むかしの遊び教室」へ

平成30年6月23日(土)、幸松地区公民館主催の「むかしの遊び教室」に、郷土資料館の資料を貸し出しました。
貸し出したものは、大人の方が少し懐かしいと感じる、おもちゃや身の回りにある道具などです。
参加した幸松地区の子どもたちは、普段は遊ぶことのないカルタやすごろくで遊んだり、今では見かけなくなったダイヤル式の電話や炭火アイロンなどを触ったりして、楽しんでいました。なかでも人気だったのは、かすかべ郷土カルタを活用して製作した
「幸松郷土カルタ双六」でした。
写真:会場のようす
楽しんだのは、子どもたちだけではありません。ボランティアとして道具の使い方の指導にあたられた大人のみなさんも、子どもたちと一緒になって遊んでいらっしゃいました。写真は、参加者の親子とボランティアさんで盛り上がった、郷土カルタのようすです。
写真:会場のようす2
郷土資料館では、学校や高齢者施設向けに昔の道具やおもちゃの貸し出しもしています。学校向けの教材用貸出についてはこちら。ご興味のある方はご相談ください。

不動院頼長書状写『新編図録春日部の歴史』からのご紹介51

戦国時代、当時盛んだった修験の関東の中心となったのが小田原の玉滝坊(ぎょくろうぼう)と小渕にあった不動院でした。不動院は、文亀年間(1501~1504)に開山され、幸手領に属したことや幸手城主の一色氏(いっしきし)とのつながりから、幸手不動院とも呼ばれました。

今回ご紹介するのは「不動院頼長書状写(ふどういんらいちょうしょじょううつし)」です。
頼長(らいちょう)は、不動院2代目の住職で幸手城主の一色氏から妻を迎えました。
この史料は、頼長が現在の鴻巣市にあった足立郡大行院にあてた書状で、大行院配下の山伏は、年始の行を講じたり、山に修行に入る際は大行院のしきたりに従わせるよう命じたものです。
大行院は、現在のさいたま市浦和区にあった玉林院と、上足立郡、下足立郡の境界をめぐって争いが絶えなかったようです。不動院の本山である京都聖護院門跡(しょうごいんもんせき)の奉行人と連名で、境界争いについては、岩付(いわつき)城主の指示に従うよう命じた文書も伝えられています。


小渕山下北遺跡の漆椀『新編図録 春日部の歴史』からのご紹介11
『武州文書』国立公文書館内閣文庫蔵
「639 不動院頼長書状写」1989『春日部市史 第二巻 古代中世資料編』649ページ

「不動院と修験」『新編 図録 春日部の歴史』66ページ

不動院頼長書状写

中学校の生徒が、郷土資料館を見学しました

平成30年6月22日に、市内の中学校の生徒が郷土資料館を見学しました。
貝塚より発掘された人骨や、竪穴式住居・粕壁宿の模型などを学芸員の説明を聞きながら見て、郷土の歴史や変化を身近に感じていました。
生徒達は、とても熱心にメモを取ったり、疑問に思ったことを色々と質問したりして、だいぶ興味をもってくれたようです。

見学の様子

南桜井小学校伝統芸能クラブの獅子舞練習

6月20日、南桜井小学校「伝統芸能クラブ」の4~6年生(計15名)が、西金野井獅子舞保存会の会長さんらの指導のもと、獅子舞の練習を行いました。伝統芸能クラブの活動は、今年度で8年目を迎えます。
5月に取材した時には、笛の音は弱々しく、バラバラな印象を受けましたが、練習の積み重ねによって笛の音は大きくなり、染谷会長の笛の音色と一つになっていました。また、舞の練習では、足腰の動きの細かい指導があり、7月22日(日)西金野井香取神社で行われる祭礼に向けて一段と練習が進んでいます。西金野井の獅子舞は、県の無形民俗文化財に指定されています。子供たちの練習の成果もお披露目されますので、ぜひ一春日部市の伝統芸能をご覧になってみてください。



     ~大きな笛の音が教室に響きました~


   ~保存会の方の説明を真剣に聴いていました~

当日は、クラブ活動終了後に「市長とわがまち未来トーク」の懇談も行われました。生徒の皆さんは緊張した様子で、市長からの質問に答え、自分が描く春日部と将来の夢を話してくれました。

「やったり踊り」公開に向けて練習に取り組んでいます!

 来月の7月14日(土)には、埼玉県から指定されています、無形民俗文化財の「やったり踊り」が武里駅からほど近い、大畑香取神社で午後8時から公開されます。
 6月17日(日)には小学生1年生から中学生の30名の小若が祭礼当日に舞う『練りこみ(ねりこみ)』、『扇子踊り』、『手踊り』の3曲の練習に取り組みました。本日で5回目の練習ということもあり、上級生は下級生を引っ張り、元気良い掛け声が練習会場の集会所に響きわたりました。低学年の子供たちは踊りの所作の難しさはあるものの、地域の上級生や指導者である若衆と触れ合う貴重な機会にもなっており、何度も繰り返す練習にも真剣に向き合う様は見学されていたお父さんやお母さんにとっても嬉しい光景にもなっていました(教育委員会の担当にとってもまさに感動!!)。

今年も郷土の伝統の舞が、こうした練習の積み重ねによって確実に伝承されておりますので、ぜひ、1年に一度の祭礼の機会に郷土の伝統芸能をご堪能してみてください。
扇子踊り
 ▲上半身を後ろへ反らし「ヤッタリナー」の掛け声が特徴的な「扇子踊り」。
手踊り
 ▲哀愁的な唱と囃子による「手踊り」。埼玉県でも数少ない『念仏踊り』の一つに位置づけられています。