ほごログ(文化財課ブログ)

カテゴリ:郷土資料館

看護専門学校が郷土資料館を見学しました

平成31年4月11日(木)に、看護専門学校の新入生が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

竪穴式住居や粕壁宿の模型などを学芸員の説明を聞きながら見て、郷土の歴史や変化を身近に感じていました。
生徒達は、疑問に思ったことを質問したりして、春日部市について興味をもってくれたようです。
お時間があればまたお越しください。

見学の様子

古文書勉強会の成果(その12)

平成31年3月23日(土)に古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。これまでの成果はこちらからさかのぼって御覧になれます。
今回は、神間村文書のほか、現在開催中のミニ企画展示「幕末・明治維新と春日部」展での陳列資料を解読しました。
写真:勉強会の様子
 まずは、神間村文書から。
【史料番号35】

    質物ニ相渡シ申田地証文之事

 一中畑壱反六歩        茨田耕地

 一下畑四反壱畝拾歩      右同断

 一屋鋪弐反八畝弐拾四歩

   田畑屋敷合八反拾歩 御水帳面六左衛門名前

右は当卯御年貢其外払方ニ差詰リ申候ニ付、右

田地貴殿江質物ニ相渡シ金子弐拾三両弐分・永七文借用仕、

只今慥ニ受取申所実正也、但シ返済之儀ハ来辰ノ十二月ニ

相成申候ハヽ本金不残返済可致候間、右田地不残御戻シ

可被下候、若其節金子調達相成兼請返シ申義不罷

成候ハヽ流シ可申候間、 御年貢諸入用貴殿方ニ御勤

被成、此証文を以貴殿御所持可成候、又ハ御勝手ニ

而何方へ何程之質物ニ御渡シ被成候とも、われ等加判之

者致印形質物ニ為入替可申候、此田地ニ付横合より

故障申もの無御座候、万一何様之六ケ鋪義出来

いたし候共、加判之者何方迄も罷出、急度埒明貴

殿質物ニ可致候、為其五人組加判質地証文相渡シ申候

所如件

              神間村

   文化四卯十二月     地主

                藤右衛門㊞

               五人組

                佐助㊞

               同

                重右衛門㊞

               与頭

                太兵衛㊞

         同村名主

           源右衛門殿
(ひとことメモ)
文化4年(1807)の質地証文。地主藤右衛門が名主源右衛門に田畑屋敷8反余を23両余で質入れした証文。


続いて、樋籠の古文書を読みました。
写真:樋籠田中家文書
【樋籠・田中家文書№642】
(包紙)

「          薩州
           陣営より
 大急達書          
  武州粕壁宿在
              廣尾村名主方へ」      
       武州粕壁宿在
        廣尾村名主
         又兵衛

右は急御用談之趣有之間
村役人差添早々江戸小川町
陣営へ可罷出、若同所陣替
之節は芝本営へ可相届
可申、於不参は急度可申付
者也
      薩州陣営
 辰四月廿四日 器械掛
 

       右村
        役人中へ


【樋籠・田中家文書№643】

別紙急御用向粕壁宿
在廣尾村名主迄申達間
千住宿宿継早々可相届事

  辰四月廿四日 薩州陣営

        千住より粕壁迄
         宿々
           役人中へ


(ひとことメモ)
慶応4(1868)辰年4月24日、薩摩藩陣営の器械掛より樋籠村名主又兵衛に対して、「急御用談」があるので、村役人を付添えて、江戸小川町の陣営に出頭するようにと命じた書付。№642は、包紙に包まれて回送された。№643はその添え状で、千住宿から粕壁宿に書付(№642)の宿継を命じたもの。当時は戊辰戦争の最中で、江戸から北関東や東北地方に新政府軍が派兵されていた。薩摩藩は軍資金の調達のために市域屈指の地主樋籠村の名主又兵衛を召還したものと考えられる。地名の樋籠(ひろう)を「廣尾」(ひろお)という字を当て書いていることから、薩摩藩と又兵衛の面識はなかったと考えられます。

写真:展示風景
田中家文書については、現在ミニ企画展で展示中です。ぜひ皆さんの解読の成果をご覧ください。

次回の勉強会は、4月27日(土)に開催予定です。

講演会「戊辰戦争と埼玉東部地域」とミニ企画展

平成31年3月30日(土)春日部市郷土資料館歴史文化講演会を開催しました。また、ミニ企画展示「幕末・明治維新と春日部」もオープンしました。

歴史文化講演会では、東京大学史料編纂所の箱石 大(はこいし ひろし)先生をお招きして、「戊辰戦争と埼玉東部地域―東山道総督府の鎮撫活動期間を中心に」と題して、ご講演いただきました。

写真:講演会の様子
関東地方にやってきた新政府軍(東山道総督府)の組織や進軍の動向、埼玉東部地域における鎮部活動や軍政の実態について、豊富な史料を背景にして詳しくお話しいただきました。埼玉県東部地域は、下野梁田戦争や羽生領の打ちこわし、あるいは官軍通行による人馬負担の増加など、地域の支配行政や治安が不安定になりました。市域は、東山道総督府の軍政下に置かれ、県内に所在する岩槻藩や忍藩が局地的に治安を取締まっていましたが、戊辰戦争の戦局が推移するなかで、武蔵知県事などの知県事支配体制が確立されていきました。箱石先生は、武蔵知県事に任命される山田一太夫が忍藩士であったことや、東山道総督府の軍政が知県事支配に引き継がれていったことを指摘されました。
写真:箱石先生
新政府軍の組織や統治の過程について、最先端の成果がうかがて、勉強になりました。

ところで、質疑応答の時間には、受講者から「地域の実態について、教えてほしい」との質問がありました。実は、戊辰戦争期の市域の実態については、ほとんど明らかにされていません。
郷土資料館では、箱石先生のご講演にあわせて、戊辰戦争期の地元春日部の様子をうかがえる古文書を展示するミニ企画展「幕末・明治維新と春日部」展を開催しています。
所蔵資料のみ、かつ展示室の半分という限界はありますが、古文書から新たに明らかになったことなどを詳しく・細かく解説し、読み応えのあるパネルを並べています。
箱石先生の講演のなかでも、「貴重な地元の史料が展示されている」と紹介していただき、講演後には展示室がにぎわいました。
写真:展示室の様子
展示は4月28日(日)まで(月曜日休館)開催しています。ぜひ、ご覧ください。
今後、ブログでも展示資料について紹介したいとおもいます。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成31年3月23日(土)、郷土資料館で「体験ワークショップ」が開催されました。
春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「紙てっぽう」を作りました。


ワークショップの様子

初めて見る蓄音機にはワークショップに参加した子供たちは興味津々でしたよ。

ワークショップの様子

最後は、自分で作った紙てっぽうを振り下ろし、”ぱんっ!!”とういう音を響かせ遊びました。
新聞紙でも作ることができるので、家でも作ってみてくださいね。

幕末維新期のミニ企画展開催します

春日部市郷土資料館の企画展示室で、平成31年3月30日(土)から、ミニ企画展示「幕末・明治維新と春日部」を開催します。ポスターが完成しましたので、ご披露します。
画像:ミニ企画展示ポスター

展示会では、嘉永6年(1853)のペリー来航から、明治10年(1877)の西南戦争直前まで、資料館収蔵の幕末維新期の古文書・歴史資料を展示します。
主な展示資料としては、元治元年(1864)の水戸天狗党浪士の借金証文や関宿県や葛飾県など新政府の直轄県時代の古文書などのほか、新規収蔵品も展示します。
収蔵資料を改めて読み直すと、これまで知られていなかった記事が見いだされます。下のものは、八丁目村の御廻米(年貢米)を東京に回送する際に、菊の御紋の御用の建幟をたてるよう命じられたものです。
写真:八丁目村文書

展示会では、古文書や歴史資料にみられる時代・世相を象徴するキーワードに着目して、幕末・明治維新の市域の歴史を紹介します。目下、準備中です。お楽しみに。

展示名:ミニ企画展示「幕末・明治維新と春日部」
会期:平成31年3月30日(土)~4月28日(日)
会場:春日部市郷土資料館企画展示室

粕壁小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年3月5日に粕壁小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子
昭和期に実際に粕壁小学校で使われていた机や椅子をさわったり、木造校舎の粕壁小の写真を見たりしました。

見学の様子
見学していて疑問に思ったことは、すぐに質問!!したり

見学の様子
昔の道具を手に取り実際に使ってみたりもしました。
”そろばん”を初めて見た児童もいて、人生初の”そろばん”体験をしていました。

見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください

豊春小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月26日(火)に豊春小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

昭和期に実際に市内小学校で使われていた机や椅子をさわったり、お手玉・ゲームボーイ・リカちゃん人形などを見ながら、自分が日常遊んでいる物とは違う”おもちゃ”に興味津々でした。

見学の様子

方言のような、かすかべの郷土の言葉では、質問が提示してあり児童たちは一生懸命考えていました。
例えば「げいろ」は今の言葉で言うと何? 皆さん、わかりますか?

見学の様子

答えは「かえる(蛙)」です!!  難しいですね~

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

庄和総合支所ロビーに「みに展示」

庄和総合支所の1階ロビーに、江戸川と庄和地域の歴史についてのパネル展示をしました。江戸川の古写真や舟運に関するパネルなどを掲示しています。
写真:ロビー展示の様子
総合支所においでいただいた折に、ぜひご覧ください。

立野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月20日(水)に立野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
見学の様子

少し前に使われていた学用品や、農具等についての説明を聞き、実際に千歯こきの体験をしました。
体験後には「すっきりした♪」「きれいに取れて気持ちいい」など感想をいただきました。

見学の様子
初めて見る一昔前の生活用品や、おもちゃなどの実物を見て今との生活の違いに児童たちは驚いていました。

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

小学校3年生社会科の出張授業を行いました

平成31年2月19日(火)武里南小学校にて出張授業を行いました。
写真:武里南小出張授業

今回、郷土資料館では、3年生の社会科単元に合わせて、「昔のくらしの道具」「昔の子どものくらし」の2つのテーマを用意し、実物の道具に触ってもらいながら、学習してもらいました。
写真:武里南小出張授業

「昔の子どものくらし」では、昔の小学校で使った教科書・学用品を見たり触ったり、70年前の小学3年生の漢字テストを解いてもらいました。「氣持」「樂しい」などのように、旧漢字で書かれた答案用紙をみて、「今よりも難しい」と驚いていました。また、昔の子どもはどんな遊びをしたのかについて、昔のおもちゃ遊び、紙でっぽうづくりを通じて、学習してもらいました。
写真:紙でっぽうづくり

「昔のくらしの道具」では、おじいさん・おばあさんが子どもだった時代に、家庭で使われていた道具について説明を聞き、郷土資料館ではケースのなかに入っている昔の道具を見たり、触ったり、使ったりしてもらいました。また、農家で使っていた千歯こき、唐箕(とうみ)の使い方を体験してもらいました。唐箕の羽根を回して、籾が選別されると、大きな歓声があがりました。
写真:唐箕の体験

「昔の道具の使い方がよくわかった」「郷土資料館に遊びに行きたい」などと感想を話してくれました。
武里南小学校の皆さん、ぜひ遊びに来てくださいね。

幸松小学校の放課後子ども教室で双六をやりました

平成31年2月18日(月)、幸松小学校の放課後子ども教室に出張しました。幸松ルームで、郷土資料館オリジナルの幸松郷土カルタ双六を行いました。春日部郷土カルタを使って郷土資料館で作成した双六です。児童14名と指導者4名が参加し、大いに盛り上がりました。

ユリカモメ、梅若くん、在原業平、ぐうすけ、などのチームを決めます


特製 巨大春日部サイコロを振ります。サイコロは、大凧など春日部ゆかりの物が、描かれています


途中、チャンスクイズや幸松チャンスなど、ポイントアップも可能。クイズの答えを考えているところです


クイズに正解して、ポイントが入ると盛り上がります


遊びながら、楽しく春日部のことを学びました。また、郷土カルタにも関心を持てたようです。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成31年2月17日(日)、郷土資料館展示室で「体験ワークショップ からくり屏風を作ろう!」が開催されました。

ワークショップの様子

春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「からくり屏風」を作りました。

ワークショップの作業風景

裏と表の2面しかないように見えるのに、4種類の絵柄が出てくる不思議な屏風に、参加した子供たちは大変喜んでいました。

ワークショップ風景

ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。

ワークショップの様子
 
次回ワークショップは、平成31年3月23日(土)に「ぴょんぴょんカエル」や「紙てっぽう」を作ります。ご参加をお待ちしています♪♪♪

ワークショップの様子

川辺小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月15日に川辺小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
学芸員から昔の春日部について説明を聞いたあと、資料館内を自由に見てまわりました。


見学の様子
用水路から田んぼに水をいれる農機具である「水車(水ぐるま)」に触れたり、

見学の様子
「千歯こき」で稲からモミを取ることもしました。

見学の様子
学芸員の説明には、メモを取りながら真剣に聞いてくれました。

見学の様子
昔の乗り物や、おもちゃで遊びながら昔の生活も体験しました。

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

八木崎小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月14日に八木崎小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

少し昔のくらしを展示した企画展示室では、
実際に日常で使われていた生活用品や学用品等を、見たり触れたりしました。


見学の様子

昔の春日部の写真を見て、春日部の移り変わりを実感したり


見学の様子

隣の常設展示室では、もっと昔である江戸時代の粕壁宿の模型を見たりして、昔を身近に感じていました。

※郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

古文書勉強会の成果(その11)

平成31年2月2日(土)と古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。これまでの成果はこちらからさかのぼって御覧になれます。
写真:勉強会の模様
2月は4点の史料を解読しました。成果は以下の通りです。

【史料番号26】
    質物ニ相渡申畑地証文之事

 

一上畑壱反壱畝弐歩    町田耕地

能勢十次郎様御知行所御水帳面利兵衛名前也

 右は当巳御年貢金其外要用差詰リ申候ニ付

 貴殿江御無心申、右之畑地壱反壱畝弐歩質物ニ

 相渡金四両壱分借用仕只今慥ニ請取申処

 実正也、但し年季儀之ハ当巳十二月より来申十二月迄

 中三ケ年季ニ相定申候、此畑地ニ付諸新(親)類等不申及

 横合より少も構無御座候、若何如様之六ケ敷儀出来

 致候とも、我等加印之もの何方迄も罷出急度埒明、貴

 殿之質物ニ可致候、聊御苦労ニ相掛ニ申間敷候

一御公儀様御年貢諸役之義ハ貴殿方ニ而御勤被成

 べく候、尤年季目之申十二月中ニ罷成候ハヽ、本金四両

 壱分急度返金致候ハヽ右之畑地不残御返し

 可被下候、若受返し申儀不罷成候ハヽ、流可申候間、此証文

 を以右之畑地貴殿所持被成べく候、自然御

 縄入等御座候ハヽ、貴殿名前ニ御請可被成候、又は御勝

 手ニ而何方へ何程之質物ニ御渡し被成候とも

 我等儀ハ不及申右加印之もの印形致為質物ニ

 入替可申候、其節違儀申間敷候、勿論此証文

 を以貴殿御所持被成候内は、何年過候とも少も

 違乱無御座候、為念組中印形致質物証文入

 置申処如件               

   安政五年     下総国葛飾郡

     午三月       神間村

               出石地主

                甚五兵衛㊞

               五人組

                兵左衛門㊞

               同

                源次郎㊞

               同

                林蔵㊞

                名主           

               久左衛門㊞

 

                  同国同郡同村


          源兵衛殿
(ひとことメモ)
安政5年(1858)の質地証文。地主甚五兵衛が、旗本能勢氏知行所の上畑1反余を質に入れ、金4両1分を借用したもの。

写真:神間村文書26

【史料番号28】

 


   質物ニ相渡申畑地証文之事
一上畑三反歩      町田耕地
    此分米三石
   能勢十次郎様御知行所 御水帳利兵衛名前
右は当巳御年貢其外諸仏(払)方ニ差支貴殿迄無心
申右之畑地三反歩質物ニ相渡し金拾五両借用
仕、只今慥ニ請取申処実正也、但シ年季之儀は
当巳十一月より来ル申十一月迄中三ケ年季ニ相定メ申候、
此畑地ニ付諸新(親)類は不及申、横合より少も構無御座候、
若何方より何如様之六ケ敷儀出来致候とも、我等
加判之もの何方迄も罷出急度埒明、貴殿江質
物ニ可致候、聊御苦労相掛申間敷候
一御公儀様御年貢諸役之儀は貴殿方ニ而御勤可被成候、
 尤年季月之申十一月ニ本金拾五両急度返金
 致候ハヽ、右之畑地不残御返し可被下候、若請返し
 申儀不罷成候ハヽ流可申候間、此証文ヲ以右畑地貴殿
 所持可被成候、自然御縄入御座候ハヽ貴殿名前ニ御請
 可被成候、又は御勝手ニ而何方江何程之質物ニ御渡し
 被成候共、我等義ハ不及申ニ右加判之もの印形
 致し為質物ニ入替可申候、其節違義申間敷候、勿論
 此証文貴殿御所持被成候内は何年過候とも少も
 違乱無御座候、為念組中印形致質物証文
 入置申処依而如件
   安政四年      下総国葛飾郡神間村
    巳十一月        地主
                 甚五兵衛㊞
                五人組
                 兵左衛門㊞
                同
                 源次郎㊞
                同
                 林蔵㊞
                名主
                 久左衛門㊞
            同国同郡
                源兵衛殿

 

(ひとことメモ)
安政4年(1857)の質地証文。地主甚五兵衛が、旗本能勢氏知行所の上畑3反余を質に入れ、金15両を借用したもの。

写真:神間村文書28


【史料番号31】
   質物相渡シ申田地証文之事
一上田五畝歩        八丁通り
一下田壱反五畝歩      同
一中畑九畝歩        同
一下畑弐反六畝歩      同
一屋敷五畝歩        同
  此高四石五升八合 御水帳面新左衛門名前
一上田七畝拾歩       茨田耕地
一中田壱反壱畝歩      同
一下田壱反壱畝弐拾歩    同
一上畑七畝歩        同
一中畑五畝歩        同
一下畑壱反八畝歩      同
  此分米五石九升弐合壱勺
            御水帳面久松名前
右は当亥ノ御年貢其外払方差詰申候ニ付、
書面之田畑貴殿江質物ニ相渡シ金子三拾両
借用仕、只今慥ニ請取申候処実正也、但シ
年季之儀は当亥十二月より来ル寅ノ十二月迄
中三年ニ相定、田畑質物ニ入置申候間
一御年貢諸役之儀は貴殿方ニ而被成御勤作徳并
立木等貴殿近(進)退可被成候、年季明キ寅十二月ニ
相成候ハヽ、金子返済可仕間地所御返シ可被下候、
若其節請返兼候砌田畑無甲乙其時之相場ニ而
相渡シ可申候、此地所ニ付御年貢未進拝借等外江
借金書入等不仕、組合并親類相談之上質地相渡シ
候間、外より故障之筋無御座候間、流地以後御検地
入ニ相成候ハヽ何様御名前ヲ請被成候共申分無
御座候、依之為後証質地証文相渡シ申処
如件        下総国葛飾郡神間村
   天保十年         地主
      亥ノ十二月      源兵衛㊞
          (切取抹消)[      ]
                名主
                 兼右衛門(印墨抹消)
         同国同郡同村
            組頭
                           栄治郎殿

(ひとことメモ)
天保10年(1839)の質地証文。地主源兵衛のほか、二名が連署していたが一名は署名部分を切り取り、兼右衛門は印を墨で抹消している。金子が返済されて反故になったため、このような処置がなされたと考えられる。
写真:神間村文書31の切り取り部分

【史料番号36】

   差上申一札之事
御知行所豆州武州総州先年御先納金
被仰付、村々一同御請仕御上納奉差上候処
今般村々江深ク御憐察を以前書御
先納金不残御下ケ済被下置一同立会
慥ニ奉請取候、依之為後日一同連印之
一札奉差上候処仍如件
  元次(治)二年丑二月     御知行所
 (後筆)             豆州田方郡
「御知行所            間宮村
    武総葛飾郡           名主
      神間村            吉田隼太郎
       名主           右後見名主
        源兵衛            惣四郎㊞
      芦橋村       
        利右衛門      下総国葛飾郡
      千塚村          永沼村
        孫右衛門        名主
      永沼村            野口孝右衛門
       名主
        野口孝右衛門     神間村
    豆州田方郡           名主
      間宮村              源兵衛㊞
       後見名主        芦橋村
      間宮村           名主
        吉田惣四郎          利右衛門㊞
       名主          千塚村
        吉田隼太郎 」     名主
                       孫右衛門㊞


   御地頭所様御内
      御役人中様

(ひとことメモ)
元治2年(1865)に旗本能勢氏の知行所(伊豆国・武蔵国・下総国)の村々が能勢氏に上納した先納金を残らず「御下ケ」(返金)とし、これを知行所村々の村役人らが受け取り、能勢家の下僚あてに提出した文書。差出人は下段に判を押しているが、提出する前に連署の順に支障があったらしく、上段に差出人を書き直している。実際に提出されたものではないようである。
写真:神間村文書36

写真:神間村文書36の差出人の部分

次回は、3月23日(土)14時~を予定しています。

古文書勉強会の成果(その10)

平成31年1月・2月と古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。これまでの成果はこちらからさかのぼって御覧になれます。
写真:1月勉強会の様子
新年1月からは、新たに3名の方が加わり、大所帯となりました。今回は、1月12日(土)に解読した成果を披露します。

【史料番号313】

写真:313
(表紙)

「   松平五郎左衛門様御知行所御内                          

神間邑百姓持高帳

元文五申三月改之       」

   (反古)

   「上田四町五反壱畝歩  

    中田五町六反七畝拾三歩

    下田七町弐反拾五歩

    上畑五町八反三歩

    中畑          」

 

十二 上田四町五反壱歩     五斗五升取

十  中田五町六反七畝拾歩   五斗取

八  下田七町弐反拾五歩    四斗八升取

十  上畑六町九反六畝四歩   百三拾七文取

八  中畑五町八反三歩     百弐拾弐文取

六  下畑拾弐町九畝八歩    百六文取

   下々畑三畝廿四歩     七拾文取

十  屋敷弐町六反弐畝拾壱歩  百拾文取

   田合拾七町三反八畝廿八歩

   畑合弐拾四町八反九畝九歩

  田畑屋敷合四拾四町九反拾八歩

  此高三百八拾三石三斗壱升六合

 

       此訳ケ

一 高拾四石五斗八升八合六勺                     半兵衛

                椿村弥三郎分

一 同三拾壱石八升四合九勺                         門右衛門

一 同拾石八斗三升六合                      同人

                野田金乘院分

一 同弐拾七石九斗三升                         忠兵衛

                椿村弥三郎分

一 同三拾石四斗五升壱合                            藤兵衛

                当村仁右衛門分

一 同弐拾弐石八斗六合                                又右衛門

                屏風庄左衛門分

一 同拾四石五斗三升三合                            角右衛門

                椿村庄次郎分

一 同拾六石壱斗五升九合                            惣右衛門

                五左衛門八右衛門安右衛門三人分寄高也

一 同三石九斗四升六合七勺                         源次郎

一 同六石六升                                    彦兵衛

一 同六石壱斗七升七合                      吉左衛門

一 同三石壱斗六升七合                      八右衛門

一 同五石九斗弐升                             彦八

一 同弐石弐斗三升三合                      市右衛門

一 同五石八斗五升弐合                      助右衛門

一 同拾石三斗四升六合                      甚左衛門

一 同四石壱斗壱升四合                      浅右衛門

立野村八左衛門分

一 同九石八斗四升七合                                同人

                          内四石八升三合甚左衛門分分ケ高入

   二十二石三斗一升     金野井村孫右衛門分

一 同弐拾弐石三斗壱升                                又七             

一 同拾石四斗弐升弐合弐勺               孫八

一 同弐石五斗弐升                        

一 同五石九斗六升三合弐勺               吉右衛門

一 同拾壱石弐斗四升八合八勺           門左衛門

一 同拾八石壱斗壱升七合七勺           伝五右衛門

一 高五石四升六合                             茂兵衛

一 同七石弐斗弐升弐合六勺               藤七

一 同壱石九斗三升五合                      安左衛門

一 同四石弐斗四升                             文右衛門

                金野井村孫右衛門分

一 同三拾五石八斗弐升六合六勺                  定右衛門

一 同拾弐石三斗三升六合六勺           園右衛門

                金野井孫右衛門分

一 同五石八斗九升六合                               

一 同拾四石弐斗四合                                   兵左衛門

内弐石九斗壱升源兵衛分高入

   右惣高合

一高百六石六斗八升五合五勺               椿村

一同六拾七石七斗四升壱合三勺           小平村


(ひとことメモ)
元文五年(1740)の神間村のうち松平五郎左衛門知行所内の百姓の所持高をまとめた記録。松平五郎左衛門は諱(いみな)を正員(まさかず)といい、下総国葛飾郡・伊豆国田方郡・加茂郡に1100石を知行する旗本です(『寛政重修諸家譜』)。

【史料番号32】
写真:32
   御請書之事

一永百六貫七百七拾六文四分  豆州

一永百八貫百六拾弐文三分   武総五ケ村

右は年来御過納上納ニ相成候分相違無御座候、然ル処

当年御暮方御仕法も相立兼候ニ付、前書上納之金子

当寅年より無利足永年賦ニ被 仰付奉畏候、御下ケ金

之義は来ル辰年より年々御収納之内ニ而御下ケ金ニ相成候様

被 仰付一同奉畏候、左候ハヽ此上御過納之儀被 仰付

間敷と是又奉畏候、依之御請書奉差上候、以上

                            御知行所

               豆州間宮村

  嘉永七寅年二月       吉田伊右衛門代

                    藤兵衛

               武総五ケ村

                      代

                  千塚村

                   名主 孫右衛門

                  永沼村

                   名主 孝右衛門

  御地頭所様御内

     渡辺宗輔様

(ひとことメモ)
嘉永七年(1854)二月に旗本能勢氏知行所の伊豆・武蔵・下総の村々が能勢氏の用人渡辺宗輔あてに提出した請書。村々が上納した「過納」分を無利息の年賦金として借用するものとし、来辰年より「御収納」(村が納付する年貢)の内から差し引いて返済することとなった。これを命じた下知書は以前読んだ史料番号1にあたります。近世後期には旗本の家政は悪化し、知行所の村々に対し上納金を命じられることが広く行われました。

【史料番号350】
写真:350
(表紙)

「  嘉永六年             

御鷹御捉飼場締御請証文

  丑八月

        神間村  」

   差上申御請証文之事

一御鷹場村々従 御公儀様被 仰出候通

 御條目之趣堅相守可申候、御鷹鳥は不及

 申諸鳥ニ至迄殺生為致申間鋪候事

一当村ニは四季打鉄砲無御座候事

一御鷹匠様方当村方江御泊人馬継と御先触

 参候ハヽ早速御届ケ可申候、勿論犬猫繋置   

 御鷹之障ニ不相成様可仕候事

      宿被仰付節は火之元入念大切可仕候事 

   附御鷹匠様方御旅宿被 仰付候節

   火之元入念大切ニ可仕候事

一疑鋪相見江候御鷹匠様方御出御鷹遣

 候ハヽ御焼印引合可申候事

   附合札御焼印違候歟、所持不致候ハヽ

   御鷹為遣不申早々御届ケ可申候事

一鶴雁鴨之類追立申間敷候、勿論番屋抔

 仕立道具等為持追立申間鋪候、若相背追

 立御場廻之節御見附被成候ハヽ何様ニも可

 被 仰立候、殊病鳥落鳥御座候ハヽ隠置

 不申御届ニ可申候事

一八月より翌春三月迄之内人寄ケ間敷儀一切仕

 間鋪候、勿論無拠神事仏事一日之祭礼御座

 候共已前御届御下知を請可申候事

一沼川通用悪水堀々堅殺生仕間敷候、勿論八         

 月朔日 御制禁之建札可仕候事

一川鳥売買仕候もの当村ニは一切無御座候、仮

 令脇村より参売買仕候共捕置早速御届可申

候事

一鉄炮其外何ニ而も殺生仕候もの見付候ハヽ捕

 置早々御届可申候事

一八月より三月迄之内用悪水堀先規より掛来

 候場所仮橋無御差支懸置可申候、勿論

 御鷹御用不相済内は囲堀亦は外之堀々ニ至

 迄無拠普請御座候ハヽ早速為御知可申候事

一田船之儀当十月より来春迄御用不相済内

 は用悪水堀々通壱艘も差置申間敷候、縦令

 川通渡場ニ候共渡船計差置外小船差

 置申間敷候事

一御鷹匠様方他村江御止宿被遊御捉飼ニ御

 出村内野場御通行掛り之節御用等居合候農

 人亦は百姓家江御立寄御用之趣被 仰付候共

 無遅々相勤御用御間ニ合候様可仕候、勿論常々

 村中惣百姓並水吞小供ニ至迄申付置御鷹

 御用無御差支可仕候事

一飼鳥之儀水鳥は不及申小鳥ニ至迄飼鳥為

 致申間敷候事

一堀筋通段木伐透下草刈払御捉飼

 御差支無之様可仕候事

一従 御公儀様より被遊御渡候御焼印餌

 鳥合判鏡ニ仕餌鳥人参候ハヽ合判可仕候事

 右箇條之趣被 仰渡得其意村中惣百姓

 寺社領門前百姓并地借店借末々召遣之者

 迄堅為相守可申候、若背仕候者御座候ハゝ何様

 ニも可被 仰立候、為後日御請證文差

 上申候処仍而如件

 

          松平健之助  

          中根鎗次郎

          能勢十次郎   知行所

          久野伊三郎  

          武嶋内蔵助

           下総国葛飾郡

                神間村

嘉永六年            右五組惣代

   丑八月           名主

                  久左衛門㊞

                 組頭

                  源太郎㊞

                 百姓代

                  兵左衛門㊞

 

戸田五介様御組

    野廻役

      関口栄助殿

 (ひとことメモ)
嘉永六年(1853)八月の幕府の鷹場にあたる村々が提出した証文。神間村をはじめ春日部市域は幕府で飼育する鷹の訓練場(捉飼場・とらえかいば)であった。捉飼場の村々には鷹の訓練に支障が生じないようにさまざまな生活規制が強いられた。



次回は3月23日(土)14時~を予定しています。
近いうちに、2月の成果も更新しますのでお楽しみに。

小渕小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月5日に小渕小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

昭和から平成の暮らしのうつりかわりについての説明を聞いた後、自由時間には郷土資料館を自由に見学したり、昭和期に使われていた冷蔵庫や水車などを実際に触ったりして、今との違いに驚いていました

見学の様子

見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

幸松小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年2月1日に幸松小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
昔懐かしの暮らしと道具を実際に近くで見て触って、少し昔の生活を身近に感じていました。

見学の様子

展示されている道具ですが、これは何だか分かりますか?
手水器
児童たちからは、「蚊取り線香?」「炊飯器?」という声もありましたが


正解は・・手を洗う道具「手水器(ちょうずき)」です。
手水器のイラスト


児童も早速体験していました。
見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

正善小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年29日に正善小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
少し前に使われていた日用品や農具等の説明を一生懸命にメモをとりながら聞いていました。

見学の様子

初めて見る物の使い方を質問したりして、昔の道具に興味深々でした。

見学の様子

土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成31年1月22日と23日に上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
時代とともに変わっていった春日部を学芸員から説明を聞いたり、当時使っていた物を触ったりしました。

小学校の見学

自由時間には、実際に”竹ぽっくり”で歩いてみたりと、昔のおもちゃで楽しそうに遊んでいました。

小学校見学の様子

カラーが当然と思っていたテレビが、昔は白黒だったことにも驚いていました。

見学の様子

郷土資料館では、3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成31年1月20日(日)、郷土資料館展示室で「体験ワークショップ」が開催されました。

ワークショップの様子

春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「パタパタ(板がえし)」を作りました。

ワークショップの様子

一番上の板をひっくり返すと、下の板も順番に”パタ♪パタ♪パタ♪”と音をたてながらひっくり返るのを、何度も楽しんでいました。

ワークショップの様子

ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。
 次回ワークショップは、平成31年2月17日(日)に「からくり屏風」を作ります。ご参加をお待ちしています。


ワークショップの様子

宮川小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月18日(金)、宮川小学校第3学年の皆さんが春日部市郷土資料館を見学しました。
宮川小学校学区内の花積貝塚の竪穴住居や、日光道中の宿場町の模型を見学した後、現在、社会科で学習している昔のくらしについて、資料を見学しました。その後の自由時間では、体験コーナーが人気。
とんとん相撲やブンブンゴマなど、昔のおもちゃを体験し、おじいさん・おばあさんの時代の暮らしを学習しました。

写真:体験コーナー

おばあさんにお手玉を教えてもらったという男の子もおり、わらべ歌をうたいながらお手玉を披露してくれました。また、けん玉が上手な男の子もいました。
昔のくらしの学習は、おうちの方にお話しを聞くと理解が深まるかもしれませんね。

写真:けん玉の体験
宮川小学校の皆さん、またぜひおうちの方と遊びに来てくださいね。

中野小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月17日(木)中野小学校3年生の皆さんが、春日部市郷土資料館を見学しました。

縄文時代の竪穴住居の模型の見学。
中野小学校の周りにも縄文時代の家があったことを話すと、とても驚いていました。
写真:竪穴住居の見学

千歯こきの体験では「モミがとれて、すっきりした」と感想を話してくれました。体験が終わった後、千歯こきは何する道具ですか?と聞くと「米を散らかす道具!」と元気に答えてくれる子もいました。本当は板や筵(むしろ)などを引いて集めやすくするのです。
写真:千歯こきの体験
このほか、体験できる昔のおもちゃや道具等に興味津々。スケッチやメモなどを一生懸命とっていました。展示資料のなかでは、今の遊びと直結するファミコンとゲームボーイが人気のようでした。

1月から2月にかけて、郷土資料館の社会科見学も本格的になり、資料館がにぎやかになります。

出張展示 庄和図書館 三上於菟吉と春日部展

郷土資料館の出張展示としまして、1月16日(水)から2月20日(水)まで、庄和図書館(春日部市金崎839-1 午前9時~午後7時開館)で「三上於菟吉と春日部」展を開催しております。



庄和図書館と三上於菟吉顕彰会による連続講座「三上於菟吉と春日部」が開催されましたことから、関連として展示するものです。連続講座は、第2回まで終了、第3回は2月3日(日)に、三上於菟吉顕彰会代表新井義昭先生による「『百万両秘聞』の生まれた背景」が行われます。お問合せは、庄和図書館(048-718-0200)まで。



展示内容は、於菟吉の粕壁中学校(現春日部高等学校)時代の作品や、昭和10年刊の唯一の随筆集『随筆 わが漂泊』にみえる故郷と中学校の思い出話の紹介と、『モントクリスト伯爵』のほか、意外と知られていない於菟吉の翻訳小説を中心としております。寄贈者のご厚意で、直接ご覧いただける著書もございますので、皆さまぜひご覧ください。

郷土資料館利用のご案内

●開館時間:午前9時から午後4時45分
●休館日:毎週月曜日、祝祭日(月曜日が祝祭日と重なる場合は、火曜日も休館となります) そのほか、選挙投票日、施設点検日など臨時休館日あり
●入館料:無料

●アクセス
住所:春日部市粕壁東3-2-15(春日部市教育センター内)
電話番号:(048)763-2455

春日部駅東口(東武スカイツリーライン・東武アーバンパークライン)から徒歩10分
東北自動車道岩槻ICから国道16号線春日部・野田方面、「小渕」交差点を国道4号線東京方面へ、国道4号線「女子高入口」交差点を春日部駅方面へ、「粕壁小」交差点南東角。
駐車場は教育センターと共用。

グーグルマップ 春日部市郷土資料館

資料館地図
郷土資料館案内図

最近の郷土資料館

年の瀬も迫ってまいりました。今回は、高齢者施設の団体見学、大学生の資料利用、常設展示の一部更新など、春日部市郷土資料館での最近の出来事を紹介します。

【その1】12月8日・15日・19日、市内の高齢者施設の皆さんが団体でお見えになりました。
写真:昔の道具の見学
展示室では、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」さんのご協力をえて、回想法に基づいた映像の上映をしていただきました。回想法と言うと、敷居が高く聞こえますが、簡単にいえば、高齢者の方に懐かしい物事を思い出して、話し合っていただき、活き活きとしてもらおう、という取り組みのことです。回想法の映像では、昭和30年代の県内の風景や国内で起きた主な出来事が紹介されました。
写真:回想法映像の上映
また、「くらしのうつりかわり」展で紹介している昔の道具を手に取って御覧いただきました。ご来館いただいたみなさんは、映像や懐かしい道具を御覧になり、楽しんでいただけたようです。「とても楽しかった」「この道具使っていたよ、懐かしい」などとご感想をいただきました。またのご利用をお待ちしています。

【その2】大学生の卒業研究の資料調査がありました。
日本工業大学の学生さんが、館蔵の木製の椅子・机の調査のため来館されました。
写真:資料を撮影する学生
この学生さん、小中学校で戦前に使用された木製の椅子・机をテーマに卒業研究をまとめている方で、JIS(日本工業規格)が確立される以前の椅子や机に規格があったのかを原物の資料を測量しながら調べているんだそうです。
当館には、粕壁小学校の木製椅子・机、葛飾中学校の木製椅子が収蔵されていますので、調査していただきました。わずかな点数ですが、半日がかりで写真に撮り、丁寧に実測されていました。「児童の体型や安全性などに配慮して設計・製作されていたのではないか」と考察されていました。近隣の博物館の資料とも比較するそうなので、研究の成果、楽しみにしています。ちなみ、粕壁小の木製椅子・机は展示中ですので、いつでもご覧いただけます。


【その3】またまた、常設展示を一部更新しました。
写真:常設展の一部更新
今回は、近現代の市域の歴史について展示を一新しました。新たに設置したのは、「関東大震災と春日部」「近代の交通・流通」「ベッドタウンとしての春日部」の3テーマです。「近代の交通・流通」は、江戸川の舟運や鉄道関係の資料も展示しています。
先日、近隣にお住まいの方が、「久しぶりに立ち寄ってみましたが、少しずつ変わっているんですね!」と感想をもらしてくださいました。
日々かわっていく郷土資料館の展示室をぜひともご覧ください。

平成最後のしめ縄づくり

春日部市郷土資料館のイベントも年内最後になりました。先週に引き続いて、12月15日(土)に体験講座しめ縄づくりを開催しました。
写真:しめ縄をつくった皆さん

紙垂(しで)をつくった後に縄ないをして、しめ縄をつくりました。
今回も例年参加している方が多く、初めての方も、筋がよく、あっという間に完成しました。

写真:しめ縄をよる作業

参加した小学2年生と年中さんの姉妹。お姉さんは一人で、妹さんはお母さんに手伝ってもらいながら立派なしめ縄を作り上げました。お正月にお父さん・お母さんの実家に里帰りして、両方のおじいさん・おばあさんにそれぞれプレゼントする、と話してくれました。お孫さんが作った立派なしめ縄をもらって、おじいさん、おばあさんは驚くのではないでしょうか。
写真:しめ縄をつくった姉妹

よく考えたら、「平成最後」のしめ縄づくりですね。受講者の皆さん、「平成最後」のしめ縄で、「平成最後」の新年をお迎えください。

古文書勉強会の成果(その9)

平成30年12月1日(土)古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。
写真:勉強会の様子
今回は、延宝3年(1675)3月「神間村屋敷御検地御水帳写」(史料番号332)と文久2年(1862)3月「入置申一札之事」(史料番号42)を講読しました。

延宝3年「検地帳写」は、代官南條金左衛門による総検地の時に作成されたものであり、神間村にとっては、開発直後の慶安3年(1650)の検地に引き続いて2度目の検地になります。今回は、当村の屋敷地の持ち主や広さなどが記載されている屋敷分を読みました。以前、講読した慶安3年の屋敷地と比較すると、全体的に屋敷地の面積が拡大していること、高入れしていない藪地が屋敷地に付属していること、藪地は屋敷の面積を合わせると全体の4分の1程度であることが明らかになりました。おそらく藪地は屋敷林(防風林)のことと考えられます。事実上、村が成立した慶安3年から25年の間に、耕地の開発がすすみ、そこに暮らす人々が屋敷に屋敷林などを備えて、村に定着していったことがうかがえます。
また、参加者からは、他の村には「藪」があったのか、と疑問が投げかけられました。当日もお見せしましたが、神間村と同じ下総国葛飾郡庄内領の水角村の延宝3年検地帳(当館蔵)にも屋敷地に藪が付属しています。防風林をそなえた屋敷が点在する中川低地の農村の風景は、このころに形成されていったと考えられます。

ところで、みなさん、古文書を読むのに慣れてきましたが、その一方で「検地帳や人別帳は読みやすいが単調」という意見も出始めました。そこで、今回は続けて、一紙文書の文久2年(1862)3月「入置申一札之事」を読んでみました。この文書は、土地を質入れして金5両を借用したことを証明する質地証文について、その作成を十二月まで引き延ばすことを取り決めた文書です。以下、釈文です。

【史料番号42】
     入置申一札之事

一、其御組合御水帳面傳左衛門名前屋敷畑

壱反歩、私義年来所持致居候処、追々

身上向不如意ニ罷成、勝手合を以親類相談仕、

此度貴殿江立而御無心申入、質地代金五両也、

不残御聞済被下、書面之金子證人立会、

慥ニ請取申処実証ニ御座候、然ル処我等勝手

合を以質地證文取極メ候儀は、当戌十二月

迄引延、就而は貴殿方ニ而御聞済被下質地證文

対談之通り期月ニ至り候ハヽ、貴殿方ニ而被仰

付次第無違変御組合一同我等ニ而相頼、質

地證文取極メ可仕候、若其節右地面二付

横合より少も変乱申もの御坐候ハヽ、加印

之もの引請急度埒明、貴殿江少も御苦

難相掛ケ不申、質地證文書替可申候、為後日

一札入置申処如件  

   庄内領神間村

               出石地主

   文久二年         文右衛門㊞

     三月       親類

                亀蔵㊞

            源兵衛殿       

前書取極メ対談仕候上ハ、当年より

公議様御年貢諸夫銭共貴殿方ニ而

御勤可被成候、依之奥書相添一札入

置申処如件        

             出石地主 

               文右衛門㊞

             親類

               亀蔵㊞

            源兵衛殿

次回の勉強会は、年をまたいで1月12日(土)14時~を予定しています。
原本をみながら、古文書を講読できるのは、春日部でたぶんココだけです。ご興味のある方のご参加をお待ちしています。

年末恒例の体験講座

平成30年12月9日(日)春日部市郷土資料館でしめ縄づくりの講座を開催しました。リピーターも多い毎年恒例の人気講座です。
写真:しめ縄完成
この講座は、郷土に古くから伝わる風習についての理解のため、稲わらを細工して、正月飾りになるオリジナルのしめ縄をつくっていただくものです。受講者のみなさん、わらの扱いに苦労されながらも、立派なしめ縄を拵えていただけたようです。

講座では、はじめに、しめ縄に垂らす「紙垂」(しで)をつくり、その後、しめ縄をしばる縄をつくるため縄ないをしました。
写真:縄ない

そして、しめ縄づくり。郷土資料館でつくるのは「ゴボウジメ」と呼ばれる、わらを3つ編み状にしたしめ縄です。単純に3つ編みにするのではなく、3つ編みにするのと反対方向にわらをよりながら編み込んでいきます。
リピーターで毎年参加されている熟練の方は、一人で作ってしまいますが、皆さんには二人一組で協力してつくっていただきました。下の写真は、ご家族総出での製作の模様です。
写真:しめ縄をつくる
家族で作ったオリジナルのしめ縄で、よいお年をお迎えいただけますよう、お祈り申し上げます。
郷土資料館のしめ縄づくり体験講座は、今週末12月15日(土)にも開催いたします。定員はわずかです。ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

古文書勉強会の成果(その8)

更新がだいぶご無沙汰になってしまいましたが、春日部市郷土資料館の市民による古文書勉強会の成果を紹介します。9月、10月、11月と数回にわたり、神間村文書のうち検地帳・宗門人別帳を講読しました。
写真:講読の風景
まず、慶安3年(1650)「神間村新田屋敷御検地御水帳写」(史料番号334)は、神間が開発され、はじめて検地の時に作成されたもので、元文4年(1739)に書写されて、今日に伝わったものです。今回は五冊のうち、住民の屋敷を書き上げた一冊を読みました。参加された方が内容を表にまとめてくださいました。
画像:検地帳の集計表
住民に屋敷の大小があること、「〇〇分」の記載から、いわゆる分付主という存在がいたこと、検地の案内人には除地が与えられていることなどを読み解きました。また、史料の写し間違えがあり、屋敷地の合計が計算上合っていないことも明らかになりました。

次に、享保21年(1736)「下総国庄内領神間村宗旨人別帳」(史料番号339)を講読しました。
写真:享保21年人別帳
こちらも内容を表にまとめていただきました。
表:享保21年人別帳の分析
家族構成や年齢、旦那寺、本百姓でない「地守」「水呑」という肩書の農民の存在など、当時の神間村の住民構造を読み解きました。神間村には寺院がなかったため、各家は他村の寺院を旦那寺としており、とくに西宝珠花村の宝蔵寺を旦那寺とする家が多いことから、近世前期の新田開発にあたって、台地上の宝珠花から入植があったことがうかがえます。また、この宗門人別帳には「本家立三間、横弐間半」というような記述がみえます。「本家」の厳密な意味はわかりませんが、おそらく各家の母屋の面積を示したものと推察されます。
ある参加者の方は、この面積の数値と家族人数を合わせて、分析してくださいました。
画像:参加者の分析図
検地帳、宗門人別帳を講読して、当時の神間村の人々のくらしがイメージできましたでしょうか。
また、前回の11月17日(土)には、講読後に新規受け入れ資料の加藤楸邨・水原秋櫻子の短冊を熟覧していただきました。楸邨・秋櫻子は春日部ゆかりの俳人ですが、近世の古文書とはまた違った草書を読んで、昭和の俳句の世界に思いをはせていただきました。
写真:加藤楸邨等の短冊の熟覧
次回の勉強会は、12月1日(土)14時~、次々回は1月12日(土)14時~です。一緒に古文書を読んでみたいという方も大歓迎です。

高齢者施設の皆さんにご来館いただきました

11月20日(火)、市内の高齢者施設の皆さんが団体見学で春日部市郷土資料館にいらっしゃいました。
写真:こての使い方を説明される方
「くらしのうつりかわり」展では、昔のおもちゃや道具に触っていただきました。こての使い方やベイゴマの回し方を教えていただきました。
個人的に驚いたのは、アルマイトの弁当箱のこと。梅干しをのせた日の丸弁当を毎日食べていると、梅干し酸によって、弁当箱のフタの真ん中に穴が開いてしまうんだそうです。「ただでさえモノがない時代だったのに困った」と昔を思い出されていました。

写真:回想法ボランティアの活動
映像コーナーでは、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」にご協力いただき、回想法の映像を上映しました。昭和33年の皇太子殿下のご成婚の映像や昭和30年代の県内の映像をご覧いただき、クイズや会話を通して、昔のことを回想していただけたようです。

皆さん、笑顔でお帰りいただきました。またのご来館をお待ちしております。

テレビ局の取材と帰ってきた埴輪

春日部市郷土資料館、昨日月曜日は休館日でしたが、動きのある一日でした。お知らせもかねて、話題をニつ紹介します。

一つ目。
テレビ埼玉の番組「魅力まるごと いまドキッ!埼玉」の取材があり、リポーターとして活躍されている小堺翔太さんにご来館いただきました。
写真:模型をみる小堺翔太さん
小堺さんと一緒に春日部大通りを歩いて、日光道中粕壁宿の昔の町並みをご案内しました。一見気づかない昔の面影をご覧いただき、喜ばれていました。写真は、当館の宿場町の模型をご覧になる小堺さん。ちゃっかりサインもいただいちゃいました(資料として保管します)。
写真:小堺さんのサイン
この模様は、11月24日(土)8時30分~9時にテレビ埼玉(地デジ3チャンネル)で放送されます。宿場の町並みだけでなく、市内の伝統手工芸品やスイーツなども紹介されるそうです。お楽しみに。

話題の2つ目。埴輪(はにわ)が帰ってきました。
県立さきたま史跡の博物館の企画展示に出展するため、行田市に旅立っていた人物埴輪が、常設展示に無事に帰ってきました。春日部唯一の人型の埴輪です。ところで、この埴輪がかたどった人物は男性?女性?どちらでしょうか?答えは収蔵資料紹介のページをご覧ください。
写真:人物埴輪

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成30年11月18日(日)、郷土資料館で「体験ワークショップ」が開催されました。
蓄音機による音楽鑑賞が行われ、やわらかく温かみのある音に皆さん聞きいっていました。

蓄音機

電気を使わず再生することや、レコード1枚で約5分間しか聞けないということに驚かれ、郷土資料館で、少し昔にタイムスリップを体験してもらいました。

蓄音機演奏

次回は、平成31年1月20日(日)を予定しております。
事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。ご参加をお待ちしています。

萬葉集・東国の世界に想いをはせるひと時となりました

平成30年11月17日(土)歴史文化講演会「萬葉集東国の歌 東歌、高橋虫麻呂、山部赤人など」を開催しました。
写真:講演会の様子
この講演会は、春日部市郷土資料館の歴史文化講演会で、郷土春日部にに親しんでいただくため、専門家をお招きして市や県東部ゆかりの歴史・文化についてお話しいただくものです。
今回は、県立高校の国語科の先生として長く教鞭をふるい、また市内で萬葉集を学ぶサークルを主宰されている堀越令子先生をお招きして、埼玉ゆかりの文学、特に萬葉集の武蔵国や下総国ゆかりの東国の歌について、解説していただきました。

写真:堀越先生
堀越先生には、一首一首、歌人の想いや当時の風景を丁寧にお話していただき、東国の万葉の世界の情景に思いをはせるひと時となりました。
個人的には、「小埼の沼の鴨」(行田市周辺)の話が、水鳥が飛来する現代の県東部地区の環境にも通じているようで、大変興味深く拝聴しました。

受講者の方々からは、「萬葉集を独学したいが、おすすめの本を教えてほしい」「今回限りでは残念。また次回も開催してほしい」「埼玉の文学についてもっと知りたい」などのご感想をいただき、有意義な講演会となりました。

次回の歴史文化講演会は、年度内3月末に幕末明治維新の歴史をテーマとして先生をお招きして開催する予定です。追ってお知らせしますので、後報をお待ちください。

かすかべ弁、追加しました

「ぱあーす」「なっこ」「つのんでろ」「あめんぼおー」「さんげし」…これらは何のことだかわかりますか?
写真:かすかべ弁展示
郷土資料館の常設展示室の一番奥の壁展示に、「かすかべ弁」のコーナーがあります。
来館者の方々に割と好評のようなので、このたびパネルを補充しました。

また、くらしのうつりかわり展でも、昔のおもちゃを「かすかべ弁」で紹介しています。
写真:かすかべ弁の紹介

言葉の意味はパネルをめくってみるとわかります。答えを知りたい方は、ぜひ郷土資料館にお越しください。

中学生に学芸員を体験してもらいました

11月7日~9日の3日間、春日部中学校1年生が郷土資料館のお仕事を体験しました。今回は、学芸員っぽい仕事(展示解説)の補助をメインとし、一般の団体見学のお客様には縄文土器や石器の説明、小学校の社会科見学では、昔の小学生の日記を解説してもらいました。
写真:縄文土器の模様付け
縄目の模様づけの実演(練習風景)

写真:黒曜石の解説
黒曜石の解説(練習風景)

特に、時間をかけたのは、富多・宝珠花小学校の社会科見学のために準備した、昔の小学生の日記の紹介です。
見学の前におよそ1日かけて、郷土資料館所蔵の大正14年(1925)の宝珠花尋常小学校2年生のノートから、日記の記事を解読して、解説をつけてもらいました(実は人前でしゃべることよりも、この作業が学芸員!)。
写真:日記の解読風景
カタカナや旧仮名遣いに苦戦しながら、文字や意味を読み取ってもらいました。ちなみに、本文はこんな感じです。読んだなかでは、割ときれいなほうです。中学生は、昔の小学2年生の悪筆に苦戦していました…
写真:日記の文面
さて、今や大凧揚げが有名な西宝珠花ですが、大正14年(1925)の小学生たちは日常の遊びとして凧揚げをしていたことが日記から読み取れます。さらに、「オレノタコヲアゲベ」といった当時の言葉遣いや、「センゲンサマノウラ」(浅間様=宝珠花神社)で凧揚げをしたこと、凧の糸を「カマトク」(釜徳)で買ったことなど、戦後の江戸川改修によって移転する以前の西宝珠花の町並みが子どもの目線で記されており、大変貴重な日記といえます。内容については大変興味深いので、またの機会に紹介したいと思います。

そして、本番当日。小学生と引率の先生方の前で解読した日記を読み上げて、90年前の地元の小学生のくらしについて紹介しました。
写真:小学生に説明
富多小・宝珠花小のみなさん、中学生の解説を真剣に聞いてくれました。日記の面白さが伝わりましたでしょうか。
中学生の皆さんは、いろいろ盛りだくさんで大変でしたでしょうが、郷土資料館の業務の体験を通じ、郷土春日部を再認識してもらえれば、うれしいです。
中学生の皆さんが解読した成果は、すべて紹介できたわけではありませんので、これから解読の成果を活用していきたいと思います。
春日部中学校のみなさん、3日間お疲れさまでした。

富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年11月19日に富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
春日部の移り変わりの展示品や、少し前のおもちゃや学用品・家庭で使われていた道具・農具を見ながら、生活の変化を理解していました。

見学の様子

社会体験事業で郷土資料館のお仕事をお手伝いしてくれていた中学生が、小学生の質問などに答えたり、千歯こきによる脱穀体験では補助をしてくれました。

見学の様子

駕籠の乗り心地はどうかな?
児童も先生も一緒に体験をしてくれました。


見学の様子

桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年10月26日に桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子
常設展示室と、企画展示室の「くらしのうつりかわり」展の説明を受けた後は・・
自由に展示室内を見学!

見学の様子
「あら?私達の方が、60年前の同年代の平均よ背が高い」と、言ってるのでしょうか?

小学校見学
兜をかぶり、先生に記念撮影を取ってもらったりして、色々な体験をしていました。

小学校見学の様子
なんと、千歯こき体験のあとは、お掃除もしてくれました。どうもありがとう♪

【常設展展示替】地区の信仰を伝える

春日部市郷土資料館の常設展で「町のなかの信仰」と題した展示替えをしました。今回は、粕壁地区に所在した陣屋稲荷ゆかりの資料を出品しています。
写真:狐像の写真
市内各地の神社には、地域の信仰にゆかりのある資料が伝来しているほか、特色のある民俗芸能や祭礼行事も伝承されています。しかし、近年の少子高齢化に伴い、町内会や地域での神社経営や祭礼行事の存続が危ぶまれているものもあります。
陣屋稲荷は、今年の8月、町内会の解散にともない遷座の儀式を行い、解体された稲荷社です。郷土資料館では、博物館実習生に協力してもらいながら、陣屋稲荷を調査し、ゆかりの資料の寄贈を受けました。資料の受け入れや整理については、前に実習生が本ブログで紹介してくれています(調査について整理について)。

さて、地元の方によれば、初午の祭礼の日には、子どもたちは太鼓を打ち鳴らし、「アンドンヤブリ」(「チョウチンヤブリ」とも)という遊びをするなど、大変にぎわったそうです。

昭和7年(1932)の粕壁尋常高等小学校編『郷土の研究』によれば、三月十日の初午について次のように記述されています(以下原文・句読点は補った)。

三月十日 初午(陸軍記念日)
赤飯、すみつかれ、甘酒、豆腐、油あげを稲荷様へ供へる。組合の人は酒宴をひらく。年に依り火祭りをなす。掛行灯へ俳句を書いて出す。子供は部内の稲荷様へこもり太鼓をたゝく。こもつて太鼓をたゝいてゐる子供、又遊びに来た子供には稲荷様上つて居るものを御馳走する。他の部内に行つて、そこに供へてあるもの(油あげ菓子豆腐)を取り、又掛行灯を破つて来る。沢山破つた方が勝。破られた方が負。

この記録からは、町全体が初午でにぎわっていた様子がうかがえます。陣屋稲荷の資料は、陣屋地区のみならず粕壁の町内の往時のにぎわいを伝える資料といえます。

地元の方と共に歩んできたお社は、さまざまな事情により、残念ながらなくなってしまいました。しかし、地域の信仰の記憶は、郷土資料館に引き継がれました。後世に伝えられるように、しっかりと保存していきたいと思います。
皆さまには、展示をご覧いただき、地域の記憶・歴史の行く末について、思いを巡らせていただければ幸いです。

写真:展示風景

郷土資料館所蔵の古写真の活用例(回想法)

平成30年10月28日(日)まで、教育センター1階のミニギャラリーにて、市内の古写真が展示されています。この催事は、市内の回想法ボランティア団体「ふれあい幸齢倶楽部」さんによる取り組みで、春日部市郷土資料館所蔵の古写真をご活用いただいています。蔵出しの古写真をご覧いただき、昭和の春日部に思いをはせてみてください。なお、10月27日(土)の遊学1日体験教室では「ふれあい幸齢倶楽部」の熊谷さんによる「回想法講座」も開催されるそうです。
写真:展示の風景

「回想法」とは…の説明は熊谷さんの講座に譲りますが、実はこの「回想法」、日本の博物館業界でも、郷土資料を福祉分野に活用する取り組みとして徐々に広がりつつあります(たとえば、愛知県北名古屋市富山県氷見市など)。春日部でもこの先進的な取り組みが広がるといいですね。

さて、現在開催中の「くらしのうつりかわり」展でも、古写真のみならず、懐かしいおもちゃや道具を展示しています。「回想法」には至りませんが、展示室でも、むかし懐かしい昭和の春日部を思い出し、そしてお楽しみいただければ幸いです。
写真:くらしのうつりかわりの写真展示
写真:くらしのうつりかわりのおもちゃ展示
ちなみに、郷土資料館所蔵の古写真の一部は「かすかべデジタル写真館」で公開していますし、展示で使用した写真パネルの貸し出しも行っております。多方面からのご利用をいただけるとうれしいです。
…結局、郷土資料館の宣伝になってしまいました(反省)

郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」を開催しました

平成30年10月20日(土)、郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」が開催されました。
長さ3mの江戸打ち紐を3本使い、10cmほどのミニぞうりを作りました。ぞうり本体は、江戸打ち紐を互い違いに編んで作り、最後に鼻緒を、かぎ針を使い本体に編み込んで完成させます。

体験講座

好きな色のミニぞうりを作ってもらうため、江戸打ち紐は、皆さんご自身で色を選んでご用意していただいたものです。

ミニぞうり作り

参加者達は、「自宅で、もっと小さな物を作ってお財布の飾りにしよう」「すごく楽しかった」と喜んでいました。
 次回体験講座「しめ縄を作ろう」は、12月9日(日)・12月15日(土)です。ご参加をお待ちしています(事前の申込が必要です)。

藤塚小学校第3学年が郷土資料館を見学しました。

平成30年10月19日に藤塚小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
写真:藤塚小の見学
少し昔に使われていた道具や、昔のおもちゃを実際に手に取ったり、様々な体験を通じて、昔のくらしについて学習していました。
写真手前の児童は、80年前の小学生と背比べしているようです。

千歯こきの体験では、職員が道具を抑えていないと、動いてしまうことに気づいた児童が「どうしたらいいのか」と質問していました。
「本当は足をかけて使ったようです」と職員が説明すると、児童は千歯こきに足をかけて脱穀体験。
写真:藤塚小千歯こき
なかなか、ワイルドな脱穀体験になりましたね。「すっきりした」でも「昔の人は大変だったことがわかった」と感想を話してくれました。


郷土資料館では、3月18日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。藤塚小の皆さん、今度はおうちの方と遊びに来てくださいね。

クレヨンしんちゃん、展示はじめました

春日部市郷土資料館で開催中の企画展示「くらしのうつりかわり—懐かしい昔の道具展」の一角に「クレヨンしんちゃん」を紹介する展示コーナーを設置しました。
写真:クレヨンしんちゃんコーナー

「クレヨンしんちゃん」の展示については、以前より市民の方や市外から訪れた観光客の方、遠くは台湾や東南アジアなど外国人観光客の方からも要望がありました。資料館としては、念願の「クレヨンしんちゃん」です。

今回の展示は、「クレヨンしんちゃん」の作中に描かれた、しんちゃんの家族や日常生活について紹介しています。「くらしのうつりかわり」展で紹介している”昔のくらし”と比較すると、野原家は、平成(現代)の家族・生活様式を象徴しているといってもいいかもしれません。現代の暮らしぶりが描かれる漫画のワンシーンも展示しています。
また、今では入手できない、春日部市制作の「クレヨンしんちゃん」関連グッツや、中国語版のコミックス単行本も展示しています。
春日部と「クレヨンしんちゃん」のあゆみ、ぜひともご覧ください(みれば~)。

粕壁小学校特別支援学級の児童が、郷土資料館で脱穀体験をしました。

平成30年10月16日に、粕壁小学校特別支援学級の児童が、郷土資料館に来館しました。
常設展示室を見学し、隣の企画展示室に移り脱穀体験♪♪

見学の様子

児童がバケツの中で育てた稲を、千歯こきで脱穀し、唐箕をまわして軽い藁くずやゴミを飛ばしたりして、昔の農業の体験をしました。

見学の様子
ん・ん? 千歯こきに稲が引っかかった?
でもこの後、ちゃんと取れました。

唐箕

いつもは、資料館に展示されているだけの唐箕が、今回、稼働しました!

稼働する唐箕

郷土資料館では、10月2日(火)から3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

緑小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年10月12日に緑小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

少し昔に使われていた道具を実際に手に取ったり、千歯こきを使い脱穀を体験しました。
今は機械で行っている作業も、昔は手作業で時間と労力を使っていたことを実際に感じていました。

見学の様子

郷土資料館では、3月18日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

子どももお年寄りも「くらしのうつりかわり」展

春日部市郷土資料館の企画展示室で、小学校地域学習展(第35回)「くらしのうつりかわりー懐かしい昔の道具展ー」を開催しています。
この展示会は、小学校第三学年の地域学習に即して、少し昔のくらしや道具を展示するものです。小学生だけでなく、一般の方にもお楽しみいただける内容となっています。

写真:地域学習展展示風景
会期中、市内の小学校の団体見学もありますが、近年つとに多いのは高齢者施設の方々の見学です。
先日もお見えになり、昔使った道具を前に「懐かしい」「昔はこうやってつかったんだ」などとお話しになっていました。

写真:昔の道具をご覧になるお年寄り

見学中、話題になったのは、次の道具。
写真:手水器
「知ってるでしょ?」「こうやって使うのよ」と得意げに、付き添いの方にお話しされていました。
こたえは、郷土資料館でお確かめください。同展は、平成31年3月24日(日)まで開催しています。

豊野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年9月28日に豊野小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子

時代とともに変わっていった春日部を学芸員から説明を聞いたり、少し昔の生活について、説明を聞くだけでなく、当時使っていた物を触ったりして体験しました。

見学の様子

80年前の8歳の小学生の平均身長のパネルと背比べ♪
見学の様子

見学の様子

郷土資料館では、10月2日(火)から3月24日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催します。
昔の懐かしい道具や写真を展示し、小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

神明貝塚のキャラクター名が決まりました

9月16日(日)まで開催していた「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の会期中に皆様にご投票いただいた、神明貝塚のオリジナルキャラクター(女の子と土偶)の名前が決まりましたので、結果を発表いたします。
写真:キャラクターふたり
その名は......
「めいちゃん」(女の子)、「ぐうすけ」(土偶)
です!

ここだけの話、担当者の予想に反する結果でした。やはり、春日部には「しんちゃん」は、某永遠の5歳児ただ一人だけなのですね。
余談に次ぐ余談で恐縮ですが、愛らしい土偶の「ぐうすけ」は、展示会のパネルのなかで、豊かな表情をみせてくれました。なかでも私のお気に入りは、このイラストですイラスト:埋葬するぐうすけ
埋葬する悲しいシーンですが、仲間がいたんですね!そして、亡くなったもう一人の土偶の表情が何とも言えないです。

多くの皆さまにご投票いただき、ありがとうございました。
これからも神明貝塚と、めいちゃん・ぐうすけをよろしくお願いします。
写真:めいちゃんとぐうすけ


≪投票結果≫
女の子(投票総数360票)
・めいちゃん  174票
・めいかちゃん 85票
・どきみちゃん 52票
・もんちゃん     49票

土偶(投票総数355票)
・ぐうすけ  174票
・しんちゃん 107票
・おやっきー   42票
・しんくん    32票
写真:投票のパネル

展示会は今日終わりますが、神明貝塚は永久に不滅です

本日(9月16日)が最終日となった「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展。その最後を飾るギャラリートーク(学芸員による展示解説)を開催しました。

午前の回、午後の回とも、最終日とあって、これまで以上に多くのみなさんにご参加いただきました。

写真:午前の様子

写真:午後の様子
展示会も終盤にかけて、よりコアな縄文好きの方がいらっしゃる傾向がありましたが、本日も、すでに展示を何度かご覧になった方や、縄文ファン(もとい神明貝塚ファン)の方にお集まりいただき、質問が飛び交うなかでギャラリートークが進みました。

また、神明貝塚から出土した土器を実際に触っていただきました。真剣に話を聞いている方も、「意外と軽い」などと土器を抱えるときには笑みをこぼしていました。ギャラリートークが終了しても、学芸員に質問する方、詳しく話を聞く方で終始にぎやかな一日となりました。

写真:土器にさわる
展示会や各種のイベントを通じて、春日部市の神明貝塚の認知度が少しは上がったでしょうか。

展示会は今日終わりますが、神明貝塚は永久に不滅です!
…と胸をはっていえるよう、今後も、遺跡の保存・活用に取り組んでまいりたいと思います。皆さまのご協力のほど、よろしくお願いいたします。
神明貝塚、まだまだこれからです。

動画で解説!神明貝塚(最終日)

本日(9/12)、春日部市郷土資料館の夏季展示「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展の関連イベント「動画で解説!神明貝塚」の6回目(最終日)を開催しました。

このイベントは、展示室で神明貝塚の紹介映像を上映し、学芸員が解説するものです。会期中、毎週水曜日に開催してきましたが、最終日とあって、多くの皆様においでいただきました。
まずは、動画の上映です。神明貝塚が後世に遺していくべき遺跡であることが紹介されます。本日が上映の最終日でしたが、動画は世界中でいつでもユーチューブでご覧いただけます。
写真:動画上映

その後、展示室に移動して、学芸員が展示解説をしました。

こちらも、最終日ともあって、解説する学芸員もいつも以上に熱が入っていたようでした。また、皆さんも、熱いまなざしで縄文人を見つめていました。
写真:縄文人をみつめる皆さん

「ここまで分かった!神明貝塚と縄文人のくらし」展は9/16(日)まで。最終日の9/16(日)にはギャラリートークも開催します。担当者が展示を解説するのは、本当にもう最後です。お見逃しなく!!