ほごログ(文化財課ブログ)

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中学生社会体験チャレンジ2日目

3daysチャレンジ2日目のミッションは、考古学分野の仕事です。市内の遺跡にも出かけます。

朝の掃除
まず資料館の朝の業務である展示ケースの清掃を行いました。

花積貝塚解説板清掃
午前中は、車で市内を巡回しました。
まず、市指定史跡の花積にある花積貝塚で、解説板の清掃をしました。

神明貝塚の見学
この後、春日部市を東から西へ横断し、西親野井の神明貝塚で貝の広がりを見学をしました。

文化財整理室見学

文化財整理室見学2
続いて、上柳にある文化財整理室で、土器の図面を作成している様子や土器を洗浄している様子を見学しました。

土器洗い
午後は、郷土資料館に戻り、まず市内で採集された土器を洗いました。

拓本とり
その後、洗った土器の観察と拓本とりをしました。みなさん、きれいに拓本をとることができました。

朝から移動したり大変でしたが、一生懸命取り組んでもらいました。

中学生社会体験チャレンジ1日目

11月6日(水)から3日間、春日部中学校1年生の5人が郷土資料館のお仕事を体験しています。みなさん緊張した面持ちで迎えた初日。最初のミッションは、団体見学のお客さんへの展示解説の補佐をお願いしました。

5人は、模型を指差して説明する係と古写真を解説する係を分担し、説明の読み原稿づくりに取り掛かりました。みんなで話し合いながら、説明するコツや文章を推敲しました。
写真:読み原稿づくり
職員の前で何度か練習して、いよいよ本番!
写真:古写真解説の様子
栃木県小山市からお見えになったお客さんに、練習通りに説明ができました。中学校の先生も体験の様子をご覧になっており、緊張したようでした。お客さんからは、「たくさん勉強したんでしょう。頑張ったね」と優しく声をかけていただき、みなさん励みになったようでした。

午後は、資料のクリーニング。市内出身の鈴木久五郎の実家の邸宅(料亭大榎)の襖のホコリやカビを丁寧にふき取ってもらいました。襖の表紙が破れて、なかの下張りの文書がみられ、中身が何なのか興味を持ってもらえたようでした。
クリーニング途中に「これはなんですか!?」と発見。
写真:ゴキブリの卵鞘
ゴキブリの卵だよと教えると大騒ぎ。クリーニングが資料を害虫などから守るために必要な作業であることを実感してもらえましたでしょうか。
写真:襖のクリーニング
最後に、資料の調書作成。採寸やスケッチをしながら、資料の状態をよく観察し、現状を記録する体験をしてもらいました。

初日から盛りだくさんでしたが、引き続き、楽しみながらチャレンジしていただければと思います。

神明貝塚のシンポジウムを開催します!

昨年に引き続き神明貝塚のシンポジウムを開催します。

題して

   「和食」のルーツ?3800年前の縄文人の食文化
                                  です。

「和食」は、四季の移り変わる日本において、山海の豊かな自然とともに育まれました。そのルーツの一つと考えられる縄文時代の食文化について神明貝塚の発掘調査の成果と最新の研究結果から、神明貝塚に暮らした縄文人の食生活についてスポットをあてたシンポジウムとなっています。

開催は 11月24日(日)12:45~16:00
場所は 教育センター2階 視聴覚ホール
定員は 200名(先着順・要申込み)となります。

シンポジウムポスター

11月1日(金)9:00~申込みの受付を開始します。
申込みは、文化財保護課窓口で直接、または電話(048‐763‐2449)にて受け付けます。
土日は郷土資料館(048‐763‐2455)までお願いします。

昨年のシンポジュウムでも200名近い申込みをいただき、大盛況となりました。
先着順となりますので、お早目のお申込みをおススメします。
皆様のお申込みを心よりお待ちしております!

手作り季節展示を展示してます

朝晩の冷え込みが強くなってきましたね。
間もなく、紅葉や ”こたつ”の時期です。
郷土資料館では、冬支度をテーマとした手作り季節展示を展示中です。

季節展示

また企画展示室では、3月22日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。小さなお子様からご年配の方まで、一緒に楽しめる展示となっております。ぜひ遊びにいらしてください。

【常設展】浜川戸遺跡の火葬墓

浜川戸遺跡では、これまで8世紀前半から9世紀後半の4基の火葬墓と推定される遺構が確認されています。
日本では、奈良時代の西暦700年に僧侶であった道昭(どうしょう)が初めて火葬されたと『続日本紀(しょくにほんぎ)』に記録されています。これ以後、歴代の天皇や貴族、僧侶なども火葬されました。
ちなみに、縄文時代や弥生時代の遺跡からも、焼けた人骨が出土することがありますので、遺体を焼く行為自体は、これ以前からあったようです。

浜川戸遺跡から発見された火葬墓で特徴的なものは、4次調査の1号火葬墓です。穴の中から、底に近い部分を打ち欠いた甕と坏が2点ずつ出土し、これらは、それぞれ甕の穴が開けられた部分に坏をのせる蔵骨器として使用されたものと考えられています。また穴の中は、火を焚いた状況が確認され、遺体を火葬する作業も同じ穴で行ったと推定しています。

浜川戸遺跡の火葬墓は、どのような人物がどのように火葬されたのかなど、まだまだ謎が多いことも事実です。蔵骨器として使用された土器は、常設展示の浜川戸遺跡コーナーに展示しております。ぜひご覧ください。

火葬墓から出土した甕と坏
浜川戸遺跡で発見された蔵骨器