校長室

2013年4月の記事一覧

修学旅行の意義

 絵文字:電車  いにしえを学ぶ遊学子たれ 
 
修学旅行の意義           校長 杉橋朋子               
 布佐中学校の修学旅行は「古都学習」として行われます。私にとっては、生徒引率としては、最後の修学旅行となります。5月8日(水)~5月10日(金)の2泊3日を、生徒にとっても、私自身にとっても有意義な学習の場としてしたい、そんな思いです。

【哲学のある学習を】

京都の大徳寺には、国宝の唐門があります。この門は、茶人千利休の切腹の口実となった楼門です。しかし、珍しいことに国宝であっても「国宝」といった看板は見当たりません。調べてみると、この寺の歴代住職の中に、一休禅師もいました。世間に媚びることがない伝統が今日まで伝わっていることに私は感服です。

このように、歴史探訪とは実に奥が深い。皆さんは、2泊3日の学習で、しっかりと調べた疑問なら何らかの答えを見つけることができるでしょう。

しかしながら、私たちの古都学習は、少しばかりの回答を出すことのみに、多くのお金と時間をかけているのではありません。その先にあるもっと大切なこと、すなわち、物事に対する見方、考え方を鍛錬しようとしているのです。多くの時間とお金をかけるだけの学習の意義深さを追求してこその学習なのです。

さてそれはどのようなことでしょうか。布佐中の「総合的な学習」の計画には、2つの探究が含まれています。

1つ目は、3年生は「大人」になる最終章だということ。これはどうすることなのか。グループ活動や集団行動の中で、常に大人として、どのように行動するのか考えていくという探究です。

2つ目は、歴史探訪から見える「史跡や文化を今に受け継ぐ人間の存在」。これをどう受け止めるのか。ただ、「○○に行きました」という報告では不足です。行って、見て、史跡の存在する意味を探究してください。そこには、多くの人々の思い、英知、価値観が隠れています。それを考えることこそ、この学習の極意なのです。それには、京都や奈良のまちを歩き、人々に触れ、言葉をよく聞き、そこからわかることをしっかりと論じて、書き留めてください。

 【この古都学習で“総合的な学力”がアップする】

ということで、皆さんが3年間培ってきた「総合的な学力」はこの古都学習で一つの区切りを迎えます。つまり、この学習にそれまでの成果がすべて表われていると言い換えることができます。京都、奈良を中心とした史跡は、古代日本の美意識や繊細なほどのセンスや思い、英知、価値観が詰め込まれています。皆さんなら、前述した2つの探究ができるものと確信しています。3日間、歴史探訪の「遊学子」として深く学んでください。本物の学力を向上させることは間違いない。いざ、出発!!


 

 

布佐中丸の出航!

 
 新年度に当たり・・・
                   布佐中学校 校長 杉橋朋子
   今年、布佐中は、心から「勉強したい」と考える子を育てることに力を
  入れます。「 生きて働く学力」の向上を図ります。どうかご支援を。
   

子どもが「学習習慣」をつける ひ・み・つとは・・・・

   お子さんは、毎日、家庭で勉強する習慣がありますか。「試験がなければ勉強しない。」こんなことはありませんか。

   「○○があるから勉強する」方式では、勉強することが目的ではなく、何か他のわけがあってそのために「やらされている」ということです。「やらされ」方式は、長続きしませんね。単発で終わりますし、意欲を引き出すことも困難です。「やる気」を自分で引き出すためには、「試験があるから仕方なく勉強する」方式の考え方を繰り返していてはダメです。試験がなくなれば、とたんに勉強しなくなるのは目に見えています。勉強とは、自分がしたくなるからするものです。そのような「意欲」を引き出すことにもっと大人は、時間と熱意を傾けることが求められますね。

そのようにやらされ方式になる理由の一つに、「やる気欠如」の問題があります。「やる気」がでないのです。ここを改善しないといけません。この改善の一つに、友達の力を借りる方法があります。

 つまり、「他者」と関係を作って進めるのです。「わからないから教えてよ。」と友達に声をかけるように促すこと、「わかるのなら、友達の手助けをしてみたらどうかな。」と言葉がけをすることなどです。「自分の力」が「人」に役立った、あるいは、「教えてもらってわかった。」などという成功体験を味わわせるのです。友達に「助かった。ありがとう。」と言われたら、「次、また、頑張るぞ。」というようになりませんか。

 「教えてくれてありがとう。」というつながりを作る機会を提供することが
  私ども大人の役目のようです。
   今年一年は、子どもの心から湧き上がる「学習意欲」を育てること、そ
  してそれを習慣化することを、皆さんと一緒に考えていきたいと思いま
  す。ご支援ください。
                     平成25年4月12日