活動報告

令和6年度

第3回調査部会を開催

12月16日(月)に第3回調査部会を開催しました。調査部員全員に御参加いただき、今年度のアンケート調査のまとめと考察をしていただきました。今年度はほぼ100%の学校から回答をいただき、より価値のある資料を作成することができました。結果については、3月発行の広報177号に掲載しますのでご覧になってください。

丸山部長を中心にまとめ方について話し合う部員の皆様

「中学校部活動の地域移行」について考察している様子

「小学校高学年の教科担任制」について考察している様子

※中学校部活動の地域移行については、令和7年度までに各校1つの部活は休日の地域移行を県は目指していますが、調査の結果、現時点では地域移行は全く進んでいないという学校が約50%あり、目標達成は難しい状況にあります。要因は色々とありますが、教職員の働き方改革はもとより、少子化によりやりたい部活が学校にない、専門的な指導が受けられないという生徒のためにも、地域移行は必然的な流れです。今回の結果を基に県に対して改めて要望をしていきます。

※小学校高学年の教科担任制については、約82%の学校で実施しているとうい結果がでました。しかし、加配の専科教員による実施は約58%で、教頭や教務主任、あるいは担任同士の交換授業等により実施している学校も多く見られました。担任の持ち時数を減らすという教科担任制の目的を達成するには、人員配置が足りないのは明白です。高学年に加えて、中学年や新規採用教員の時数を減らすための教科担任制を導入しようと文科省の令和7年度概算要求が出されましたが、どうなるかはまだ分かりません。計画的に人員が配置されるように、今後も国と県に対して要望を続けていきます。

会員の皆様には、お忙しい中アンケート調査に御協力いただきありがとうございました。

川崎市公立学校管理職組合との情報交換会

12月6日(金)に川崎市公立学校管理職組合の役員15名にお越しいただき、情報交換会を実施致しました。栃管協からは、内村副会長以下6名が参加しました

情報交換の内容は以下の通りです。

① 管理職の任用方法  ② 管理職の処遇    ③ 人事評価システム    ④ 教職員の人事異動

⑤ 総括教諭(主幹教諭)制度の現状と課題   ⑥ 管理職任用状況     ⑦ 裁判支援制度・顧問弁護士制度

⑧ 学校評価制度   ⑨ それぞれの団体紹介     ⑩ その他

人口約150万の政令指定都市川崎市と栃木県とは環境面においていろいろな違いはありますが、教員不足の状況など共通する悩みは多々ありました。管理職の団体は全国的に見ても少ないので、今回の情報交換会では得るものも大きかったです。今回得た情報を来年度の要望あるいは活動に生かしていきたいと思います。

令和6年度教育講演会「自分を支える心の技法」

11月30日(土)、教育会館大ホールにて、精神科医であり、テレビやラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中の名越康文氏を講師に迎え、栃管協・栃教協共催の教育講演会を開催しました。栃管協からは、会員及び市町管協会長、役員等を含め約160名の皆様に御参加いただきました。

 名越先生には、「自分を支える心の技法」として、睡眠、呼吸法、朝を大切にすること、コミュニケーションの取り方等、多岐に亘る話をいただきました。話の一部を要約して御紹介します。

  

日本人は睡眠不足

 日本人の平均睡眠時間は、アメリカ人に比べて-90分。明らかに睡眠不足。睡眠不足の明くる日は、IQが10は落ちる。6時間以下の人は、4日続くと免疫も落ちる。風邪を引きやすくなる。6時間以下が慢性的になっている人は、認知症になる確立が4倍上がる。寝ている間に脳の中の老廃物が排除されるが、寝ていないと老廃物が溜まっていくので、いわゆるアルツハイマーの脳に近づいていく。6時間以下の人は、あらゆる精神病、認知症が近づいている。本気で7時間の睡眠時間を確保して、今日からライフスタイルを変えていただきたい。

子供たちには、「よく勉強せいよ。」という2倍「よく寝ろよ。寝ないと脳が発達しないぞ。」「将来あなたたちが精神疾患、鬱になったり、精神症になったり。もしかしたら夜更かしが原因で脳の発達が未熟だから、バランスの悪い脳になる可能性があるぞ。」と言って欲しい。成長期の睡眠不足は、取って返せない。皆さんが睡眠時間の常識をちょっとずつ変えていっていただけると嬉しい。

 一日のコンディションを整える呼吸法

 ほとんどの方が、30代後半から40にかけて、コンディション(体調)の悪さを一度は経験する。加齢が原因。老化の本体は、自律神経。自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類あるが、副交感神経の方が先に老化する。それが大体30代。大人になると頑張りがきかないのではなく、リラックスできなくなる。それを防ぐ方法がある。それは「体を動かす」こと。そんなに体を動かせないという方には呼吸法。4・4・8呼吸法。4秒吸って、4秒止めて、8秒で吐く。これを3回ぐらいやると気持ちが落ち着く。日頃からこれを実践すると健康になる。寝付けないときには、5回から10回やると、すっと眠れる。自律神経失調ぎみ、あるいは、人前でものすごく緊張する子が、クラスに一人二人いると思うが、この呼吸法を一緒にやってあげて欲しい。特に8秒かけてゆっくり吐くというのが、自律神経を安定させる。自分でも暇なときやると、考えがまとまったり、疲れが取れやすくなったりする。

朝を大切に

 一日の過ごし方の内で最も大切なのは朝。多くの偉人が、「朝を制するものは自分の人生を制する。」「成功を手に入れたいのであれば、朝をコントロールしろ。」と言っている。具体的には、朝起きたら光を浴びる。朝、光を浴びると体の中にあるトリプトファンという物質がセロトニンという物質に変わる。鬱病の患者は、セロトニンがすごく少なくなっている。「この頃鬱だ」「なんか気分が晴れないな」と思う人は、科学的にたぶんセロトニンが足りてない。人生にはいろいろな問題がある。セロトニンが出てくると問題解決がしやすくなるのは確か。だから朝から光を浴びる。セロトニンさえ出れば、一日勝ったも同然。セロトニンが出るとそれから12時間後、あるいは14時間後にメラトニンに変わる。メラトニンはかなり強力な睡眠薬。しかも、決して癖にならない。朝、光を浴びて、ちょっと運動して、そうすると睡眠薬よりも強力なメラトニンが出て、眠れるようになるというのが、平均的な医者の答え。

朝ご飯を食べよう

 トリプトファンを取り入れるのは、朝ご飯。なかなか食べられない人は、バナナだけ食べて。バナナはトリプトファンの宝庫。自分が考える理想的な朝ご飯は、トリプトファンがいっぱいで滋養もついて、腸内環境を整える味噌汁と納豆。発酵食品です。毎朝味噌汁を飲みましょう。納豆を食べましょう。

 とにかく、自分も子供たちにも、朝はしっかり食事を摂って、夜は早く寝る。勉強は後でもできるけど、無くした健康を回復するには何年もかかる。子供たちの健康は親の責任で、先生方の責任ではないが、子供たちに幸せな人生を送らせてあげたいなら、担任の先生の貴重な一言でその子の人生が変わると思う。「よく寝ろ。朝ご飯をちゃんと食べろ。どうしても食べられないときは、バナナだけ食え。」これがキーワード。

上手なコミュニケーションを取るために

 上手なコミュニケーションを取るために、万能だと思うのは、その人を尊敬できるかということ。目の前の人を、「今、尊敬して話しているだろうか」「この人の人生が良きものになっていくということを信じているだろうか」ということだけ気にして。それ以外何もない。

三句の法門

 あなたが本気で自分の人生が幸せになりたいと思うなら、三句の法門を実践すれば、あなたの成功は間違いないと古い仏典(4世紀に書かれた大日経)は、僕たちの教えてくれている。

 「菩提心を因となし、大悲を根となし、方便を究竟(くきょう)となす」

意味は、「仏の心を根底に持ち、生きとし生けるものへの慈悲を共有し、人びとのために活動する」

 

                   謝辞を述べる内村会長

第4回理事会開催

令和6年度の第4回理事会を11月26日(火)に開催しました。

今回の理事会では、第2回対県正式協議における県教委からの回答を確認し、来年度に向けての要望を協議しました。また、来年度役員選挙規則の附則を改定すること(塩谷地区と南那須地区の合併)や結成60周年記念躍進大会(開催日、場所、記念講演会)等についても話し合いました。

挨拶のなかで、「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育団体連絡会緊急声明」に触れる内村会長

教職員の処遇改善(教職調整額)を巡る文科省案と財務省案については、栃管協としては「学校における働き方改革の更なる加速化」「学校の指導・運営体制の充実」「教師の処遇改善」を一体的に進めるとする文科省案に賛成の立場を取っています。

また、栃管協が加盟する全日本教職員連盟も見解を出しています。

財政審分科会資料に対する見解(全日教連).pdf も、ぜひお読みになってください。

今後は、来年度に向けての準備を進めてまいります。特に要望については、継続・削除・新規の観点から今年度の結果を踏まえ作成していきます。会員の皆様の声(現場の困り感等)が新規の要望に繋がります。会報176号(12月10日発行)に今年度の対県正式協議における県教委からの回答を掲載しますので、ご覧になっていただき、御意見をお寄せいただければ幸いです。

第3回広報部会開催

11月18日(月)に第3回広報部会を開催しました。

今回は、会報176号の校正作業です。

部員の皆様には、丁寧に時間をかけて校正していただきました。ありがとうございます。

176号では、今年度の対県正式協議における県教委からの回答等を中心に掲載します。12月10日発行予定ですので、お手元に届きましたら、ぜひご覧になってください。

教育シンポジウムへのご参加ありがとうございました

11月16日の教育シンポジウムには、栃管協から現地で4名、Webでの視聴で57名が参加しました。たくさんのご参加ありがとうございます。

「学校と地域でつくる学びの未来~コミュニティ・スクールの可能性~」と題したシンポジウムだっただけに、内容的には、栃管協会員向きのものだったと思います。

パネリストの貝ノ瀬滋先生、竹原和泉先生、松田 靖先生の豊富な実践に基づいた話は、大いに参考になったのではないでしょうか。

コーディネーターの明石要一先生が、キーワード「校長は地域の人事部長」とまとめられましたが、それだけコミュニティ・スクールにおける校長の役割は大きいということでしょう。

「何のためにコミュニティ・スクールをやるのか」

コミュニティ・スクールが子供たちを育てる強力なツールであることを、そしてみんなで育てる共同体であることを、自分の言葉で、信じて語れる管理職でありたいものです。

第2回対県正式協議

11月14日(木)、県庁北別館401号室において、第2回対県正式協議(交渉)を行って参りました。

県教委からは、阿久澤教育長、大森教育次長(管理)、長教育次長(指導)を21名が出席、栃管協からは、内村会長以下13名が出席しました。

今回の協議では、6月21日(金)に要望した「Ⅰ 給与・勤務条件の維持改善について」の11の要望、「Ⅱ 活力ある教育環境の整備について」の12の要望、「Ⅲ 福利厚生事業の維持改善について」の2つの要望に対して、県教委からの一括回答をいただきました。

回答は、例年通り厳しいものでしたが、いくつか前向きな回答もありました。

県教委が現場の実態を理解し、改善を図ろうと前向きに考えてくださっていることは伝わってきました。

また、回答をいただいた後に、役員からは学校現場の厳しい状況を改めて伝えました。

回答については、12月発行の会報176号に掲載します。

月例給・ボーナスともに3年連続の引上げ勧告!!

10月16日、16:30より人事委員会事務局において、会長と事務局長で今年度の人事委員会勧告について説明を受けて参りました。また、公務運営に関する課題については、現場の実態を伝え、意見を交換して参りました。

内容の概要については、本日回覧として全校にFAXさせていただきましたが、月例給・ボーナスともに3年連続の引上げ勧告となります。

月例給の改定率2.56%は、平成4年の2.72%以来32年ぶりの改定率となります。

特別給(ボーナス)の4.60月は、平成14年の4.65月以来22年ぶりの支給月数となります。

平均年齢42.2歳・平均経験年数20.1年の行政職員の場合、年収ベースでは、約3.2%(194,793円)の給与改善となります。

給与制度のアップデートについては、給料表を号給の大くくり化や職務の級間の重なりの解消による職責重視の体系への見直しが図られることとなりました。

12月の県議会で条例改正がなされれば、年末には差額が支給される運びとなります。物価高騰により、実質賃金が下がってしまう状況が続いていますが、少しでも学校管理職員の待遇改善がなされるように、栃管協は今後も活動を続けて参ります。

 

政策懇談会

9月9日(月)に、自民党政策懇談会に栃教協とともに出席し、来年度の予算並びに政策についての要望活動をして参りました。

     要望を説明する内村会長

   説明に耳を傾ける県議会議員の皆様

限られた時間の中での要望ということもあり、先日の教育長・知事・県議会議長への要望内容を更に絞って要望して参りました。以下が主な内容です。

1.予算に関する要望

(1) 中学校全学年の35人以下学級の継続

(2) 小学校低学年(1・2年生)30人以上の在籍学級及び指導困難校への非常勤講師の配置の拡充

(3) 教員業務支援員(副校長・教頭マネジメント支援員を含む)の配置拡充(236人→480人)

(4) 部活動指導員の配置促進並びに地域移行の推進

2.政策に関する要望

(1) 学校現場の必要に応じた臨時採用教員の迅速な配置

(2) 「学校における働き方改革推進プラン(第2期)に基づく、教員の勤務環境改善の取組

(3) 不登校対策の強化

 

今後も様々な機会を活用して、教育環境の整備に向けて要望活動を続けて参ります。

教育予算要望(県教育長)

9月6日(金)に、県教育委員会の阿久澤真理教育長に令和7年度の教育予算要望を会長・副会長・局長・次長の6人で行って参りました。

阿久澤教育長に要望書を手渡す内村会長

栃管協の要望に耳を傾ける県教委の皆様

我々の要望に関して現在県教委が取り組んでいることを話される阿久澤教育長

阿久澤教育長を始め教育次長や各課長の皆様には、大変お忙しい中お時間を作っていただき、我々の要望に耳を傾けていただきました。要望内容は、5日の議長への要望と同じです。

また、県教委を通じて福田富一知事に対しても要望書を提出しました。

11月14日には、第2回対県正式協議があり、6月21日の第1回対県正式協議で提出した要望の回答をいただきます。今回の予算要望と併せ、栃管協の要望が少しでも実現することを期待したいと思います。

今後も会員の声を必要に応じて県教委に伝えて参ります。現場の生の声を様々な機会で事務局まで届けていただくよう会員の皆様にお願いいたします。