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栃木県学校管理職員協議会 会長 内村壮一
歴史を受け継ぐ
会員の皆様からの御信任をいただき、今年度、栃管協会長の大任を仰せつかりました。長きに亘って受け継がれてきた栃管協の「現在」に携わらせていただくことに、重責を痛感しております。
私たち、栃木県学校管理職員協議会の始まりは昭和41年に遡ります。その3年前、昭和38年に栃木県教職員協議会が誕生し、私たちの先輩である管理職員も栃教協の会員でしたが、ILO(国際労働機関)87号条約の批准と、それに伴う国内関係法の改正により、栃教協より分離して栃管協が結成されました。その姿は、一株の根元より二本の幹が伸びる「双幹の松」と言えましょう。
結成当時に至る教育界の状況を思うに、戦後の社会情勢の中で、教育本来の目的から遠く離れた、決して「正常」とは言えない状況がありました。日本の将来を憂えた、真に子供のことを考え、真に子供に向き合う教師の仲間達が手を取り合い、教育正常化運動の灯を灯します。幾多の苦難を乗り越え、結成された職員団体が栃木においては栃教協であり、栃管協でありました。
栃管協の最も大切な基本理念である綱領には次のように謳われています。「我々は学校管理職員としての責務を自覚し、中正を堅持して、民主教育の推進をはかる」「我々は学校管理職員として、職責を遂行するため、その地位の向上をはかる」「我々は学校管理職員として、資質の向上につとめ、教育の充実発展をはかる」
私たちの多くの先人が歩んできた運動の歴史に思いを馳せ、さらにその志を次の世代へ引き継いでいかなければなりません。栃管協は来年度、結成60周年の節目を迎えます。
このような歴史の先端を今、私たちは生きています。子供たちや私たちを取り巻く状況はこの十年でますます複雑になり、コロナ禍を経てさらに多様化し、管理職に求められる期待も一層大きくなりました。皆様方、管理職としてさぞ気の休まらない毎日をお過ごしのことと思います。
昨今、教育界の課題は山積しています。日本史上未曾有とも言われる少子高齢化、教師の不足、定数改善、給与改善、働き方改革、不祥事防止、学力向上、授業力向上、GIGAスクール構想、特別支援教育、不登校対策、部活動の地域移行、定年延長、役職定年制、特例任用、管理職員の待遇改善・・・等々、枚挙にいとまがないのが実感ではないでしょうか。
私たち栃管協はこうした様々な教育課題に対して、会員の声を集め、県教委に届け、栃教協と共に全日教連を通じて国に届け、諸改善を求めます。それができる職員団体であり、組織の存在意義はまさにここにあります。私たちには、教育職は専門職であるという強い自覚と自負があります。後に続く教師のために道を拓いておく役割があります。そのために、管理職として横の連携を図るとともに、それぞれの学校現場の栃教協会員のバックアップもどうぞお願いいたします。
6月21日には、県教委に対して第1回正式協議を行い、「活力ある教育環境の整備」「給与・勤務条件の維持改善」「福利・厚生事業の維持改善」について要望を行って参ります。今後も諸要望活動を継続して参りますので、引き続き会員の皆様の栃管協への御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
(那須町立黒田原小学校長)