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栃木県学校管理職員協議会 会長 鍋谷政善
節目の年60周年
長きに亘り受け継がれてきた栃管協の「節目の年」60周年に携わらせていただくことに重責を痛感しております。
栃木県学校管理職員協議会(栃管協)の始まりは昭和41年に遡ります。その3年前、昭和38年に栃木県教職員協議会が誕生し、私たちの先輩である管理職員の皆様も栃教協の会員でした。その後、ILO(国際労働機関)87号条約の批准と、それに伴う国内関係法の改正により、栃教協より分離し、この栃管協が結成されました。結成当時に至る教育界の状況は、戦後の社会情勢の中で、教育本来の目的から遠く離れた、決して「正常」とは言えない状況がそこにはありました。日本の将来を憂え、子供達のことを考え、真に子供に向き合う教員の仲間達が手を取り合い、教育正常化運動の灯を灯します。幾多の苦難を乗り越え、結成された職員団体が、この栃木においては栃教協であり、栃管協であったのです。
栃管協の最も大切な綱領には基本理念三つ、運動方針六つ、そして、スローガンとして次の四つを掲げています。
「一 学校管理職員としての責務を遂行し、地位の向上と待遇の改善をはかろう」
「一 学校教育のいっそうの充実をめざし、明るくいきいきとした職場づくりを推進しよう」
「一 教師の倫理を確立し、中正不偏の教育を推進しよう」
「一 青少年に生きがいと希望を与え、健全な育成をはかろう」です。
多くの先人が歩んできた教育正常化運動の歴史に思いを馳せ、今までも、これからも、その志を次の世代へ引き継いでいかなければなりません。栃管協は今年度、結成60周年の節目を迎えます。このような歴史の先端を今、私たちは生きています。子供たちや私たちを取り巻く状況はこの10年でますます複雑化し、コロナ禍以降、多様化し、管理職に求められる役割と期待もさらに大きくなりました。皆様も、管理職としてさぞ気の休まらない日々をお過ごしのことと思いま す。
今、教育現場の課題は何だとお考えでしょうか。教師不足、働き方改革、定数改善、給与改善、不祥事防止、学力向上、授業力向上、ICT活用、特別支援教育、いじめ・不登校、部活動の地域移行、定年延長、役職定年制、特例任用、管理職員の待遇改善・・・等。それでも、
皆様は、あらゆる角度から具体策を考え、教職員が一丸となって課題解決に取り組めるよう、リーダーシップを発揮されていることと思います。
このように、変化が激しく、迅速な対応が求められる日々ですが、特に私が嬉しく思う瞬間は、子供達の笑顔を見られたとき、成長を感じたとき、教職員が授業改善や、様々な対応を真剣に話し合い、そこに高い同僚性を感じるときです。
子供たち、そして、真摯で誠実な教職員のウェルビーイング実現のために努めて参ります。
皆様。そのために、お力をお貸しください。
「数は力なり。」私たち栃管協は、様々な教育課題に対して、会員の声を集め、県教委に届け、栃教協とともに全日教連を通じて国に働きかけ、 諸改善を求めていきます。それができる職員団体であり、まさに、組織の存在意義はここにあります。私たちには、教育専門職としての自覚とプライドがあります。そして、後に続く教職員のために道を拓いていく責任があります。
そのためにも、管理職同士の連携を密に図るとともに、それぞれの学校現場の栃教協会員である教職員のバックアップも、合わせて、どうぞよろしくお願いいたします。
結びに、会員の皆様、今年度もどうぞ栃管協への御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。
(那須塩原市立東小学校長)