校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「下水道の日」
9月10日は「下水道の日」。一年を通して多く雨が降る台風シーズンの中でも、9月10日は立春から数えて220日目にあたり、大雨に備える特別な日とされてきたため「下水道の日」と制定されたそうです。
水道に比べ、どちらかと言えば日陰的な存在の下水道ですが、昨今の台風やゲリラ豪雨の影響で、河川の氾濫だけではなく、多過ぎる雨量を処理しきれず道路に水が溢れ川のように道路を濁流が流れる映像や、マンホールから水柱が上がったり、さらにはマンホールの蓋が下水に押され吹き飛ばされる映像などを頻繁にニュースなどで見かけます。
現在下水道の普及率は全国平均79.3%に対して千葉県は77.1%と下回っているものの生活排水の処理や市街地への雨水の浸水を防ぐなど、大切なライフラインと位置付け下水道の普及に努めてくれています。
今更ですが、地球の水は増えることも減ることもありません。雨水や生活用水は河川を通り海に流れ、海上で蒸発し雲となり、また雨を降らせるという限られた水の循環です。地球環境を考えさせられる昨今だからこそ、「下水道の日」をきっかけに地球の水の循環の恩恵を受けているという意識したいと思います。
①調理クズはそのまま流さない
②使用済みの油などはそのまま流さずペーパー等で拭きゴミとして処理する
③無駄に洗剤を使用しない
④トイレはペーパー以外の紙は流さない
校長室のひとりごと「パリ五輪(その2)」
連日パラリンピックの日本選手の活躍が報じられています。4年に一度のスポーツの祭典、選手たちには、大いに楽しんでほしいと思います。
パリ五輪は開会式をセーヌ川で、パラリンピックではコンコルド広場などで行うなどパリの街並みが印象的ですが、一方で「メイン会場」となる陸上競技場の映像を見る機会が少ないように感じています。前回の東京五輪での国立競技場にあたるメイン会場「スタッド・ド・フランス」は陸上競技の映像以外では、ほとんど目にすることがありませんが、実は画期的な工夫がなされています。
陸上競技場といえば周囲を大きなスタンドに囲まれ、中央のフィールドは一面緑の芝生。そしてフィールドとスタンドの間には陸上競技の400mトラック、全天候型のタータンに真っ白なラインでレーンが区切られています。では、陸上の400mトラック(地面)は何色をイメージしますか?日本の国立競技場のようなレンガ色を思い浮かべるでしょう。昔の競技場は茶褐色の「人工土アンツーカー」が主流で、1964年の東京五輪の国立競技場もこのアンツーカーでした。その後1968年メキシコ五輪で現在のようなタータンが採用され陸上競技場の主流になりましたが、「人工土アンツーカー」の名残で世界中多くの陸上競技場はレンガ色のタータンを使用しています。
今回のパリ五輪、パラリンピック会場「スタッド・ド・フランス」の400mトラックは見慣れたレンガ色ではなく「紫色」です。実はリオ五輪でも「ブルータータン(青色)」が採用されましたが、紫色はこのパリが初めてです。一般的に赤色は「緊張を高め闘争心を煽り興奮させる効果」があるとされていますが、青(紫)色には「緊張を和らげ集中力を向上させる効果」があるそうです。多くの競技場を経験している陸上選手でも「紫色」は初めてなので、一層集中力が増し、好記録を期待しての「紫色」だそうです。
パリ五輪陸上競技では、棒高跳びで世界新記録が、男子100mでは、決勝を走った全員が9秒台という好記録が生まれたのも「紫色」の効果かもしれませんね。
「スタッド・ド・フランス」の映像が映った際には注目してみてください。
校長室のひとりごと「まだ続く猛暑」
朝晩涼しくなったとはいえ最高気温35℃予報、今年の暑さはどうなっているのでしょうか?夏休み中は連日朝から30℃を超え、地域によっては40℃近くまで気温が上昇し、連日熱中症アラートが発せられる。天気予報では35℃でも驚かなくなってしまいました。学校もこれまで以上に対策を講じなくてはならないと考えてしまうほどの暑さです。
心配材料はたくさんあります。まず登下校です。7月は朝の7時前から温度計は30℃を指し、夕方6時過ぎても30℃を指している状態です。教室は冷房がありますが体育の授業は問題です。こう連日「熱中症警戒アラート」が発せられては体育の授業どころではありません。昔は暑い夏にはプールで涼んでいたものの、近年この暑さで水温は30℃。特に心配なのが部活動です。放課後とはいえグラウンドや体育館ではWBGT計では厳重警戒レベル。この暑さでも大会は行われるため練習しないわけにもいかず練習内容や時間など対策を講じての活動が続いています。
今年の6.7.8月は平均気温の+1.76℃だったと気象庁が発表しました。暑いわけです。専門家も地球温暖化状況や温暖化対策を鑑みても、この暑さはこの先も続くと話しています。であるなら、抜本的な改革、暑さ対策に乗り出す時期ではないかと感じています。例えば「サマータイム制度」を導入し涼しい時間帯に活動したり、夏の大会の時期をずらしたり、夏休みの部活動を例えばAM5:00からとかPM5:00からなどと暑い時間を避けるなど、数年中には、これまでのように「十分に気を付けて…」では太刀打ちできない時代がくると心配しています。
国や企業レベルでは温暖化対策を進めているのですが、今こそ我々一人一人ができる温暖化対策、そして熱中症対策を考えなくてはならないと強く感じます。
来週も暑くなりそうです。お互い無理せず頑張りましょう。
※ 例年この時期の体育祭、今年はこの暑さを予想し10月に実施します。
校長室のひとりごと「共学?別学?」
先月、埼玉県教育委員会が「男女別公立高校の共学化を推進する」と発表しました。埼玉県の公立高校で男女別学の学校は12校、男子校の春日部高校、女子校の春日部女子、久喜高校などは本校からも受験している学校です。
埼玉県教委の共学化推進の背景には「少子化」「多様化」「ジェンダー平等」などがあるそうです。今後、社会の変化や県民へのアンケート、地区別ヒアリングを実施する予定だとしています。
ちなみに千葉県はどうかと言えば、やはり共学化が進み現在男子校はゼロ、女子校が2校です。全国的に見ても1990年には261校あった男女別学も2023年には45校、⅙にまで減少しています。
私は中学3年生と校長面接を行っています。既に行った1回目の面接では、生徒の人となりを知ることを目的に、今後行う2回目の面接では、一人一人の志望校について、具体的な進路の話題が中心です。実際に男女別学の学校を志望している生徒は、皆一様に「男子だけなので…」とか「女子高だから…」とはっきりと志望動機を教えてくれます。確かに社会的にみれば「少子化」「多様化」「ジェンダー平等」もわかりますが、あえて男女別学を選択する子どもたちが実際にいるということを忘れてはいけないと思います。私学ではなく公立だということ、共学と別学と選択肢が2校しかないわけではありません。一中学校の校長として、世論も大切ですが、一人一人の中学生に目を向けて大切にしてほしいと切に願っています。
校長室のひとりごと「パリ五輪(その1)」
この夏、パリ五輪から目が離せず寝不足だったという方もいらっしゃったのではないでしょうか。私も「今晩こそ絶対見るぞ!」と気持ちはあったのですが、睡魔に負け翌朝のニュースで結果を知ったという毎日でした。
「五輪オタク(?)」の私にとって、今回のパリ大会では時代の流れ、変化を様々な場面で実感させられました。その一つに表彰セレモニーがあげられます。これまで表彰セレモニー、メダル授与といえば、金・銀・銅のメダルを授与し、優勝した選手の国歌が流れる、そしてその場でメディアに向けてポーズをとり写真撮影があり、一連のセレモニーが終わり、各国メディアが待ち受けるミックスゾーンと呼ばれる通路を通りインタビューを受け退場する、そんな流れがこれまでの五輪の常でした。
今回のパリ大会では、これらの流れに一つ恒例行事(?)が加わったことに気づきましたか? 金メダルの選手の国歌が流れた後、選手たちが表彰台でスマホを使い「自撮り」をするという行事です。五輪は他の国際大会と比べ厳格で、しきたりや縛りも少なくなく、全世界に映る表彰セレモニーで自撮りなど到底考えられませんでした。今回のパリ五輪のスポンサー企業であるサムスンが、全参加選手17000人にスマホを配布したことで、こういった表彰台上での自撮りが可能になったわけです。やはり時代の流れですかね。
今、五輪に続きパラリンピックの熱戦が繰り広げられています。こちらにも注目しようと思います。
校長室のひとりごと「避難訓練」
昨日、避難訓練を実施しました。皆さんも学生時代に経験があると思いますが、まず教室で「これから避難訓練を行います」「放送があったら机の下に身を隠しましょう」「非難する場所は校庭です、静かに速やかに移動すること」など予め教師が段取りを教える、訓練というより指導という意味合いが強いものです。今年度も4月当初に1回目の避難訓練を行いました。年度がかわり、改めて上記のような避難訓練を実施しました。そして昨日が2回目です。101年前の関東大震災の教訓から「防災の日」に制定されている9月1日(今年は2日)に例年実施しています。
今年の夏、毎日のようにどこかで発生するゲリラ豪雨、また南海トラフとの関連が懸念される九州での地震、各地で大きな被害をもたらした台風10号など災害の頻度や種類、想定される被害も変化してきたように感じます。
元日の能登半島地震、夏休み中の九州での地震など「いつ」「どこで」発生するか予想困難なのが災害であり、そのための訓練であることから、今回は「掃除中」に行いました。生徒には事前の告知もせず、いつものように各掃除場所に散らばり、近くに教師がいるとも限らない状況での訓練です。生徒たちは自分で考え行動しなくてはなりません。安全な近いルートで校庭まで避難し、人数の確認などが必要です。実際生徒たちは、それぞれの場所で身をかがめ、頭部を守り、速やかに非難することができ、我々教師にも生徒たちにとっても有意義な経験でした。
災害は学校にいる時間とは限りません。元日や夏休みの旅行や帰省先かもしれません。家族や誰かと一緒かもわかりません。生徒たちはもちろんですが、皆さんもこの機会に災害時の対応について話題にしてみてはいかがでしょうか。
校長室のひとりごと「学校再開」
毎日のように熱中症警戒アラートが発出された猛暑続きの今年の夏、運動部は思うように活動もできず、午後ともなると閑散とした校内でした。43日間の夏休みも終わり、今日から学校が再開し日焼けした生徒たちの笑顔、活気が学校に戻ってきました。かつて我々大人もそうだったように「43日間もある」と始まった夏休みも終わってみれば「あっという間に」という感覚で、生徒たちは今日の学校再開を迎えたことと思います。
ところで、この夏は暑さだけではなくパリオリンピック、九州四国での地震、そしてこの台風10号などさまざまな出来事がありましたが、夏休み前に生徒たちには「勉強でも部活動でも、遊びでも、何でも良いが長い休みにしかできない時間の使い方をしてほしい」と、また「今年の夏休みは◯◯に頑張ったなと9月に言えるような夏休みにしよう」と話しましたが、生徒たちはどうだったでしょう?機会あるごとに「今年の夏休みはどうだった?」と聞いて回りたいと思います。
夏休み中はこの「校長室のひとりごと」もお休みしていましたが、今日からまた毎日(出来る限り)更新してまいります。
校長室のひとりごと「有意義な夏休みを」
いよいよ明日から夏休みになります。子供のころを思い起こせば「夏休み」と聞くだけで、ソワソワと開放的な気分になり、これからやってくる夏休みの日々に何か特別な期待をしていたことを思い出します。実際には夏休みといっても一日中部活動だったりで、毎日が特別というわけにはいきませんでしたが、それでも「夏休み」という言葉には、特別なことを期待してしまう魔力(?)があったように記憶しています。
さて、そんな今年の夏休みは実質43日。夏休みは「子どもを家庭に一旦返す」わけですが、この43日間という膨大な時間が与えられることになります。
43日間を時間にすると実に1032時間。毎日の睡眠や食事、入浴などの時間をざっくり10時間と仮定し、1032時間から差し引くと602時間が残ります。3年生は受験生、1.2年生も勉強はするでしょうから、仮に学校と同じ毎日6時間勉強するとしたら、43日間で258時間、先ほどの602時間から258時間を差し引けば344時間が残り、つまり一日8時間が「自由な時間」という計算です。
日頃学校では「分刻み」の生活をしていのですから、夏休みにしかできない時間の使い方をしてほしいと思っています。
ゆっくりと「読書」したり「映画」を観たり、「絵」を描いたり。また「旅」にでたり、何かの「研究」や何かを「作る」、もちろん「もっと勉強」でも良いわけです。
ただ何となくゆっくり過ごす夏休みが悪いというわけではありませんが、「今年の夏休みは〇〇だったな~」と9月に振り返れるようなメリハリのある時間を生徒たちには過ごしてほしいと願っています。
4月より、ご愛読ありがとうございました。「校長室のひとりごと」も夏休みをいただきます。次回は9月2日から再開します。HPのその他は随時更新していきますのでよろしくお願いします。
校長室のひとりごと「推し活」
「推し活(おしかつ)」という言葉が社会的に広がり認知度も上がっています。「推し活」とはアイドルやアニメのキャラクターなどを応援する活動のことですが、ある調査によると小学生の53%が何らかの「推し活」をしているそうです。一昔前は「オタク」的なイメージがあった「推し活」ですが、仕事や学校の傍ら「推し活」に勤しむ人がかなりの割合でいるようです。
「推し活」してますか?
この推し活は心理学的にみても自然のことで、誰しも見たもの聞いたことなど受け取った情報の中から自分なりの価値感でシンボル的で特別な存在を見出します。そうして受け取ったことを、今度は外側に発するようになります。
例えば友達がキーホルダーを持っており、自分には特に意味もなくどうでもないことでも、その友達にしてみれば、推しのアイドルのキーホルダーだとすれば自己表現の一つで、特別な意味を持つことになります。このような推し活には三つのメリットがあるそうです。
一つ目は「自分の世界が広がる」ことです。推しのことを調べたり、もっと知ろうとすることで、今まで知らなかった世界を知ることができます。
二つ目は「自分の資源を分け与える喜びを感じられる」ことです。人間は他の人に親切にする、何かを分け与えることで幸せを感じる本能があります。
三つ目は「第3の居場所を作ることができる」です。第1の居場所は家、第2の居場所は職場や学校、多くの時間をその往復で時間は過ぎていきますが、同じ趣味の人とコミュニケーションをとるなど第3の居場所を作ることができます。
これは、大人になる準備段階の小学生の発達という面では、社会性が身につき良い効果が期待できると心理学の専門家は話しています。
ただし、過度に自分の資源を分け与えようとすると金銭面のトラブルなどの懸念があるのも事実です。何かに価値を見出し、自分でその世界に入り新たな居場所、コミュニティーを作り出せる「推し活」、皆さんも新たに「推し活」に挑戦してみませんか。
校長室のひとりごと「校長面接より」
以前この場でも紹介しましたが、今3年生を対象に「校長面接」を行っています。1日5人程度で1組から順にはじめ、ようやく終わりが見えてきました。一人一人と約15分程度、質問しながら話していると様々な発見があるものです。やはりこの時期に1回目の面接を実施できて良かったと感じています。
面接の中で意外に多かったのが、極度(?)の緊張です。「トントントン」ノックして校長室に入ります。「こちらへどうぞ」と。椅子にたどり着くまで10歩前後、手と足が一緒に出てしまう生徒の多いこと。また、緊張のあまり声が震えたり、言葉に詰まったり、泣き出してしまう生徒もいました。「校長先生が脅したんじゃないですか?」などとからかわれますが、もちろんそんなことはありません。笑顔で(かえって不気味だとの声も)優しいものです。これが入試本番だったら…
先日、千葉県教育委員会が来春の入学者選抜について5教科の共通テスト以外に面接試験を72校で、また自己表現試験を44校で実施し、これは過去最多だと公表しました。本校から受験するであろう学校のほとんどは面接試験を実施するようです。面接試験がどの程度合否に影響するのかは学校によって違いますが、共通して言えることは、5教科の共通テストの点数だけで輪切りにするのではなく、個々の受験生の人となりから、自校の生徒に相応しいかどうかを見極めようとしているのは確かです。
もうすぐ始まる夏休み、各高校は中学生向けに説明会や体験会などを行います。3年生は勉強だけではなく、各高校の説明会に参加し自分に合っている、そしてどうしてもここに入学したいと思える学校を選びます。そして面接試験では、通り一遍の志願動機ではなく、なぜこの学校を選んだのか、そしてこの学校で何を頑張りたいのかなどをきっぱりと答えられるようにしておくことが求められるわけです。
秋に2回目の校長面接を予定していますが、その時にはこれらを踏まえた質問をしていこうと考えています。