校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「なりたい職業」
「中高生のなりたい職業」なるランキングが様々な調査機関から発表されています。人を育てる教員という仕事柄、数ある調査の中でも気になるランキングです。先日発表されたランキングを紹介します。
【男子】 【女子】
1位 会社員 会社員
2位 公務員 マンガ家
3位 YouTuber 公務員
4位 ゲーム パティシエ
クリエイター
5位 ITエンジニア 薬剤師
6位 野球選手 看護師
7位 建築家 料理人
教員 保育士
昔は男子も女子も教員が上位の常連でしたが、なんとも残念です。確かに近年、全国的に教員採用試験の倍率が低下を続けています。メディアによる「ブラック教員」などの報道が影響しているのでしょうか。こんなにやりがいのある職業はないと思いながら38年が過ぎようとしています。
校長室のひとりごと「後世にまで」
昨日、第78回卒業式が行われ、無事に91名の3年生が卒業していきました。本校では校舎配置の都合上、1、2年生は校舎の3階、3年生は校舎の2階に教室が配置されています。いつも元気で、笑い声に溢れていた3年生だっただけに、2階は閑散とし、空になった教室を見ると、3年生の卒業を実感し寂しい気持ちになります。
また今年も、もうすぐ校庭の満開の季節がやってきます。そして4月、新年度になれば新入生が入学し、また新しい生活、79年目の川間中の始まりです。今日からしばらくは1年生70人、2年生84人と154人での生活が続きますが、1、2年生力を合わせて頑張っていこうと思います。
昨日の「校長式辞」内でも少し触れましたが、14年前の昨日3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。震源に近い宮城県などでは震度7を、東京や野田でも震度5強という広い範囲が被害を受け、多くの命が奪われてしまいました。当時、野田市では昨日同様に午前中卒業式を行いました。発生当時には生徒達は皆下校していましたが、市内の小学校では保護者への引き渡し下校を行ったことを思い出します。今の中学1年生は東日本大震災後に生まれた世代、被災者や語り部だけではなく、当時を知っている者として、後世にも語り継がなくてはならない出来事だと考えています。
校長室のひとりごと「旅立ちの日」
今日は本校にとって大切な日、そして特別なお祝いの日「卒業式」です。生徒達は小学校でも卒業式は経験していますが、校区があるので6年生は卒業しても同じメンバーがそのまま中学校に入学してきます。しかし中学校の卒業は、みな受験を通して別々の学校に進学するため、中にはもう会うことがない級友も出てきたりと、小学校とは少し違った雰囲気が中学校の卒業式にはあります。
中学校の卒業式には「4つのお祝い」があります。一つ目のお祝いは「中学校の課程を修了した」というお祝いです。二つ目は「義務教育を終え自分で選んだステージに進む」という門出のお祝いです。三つ目は「9カ年間に渡る教育を受けさせる義務を果たした」という保護者へのお祝いです。そして四つ目は15歳と言えば昔の元服大人の仲間入りですから「15年間の子育てご苦労様でした」という保護者や家族に対するお祝いです。この4つのお祝いを広く披露するのが中学校の卒業式です。三つ目、四つ目は保護者、家族へのお祝いですが、卒業証書には一つもそのことは書かれていません。卒業生本人が家族の代表として、壇上で卒業証書を受け取ることの意味をしっかりと噛みしめ、立派に堂々と卒業生には式に参加してほしいと願っています。
昭和22年の創立以来、1万人を超える先輩達から脈々と受け継いだ歴史と伝統を、今度は1.2年生達に託す時が来たわけです。卒業しても、いつまでも後輩達の憧れの先輩でいてほしいと思います。
校長室のひとりごと「春の訪れ?」
三寒四温とはよく言ったもので、週末の雪も春に向けた準備の一つだったと感じます。
「猫の日」に合わせて、我が家では3匹のネコを飼っていると紹介しましたが、これも近づく春のせいか躍動(?)する機会が増えてきたようです。猫同士のじゃれ合いで騒がしいのなんの…猫の聴覚は人間の4倍とも言われており、特に高い音、虫の羽ばたきなどの高周波も聞き分けるそうです。一方で雷や打ち上げ花火、物を落とすような突発的な大きな音に怯えるそうで、確かに我が家の猫もその通りです。また男性の低い声は動物の唸り声を連想するため、男性より高い声の女性に懐くことが多いそうです。こういった猫の習性から、ゆったりと透き通るような高音の「クラッシック音楽」が猫を癒す!という説があります。あるサイトでは「ロック音楽」も好むと紹介されています。猫の心拍数は運動後の人間くらい(150〜180)で、ロックのビートとシンクロするためだそうです。このようなことから猫専用の音楽を作っている人もいるというから驚きです。えっ?ところで試したのか?って話ですが、音楽を選んでいるうちに疲れたのか猫たちが落ち着いてしまうため、まだ試せていません。こういうところも気まぐれな猫ならではなんでしょう。
明日は卒業式です。なんとか天気も大丈夫そうで一安心です。
校長室のひとりごと「魔法の言葉」
想像してみてください。例えば、比較的混んでいる電車に乗りましたが詰めればもう一人くらいは座れそうです。乗ってきたあなたに気づき何人かが席を詰めてあなたが座れるスペースを空けてくれました。あなたはその席に座りますが、そのときどのような言葉を口にしますか?例えば、道を歩いていてハンカチを落としてしまいました。自分では気がつきませんでしたが、後ろから「落としましたよ」とハンカチを手に駆け寄ってくれた人に、どのような言葉かけをしますか?例えば、飲食店で店を出る際にスマホをテーブルに置き忘れてしまいました。店員さんが慌てて「忘れてますよ」とスマホを持ってきてくれました。その店員さんにどのような声をかけをしますか?
三つの例で考えてもらいましたが「何も言わず頭を下げるだけ」と言う人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は「○○○○○」という5文字を口にするでしょう。皆さんの5文字はどちらでしょうか。「すみません」「ありがとう」・・・
つい「すみません」と言ってしまいがちですが、やはり「ありがとう」を選びたいものです。人は「ありがとう」と言われれば嫌な気持ちにはなりません。むしろうれしくなるものです。人をうれしくさせる力がある美しい日本語「ありがとう」。そんな「ありがとう」が飛び交う社会になれば良いなと思っています。
校長室のひとりごと「不易流行」
年度末を迎え、今は来年度の日程やカリキュラムなど来年度の様々なことを決めたり調整したりしています。過去のこととなりつつあるコロナ禍の余波は学校にたくさん残っています。行事の精選・縮小、地域交流の自粛、部活動時間の短縮、リモート学習…もちろんこれらはコロナだけではなく、教員の業務改善や社会全体の変化も影響しています。一方でコロナの余韻は悪いことだけではなく、昭和から続く古い体制を見直す機会にもなり、学校教育は大きな転換期を迎えています。
この大きな転換期に私が校長として常に意識していること、それは「不易流行」です。「不易」とはどんなに社会や時代が変化しても変わらないこと、変えてはならないこと。「流行」とは社会や時代の変化に合わせて変わること、変えなくてはならないことです。コロナ禍では、感染拡大防止が最優先だったため、様々なことをいわば削ってきました。そしてコロナ禍が明けた今、削ってきた何を戻して、何をそのままにするか、単にコロナ禍前に戻すわけには行きません。生徒達はもちろん先生方も若返りコロナ禍前の学校の様子を知らない先生もたくさんいます。
「生徒にとって」必要なことは削らず、むしろ手厚く時間を割いて、逆に削っても影響ないものは過去にとらわれず削るなど形を変えていくことがこれからの学校には必要だと思います。
校長室のひとりごと「3年生を送る会」
令和6年度もいよいよ大詰めです。今日は「3年生を送る会」が行われます。「卒業式」や「修了式」はまだこれからですが、生徒会が企画し行われる行事としてはこの「3年生を送る会」が今年度最後になります。今年1年間の生徒会活動の集大成として、また、卒業してゆく3年生への感謝や激励、餞を表現する大切な生徒会行事です。1.2年生はこれまで時間をかけて準備し、何度も何度も練習をしてきました。3年生は入試の関係でほとんど練習していませんが、それでも例年1.2年生はやはり3年生にはかないません。
3年生は今日の「3年生を送る会」から「卒業生」と呼ばれるようになり入試モードから卒業モードに切り替わります。また1.2年生は改めて3年生の卒業後の自分たち、つまり1年生は先輩に、2年生は最上級生になる自覚と責任を持つきっかけにする会でもあります。単に「お世話になった3年生のために…」の会ではなく、自分たちの1年間の成長を実感し4月からの新年度の準備となる、それが「3年生を送る会」です。
約1ヶ月後、新年度最初の生徒会行事は「新入生歓迎会」です。先輩となって、最上級生となって新入生達を迎え入れる会、そのためにも今日の「3年生送る会」はとっても大切です。心のこもった温かい「3年生を送る会」になることを期待しています。
校長室のひとりごと「合格発表」
今日午前9:00に千葉県公立高校の入試の合否の発表があります。明日の「3年生を送る会」を挟んで6日は埼玉県の公立高校の合格発表があります。もちろん既に入試は終わっているため、今更合否が覆ることもありませんが、それでも「みんな合格しますように」と願ってしまいます。
既に第1希望の私立の高校に合格している生徒も含めて、今日、そして6日にはみんな進学先が決定することになります。もちろん全員に合格してほしいわけですが、現実には不合格の生徒が出てくるかもしれません。周りが合格に喜ぶ姿を見れば、尚更「この世の終わり」とばかりに落ち込むことでしょう。中には初めて経験する挫折を味わうかもしれません。でもそんな生徒にこそ「どこの学校に通うかはそんなに大した問題ではなく、むしろどんな3年間を過ごすかが問題だ」と話してあげたいと思います。そういえば「負けるが勝ち」という言葉もあります(不合格が負けという意味ではありませんが)。
4月から通う学校が「良い学校だったのか」は3年後に判断できるのだろうと思います。3年後「この学校を選んで良かった」と胸を張って言えるような高校生活を送ってほしいと思います。
校長室のひとりごと「桃の節句」
いよいよ3月、3月といえば「春」「旅立ち」「卒業」「別れ」を思い浮かべます。どことなくもの思いに浸る季節です。今日3月3日は「桃の節句」です。「桃の節句」といえば女の子をお祝いする年中行事で、お雛様(雛人形)を飾り、ちらし寿司や雛あられを食べる、その程度は知っていました。7月に初孫(女の子)が生まれ今年が初節句ということで「桃の節句」について改めて調べてみました。
旧暦の3月3日「上巳(じょうし)の節句」はちょうど桃の花が咲く頃ということで「桃の節句」と呼ばれ、5月5日が男の節句「端午の節句」であることから「桃の節句」は女の子の節句お祝いの日となったそうです。女の子が遊ぶ物として雛人形が飾るのが風習となりました。この雛人形は平安時代に貴族の女の子たちが紙で作った人形を紙で作った御殿で遊ばせるという遊びが由来だそうです。また雛人形には厄を引き受ける役目があり、女の子から災いを守り幸せな人生を送れますようにと願いが込められているそうです。
「桃の節句」で食べるちらし寿司の具にもそれぞれ願いが込められており、例えば「エビ」は腰が曲がるまで長生きできましょうように、「いくら」は子沢山に恵まれますように、「豆」は健康でまめに働けるように、「レンコン」は先が見通せますように…だそうです。
今日は、そんな願いを込めて孫に会ってこようと思います。
校長室のひとりごと「過去の経験から」
東日本大震災による津波など大きな被害を受けた岩手県大船渡市の山林火災の報道には胸を痛めています。多くの方が避難所生活を始めているそうです。
1月、発生から30年の阪神淡路大震災について先週話題にしました。その後も2004年新潟中越地震、2011年東日本大震災、2016年には熊本地震、2018年北海道胆振東部地震。そして昨年2024には能登半島地震と、わずか30年の間に6回もの大地震、それも甚大な被害をもたらした震災が発生しています。ある専門家によれば30年以内に80%の確率で南海トラフ地震が起きるという予測も発表されています。この30年で防災に関する様々な取り組みが行われてきました。阪神淡路大震災は発生時刻が午前5時46分と朝食準備と重なったため、火災も発生し被害は拡大しました。また電気の復旧とともに寸断されていた電線等から発火し火災が長引いたとも言われています。様々な過去の経験から、例えば電力・ガスは揺れを感知したら元から供給を止めるシステムなど防災対策が各分野で進んでいます。同時に国民の防災意識は一気に高まりました。混乱を招いた阪神淡路大震災の時からは比較にならないほど避難所の整備は全国の自治体の取り組みもあり随分と進みました。
しかし、地震だけではなく台風や今回の山林火災など避難生活で相変わらず課題になっているのは「寒さ」でもなく「食料」でもなく「トイレ」だと専門家は語ります。
どこか他人事の関東地方に住む我々は、この30年の経験から得た教訓を生かし、日頃より簡易トイレなど備えておく必要があるのではと改めて感じています。