校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「節分」
60年も生きてくると、近年の社会の変化についていくのがやっと、というよりついていけず、つい昔の余韻に浸りたくなってしまいます。この時期コンビニやTVのCMでは「節分」や「恵方巻き」という語句をよく目にします。我が子たちが小さい頃には、お面をつけて「ガオーッ」って鬼を演じ、「鬼は〜外」「福は〜内」という大声で豆をぶつけられてきたものです。今の子育て家庭にも豆まき文化は残っているのでしょうか。
以前も「節分」について触れたことがありますが、季節を分けるのが「節分」、つまり「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日が節分なので一年に4回節分があります。そのうち、一年のはじまりということから立春の前日の節分がポピュラーなわけです。ところで節分といえば2月3日というイメージが強いのですが、今年は2月3日が立春なので2月2日が節分だとご存知でしたか?私も「えっ?」と思い調べてみたところ、地球が太陽の周りを1周するのには365日と6時間かかるそうで、この6時間分を修正するためにこうなっているのだそうです。
今年の節分は日曜日、家族みんなで豆まきで福を呼び込んでみてはいかがでしょうか。
校長室のひとりごと「音楽交流会」
本校に着任する前は、市内南部中学校で校長を務めていました。南部中学校は1学年の人数が本校の全校生徒数程度の大規模校です。大規模校には大規模校の良さがあり、本校のような小中規模の学校にも良さはたくさんあるものです。本校もそうですが中学校は、文化祭や先日の新入生説明会のように小学校との連携や交流活動は行われていますが、同じ中学校同士では、ほとんど交流はありません。部活動の大会などで「敵」「味方」の関係が影響しているのでしょうか。
実は今日、その南部中学校の吹奏楽部に本校に来ていただき、全国トップクラスの演奏を鑑賞し、また演奏に合わせて本校生徒が合唱するという「音楽交流会」を行います。互いの学校のカリキュラムや授業の関係で、予定を組むのが難しいのですが、午前日課の南部中と一日日課の本校との予定が合い実現する運びとなりました。純粋に同じ中学生の素晴らしい演奏、それに合わせた合唱の場を設けることが互いの生徒の刺激になり、音楽的活動以外にもつながるモチベーションを持たせることができればと思っています。合奏も合唱も一曲を仕上げるには、時間と努力と皆の気持ちを合わせるなど、簡単なことではありません。今日の交流会を通して心に届く何かを感じてほしいと願っています。
校長室のひとりごと「興風会」
今日は「柏寿賞・平成柏寿賞」の贈呈式が行われます。この「柏寿賞・平成柏寿賞」とは公益財団法人「興風会」による学校教育振興事業の一つで、市内の学校教育、社会教育、社会体育などの活動で模範となる顕著な実績をあげた教育関係者や市民へ贈られる大変価値ある賞です。
なかなか一般の方は「興風会」という名前は知っていても詳しくはご存知ないかもしれません。野田といえば醤油、キッコーマンの創業者である茂木、高梨両家が野田の地で事業を拡大できたことに感謝し、地域への恩返しのために、地域貢献の基盤とし昭和4年に設立されたのが「(財)興風会」です。そしてその活動の拠点となっているのが、野田の商店街のキッコーマン本社の隣の一際目立つコンクリートのロマネスク様式の昭和4年に竣工された「興風会館」です。この「興風会館」は当時、県内では千葉県庁に次ぐ規模の洋風建築で、地上4階地下1階建てで国の登録文化財にも指定されています。外観だけではなく中に入れば館内全てがモダンで歴史の重みを感じる造りです。
そんな歴史と伝統の「興風会」より「興風会館」で本日受賞される皆さん、大変おめでとうございます。私も贈呈式に参列してきます。
校長室のひとりごと「おかげさまで」
受験シーズンの前半を終え私立高校の受験は概ね終了、連日その合否結果(合格通知)が届いています。私立高校を第1志望にしている「単願」の生徒は、合格すれば4月からの進学先が決まったことになります。最近の高校受験は、出願もWeb(インターネット)上で、合否の結果もWeb上で発表されます。受験生は自分でログインし合否を確認するわけです。合否の発表を受け、私立単願の合格生徒たちが、次々に校長室にやってきます。おそらく3年生の先生方の指導でしょうが「第一希望の〇〇高校に合格しました。」と報告するためです。皆一様に本当に嬉しそうな笑顔で得意げに報告してくれます。また「推薦してくださりありがとうございました」とお礼も言ってくれます。生徒にとっては中学3年間で一番の試練だったでしょうから、私も嬉しい気持ちになります。そんな生徒たちの報告に対して私も満面の笑みで「おめでとう!やったなぁ」などと返し、「合格は切符を手に入れたに過ぎない。大切なのは4月からどういう高校生活を送るかだよ。そのための準備期間が卒業までのあと2ヶ月を大切に過ごしてほしい」と真顔で話しています。また「あなたのこれまでの生活ぶりがあったからこそ推薦書に署名捺印したまで、これもあなたの実力、自信を持ってこれからも頑張れ」と付け加えています。
今年の受験も2月中旬の千葉県、2月下旬の埼玉県の各公立高校の入試を残すのみとなりました。もう少し、あと1ヶ月です。がんばれ受験生!
校長室のひとりごと「御中」
このブログを毎日書くにあたり、新聞記事やネットニュースなどを参考にすることがありますが、情報の真偽や偏った考えなどに惑わされず、自分の考えに基づいて書くことを心掛けています。いつものようにネットニュースを見ていると気になる記事がありました。「御中」についてです。毎年受験シーズンになると話題になりますが、出願書類等を郵送する際、高校側が封筒を準備してくれています。その封筒の表には、予め「〇〇高校入試係 行」などと印刷してあります。この封筒に出願書類を入れて送付するわけですが「 行」の字を2本線で消し「御中」と新たに書き加えることを指導しています。この「行」を「御中」に書き換えることに対してSNSでは「そんなの知らなかった」「最初から御中で印刷すれば良いのに」「学校で教えてくれれば良いのに」などの書き込みがあると記されていました。中には「日本人として知っていて当たり前」「社会人の常識」「何でも省略すれば良いわけではない」などの書き込みもあったそうです。
今年から千葉公立高校入試でもWebによる発表なりましたが、私学ではまだ合否の結果を自分宛に郵送してくれる学校もあり、その際返信用封筒に自分の名前(宛名)を書きます。「野田太郎 行」と書くよう指導します。まさか自分に「様」を付けるわけにはいきませんから。当然、返送された時には「行」を2本線で消し「様」が付け加えられています。デジタルでのやり取りが増えている世の中ですが、アナログの良さも、更にはアナログのマナーなども引き継いでいかなければならないと感じます。
校長室のひとりごと「新入生説明会」
今日は土曜授業です。令和7年度の「新入生説明会」を行います。本校に入学予定の6年生児童対象とした説明会、新入生保護者対象の説明会を同時並行で行います。6年生児童は、まずスライドによる「学校紹介」を控室となる各教室で見たあと、校舎内を見学してまわります。新入生が入学直後に「一段一段の階段の高低差」「体育館の大きさ」などを感じに圧倒されるようなので予め見てもらう予定です。続いて中学校の教員による「体験授業」です。これらは義務教育9年間という考えをもとに、スムーズに中学校生活に移行できるようにすることが目的です。同時に保護者の皆さんは体育館で、中学校のカリキュラムや1日の生活、各授業について、学校徴収金など、いわゆる中学校全般に関する説明をします。また保護者の皆さんには説明会後に公民館事業「家庭教育講演会」を行います。経験豊かな元小学校の校長先生による「中学生を持つ親の心得」についての講演です。
「中1ギャップ」「中1プロブレム」などという言葉がありますが、少しでも新入生、新入生の保護者の皆さんの不安を取り除くための一助になればと考えています。
校長室のひとりごと「大学入試に注目」
先週末は「大学入学共通テスト」が全国各会場で行われました。もともと1989年までは「共通一次試験」と呼ばれ、その後2020年までは「大学入試センター試験」に、そして2021年からは現在の「共通テスト」と呼び名も内容も変化してきています。今年の「共通テスト」は報道でも取り上げられていたように「情報」という新しい教科が加わるなど2022年度に改訂された現行の学習指導要領を受けてきた受験生に対応した「共通テスト」で、いくつかの変更点がありました。
以前、大学入試の「AO選抜」から「総合型選抜」に変わったことを話題にしましたが、こういった大学入試の変更については日頃より注視しています。中学生には直接的に関係はしていないませんが、大学側が高校生に求める資質や能力を問うのが大学入試であり、高校はそれに対応した教育を実践することになります。ということは高校側が求める資質能力も大差はなく、それを身につけさせることが中学校の役目の一つだと考えられるためです。今年の「大学入試共通テスト」の出題傾向は「思考力」を問う問題が多く出題されたと聞いています。本校生徒にも思考力を身につけさせるような授業を心がけたいと思っています。
校長室のひとりごと「背番号51」
メジャーリーグで活躍したイチロー氏がアジア出身選手として初めて「アメリカ野球殿堂入り」を果たしました。満票での殿堂入りが期待されていましたが、満票には1票たりませんでした。それでも素晴らしいことには変わりありません。殿堂入りを果たしたイチロー氏は会見でこう話しています。(一部省略します)
「1票足りないのはすごく良かったと思う。足りないものを補いようがないんですけど、努力じゃないからね。それを自分なりに完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思うんですよね」と。
更に「不完全であるというのはいいなって。生きていく上で不完全だから進もうとするわけで。そういうものを改めて考えさせられるというか。見つめ合える、向き合えるというのは良かったなと思います」と。
イチロー氏といえば、野球はもちろん全てにおいてストイックに先を追い求める誰もが認める唯一無二のアスリート、その「イチロー氏」だからこそのコメントだと心に刺さりました。
長年所属していたシアトルマリナーズは、イチロー氏がつけていた「背番号51」を永久欠番に決めたようです。
校長室のひとりごと「美味しい給食」
先週の千葉県私立高校入試に続き、今日は埼玉県私立高校入試の集中日、がんばれ受験生!
ところでこのHPでも毎日写真でアップしている「◯日の給食」、ご覧になっていますか?学校給食も日々進化しており、生徒達への提供前に校長の重要な役割「検食」が毎日楽しみでなりません。毎日美味しく仕事を忘れておかわりしたくなってしまいます。どこの学校でも栄養士さんが工夫を凝らし、調理員さんや配膳員さん達の陰の努力の賜物だと日々感謝しています。そんな給食、生徒達の人気メニューと言えば「揚げパン」や「豚キムチチャーハン」、「クリームペンネ」などあげればきりがありません。しかし昔も今も子ども達に大人気なのが「カレーライス」でしょう。
今日1月22日は「カレーの日」です。全国学校栄養士協議会が学校給食週間(1月24日〜31日)の前に、子ども達に人気のカレーライスの提供を全国の学校に呼びかけたことにちなんで、今日1月22日を「カレーの日」に制定されたたそうです。
ちなみに本校の今日の給食は… ぜひあとで写真をご覧ください。
栄養士さんが工夫を凝らし考え抜いた一カ月の献立表もHP内で閲覧できます。「今日何にしよう?」なんて時にはヒントになるかもしれませんね。
校長室のひとりごと「体力の低下」
よく「子ども達の体力の低下」が話題になりますが、昨年度の体力テストの結果が公表されました。小学5年生女子が過去最低を記録し、中学2年生男子は昨年度より上昇しコロナ禍前の体力に回復したようです。種目別では小学5年生の「握力」「立ち幅跳び」中学2年生の「持久走」が過去最低だったそうです。
元々体育教師の私は、日々「子ども達の体力の低下」を実感しています。確かに技術技能の向上のためか、部活動では昔よりレベルが上がった種目もあります。しかし、校長室から見る体育の授業の様子からは男子も女子も体力の低下は否めません。例えばソフトボールの授業では、まずボールを狙ったところへ投げられません。またマット運動の授業では倒立(補助あり)ができません。昔は組体操で全員倒立していたものですが、随分と様変わりしています。原因としてよく言われている一つには、幼児期や小学生の運動体験の減少があげられています。昔はクラブチームや運動の習い事もなく、木登りや缶蹴り、三角ベース、公園の鉄棒などで暗くなるまで遊んでいましたが、そもそも外遊びが減っています。今は小さい頃からサッカーならサッカー、器械体操なら器械体操を習い、色々と経験する時間もないために、全体的な体力の低下という結果につながっているのかもしれません。
(またおじさん特有の昔話になってしまいました…)
校長室のひとりごと「淡水生物も…」
歳をとると「昔は…」なんて昔話をしているものです。若い頃は、そんな昔話をするおじさんの話を「面倒くさいな」などと聞き流していましたが、まさか自分が得意げに昔話をする日が来るとは…
話を戻しますが、私が子どもの頃は、江戸川にハゼ釣りに行ったり、用水路に四つ手網を仕掛け、タナゴやクチボソ、ドジョウなどを捕まえたり、田んぼでメダカやザリガニを捕まえたりしていたものです。それから半世紀も経てば環境も変化し、何より危険な水辺も減ってきたように感じます。
この度「国際自然保護連合」が淡水生物を地球規模で調査し、その結果が公表されました。それによれば、私が捕まえて遊んでいたような、いわゆる淡水生物の¼が深刻な絶滅の危機にあるようです。原因は様々でしょうが、一つはより生命力の強い外来種の増加による生態系の変化、そしてもう一つは河川や水田周辺の整備による環境の変化があげられています。
以前、スズメなど野鳥の絶滅の危機について書きましたが、野鳥の餌となる淡水生物の減少が関係しているのだろうと思います。
校長室のひとりごと「風化させない」
千葉県私立高校入試の集中日です。本校からも32名の3年生がそれぞれの高等学校の入試に行っています。実力を発揮し全員に合格してほしいと願っています。
ちょうど30年前の1995年の今日1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災が発生しました。当時は今日と同じように多くの3年生が受験当日、3年生の担任だった私は早朝から最寄駅で受験生にエールを送り学校に戻ると、職員室の空気がいつもと違っていました。職員室のテレビには、まるで映画でも見ているかのような悲惨な街の映像と地震を知らせるニュース速報が繰り返し流れていたことをはっきりと覚えています。目に飛び込んだ映像は、とても日本、いや神戸の現状だとは受け入れられないものでした。あの日は、一日中職員室のテレビはつけっぱなし、時間が経つにつれ次々に新しい映像が流れてきました。高架の高速道路は崩れ、今にも落ちそうなバス、脱線した通勤電車、家もビルもみな崩れあちらこちらから煙と炎が立ち上がる上空からの映像・・・
犠牲となった6434人の中には、受験に行くはずだった多くの受験生もいたことを知りました。神戸では30年経った今も「午前5時46分57秒(地震の時刻)」で止まったままの時計が、無言の語り部となり見る人の心に風化させないよう訴えかけています。
あれから30年、今日の受験という日を無事に迎えられたこと、それ自体が幸せなことだと感じる今日1月17日です。
この週末は全国で大学入試共通テストが行われます。がんばれ受験生!
校長室のひとりごと「おじさんの特徴?」
若者のSNSによるトラブルは一向に減少しません。年末の全校集会の「校長先生の話」ではスライドを流しながらSNS、インターネット社会の特徴や恐ろしさなどを全校生徒に話しました。これまでも学年や学級で注意を呼びかけてはいるのですが、生徒達は一般的な話として聞き流しているせいなのか、相変わらずトラブルが続いているため、全校に向け私が話すことにしました。
私自身も、SNS(チャット機能)を活用しますが、生徒たちのトラブルとは違う意味で気をつけています。先日ドキッととする記事を見つけました。「直したいおじさん、おばさんの特徴」というSNS、特にチャット機能に関する指摘です。記事によると…
① 絵文字をやたらたくさん使う
② 文章がとにかく長く読みたくない
③ 延々に終わらないラリー
④ 「ヨ」「ネ」など文末にカタカナを使う
⑤ スタンプ乱用
だそうです。おじさん代表(?)の私などは「別に良いじゃん!」と思いますが、受け取った側のZ世代には「重く」感じてしまうようです。 気をつけます…
校長室のひとりごと「インフルエンザ」
ここ数年コロナに対する予防が徹底されてきたため、あまり意識していなかったインフルエンザですが、今年はコロナよりもインフルエンザに脅威に感じています。ご存知の通り年末年始も含め晴天続きで空気が乾燥しきっています。このような天候も手伝ってかインフルエンザの流行が広まっており、統計開始以来最悪の流行だそうです。本校では、まだ学級閉鎖などの措置を取るほどの流行はありませんが、いずれ流行の波が来ることでしょう。
今週からの千葉県の私立高校の入試を皮切りに、本格的な受験シーズンを迎えます。また2月はじめには2年生のスキー林間が予定されているなど生徒達にとって特に大事な時期でもあります。本校では各教室に加湿器を置くなどしていますが、まずは一人一人が感染症対策を徹底するよう指導しています。
ところで、本校にはいませんが巷では受験前に、元気にも関わらず欠席する生徒がとかく話題になります。コロナ禍では「心配だから…」はわからなくはありませんが、中には学校を休んで昼間から塾に通っているという例もあるようです。義務教育である中学校の校長という立場では、何とも複雑なものです。
まずは、学校でできる感染症対策と個人でできる感染症対策の双方の徹底が必要だということでしょう。
校長室のひとりごと「タロとジロ」
「南極物語」をご存知でしょうか。そうです、南極観測隊が南極での移動の犬ぞりを引くための樺太犬と観測隊との感動の実話です。時は1957年、第一次越冬隊と15頭の樺太犬は昭和基地を拠点に様々な活動をしていましたが、天候を含め様々なアクシデントに見舞われてしまい何とか隊員達は帰国できましたが、15頭の樺太犬は無人の昭和基地に置き去りにせざるおえませんでした。すぐに第二次越冬隊が入れ替わり南極に行くはずでしたが、天候は回復せず第二次越冬は中止となってしまった。極寒の南極昭和基地に餌もなく鎖に繋がれた15頭の樺太犬達の多くは力尽きてしまいました。結局、第三次越冬隊が昭和基地に入ったのは1年後のこと。第三次越冬隊には、第一次も犬係を務めた隊員も同行し昭和基地にたどり着きました。犬係の隊員が目にしたのは鎖に繋がれたまま息絶えた数頭の樺太犬の姿でした。残りの数頭は自力で鎖を抜けさまよった末に息絶えてしまったのだろうと落胆していた犬係の隊員のもとに、遠くの丘から二頭の樺太犬が隊員目がけて走り寄って1年ぶりに奇跡の再会を果たし、その二頭が「タロとジロ」だったという話です。その犬係の隊員と「タロとジロ」が奇跡の再開を果たしたのが、1959年の今日、1月14日だったことから今日は「タロとジロ」の日と制定されました。
校長室のひとりごと「鏡餅」
今週は「正月特集」のようになってしまいますが、明日11日は「鏡開き」、正月に各家に宿っていた歳神様の滞在中の居場所とされている鏡餅を家族で分けて食べる行事です。鏡餅とはその昔、稲から作られた貴重なお餅を丸く型取り、円満に歳を重ねられますようにと願いを込めるために2段に重ねるそうです。「円満に」ということもあるでしょうが、光り輝く昔の宝である鏡は丸い「銅鏡」、そこから丸く2段に重ねるお供え餅を「鏡餅」と呼んでいるそうです。
また、歳神様が宿っていた丸い鏡餅を家族、子供にも分け与えていたのが「お年玉」の始まりと言われています。幼い頃を思い出せば、私も正月に親戚が集まり、次から次へとちょこんと正座して新年の挨拶をかわし、「大きくなったな」などの言葉と「ポチ袋(お年玉袋)」に入ったお年玉をもらっていたものです。きっと昭和の子ども達は同様だったことでしょう。楽しみでなりませんでした。
昨今のお年玉事情も随分と変化し、子どもはソファーでゲームしながら、スマホを通して親からキャッシュレスでのお年玉を受け取る、なんてやりとりも年々増えているようです。キャッシュレスでお年玉をもらった子ども達は「すぐにゲームに課金できて現金よりもうれしい」だそうです。
校長室のひとりごと「初詣」
元日、近所の櫻木神社に初詣に行きました。息子、娘はそれぞれどこか別に初詣に行ったようで、今年は妻と二人での初詣でした。まずは手水舎で口と手を清め、本殿でお賽銭を捧げてお参りする。そしてその流れで「おみくじ」を引き、帰りがけに出店で小腹を満たす…これが毎年の我が家の初詣です。初詣の由来は古く、一説によれば「歳籠り」という各家長が大晦日の夕方から元日の朝にかけて氏神様のいる神社に籠り、新しい1年間の豊作や無病息災を夜通し祈ていたという風習です。そしてこの「歳籠り」が時代の流れで、大晦日の夜にお参りする「除夜詣」と元日の朝にお参りする「元日詣」に別れ、この「元日詣」が現在の「初詣」だと言われています。
当たり前のように引いていた「おみくじ」も歴史は平安時代まで遡り比叡山延暦寺の僧侶が中国のくじを日本版に変更したものが始まりだと言われています。この頃は「吉」や「凶」などの区別もなく書かれた内容を実行することで皆「吉」になるというものでした。
現在では様々な工夫を凝らした「おみくじ」があって当たり前ですが、伊勢神宮には「おみくじ」が昔からありません。それは「一生に一度の憧れのお伊勢参りに大吉がないわけはない」という理由からだそうです。
ちなみに私の初詣の「おみくじ」は「大吉」でした。良い一年になりそうです。
校長室のひとりごと「七草がゆ」
昨日1月7日は「七草がゆ」を食べて祝う「人日の節句」でした。野草である七草の生命力にあやかって一年の無病息災を願う行事です。また「七草がゆ」には、正月のお酒やご馳走で疲れた胃を休め、不足しがちな栄養を補うためとも言われています。皆さんは「七草」全てを言えますか?毎年この時期になると必死に「春の七草」を覚えていますが、一年経つと「あれ、何だっけ?」となってしまいます。春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七種類です。今年は価格の高騰や、入荷できないという青果店やスーパーもあるようですが…
この「人日の節句」に「七草がゆ」を食べるという行事は中国から伝わり、平安時代には宮中行事となり、江戸時代に入ると庶民にも広まり「七草がゆ」を食べる習慣が現代まで伝わっていると言われています。
社会は目まぐるしく変化し、正月の風物詩「凧上げ」「羽子板」なども見かけなくなってしまいました。日常の文化が忘れ去られてしまいがちな今だからこそ、なんとか後世にも、ちょっとした伝統文化が残ってほしいと思います。
「ところで七草がゆを食べたのか?」というと、昨夜しっかりと頂きました。
(本来は1月7日の朝に食べるそうですが…)
校長室のひとりごと「新年明けましておめでとうございます」
新年明けましておめでとうございます。
いよいよ2025年令和7年、新しい一年がスタートしました。昨年は能登半島地震で始まった令和6年でしたが、今年はいったいどんな一年になるのか、期待と希望に満ち今から楽しみです。
今年の干支は「巳」、一般的に巳年は脱皮する蛇のイメージから、「復活と再生」を意味し、「一皮剥ける」など大きく成果が現れる年、また種子ができ始める年、新しいものが誕生する年、「巳」と「実」をかけて身を結ぶ年とも言われています。
2025年令和7年が皆さんにとって素晴らしい一年になりますように…
PS:またこれからも毎日ブログをアップします。今年もどうぞよろしくお願いします。
校長室のひとりごと「年内最後の登校」
今日12月23日、上皇陛下は91歳の誕生日をお迎えになられました。上皇陛下が天皇時代には「天皇誕生日」今日は祝日でしたね。どことなく今日が祝日でないことに違和感を感じるのは平成時代に活躍されてきた皆さんも同じではないでしょうか。
そんな今日、野田市の学校は年内最後の登校日になります。二学期制のため終業式ではありませんが、年内最後、そして冬休み前ということで全校集会をこの後行います。我々教員にとって冬休みなど長期の休みはとても心配なものです。例えば夏休み、40日以上の長期となれば、思春期の中学生が変貌するのに十分な時間があるためです。そしてこの冬休みは、Xmasや年末年始、社会全体がどことなく落ち着かず初詣など夜間の外出もあるかもしれません。大人はお酒の機会が増え、子どもが初めて飲酒を経験するのも実はこの時期です。ましてお年玉など多額のお金を手にする時期でもあり、悪い輩はそんなお金を狙っています。教師として注意喚起をあれもこれもしたいのですが、話が長ければ長いほど子ども達の心には届かないものです。今日この後の全校集会で私は、一番の心配事である「SNS」の使い方について話そうと思っています。やはりこの時期、仲間同士で写真を撮り「SNS」にアップすることが考えられ、それがトラブルに発展することが懸念されるためです。
3年生は受験生でもあります。生徒たちにとって楽しい冬休みになることを願っています。
それでは皆さん、また新年にお会いしましょう。良いお年をお迎えくださいね。
校長室のひとりごと「右手?左手?」
突然ですが、皆さんはどちらの手でスマホを持ちますか。右手ですか、それとも左手ですか。ちなみに私は右利きですが、当たり前のように左手でスマホを持ちます。もう何十年もそうしています。ですから、ズボンの左ポケットに入れるのが定位置です。しかし、この利き手と逆の手でスマホを持つことが、どうやら「昭和世代」の特徴らしいのです。そう言えばZ世代の息子や娘は右手(利き手)でスマホを持っています。そもそも携帯電話が普及し始めたのは平成の時代、それまで電話といえば「固定電話」、それも昭和はダイヤル式だったりしました。その名残りで、右手でダイヤルを回し左手で受話器を持つことが習慣となっていました。また、電話口でペンを持ちメモするのも右手、受話器を利き手ではない左手で持つことが染み付いているためだと言われています。Z世代はそもそもダイヤルやボタンをプッシュする経験がないため、自然と操作しやすい利き手を使う習慣があるようです。おまけにZ世代の息子や娘を観察すると文字を入力する際も、ほとんどの操作をスマホを持っている手の親指で完結しています。ちなみに私は左手でスマホを持ち、右手で操作、つまり両手を駆使してスマホの操作をしています。こんなところでも「昭和世代は年寄り扱いされるのか(?)」と悔しくて右手でスマホを持ち親指で操作してやろうと意気込んでみても、できないばかりか違和感の塊です。仕方ないので今まで通り左手でスマホを持ち、せめて左手の親指だけで操作できるよう現在特訓中です。
皆さんはどちらの手で持ちますか?
校長室のひとりごと「日本式学校教育②」
今、一本の日本のドキュメンタリー映画が海外で話題になっています。この映画を見た各国の教育関係者の評価は次の通りです。
フィンランドでは「コミュニティづくりの教科書。自分たちの教育を見直す場になった」。アメリカは「自分たちのことは自分たちでやるということを学ぶ、最高の見本」。ドイツは「日本人は小さい頃から周りと協力する意識が自然と身についている。だから地震がきても慌てず、コロナ中もうまく対応できたのだろう」。ギリシャは「日本の子どもたちの責任感がすごい。小さな子どもを信頼する先生もすごい」などと高評価を得ています。
この映画はイギリス人の父と日本人の母を持つ「山崎エマ監督」が手掛けたドキュメンタリーです。監督自身は日本の公立小学校に通い、その後インターナショナルスクールへ。卒業後はアメリカの大学に通ってきました。そんな監督自身が周りから評価され自分の強みと感じている「自分のことは自分でやる」「時間を守る」などの習慣は、日本の小学校で学び身につけたことであり、日本人の原点は小学校にあると考えたそうです。その日本の小学校の様子を世界中に紹介したいと日本の公立小学校で1年間、150日、700時間にも及ぶ撮影で出来上がった「小学校〜それは小さな社会〜」という映画です。実は予告編は見ましたが、まだ私も見ていません。ぜひ近々見たいと思っています。最後にこの映画のキャッチコピーを紹介します。
「6歳児は世界どこでも同じようだけれど、12歳になる頃には日本の子どもは“日本人“になっている」
校長室のひとりごと「日本式学校教育」①
現行の学習指導要領では「全ての児童生徒の可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体化」を目指すことが「令和の日本型教育」だと記されています。似ている言葉で混乱しそうですが、今日は諸外国から注目を集めている「日本式学校教育」について書いてみます。
2016年エジプト首相が来日の際に訪れた小学校の様子に衝撃を受け5年前よりエジプトの学校で「日本式学校教育」を取り入れ始め、今やその「日本式学校教育」は中東各地に広がりを見せているそうです。ではその「日本式学校教育」とは何なのか、例えば「全員で分担して掃除をする」「話し合い活動で問題を解決する」「日直や給食当番」など、我々日本人がこれまで当たり前に経験してきたことをまとめて「日本式学校教育」と読んでいます。特に「特別活動」特活と言われる話し合い活動等は社会性を身につけるのに大いに役立っているとエジプトカイロの小学校の校長先生は話しています。またエジプトでは「掃除は社会階層の低い人がやること」という意識があり導入当時は保護者から疑問視する意見も少なくなかったようですが、今では「子供が家でも整理整頓するようになった」と評価する保護者が大半だそうです。
現在エジプトで「日本式学校教育」を取り入れているのは51校ですが、入学希望者は定員の5倍の人気で、今後「日本式学校教育」を取り入れた学校を増やしていく方針だそうです。日本人として誇らしい気持ちになる話ですよね。
校長室のひとりごと「下の名前」
入学式では新入生一人ひとりの名前を呼び、呼ばれた新入生は「ハイ」と元気に返事をします。卒業式では、卒業生一人ひとりを呼名し卒業証書を手渡します。学校ではこのように入学から卒業までの間、何回も生徒の名前を呼ぶ機会があるものです。入学式や卒業式などフルネームで呼ぶ機会は教師にとって特別なもので、絶対に失敗しちゃいけないタイミングでもあり、とても緊張するものです。そんな教師にとって、最近の名前の読み方が難しすぎて悩みの種です。
先日、今年に生まれた子どもの名前ランキングなるものが発表されました。年々初見では下の名前を読めなくなってきており、比較的キラキラネームに慣れている教師である私にも手強い名前もあります。
男の子 1位「陽翔(はると)」2位「凪(なぎ)」3位「朝陽(あさひ)」4位「暖(だん、はる)」5位「陽向(ひなた)」です。そして女の子では1位「紬(つむぎ)」2位「翠(すい)」3位「凛(りん)」4位「陽葵(ひまり)」5位「芽依(めい)」でした。近年のグローバル化を背景に、英語でも表記、呼びやすい名前が増えているそうです。
校長室のひとりごと「年賀状じまい」
今年はいつまでも暑い日が続き、やっと秋が訪れたかと思えば、すぐに冬の寒さ、どうも季節感がうまく掴めないまま、12月も中旬です。物価の高騰の影響か、X‘mas商戦も以前ほど激戦ではないように感じます。また、以前であれば師走の声を聞けば「そろそろ書き始めるか」と年賀状が気になるはずなのですが、今年は少し違います。今年も年賀状の受付が始まりましたが、最近の「年賀状離れ」の影響か、年賀状に関連するCMやメディアの報道も少なくなっているように感じます。
年末年始の風物詩でもある「年賀状」、SNSやメールの普及など時代の変化とともにその在り方も変わってきました。相手との関係を壊すことなく年賀状のやり取りをやめる人も増えてきていることから「年賀状じまい」という新しい文化(?)も生まれています。以前は「年賀状」とネットで検索すれば来年の干支にちなんだ文例集やイラスト関連のサイトばかりでしたが、今は「年賀状じまい文例集」なども目につきます。
平安貴族が遠方への「年始の挨拶回り」に代わって手紙を届けたという起源を持ち、江戸時代には飛脚の台頭から庶民にも広まった歴史を持つ「年賀状文化」なだけに「年賀状じまい」は少し寂しい気がしますが、これが時代の流れ、社会の変化ということなのでしょうか。
校長室のひとりごと「金」
漢字一文字で世相を表す「今年の漢字」が昨日漢字能力検定協会により発表されました。京都清水寺の舞台で大筆で豪快に書き発表される、あれです。もうご存知の方も多いと思いますが、今年の漢字は「金」に決定しました。「金」はこれで5回目、過去には2021年、2016年、2012年、2000年も「金」が今年の漢字に選ばれました。と、ここで「金」の5回の共通点がお分かりですか。そうです、いずれも五輪イヤーで日本選手が活躍した年なんです。
この「今年の漢字」の始まりは1995年、その年の1月には阪神淡路大震災が発生したこともあり、漢字は「震」でした。「今年の漢字」をもとにその年を振り返ってみます。
1998年 毒入りカレー事件 「毒」
2001年 アメリカ同時多発テロ事件 「戦」
2002年 北朝鮮拉致被害者帰国 「帰」
2010年 記録的猛暑 「暑」
2015年 消費税引き上げ 「税」
2019年 新元号 令和 「令」
2020年 新型コロナ蔓延 「密」 という年がありました。
あと二週間で2025年の幕開けですね。来年はどんな一年になり、どんな漢字が「今年の漢字」に選ばれるのでしょうか。
校長室のひとりごと「鈴木貫太郎翁」
皆さんは「鈴木貫太郎」という名前をご存知でしょうか。
ここ野田市(関宿)の偉人として名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「鈴木貫太郎(敬称は省略します)」は戦時下の1945年に総理大臣になり、終戦直後までの約4ヶ月間総理大臣を務め「戦争を終わらせた総理大臣」として知られています。この程度の知識しか私はありませんでしたが、やはり野田市に住み野田市で働く者として、今一度「鈴木貫太郎」のことを正しく知ろうと思い、鈴木貫太郎のお孫さんの著書を読むことにしました。「正しく知ろう」と書きましたが、この鈴木貫太郎がポツダム宣言の受諾を断ったから広島、長崎に原爆を落とされたのではないか、など史実に誤って伝わる部分もあるため「本当のところはどうなのか」という興味が湧いたためです。今回「祖父、鈴木貫太郎」というお孫さんの著書を読んでいます。家族として、そばで見てきたこと、家族しか知らないことなどが書かれた本のページが進むにつれて、改めて鈴木貫太郎の偉大さが伝わってきました。戦乱の中勃発した「ニ・ニ六事件」では実際に事件の標的の一人となり4発の銃弾を浴び、奇跡的に命を取り留めたこと、もともと海軍の軍人で多くの実績を上げてきたこと、そして何より「戦争継続だ」と軍部も国民までも欺き、昭和天皇との関係やお考えを悟り終戦への道を模索していたことなど、読めば読むほど、現代日本があるのも鈴木貫太郎のおかげであり、彼が長年望んでいたことなのだと感じました。
鈴木貫太郎記念館は現在修復中ですが、完成の折にはぜひ足を運びたいと思います。
校長室のひとりごと「過去から未来を探る」
羊の「ドリー」を覚えていますか?当時の最先端技術を結集させ1996年に誕生した羊のクローン「ドリー」です。このクローン羊の誕生は大きな話題となりました。それ以来遺伝子学は飛躍的に進み、今では実際にペットの犬のクローンを誕生させるなどの事例が報道されています。
ところで「絶滅した動物を現代に甦らせる」と言えば、映画の世界でCGを駆使しまるで本当に恐竜が蘇ったかのように描かれたりしています。「絶滅した動物を現代に甦らせる」、実際にそんな研究が進んでいることはあまり知られていませんが、地球温暖化により溶け始めた永久凍土の中からは様々な物が冷凍保存状態で発見されています。マンモスも良い保存状態で発見されていますが、そのマンモスの遺体のDNAを採取し「マンモス復活プロジェクト」なるものが進められているそうです。研究の進行度合いや、マンモスがいつ蘇るのかなどはまだ先の話ですが、近い将来動物園でマンモスが見られる日が来るかもしれません。
この「マンモス復活プロジェクト」は、単に甦らせることだけが目的ではなく、現在絶滅の危機にある他の動物の絶滅防止、氷河期に生息した生きたマンモスを調べることで、気候変動に関する研究を進めるといった、その先を見据えているそうです。絶滅したマンモスが地球を救う救世主になる日は遠くないかもしれませんね。
校長室のひとりごと「探究の種を探す」
昨日に続き探究学習について、具体的にはどういう学習なのか幾つか例を挙げてみます。ある女子高生たちは先輩たちから引き継いだものも加えた40万枚以上の撮影した雲の写真をもとに探究学習を進めました。雲の形や種類、組み合わせによって天気が予想できる、という結果を受け全国総合文化祭の自然科学部門で文部科学大臣賞に輝きました。誰しもが一度は空を見上げたことがある「雲」、この女子高生たちも同様です。ただ色々な雲の形や種類に興味を持ち「何でだろう」という「探究の種」を見つけたことが探究の実をつけたのです。
他にも、「地域の特産物を全国に広めるにはどうすれば良いか」「空き家問題」「地球温暖化」「シャッター商店街からの脱出」「スズメの急激な減少理由」「お祭りの衰退化」「AIの効果的な活用」などなど大人でも感心してしまうほどの身近な「探究の種」を見つけ探究の木を育てた例がたくさんあります。また実際に空き家問題について、自治体や不動産屋さんと連携し「高校生カフェ」をオープンしたという「探究の実」をつけた例もあります。
本校でも「野田市の活性化」「今後の豆バス」「防災と高齢化」など素晴らしい探究学習が続いています。
こういった身近な課題を解決する力が、これからの社会に求められる「生きる力」だということでしょう。
校長室のひとりごと「探究学習」
中学校では、国語や数学などの各教科の学習以外に「総合的な学習の時間」という授業があります。この「総合的な学習の時間」中学1年生は年間50時間、2、3年生は年間70時間(週2時間)割り当てられています。これまでどこの学校でも手探りで進めてきたというのが実際のところですが、昨今の技術革新や少子化、雇用体系の変化、価値観の多様化などの背景から、改めて「総合的な学習の時間」が注目を集めています。「総合的な学習の時間」は言い換えると「探究学習」であり、予測不能なこの時代、自分と社会をつなぐ上で重要な資質や能力を培うものです。高等学校では今この探究学習に一層力を入れています。大学の入試方法も変化し、この「探究」の成果を評価する「総合型選抜」を実施する大学も増えてきていることからも伺えます。
探究とは、興味や関心を突き詰めていくことですが、仮にこの興味関心を「探究の種」とします。この種に水をやり、時には肥料をあげることで芽が出て「探究の木」が育ちます。この水や肥料に当たるのが「書籍やインターネット、これまで学んできたこと」などです。そして探究を進めることで「探究の木」は大きく逞しく育ち結果として「探究の実」をつけるわけです。この一連の学習が探究学習ですが、仮に木が思うように育たず実をつけなくてもそれはそれで良いのです。大切なのは「探究の種」を探し、その種をまき「探究の木」を育てようとすることです。
言葉では簡単ですが、いざとなると「どの種にしようか?」でつまづいてしまうところが、この探究学習の難しいところです。
校長室のひとりごと「お茶会を・・・」
かれこれ数十年続けている毎朝のルーティンがあります。それは毎朝起きて一番にコーヒーをたて、朝のニュースを見ながらゆっくりとそのコーヒーを2杯飲むことです。別にコーヒー通ではありませんが、仮に朝早くから用事がある日でも、このコーヒーを飲む至福の時間を逆算し早起きするようにしています。そんなコーヒーについて気になる記事を見つけました。
このところの空気の乾燥で星が綺麗に見えますね。ちょうど今は三日月の隣に金星がよく見えます。
ところでコーヒーやお茶は成分には発がんを抑制したり、血中コレステロールを低下させ、虫歯を防ぐなど多くの作用がこれまで知られてきました。抗酸化・抗炎症作用があり、動脈硬化などの予防に良いとされている「ポリフェノール」、一般に赤ワインやチョコレートが有名ですが、日本人のポリフェノール摂取源で一番多いのがコーヒー、次いでお茶だそうです。1日に3から4杯ほどコーヒーを飲む人は、1杯未満の人に比べ循環器疾患、糖尿病、死亡リスクが低いことが分かっているそうです。
また、高齢者2万4千人を対象にお茶の摂取量と対人交流の多さ、残っている歯の本数を調査したところ、お茶を4杯以上飲む人は飲まない人に比べ平均1、6本歯が多く残っており、1ヶ月に10人以上の知人に会う人は、誰にも会わない人に比べ2、6本多く残っているという結果が発表されています。
私の場合は、毎朝一人でコーヒーを味わっているのですが、これらの記事によるといわゆる「お茶会」と呼ばれるような何人かで集まり、コーヒーやお茶を会話と共に楽しむことが健康につながるということでしょう。
校長室のひとりごと「学校もデジタル化」
近年、学校もデジタル化が進んでいます。子ども達は「GIGAスクール構想」による一人一台端末を活用した授業に日々取り組んでいます。また授業以外の場面でも業務のスリム化を目指し先生方の仕事もデジタル化が進んでいます。学校から家庭への配布物や欠席連絡なども、デジタル配信サービスを利用し直接配信するなど以前と変化しています。
こういったデジタル化により、保護者から「困る」という声を聞くことがあります。以前は当たり前だった「連絡網」の存在です。個人情報保護の観点で「連絡網」を作っていない学校がほとんどです。学校から急な連絡があれば、連絡網の先頭の家庭に連絡し、家庭から家庭へと電話連絡していましたが、今は学校から、学年、学級などの特定のグループへの一斉にデジタル配信を直接家庭にしているため家庭と家庭のつながりの希薄化は否めません。何より我が子の学級に誰がいるのかさえ親はわからない状況です。最近は子どもが直接スマホで連絡を取り合うため親は「誰とどこへ」行ったのかわかりません。仮に「◯◯くんの家」と言って出ていったとしても、仲の良い「ママ友」ならともかく、基本的に親同士は連絡先を互いに知りません。昔は「息子がお世話になっているみたいで…」「いいえこちらこそいつも仲良くしていただいて、もう直ぐ帰しますのでご心配なさらずに」なんて連絡網で探し固定電話に架電することで家庭同志、親同士の関係を築いてたものです。現在連絡先はほとんど携帯電話、子供同士の連絡もスマホや携帯電話。結果として親同士の関係に変化が生じているのかもしれません。
校長室のひとりごと「お酢を飲む?」
突然ですが、皆さんは「柔軟性」がある方ですか?柔軟性と言ってもなぞなぞに強いなど脳や考え方の柔軟性ではなく、いわゆる体前屈など身体的な柔軟性です。幼い頃からありとあらゆるスポーツに挑戦してきた私にとって「柔軟性」は大きな課題でした。スポーツ選手にしては体が硬かったので「お酢を飲めば柔軟性が増す」なんて都市伝説に頼り実際に何度か試してみたりもしました。もちろん変化は認められず、挙げ句の果てには「体は硬い方が跳ね返りが強く瞬発力系のスポーツには向いている」などの、これまた都市伝説に食いつき安心したりと… 一流になれなかったのはそんな精神的甘さだったかもしれませんね。
前置きが長くなりましたが「体が柔軟な人より硬い人の方が死亡リスクが高い」と、あるブラジルの調査の結果をスポーツ医学専門誌を通して発表しました。調査は46歳から65歳までの男女を対象に、肩や膝など関節の可動域を点数化したもので、13年余りの追跡調査も行ったそうです。その結果ですが、男女ともに体が硬い人グループは体の柔軟な人グループよりも死亡リスクが高く、女性では⒋78倍、男性で⒈87倍のリスクだそうです。
この調査では、調査対象者が途中から運動を始め柔軟性を高めたり、そもそも個人差もあるため、まだまだ調査は道半ばだと言われています。
ケガの予防ということであれば、体が硬い人より柔軟な人の方がリスクは少ないのは確かです。今後も「お酢を飲む」のではなく日々のストレッチなど柔軟性を高めていこうと思いました。
校長室のひとりごと「闇バイト」
首都圏で相次いでいる闇バイトによる強盗事件が後を絶ちません。治安が良いと言われてきた日本の世の中はどうなってしまったのでしょうか。こう連日のように近隣での強盗事件の報道があれば他人事でいられず、恐怖すら感じずにはいられません。「強盗殺人、強盗傷害致死」事件のように金銭が絡み人の命を殺めてしまった場合「死刑もしくわ無期懲役」、殺人や致死でなくても「強盗傷害」であれば最低でも「懲役6年以上」という量刑です。それを知っての犯行なのでしょうか。
実際に闇バイトによる住居侵入未遂事件で逮捕起訴されたある女性被告がインタビューに応じた記事を読みました。「彼氏とお揃いの物を買ったり旅行に行ったりするお金が欲しかった」と動機を語り、SNSで闇バイトに応募し事件当日まで内容は知らされず、当日になって初対面の共犯者と落ち合い主犯格からSNSで指示を受けたそうです。この女性被告は「被害者に癒えることのない傷を負わせてしまい悔やんでも悔やみきれない」と、また「SNSに頼らないで。メッセージが来てもボタンを絶対に押さないで。ボタンひとつで人生が変わる」「過去に戻れるなら誰かに相談すれば良かった」と警鐘を鳴らすと共に後悔の念を語っています。
今回インタビューを受けたことについて「自分が話すことで闇バイトに手を染める人が減って欲しかった」と語っています。
そもそも怪しいSNSに誰も反応せず応募する人がいなくなれば闇バイト自体がなくなるはず、子供まで一人一台スマホを持つ時代だからこその犯罪なのかもしれませんね。
校長室のひとりごと「師走」
いよいよ12月、2024令和6年も残すところあと1ヶ月。野田市の学校は二学期制のため、学期末ではありませんが、それでも「師走」我々教師も忙しくなってきます。
ところで、日本は四季があり、その季節でしか味わえない食材を生かした「旬」の料理という伝統が残っています。例えば新年の「おせち料理」「お雑煮」もその良い例です。長い歴史で育まれてきた和食の文化は、その地域に密着した料理で特に「お雑煮」は地域によって様々です。例えば、皆さんのご家庭ではお雑煮に入れるお餅、丸ですか四角ですか?味付けは味噌ですか?醤油ですか?それとも魚などの出汁ですか?
少し調べてみると関東以北のお雑煮は「角餅で醤油味」が多いようですが、北海道は「角餅で味噌味」が多いようです。一方西日本は「丸餅で薄味のだし汁」が多いようです。珍しい(?)地域の例として九州や四国の一部では、お餅の中にあんこが入っているお餅を使っているそうです。それ以外にも、鶏肉やかまぼこなど、その土地土地で海の幸の具を入れたり、山の幸の具を入れたりと長い日本列島だけに、実に様々です。
日本のお正月とは、親戚一同本家や実家に集まり、新年の挨拶を交わし、子どもたちには「お年玉」を渡し、大人達は「お屠蘇(とそ)」で無病息災を願い、子ども達は「コマ回し」「羽つき」などで遊ぶ。そして「初詣」に出かけ帰ってくると「おせち料理」や「お雑煮」を食べる…
忘れ去れる前に今こそ子ども世代、孫世代にも引き継ぎたい日本の伝統文化だと思いませんか?
校長室のひとりごと「高齢者ふれあい体験授業」
昨日、川間地区「いきいきクラブ」の皆さんをお招きし「高齢者ふれあい体験」授業を行いました。この場でも何度となくご紹介してきましたが、今年度本校は地域に目を向けた教育活動を展開しています。3年生の家庭科の授業を一本の柱として「地域との関わり方」「中学生にできること」など生徒達に考えさせることで、近い将来地域の一員として主体的に地域と関わり、地域を支える、そんな人材に育てることが目的です。去る11月9日「川間地区ふれあいの広場」という地域行事があり、今年は生徒たちも運営側の立場で関わりました。それまで学んできたことを実践に移す場です。そして、その「ふれあいの広場」での中学生としての関わり方について、地域を長年牽引してくださっている高齢者「いきいきクラブ」の皆さんと成果や課題、様々な意見交換をする場面、それが「高齢者ふれあい体験」授業でした。4、5人のグループごとに終始笑顔で活発に意見交換する様子が伺え、授業は大いに成果があるものでした。
ところで、「いきいきクラブ」とは以前の老人(会)クラブですが、皆さん元気で活力もあり私も見習いたいものです。今後も「いきいきクラブ」の皆さんや、地域の高齢者の皆さんのお力を借りながら、ふるさと川間を背負う中学生を育てていこうと思います。
校長室のひとりごと「日本の英語力」
このほどスイスのある企業が「英語力」に関する調査を実施しその結果を発表しました。調査は、英語圏以外の国や地域による「英語能力指数」を調査したもので、日本はこの急速に国際化が進む中、2011年の調査開始以来順位が後退し続け、英語力の低下に歯止めがかからない状態です。調査は116の国と地域で行われ、1位はオランダ、6年連続で首位を守っているそうです。2位はノルウェー、3位はシンガポールで日本は昨年より5つ順位を落とし92位という結果でした。同じアジアの国や地域で言えば、先ほどのシンガポールが3位、韓国が50位、ベトナムが63位、インドネシアが80位、中国が91位とアジアでも16番目という結果です。
この結果をある専門家は、コロナの影響もあり留学や国際交流の機会が減ったことが影響している、としています。確かに私もそう思いますが、コロナの影響だけではないように思います。日本では古くから中学校、高校で英語の授業を行なってきました。しかし国際化が進む社会の中で日本人の英語力が問題視され始め、小学校で英語活動を取り入れたり、中学校の英語の授業も授業中は「オールイングリッシュ」、可能な限り英語のみで授業を進めるといった取り組みを進めていますが思うように結果には表れていないようです。
AIの進歩などにより自動翻訳が簡単にできるようになりましたが、グローバルの世の中外国人と触れ合う機会も増えることでしょう。冗談など同じタイミングで笑いたいなと個人的には思っています。
校長室のひとりごと「悩みは修学旅行の行き先」
先日、今の1年生対象の令和8年度の修学旅行の日取りが決まりました。「ずいぶん早くに」と思われるでしょうが、中学校の修学旅行は主に新幹線を利用するため学校独自で日取りを決めるのではなく関東修学旅行委員会が各校の希望をもとに割り振ります。それによりJRも修学旅行専用列車のダイヤを組み込んでいくという、大変複雑になっています。そしてこの日取りをもとに各旅行業者はホテルの確保や見積もりなどを作成し学校に提示し、旅行業者を入札するという大まかな流れです。
近年、修学旅行について悩みを抱えています。皆さんは中学校の修学旅行はどこに行きましたか?野田市でなくても関東の中学校の多くは「京都・奈良」に行っていたと思います。これは日本の原点とも言える伝統や文化に触れるためでしょう。しかし近年、その京都はインバウンド需要の影響もあり、宿泊、貸切バスなどが高騰しています。円安もありホテル側も外国人観光客用にシフトし改装するなど、昔ながらの修学旅行生が宿泊できるホテルが減少したことも一つの要因です。ここ数年京都市内はどこへ行っても外国人観光客が多く、市バスなど公共交通機関も長蛇の列、貸切タクシーを利用すれば、旅行費用は一気に膨れ上がってしまいます。
私が抱えている悩みとは「それでも京都に行くのか」「そろそろ別の場所を検討した方が良いのか」です。このまま旅行費用が高騰を続けるようなら、悩んでばかりではなく判断に迫られる時が近々来るでしょう。
例えば、広島であったり、東北の盛岡や奥入瀬、北陸の金沢、信州長野の民泊など…
いずれにしても、生徒達にどんな経験をさせ、何を学ばせたいのかを明確に考えた上での決断になることでしょう。
校長室のひとりごと「映えスポット」
コンビニ越しに富士山が見える、いわゆる「映えスポット」での撮影マナーの悪さが話題になりました。また人気アニメの舞台鎌倉の海を背景に江ノ電が通る踏切もまた「映えスポット」、道路に侵入し車の通行を妨げながらの撮影が話題になりました。共通点はどちらも、主に外国からの旅行者だという点です。しかし一概に外国からの旅行者や外国人が悪いかと言えばそうではありません。旅行者や外国人の大多数は日本の文化を理解し尊重しながら観光を楽しんでくれています。マナーの悪い一部の外国人旅行者が印象を悪くしてしまっているのでしょう。
最近は神宮外苑の黄色く色付いたイチョウ並木も同様の映えスポット、マナーの悪い撮影の様子が報じられました。これは外国人だけではなく日本人の姿も少なくありません。季節は冬。様々なところでイルミネーションによる飾り付けが始まりました。先日ニュースを見ていると「欅坂のイルミネーション」が始まり、正面の東京タワーを背景に撮影しようと車道の真ん中でお構いなしにポーズをとる日本の若者の映像が報じられていました。富士山も江ノ電も、イチョウ並木もイルミネーションも人気の「映えスポット」ですが警備員や交通整理員を配置するなどの対策が取られています。
先日見た航空ショーの報道では、ショーの性質上、小さな部品などでも大事故につながるため、折りたたみイスやレジャーシートは使用禁止、関係者がその旨を伝え控えるよう注意すれども一向に聞いてくれません。それどころか関係者にくってかかる始末です。日本人です。
職業柄よく生徒たちに「マナーを守って」と言いますが、そういった映像を子供達も見ているかもしれません。まずは私たち大人がマナーを大切にしていかなければならないと痛感しました。
校長室のひとりごと「同窓会」
この週末、私が担任をした学年の同窓会がありました。その学年は1年生の時に学級担任を務め、2、3年生の時には担任を外れて学年主任を務めた学年です。この学年を卒業させた翌年からは教務主任、教頭と学級や学年に属さない立場になったため、この学年は、最後の学級担任、学年でもあり、私自身思い入れの強い学年です。
卒業から13年、お互い風貌も変わったこともあり、はじめはどこかぎこちない空気感でしたが、不思議なもので数分で当時の関係を取り戻し、まるで時間が逆戻りしたかのような錯覚に陥ってしまいます。唯一違和感があるとすれば、当時は制服や校内服で給食の牛乳を飲んでいたのが、着飾った私服で酒を交わしているという点でしょうか。
実家の農業を継いでいる子(28歳ですが)や、医療関係の仕事に就いている子、パティシエしながらシンガーソングライターを目指している子、地元の野田に住んでいる子、埼玉や東京に住んでいる子、既に結婚し3人の子の親になっている子など様々です。中には今カナダに住んでいる子やドイツに住んでいる子、そしてそれを互いにテレビ電話同志で宴席で繋がるという今時の楽しい時間を過ごすことができました。
中学生だった教え子たちが、皆自分の人生を確実に歩んでおり、こうして集まり当時の思い出で盛り上がる、そして何よりその席に呼んでくれるのは教師冥利に尽きるというものです。幸せな時間と美味しいお酒を堪能した同窓会でした。改めて「教師で良かった!」と実感しました。
校長室のひとりごと「上級学校訪問」
激動(?)の一週間もやっと金曜日になりました。
今日は2年生が、お隣「西武台千葉(中学校)高等学校」を訪問します。20日に小学6年生が少しでも中学入学に不安を軽減できるようにと出前授業の話しをしましたが、その中学生版とでも言いましょうか、キャリア教育、進路選択の一助となるような「上級学校とは」というお話しを、実際に高校の先生にしていただくための訪問です。西武台千葉(中学校)高等学校は私学ですので、本校との関係性を心配される方もおいででしょうが、そこは心配いりません。お話いただく内容も西武台高校についてはなく「高校というのは…」「高校卒業後は…」など、公私問わず身近にある上級学校というスタンスでの一般的なお話が中心です。
中学2年生のこの時期、高校受験はまだまだ他人事、ややもすると「偏差値の高い高校が良い学校」と考えている生徒が少なくありません。この西武台千葉(中学校)高等学校の訪問で、なんのために進学するのか、どのように進路(受験校)選択すれば良いのか、漠然としていた自分の将来について見つめるきっかけと例年なっています。
3年生は、今進路(受験校)選択の佳境を迎えていますが、同じようにこの訪問で得た経験を生かして希望を叶えるため受験に向かおうとしています。
校長室のひとりごと「成長期の後半に」
今日は、3年生対象に「思春期講演会」が行われます。毎年この時期に3年生対象に実施しているこの「思春期講演会」とは、思春期の後期から青年期に向かう3年生を対象に自分と向き合い生きてゆく力を身につけること、また「生」と「性」について考え、より良い行動を選択するための正しい知識を身につけさせることを目的としています。
昨日は尾崎小学校で授業(講話)をしてきましたが、児童たちは皆私の話に耳を傾け、話し合い活動では自分の意見をきちんと話すなど立派なものでした。安心していつでも中学生になる準備ができていると実感しました。その一方で日頃中学生相手のためか、小学6年生が小さく(身体面だけではなく)感じられました。やはり成長期真っ只中、3年間でこうも大人になるのかと今朝改めて生徒たちを見て感じたところです。
さて、今日は千葉県助産師会の助産師を務めていらっしゃる先生をお招きし「いのちの話」と題して「生命誕生の大切さ」「正しい性の情報」「二次性徴、性感染症、男女の性の違い」「LGBTQ」についてご講演いただきます。よく言われているように北欧の学校に比べると、「性教育」について日本の学校では消極的で、お互いに学校では家庭が、家庭では学校がやるだろうと、他人任せの時代が長く続いてきました。
今回、「生と性の専門家」でもある助産師から直接お話を聞く貴重な機会です。
日本のこれまでを考えれば、なかなかすぐに全家庭でできることではないと思いますが、ぜひ、この機会に家庭で「生、性」について話題にしてほしいと思います。
校長室のひとりごと「来春を見据えて」
今日は尾崎小学校6年生を対象とした出前授業に行ってきます。本校と学区の川間小学校、尾崎小学校は小中連携、様々な取り組みをしています。これは小学校、中学校それぞれ単独で学校運営をするのではなく「地域の子どもたちを義務教育9年間で育てよう」というねらいがあります。
例年、1月下旬に新入生保護者説明会と並行して6年生に体験入学を行っていますが、限られた時間内で中学進学への不安を取り除くには十分だとは言えません。そこで今回、尾崎小学校から6年生に「中学生になる心構え」について、講話と授業を体験させたいと依頼があり実施するものです。本校からは、校長の私が講話を、教務主任が算数(数学)、3年学年主任が国語の授業を行います。
中学校では基本的に生徒たちを「大人」として接します。そのことを踏まえて今回私の講話の中でコンセンサスゲーム(NASAゲームとも)を体験させ「自分の考えを持つこと、それを伝えること」「自分以外の考えに耳を傾けること」そして「それらをもとに合意形成すること」「協力して最善の方法を導くこと」の大切さに気づかせたいと考えています。そのために今できることはなんだろう、と6年生が考えてくれるきっかけになればと思っています。
※コンセンサスゲームとは、グループで与えられた条件の中で課題を解決するための最善策を考えるゲームです。現在多くの企業の新人研修等で実施されています。
校長室のひとりごと「市長と話そう集会」
昨日の「所長訪問」に続き、今日は「市長と話そう集会」のため野田市長が来校します。教育に力を入れている市長が忙しいスケジュールの合間を縫って市内の小中学校を直接訪問し児童生徒の生の声を聞き生徒は市政に感心を持ち、市長は今後の教育施策等に生かす話し合いの場です。
2年生はこれまで「ふるさと野田」について学び、調べ市の今後について考える学習に取り組んできました。今日は学年集会で、これまでの学習のまとめとして各部門ごとにプレゼンテーションします。そのセクションとは…
「野田市の防災対策について」
「野田市の交通事故防止について」
「野田市の公共交通機関について」
「野田市の地下鉄8号線について」
「野田市の再開発計画について」
この5つについて調べたことに対して、中学生なりに考えをまとめ、それを市長にも参観いただき市長のお考えや施策などについてお聞きするという企画です。
事前に生徒たちの考えや、プレゼンテーションを見ましたが、さすが次世代を担う中学生、自分たちなりの考えをまとめ将来の野田市を考えているなと感心させられました。
「市長と話そう集会」が、生徒たちの「ふるさと野田」について考え、野田市民だという自覚につながることを願っています。
校長室のひとりごと「所長訪問」
今週は連日来校者、逆に他校に訪問と慌ただしくなりそうです。
今日は、千葉県教育庁東葛飾教育事務所(野田市の学校を管轄)による「所長訪問」があります。この「所長訪問」とはその名の通り、教育事務所の所長が来校されるわけですが、総務課、管理課の皆さんも同行し、更には野田市の教育委員会からも教育長、学校教育部の管理担当の皆さんも来校します。管轄する県教育委員会、直接監督する立場の市教育委員会、それも所長、教育長が来るとなれば気の弱い(?)私は朝からソワソワ落ち着きません。この「所長訪問」とは3年に一度行われる視察を兼ねた監査のような性質のものです。授業を受けている生徒たちの様子や先生方の様子、校舎を含めた敷地内の安全点検、様々な諸帳簿が適正処理されいるかなどを点検していただき、それをもとに指導していただき必要があれば改善することを目的としています。
今回、事前に先生方で安全という観点で校舎内を巡回してみると意外と改善点があることに気づきました。例えば、地震の際に危険な棚の上に物を置いてあったり、移動式大型テレビのキャスターにストッパーがかけられていなかったり、教室のロッカー内に破れた古いプリントが無造作に溜まっていたり…
3年に一度ですが、学校内を見つめ直す良い機会であることは間違いありません。
校長室のひとりごと「冷静に見極める」
最近の技術革新はめざましく、その技術を扱う人間側のモラルや判断力が追いついていないと実感しています。人工知能AIも日々進化を続け、人間が描いたかのような絵画、声優の声を学習させ、まるで本人のような音声を作り出す、もう何が本当で何がどうなっているのかわからない状況です。これらが悪いというつもりはありませんが、使う側の意識やモラルが追いついていなければ、技術を悪用したり、ネット上のフェイクニュースなどに翻弄されたりしてしまいます。戦時中からフェイクニュースは存在していたようですが、今は誰でも簡単に作ることができ、ネットを通して拡散させることも可能です。報道とはとても言えない間違えた内容、興味を引くために個人が作りあげたものなどです。私もこの「校長室のひとりごと」を書く際にネットを開いて話題を探したり、詳細を調べたりとインターネットを使用しています。その際、その情報が正しいものなのか、過剰すぎる表現はないかなど必ず複数のサイトを確認し、最終的には冷静に自分で判断しています。
今やインターネットを小中学生も当たり前に閲覧しています。しかしその情報の真偽まで考えているかと言えば、そうではない場合も少なくないと感じています。SNSでも同様です。その書き込みが全て真実とは限りません。我々大人は「ちょっと待てよ」となりますが小中学生もそうとは限りません。最近話題の闇バイトも「ちょっと待てよ」と冷静な判断力があれば、おかしいと気づくものが多いと言われています。
技術革新が進み便利になり、多くの人が簡単に使えるようになればなるほど、その使い方、使う側の冷静な判断力が必要になってきます。その危険性を学校、家庭で大人が教える必要があるとつくづく感じます。
校長室のひとりごと「77年目の今年」
このところ、地域関連の話題が多いのですが、「地域と関わる」「地域と共生」を語るからには、この川間地域を知らなくては話になりませんよね。私は昨年の着任以来地域を歩き、本やインターネットで色々と調べたりしています。もちろん「川間中学校」についても調べる必要があると、最近は中学校について色々と過去の記録を見直しているところです。
本校は昭和22年、旧川間村に川間中学校として誕生し今年で創立77年を迎えた地域に根ざした歴史と伝統ある学校です。そこで創立当時の記録を校長室の金庫から引っ張り出し調べたところ衝撃(?)の事実を知ってしまいました。私は平成元年より市内の中学校で勤務してきましたが、概ねどこの学校も昭和の終わりから平成の始めに生徒数が一番多く、逆に創立当時が一番少ないというパターンが一般的です。 本校の創立当時昭和22年の生徒数は257名、翌昭和23年には300名を超え、そのまた翌昭和24年には400名を超えるほどの急増でした。昭和35年には500名を超え、昭和57年には600名を…右肩上がりに生徒は増加し昭和61年には774名という規模まで膨れあがりました。しかし、それからは徐々に生徒数は減少し、昨年令和5年度には268名にまで減少しました。現在は全校生徒246名で生活しています。これが衝撃(?)の事実です。77年目にして実は初めて創立当時の生徒数を下回り過去最少人数だったのです。更に川間小学校、尾崎小学校の児童数を見ると、来年度は更に過去最少人数を塗り替えそうで、あと数年はこの状況が続きそうです。
衝撃(?)的な事実は事実として、少ないからといって何が変わるわけでもありません。体育祭では迫力の応援を披露し、川創祭(文化祭)では一致団結した素晴らしいハーモニーの合唱を作り上げてくれました。この生徒数はハンデキャップではなく、むしろ小回りが効く強みだと捉え、これからも生徒たちのために頑張ってまいります。
校長室のひとりごと「努力」
教員がよく使う呪文のような言葉の一つに「努力」という言葉があります。
部活動顧問、学級担任として第一線で生徒たちと関わっていた頃は、一切迷いもせず「努力は報われる」と生徒に呪文(?)を唱えていたものです。
多くのスポーツ選手は「努力」について名言を残しています。例えば世界のホームラン王「王貞治」氏は「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるとすれば、それはまだ努力と呼べない」と残しています。また、サッカーのメッシ選手は「努力は報われる?そうじゃないだろ、報われるまで努力するんだ」と述べています。一方でフィギュアスケート「羽生結弦選手」は「努力はウソをつく。でも無駄にはならない」。他にも「努力は報われるとは限らない」「努力が報われるのであれば、みんなメダリストになっている」…… などと残しています。 陸上競技の「為末 大」氏は「一流のアスリートは、そもそも努力を努力だと思っていない」と著書に綴っています。いったい「努力」って何なのでしょう?
以前、全校生徒に「努力は必ず報われる。しかし、自分が思っている形で報われるかどうかは別の話。仮に努力したのに報われなかったと感じていても、その努力は違う形で自分の力になっているはずです。これからも惜しまず努力できる人になってほしい」と話したことがあります。
歳を重ねるにつれ、私自信「努力は報われる」と思っていますし、一方で「努力しても報われないこともある」とも思っています。
先ほどの「為末大」氏は「現在の日本は、努力しても報われないと感じる人間が多数派を占める社会になっているように思う」とも記しています。
中学生という成長段階においては、どのパターンで「努力」という言葉を投げかけるかが問題です。中学生は全てが経験全てが勉強です。何事にもガムシャラに取り組める人間、そして惜しまず努力できる人間になって欲しいと切に願っています。
校長室のひとりごと「地域に関わる」
土曜日に「川間地区ふれあいの広場」が行われました。川間地区社会福祉協議会が主催し規模も大きく地域にとって大切な行事です。こういった地域行事では中学校や小学校も発表団体として、吹奏楽部などが招待されることが少なくありません。この「ふれあいの広場」も同様で、これまで本校は吹奏楽部、特設郷土芸能部が出演していましたが、今年は「次世代の地域を担う中学生には、もっと地域に目を向け、地域の一員として自覚を持って欲しい」とわがまま言って運営団体の一つに加えていただきました。事前の会議、前日の会場準備、当日の司会進行、受付、接待、商品販売などの各ブースに分かれて生徒たちは地域の方々に混じってお手伝いさせていただきました。生徒からは「色々な発表を通して地域の文化や伝統を知ることができた」「初めての経験でしたが優しく教えていただき一緒に活動していて楽しかった」などの声が聞かれました。
また、会場にいる私にたくさんの方が声をかけてくれました。「中学生が優しく案内してくれ嬉しかった」「元気な中学生と一緒にいて、こっちまで元気になりました」「いつもの決まった面々に中学生が加わり、みんな笑顔が増え若返ったように感じました。とっても楽しかった」「孫(中学生)が笑顔で手伝っているのを見て泣けてきました」など数えきれないほどの言葉をいただきました。
会を終え生徒たちに「地域の一員だと自覚できましたか?みんなは、この先どこの高校に行こうとも、大人になってもどこに住もうとも、いつまで経っても故郷はここ川間地区だということを忘れないで欲しい。10年、20年30年先に、みんながこの「ふれあいの広場」を運営していて欲しい」と話しました。社会福祉協議会など運営に携わった皆さんには「生徒がお世話になりました。日頃学校では見せない「優しさ」「気遣い」「笑顔」を見ることができました。本当に良い経験ができました。ありがとうございました。」とお礼を述べました。
今年の「ふれあいの広場」は多くの笑顔にあふれ「育てよう川間の絆」というスローガンに近づけたと感じて、ホッコリと温かい気持ちの一日でした。
校長室のひとりごと「振替休業」
いつもアクセスいただきありがとうございます。
土曜日の「ふれあいの広場」が全校登校日だったため、今日は振替休業になります。
この「校長室のひとりごと」もお休みします。
今後ともよろしくお願いしますね。