ほごログ(文化財課ブログ)

タグ:関東大震災

歴史文化講演会「粕壁小児童文集から読み解く関東大震災」

 #関東大震災100年 お知らせ第三弾は歴史文化講演会です。粕壁小の100年前の児童文集から関東大震災の実態を読み解く講座です。

画像:講演会チラシ

講師は、大川明弘先生。粕壁地区出身で中学校で教鞭をとられ、現在春日部市市史編さん委員として、いつも春日部市の文化財行政にご助言いただいております。

今回は、関東大震災100年ということで、ミニ展示でも紹介する粕壁小の「文集」を委細に読み込み、粕壁町の町並みや子供たちの普段の生活、被災の状況について、詳しくお話しいただきます。

ミニ展示スタンプラリーとあわせて、お楽しみください。

 

日時:令和5年10月8日(日)14時~16時

会場:春日部市教育センター

定員:80名(先着順・申込制)

費用:無料

申込:9月13日(水)より、郷土資料館まで直接、または電話、または電子申請

【 #9月1日 】 #今日は何の日? in春日部

今から100年前、大正12年(1923)9月1日は #関東大震災 が発生した日です。春日部市域にも甚大な被害をもたらしました。 #かすかべプラスワン

#関東大震災100年 を迎えた今、郷土資料館ではミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展を開催しています。また、埼玉三大被災地とされた川口市・幸手市の郷土資料館と連携し、「埼玉の関東大震災100年を巡る」スタンプラリーを開催しています。

今回は、ミニ展示でも展示紹介する粕壁小の震災文集について、少し紹介してみましょう。

画像:表紙

粕壁小学校に遺された震災文集は、正式には「大震災記念児童文集」といいます。

粕壁尋常小学校に通う子どもたちが記した作文がつづられています。

現存するものは、第3学年、第4学年、第5学年、高等科(1・2年)の計4冊です。

1・2年生の作成(編纂)されたかどうかも定かでありません。第6学年のものはおそらくあったと思われますが、現在、その所在は不明となっています。

4冊に綴られているのは、総計402名の児童の作文です。作文は、9月1日の震災の後、10月~11月にかけて執筆されているようです。小学生が記したもので、誤字や文意が通らない部分も多く、事実関係が確定できないことも多いのですが、震災前後の粕壁町の様子を伝える、きわめて貴重な資料です。あわせて、行政文書・記録等には記述されにくい子どもたちの暮らしや心情が読み取れる史料でもあります。文集から読み取れる詳しい内容は、ミニ展示に譲りたいと思います。

さて、埼玉県や春日部市域も、震災の被害を被りました。県内の被害の中心は、県の南東部にあたり、特に川口町・幸手町・粕壁町が甚大な被害をうけ、三大被災地とされています。被害の数字は、資料により異なるようですが、当時人口5813名・1180世帯の粕壁町では、全壊305戸、半壊341戸、死傷者29名の被害がありました。建物全体のおおよそ34%が倒壊したとされています。その様子は、「粕壁町震災写真帖」に所収される写真からうかがえます。写真は「かすかべデジタル写真館」でも紹介しています。

画像:上町の家屋倒壊状況

写真から、その凄まじさがわかります。将棋倒しになった建物もあったそうです。

住まいだけでなく、家族を失い、電気や食料の供給も不十分で、東京方面の空が真っ赤に燃え、焼け出された避難民が町の中を通過し、町は混乱・・・被害の数字は東京や横浜と比較すれば些細ですが、市域も、まさに非常事態だったといえるでしょう。

先に紹介した「文集」のうち、ある男の子の作文の文末には、ひときわ大きな字で、次のメッセージが記されています。

画像:5年生の作文

「わすれるな。九月一日」

この子は、地震発生当時、東武座にいて、「しぬかくご」で逃げ、「おうらい」(現春日部大通り)の建物は「たいていつぶれ」、夜には地震や様々な「さわぎ」で眠れなかったと記しています。子どもながら、辛く苦しい経験・記憶を思い出しながら、作文を書き、最後に自分に言い聞かすようにこの言葉を記したのではないでしょうか。100年後の私たちはこの子どものメッセージをどのように受け止めればよいのか。

9月1日は防災の日です。各地で防災訓練などが行われ、春日部市郷土資料館でも「シェイクアウト埼玉」という防災訓練が実施されます。そうした訓練から、防災意識・感覚を体に染みつかせ、防災意識を高めることは大変重要なことでしょう。

春日部市は「プラスワンのあるまち」ですから、この防災訓練にプラスワン!

身近な地元の災害の歴史、もとい「わすれるな。九月一日」というメッセージから、災害・防災について、他人事ではなく、自分事として考え、そして、地域の記憶を後世に伝えていく。関東大震災100年の今日が、そのような一日になれば、100年前の先人たちも喜ぶのではないでしょうか。

ミニ展示は10月8日まで開催しています。先人たちの声にぜひ耳を傾けに来てください。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版、4月28日版6月2日版6月3日版6月10日版7月31日版9月16日版

過去の今日は何の日?in春日部シリーズは、のリンクからお読みいただけます。

埼玉の関東大震災100年を巡るスタンプラリー

関東大震災における #埼玉県下三大被災地 といわれた川口町、幸手町、粕壁町。 #関東大震災から100年 を迎えた今年、 #川口市 ・ #幸手市 ・ #春日部市 の #郷土資料館 が連携し、 #スタンプラリー を開催することになりました。

画像:スタンプラリー告知

この企画では、川口市立文化財センター分館郷土資料館、幸手市郷土資料館、春日部市郷土資料館の3館で開催されている関東大震災に関する展示をめぐり、スタンプをあつめると、先着100名様にオリジナルマグネットをプレゼントするものです。期間は9月1日~10月8日まで。スタンプラリーの台紙は3館で配布しています。各館の情報は下記のとおりです。

ミニ企画展「関東大震災と川口」展 チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月8日(日) ※休館日:月曜日・9月19日

見学には入場料が必要です(一般100円、小・中学生50円)

企画展「あれから100年 関東大震災と幸手」展  チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月9日(月・祝) ※休館日:月曜日・9月19日

ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展 チラシ.pdf

会期:令和5年9月1日(金)~10月8日(日) ※休館日:月曜日・祝日・9月16日~19日

なお、景品はおひとりさま1つまで。景品がなくなり次第終了とさせていただいておりますので、ご了承ください。

9月1日の関東大震災100年。地元の歴史を通じて、他人事でなく、ぜひ自分事として考えていただければと思います。

 

事業名:三市郷土資料館連携スタンプラリー「埼玉の関東大震災100年を巡る」

主催企画:川口市立郷土資料館・幸手市郷土資料館・春日部市郷土資料館

期 間:令和5年9月1日(金)~10月8日(日)

参加方法:各館で配布するスタンプ台紙に三館のスタンプを押す。景品は先着100名。

ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展

まもなく、大正12年9月1日に発生した #関東大震災 から #100年 を迎えます。 #春日部市郷土資料館 では、関東大震災に関する資料を紹介するミニ展示を開催します。 #県下三大被災地

画像:展示チラシ

今回の展示は、ミニ展示なので、常設展示の一角を展示替えするごくごく小さな展示です。

埼玉県内では、川口町、幸手町、粕壁町が県下三大被災地といわれており、粕壁町を含む市域でも甚大な被害をこうむりました。被災のデータは、県の行政文書などでわかりますが、今回その実態を資料として粕壁小学校に遺された「大震災記念児童文集」を展示します。

詳しくは、後日に期しますが、上のポスターの「あゝ呪わしき大正拾弐年九月壱日 どうして此を忘れられませうか」という文は「文集」に所収される小学校高等科の生徒の文章の一節です。

今回は、この「文集」を中心に、100年前の子どもたちが接した関東大震災を詳しく紹介します。

展示は小粒でも、内容は(まあまあ)重厚(と思っています)。

関連事業も準備しています。100年前の震災から、現代の災害や防災について考える機会としていただければ幸いです。

 

事業名 ミニ展示「1923.9.1関東大震災と春日部」展

日 時 令和5年9月1日(金)~10月8日(日)

休館日 月曜日、祝日、9月16日~19日は臨時休館

主 催 春日部市郷土資料館