郷土資料館の収蔵資料

収蔵資料の紹介

資料名 大正12年粕壁町震災写真帖(たいしょう12ねんかすかべまちしんさいしゃしんちょう)
年代 昭和10年(1935)5月15日
法量 18.4×26.7cm
資料種別 歴史資料
文化財指定 未指定
収蔵番号等 市史編さん収集資料
資料写真
解説 大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災は、日本災害史上最大級の被害をもたらしました。粕壁町の被害も甚大で、建物の全半壊が646戸、死者は29人にのぼり、県下でも三大被害地とされる程でした。この写真帳は、震災前後の粕壁町を記録した写真集で、当時の粕壁町の被害と、その後の復興の様子を知ることができます。
 大地震により、町の東南方から古利根川にかけて大きな亀裂が生じました。【図1】の写真の場所は、現在の緑町にあたり、地面が大きく陥落している様子がみえています。【図2】は、日光街道(現在の春日部大通り)で、りそな銀行の向かい側周辺にあたります。当時、この付近に住んでいた粕壁小学校5年生の児童は、学校から帰宅した直後に地震が起こり、この通りに飛び出したと、作文に綴っています。また、小学校校舎も倒壊し、その後の授業は【図3】のように屋外で行われた様子もわかります。復興後の状況を写した写真もあり、【図4】では先述の上町表通りが整備されている様子がうかがえます。
図1
図2
図3
図4
語注 関東大震災(かんとうだいしんさい): 神奈川県相模湾を震源としたマグニチュード7.9の大地震。 190万人の被災者、10万5千人余の犠牲者を出した。
粕壁町(かすかべまち) :埼玉県南埼玉郡に明治22年(1889)~昭和19年(1944)まで存在した町。現在の春日部市中心部に位置する。
県下三大被害(けんかさんだいひがい): 埼玉県内では、中川低地上に位置し、古くから町場として栄えた粕壁町、川口町、幸手町の被害が甚大であった。
参考文献 『あれから3年、3.11を前に 大震災記念児童文集』(春日部市立粕壁小学校、2014年)
『春日部市史 第6巻 通史編Ⅱ』(春日部市教育委員会、1995年)
『新編埼玉県史 通史編6』(埼玉県、1989年)
『図録 春日部の歴史―春日部市史 普及版』(春日部市教育委員会、1998年)
後藤美貴「大正時代の粕壁の子ども」(私家版、1994年)
その他 (このページの製作者 平成26年度博物館実習生・増井志織)