ほごログ(文化財課ブログ)

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春日部市立の小学校・校歌歌詞調査( #博物館実習生 の記録)

本日の実習では春日部市立小学校の学校要覧を用いて各小学校の校歌を調べ、その歌詞を書き出す作業を行いました。
これを行うきっかけとしては、実習生の私が既に無くなってしまった中野中学校の卒業生であり、その中野中学校の校歌がどうしても思い出せなかったということにあります。
私以外にも、自分が卒業した学校がもう無くなってしまったために校歌を知りたくても知ることができない人がいるのではないかと考えて、この作業をさせていただけることになりました。
旧庄和町も含めた春日部市立の小学校の校歌歌詞をすべて書き出してみたところ、いくつかの共通点が見つかりました。
まず、その小学校がある土地で感じられる自然にまつわる歌詞がどの校歌にも入っていたことです。最も多かったのは緑、川、山、風などでした。また、その土地の歴史に関係する歌詞も多かったです。例えば、春日部市が位置する埼玉県東部地区が武蔵国であったことから「むさしの」という歌詞が使われていたり、宝珠花小学校では、過去に大規模な町おこしが行われたことから、「そのときのご先祖様たちのように大きな夢や精神を持とう」といった歌詞が使われていたりなどです。
さらに、自然のことだけでなく、学校に通う児童たちがそれらの自然の中で学び、希望を持って健やかに育っていくようにという願いが込められた歌詞がすべての校歌に発見できました。
小学校の校歌は、すべての子どもたちがその土地の自然や歴史を受け継ぎ、自らの知恵を磨きながら健康に育っていってほしいという教員たちのメッセージを表しているのだと言えそうです。
最後に、私が最も印象に残った校歌を紹介します。それは、正善小学校校歌です。

画像:正善小学校校歌
この校歌は一番の最後の歌詞が二番の歌詞の最初に、二番の歌詞の最後が三番の歌詞の最初につながっていて物語性が感じられます。また、一、二、三番すべてに同じフレーズが三回繰り返されている部分があるのですが、強い意志が伝わってくる良い校歌だなと思いました。

体験講座みて!さわって!dokidoki音楽づくりを開催しました

8月10日(土)、春日部市郷土資料館恒例の体験講座「みて!さわって!dokidoki音楽づくり」を開催しました。

 

この講座は、国立歴史民俗博物館の中村耕作先生と國學院大學栃木短期大学の早川冨美子先生のご協力により、毎年夏休みに、郷土資料館で開催しており、今年で4回目になります。縄文土器を観察し、文様のパターンやイメージなどをみたりさわったりしながら、縄文時代にも存在した自然素材を使って音で表し、グループで音楽を作る講座です。

 

今年度は、筑波大学付属小学校の高倉弘光先生にもご協力いただきました。

 

今回のdokidoki音楽づくりはおおまかに次のような流れで行いました。

1.縄文時代の人のくらしを学ぶ

2.土器のもようのつけ方を学ぶ

3.音楽の作り方を学ぶ

4.縄文時代にもあった素材を使って音を出す

5.土器のもようなどをもとにグループで音楽を作る

 

今回は、高倉先生の音楽の作り方のお話がとても楽しく、各グループ楽しんで音楽を作ることができました。

土器の説明

↑縄文土器と現代の鍋を比べ、さらに縄文土器の時期の違いを学びました。

年表

↑ 國學院栃木短期大学の学生さん作成の年表をつかって縄文時代の長さを知りました。

音楽づくり

↑みんなで体を使ってリズムをとってみました。

素材選び1

素材選び2

↑縄文時代にもあったさまざまな自然素材で音を出してみました。

素材を使って演奏

↑自然素材で、みんなでリズムをとってみました。

このあと、博物館実習生も含めた4つのグループに分かれて、音楽を作り発表しました。また今回は、アンケートとともに土器の観察カードを記入してもらい、夏休みの思い出として持ち帰っていただきました。

 

暑い中、お越しいただいた先生方、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

来年の夏休みにも実施しますので、土器が好きな人や音楽が好きな人はぜひ参加してください。

#ハルカイト で #ミュージアムトーク

8月8日、大凧文化交流センターこと「ハルカイト」で、ミュージアムトークを実施しました。 #かすかべプラスワン

今回は、小学生を中心としたお子さんたちが対象で、前半は大凧文化展示室、後半は歴史民俗展示室を案内しました。

前半は、大凧文化交流センターの職員が、大凧揚げの概要や展示室を説明。ドローンで撮影した大凧揚げの様子をビデオで視聴したり、大凧の材料として使用される小川和紙を実際に触ったり、ちぎったりして和紙=大凧の強度を確かめたりしました。

写真:展示室の様子

後半は、資料館の学芸員の出番。

写真:見学の様子

先日、博物館実習生が作成してくれた「ハルカイトマスターへの道」というリーフレットを用いながら、郷土資料館で手掛けた展示室を一巡り。リーフレットはクイズつきのワークシート。

たとえば、「宝珠花小学校で飼育していた動物はなに?」のように、卒業生はわかるかもしれないが、そうでないと知らない問題も、展示資料や展示室・施設内にある様々なモノを探し、よく観察すれば、だれでも解けるものになっています。参加者は、2階の展示室、1階の宝珠花サロン、はたまた、旧昇降口、あるいは建物の外をくまなく、楽しんで(?)見学していただけました。

なかでも、学芸員の特別メニューとして実施した「唐箕の体験」はそこそこ好評だったようです。普段は展示台に陳列され触れない道具を、実際に触って、動かしてもらいました。

写真:唐箕の体験

わずか小一時間、ワークシートに取り組むだけで、本当に、宝珠花地区の歴史を理解するひと時になったのか、心もとないのですが、楽しんでいただけたのでしたら、よかったと思います。

9月には、大人の方を対象にしてミュージアムトークを開催するそうです。お楽しみに。

宮代町郷土資料館見学と体験講座の準備を行いました

本日の午前は宮代町郷土資料館を訪問し、館内を見学させていただきました。

写真:宮代町郷土資料館入口
宮代町は台地ということもあって資料が多く残っており、常設展は迫力のある展示となっていました。個人的には日本独自の技法で作られた仏像が印象に残っています。やわらかい雰囲気をまとっていて、死後の極楽の世界はどんなところなのかという想像がふくらみました。
企画展では宮代町出身の島村盛助について、広報で連載した記事を中心に展示されていました。彼は岩波英和辞典を編集・刊行した人物で、彼がいなければ私たちは今ほど英語が分からなかったかもしれません。
資料館の敷地内にある旧加藤家住宅・旧斎藤家住宅・進修館も見学し、当時の名主が住んでいた家の内部を見ることができました。そこに住んでいた人がいると考えると不思議な気持ちでした。

写真:旧加藤家住宅

写真:旧齋藤家住宅

写真:旧進修館
また、収蔵庫の中も見せていただきました。収蔵能力を超えるほどある資料をどうするかが課題とのことだったのですが、これは春日部市郷土資料館にも共通する点でした。

午後には春日部に戻って、8月10日に行われる体験講座の事前準備を行いました。

写真:準備の様子
縄文土器の文様を使って音楽を作るという珍しい体験講座であり、当日は私たち実習生も参加予定です。
その後は今日までの実習を通して感じたこと、理想の博物館について考え方が変わった部分について話し合いました。

写真:話し合い風景
私自身は、理想を実現するためには現実の様々な試練を乗り越えていかなければならないことを痛感しました。

資料の調書作成・取り扱いについて学びました #博物館実習

本日は午前に寄贈された資料の調書作成、午後には博物館資料の取り扱いと写真撮影について学びました。
調書作成では、先の大凧文化交流センター「ハルカイト」オープンの動きに合わせて以前大凧あげを行う下若組として活動していた市民の方からいただいた資料の調書を作成しました。

調書作成の様子

午後には博物館資料の取り扱い方を実際の美術品や資料を用いて展示の仕方から写真の撮影、資料の梱包方法に至るまで様々なことを学びました。

写真:掛軸の取り扱いについて
写真:巻物の取り扱いについて

写真:資料撮影の様子
写真:資料梱包の様子

本日行った実習は博物館の資料を正確に把握することと、所蔵している資料をいかに美しく見せるか、保存状態を損ねることなく未来へ残せるかという部分につながる重要な事柄であるため、今回実習で学ぶことができて本当に良かったです。
写真:一眼レフで撮影した資料