ほごログ(文化財課ブログ)

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郷土資料館体験ワークショップを開催しました

令和5年1月22日(日)の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館体験ワークショップ「ペーパーローリングを作ろう」を開催しました。

 

蓄音機上演風景

まずは蓄音機の上演からです。

蓄音機は電気を使わないで音楽を聴くことができます。レコードを替え、静かに針を落とし、長くはない曲に耳を傾けるという“手間をかける”ことが、近年丁寧に音楽を楽しむ人たちに人気となっているそうですよ♪

 

紙芝居朗読風景

次は春日部に伝わる伝説の紙芝居を1つ。今日は「蛇女房」というお話です。

鶴の恩返しにも近いお話で、小さい子でも馴染みやすい内容だったかと思います。

 

ペーパーローリング見本

そしておもちゃ作りは「ペーパーローリング」です!

実はこのペーパーローリング、郷土資料館のおもちゃコーナーには置いていません。振ることで剣のように伸びるというおもちゃの性質上、資料館内で振り回すのは若干の危険が伴うため、設置には検討を要します。

なので、ペーパーローリングで遊べるのは今のところ体験ワークショップだけ、という珍しい一品です!

おもちゃ作り風景

シュルンッ!と戻ってくるのがクセになります。

みんなとても気に入ってくれた様子でした♪

 

缶バッジ写真

最後は恒例の缶バッジ作りをしました!

自分で作ってみるという体験が楽しいですよね♪

 

これにて今年度の体験ワークショップは終了です。

来年度も開催を予定しています。開催日が決まったら告知をいたしますので、郷土資料館ブログや広報誌等、ぜひチェックしてみてください!

ご参加いただきありがとうございました♪また起こしください!

 

2月25日(土)川口則弘先生「直木賞の歴史と作家三上於菟吉」を開催します

1月19日(木)、第168回直木賞・芥川賞が発表されました。直木賞は、小川哲氏『地図と拳』と千早茜氏『しろがねの葉』、芥川賞は佐藤厚志氏の『荒地の家族』と井戸川射子氏の『この世の喜びよ』に決定し、いずれも2作が受賞しました。おめでとうございます。

 直木賞(直木三十五賞)は、昭和9年(1934)に亡くなった作家、直木三十五(なおきさんじゅうご)を顕彰するため、昭和10年に設けられました。直木三十五は早稲田大学で、春日部出身の作家、三上於菟吉の1年後輩にあたります。二人は親交が深く、直木が亡くなった際には、追悼と顕彰に尽力し、昭和18年(1943)まで直木賞の選考委員をつとめました。

 

さて、春日部市郷土資料館では、直木賞研究家の川口則弘先生をお招きし、直木賞の歴史と初代選考委員であった作家、三上於菟吉に関する講演会を開催します。皆様のご参加をお待ちしております。

●郷土資料館歴史文化講演会 「直木賞の歴史と作家三上於菟吉」

日時:令和5年2月25日(土曜日)午後2時~4時
会場:春日部市教育センター(春日部市粕壁東3-2-15)
講師:川口 則弘(かわぐち のりひろ)先生(直木賞研究家)
募集人数:80人(申し込み順)
申し込み
郷土資料館に直接、電話(電話:048-763-2455)または、春日部市電子申請で申し込み

川口則弘先生「直木賞の歴史と作家三上於菟吉」電子申請入口

三上於菟吉

 

 

新春の獅子舞公開-銚子口の獅子舞-

1月15日(日)には銚子口香取神社にて市指定無形民俗文化財「銚子口の獅子舞」の新春の舞が公開されました。当日は薄曇りで気温が低い中でも銚子口地区をはじめ、県内外から多数の皆さまが伝統の舞に駆けつけていただきました。

宮参り

 

 

 

 

 

 

 ▲天狗を先頭に小学生による箱獅子、太夫獅子、中獅子、小獅子が後を続く

 天狗を先頭に神社境内を練り歩く「宮参りの儀」、奉納する場を清める「天狗の舞」といった慣例の儀式後は、近年に復活することができた演目、「宇津女の舞」(鈿女-うずめ-とも書く)、「幣かがりの舞」が披露されました。宇津女の舞は「花だまし」とも呼ばれ、花の妖艶な香りで中獅子をだまし孤立させ、太夫獅子と小獅子が仲良く演舞するといったストーリーです。

宇津女の舞

宇津女の舞

 今回は中獅子、小獅子には二十歳を迎えたお二人の女性が初めて担うといった、元禄10年(1697)に伝承以来、初めての試みとなりました。お二人は中学生の頃からお囃子にも参加され、練習を重ねた成果を十分に発揮され、太夫獅子を取り囲み、軽快かつ華麗な舞を披露いただきました。ご観覧いただいた地域の皆さまをはじめ、保存会、当番さんからも拍手喝采をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

▲太夫獅子により幣束で「家内安全」「五穀豊穣」「無病息災」を祈願。良い一年になりますように祈願されました

 今後は女性三名で三匹獅子が担えるよう、中学生らの後継者養成に力点が置かれ、一人でも多くの後継者を育て演舞できるように取り組まれるとのこと、大いに期待されます。次回の公開は7月、夏祈祷となります。

【体験ワークショップ】ペーパーローリングを作ろう!

1月22日(日)に体験ワークショップを開催します。

体験ワークショップでは、蓄音機の上演、紙芝居、昔のおもちゃづくりをします。

今回作る昔のおもちゃは「ペーパーローリング」です。

 

「ペーパーローリングって何?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、写真を見ていただければお分かりいただけると思います!

ペーパーローリング見本

これです!

他にも、ペーパーヨーヨー、シュート棒などの呼び方があるそうです。

 

遊び方は簡単♪

持ち手を掴んで、シュッ!っと振ると・・・

遊び方①

遊び方②

遊び方③

遊び方④

こんな風にビヨ~ンと伸び、手元にシュルシュルッと戻ってきます!

 

昨年からワークショップで作り始めたペーパーローリングですが、使用する材料などに変更を加えて、より遊びやすく改良しました!

 

遊びだすとついついクセになるペーパーローリング!一緒に作ってみましょう!

 

申し込み不要、おもちゃの材料は資料館で用意しています。

当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【体験ワークショップ】

日時:令和5年1月22日(日)午前10時30分~・午後2時~

場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)

内容:蓄音機と紙芝居の上演

   昔のおもちゃづくり(ペーパーローリング)

費用:無料

申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

※参加者多数の場合、人数制限をさせていただく場合がございます。当日はマスクを着用いただき、体調が優れない場合は参加をお控えください。

#博物館の年賀状 謹賀新年

本年も春日部市郷土資料館、そして「ほごログ」をよろしくお願いいたします。 #かすかべプラスワン #卯年

新年一発目は、今年の干支にちなんで、収蔵庫から #ウサギ に関するおめでたい資料を紹介します。

 画像:波兎の絵

波の上を兎が走るこの文様は、「波兎(なみうさぎ)」と呼ばれる、日本の伝統的な意匠の一つです。波兎は、謡曲「竹生島(ちくぶじま)」に由来する文様で、別名「波乗り兎」とか「竹生島文様」とも呼ばれるそうです。「竹生島」は室町時代に成立した謡曲で、醍醐天皇の廷臣が琵琶湖の竹生島に舟で参詣するシーンで、舟から眺める風景の美しさを「魚木に上る気色あり、月海上に浮かんでは兎も波を走るか面白の島のけしきや」(魚が木に登るようだ。月が海上に浮かぶときは兎も波を走るようだ。この島の景色は実に面白い)と謡われる一節があります。この一節から、「波兎」は創作され、桃山時代末期から、江戸時代前期にかけて大変流行ったといわれています。ウサギは多産であることやその所作から繁栄や飛躍の象徴として扱われ、工芸品や建造物のほか、現代でも湯呑や手ぬぐいなどにもしばしばあしらわれています。

この資料は、西親野井の在村の絵師の旧家に伝来したものです。344×246mmの和紙に彩色の波兎模様が描かれています。四辺が骨を入れるためか少しおられており、和凧の図案として描かれたものだと考えられます。西親野井の絵師は、史料からみる限りでは明治時代に活動した人物のようで、さまざまな伝統的な図柄や挿絵、看板などのデザインの下絵を残しています。

当時(明治22年以降)は西親野井は宝珠花村の一部でした。宝珠花といえば、江戸川の河岸として栄えた集落で、現在も大凧あげ習俗を伝える特徴的な地区の一つです。想像を膨らませば、凧揚げが盛んな宝珠花の人たちのニーズに応えて、縁起の良い「波兎」を和凧に描いたのかもしれません。

今年は卯年。皆さまにとりましても「波兎」のように、繁栄・飛躍の一年になりますようご祈念申し上げます。そして、本年も郷土資料館と「ほごログ」をよろしくお願いいたします。令和5年卯年 元旦