ほごログ(文化財課ブログ)

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埼玉県指定有形文化財-小渕観音院円空仏群-公開

 初夏を感じさせる5月の連休も終盤となりましたが、5月3日から5日までの期間限定で埼玉県の有形文化財に指定されている”円空仏の特別公開が小淵山観音院で行われています。

  静寂な本堂では凛とした冷厳な雰囲気の中、江戸時代前期の約330年前に生涯12万体の木像を制作したと云われる修行僧円空作の「円空仏」を間近に拝観することができます。5月2日に新聞紙面で公開が報じられたこともあり、県内外から多くの方々が鉈彫りの素朴な木像を拝観しようと訪れていただいています。

 観音院では修験宗にまつわる蔵王権現像をはじめ7躯が伝わり、像高194㎝と一木造りでは関東地方でも指折りの大きさを誇る聖観音菩薩立像、頭上に大きな龍を抱く伝毘沙門天立像と、威風堂々した像が揃っています。一方、円空仏の特徴でもある鉈(なた)による一刀彫の鋭い表現に加え、口元に表現される微笑みの柔和さも人々を引き付ける魅力となっています。

 

▲像高194㎝の聖観音菩薩立像と像頭に龍を抱く伝毘沙門天立像

 年一度の公開も明日5月5日が最終日です。午前10時から午後5時まで、そして要予約の「ヨイノカイ」の特別公開も設けられています。円空仏と共に皐月のひと時をどうでしょうか。

 

 

 

考古学講座の現地視察をおこないました

4月23日、令和4年度の考古学講座を受講していただいたみなさんと、郷土資料館から浜川戸遺跡周辺まで、地形などを確認しながら歩いてみました。

もともと3月26日に実施する予定でしたが、雨天だったため、順延しての開催です。4月23日は、とても良い天気で、絶好のウォーキング日和でした。

 

郷土資料館見学

朝は、郷土資料館に集合し、展示されている浜川戸遺跡の出土品を確認しました。郷土資料館の常設展示には、浜川戸遺跡に関係する資料が意外とたくさんあります。

 

日枝神社横で自然堤防確認

粕壁東の日枝神社では、宿場に向かって標高が上がっていく地形を確認しました。粕壁宿から浜川戸地区は、古利根川などによって形成された広大な自然堤防が広がっています。

 

碇神社横で江戸時代の土地利用を確認

埼玉県指定天然記念物「碇神社のイヌグス」がある碇神社では、江戸時代の粕壁宿周辺の土地利用を、昔の地図と比較しながら確認しました。

 

梅田地区で過去の古隅田川流路を確認

梅田地区では、現在とは違う流路で、かつてこの辺りを流れたと考えられる古隅田川について確認しました。

八幡公園で浜川戸遺跡を体感

最終目的地、浜川戸の八幡公園では、浜川戸遺跡の広がりや浜川戸砂丘、春日部稲荷神社や春日部八幡神社の成り立ちを確認しました。

 

全長約3㎞の行程でしたが、脱落者はなく、無事ゴールすることができました。

ご参加された皆様、ありがとうござました。

 

考古学講座は、今年度も9月から1月まで、毎月1回の連続講座を予定しています。ほごログでもご案内しますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。

最先端の技術で、神明貝塚の人骨が調査されました

先日、南山大学の中尾央准教授のもと、「神明貝塚」出土の人骨の調査が行われました。 #かすかべプラスワン

中尾准教授は、文部科学省科学研究費助成による「出ユーラシアの総合的人類史学」の研究の一環で、様々な時代の古人骨の三次元計測を進められているそうです。

今回、春日部市が世界に誇る文化遺産の一つ、「神明貝塚」出土の縄文人骨、常設展示で展示している江戸時代の人骨も計測されました。計測って、巻き尺を使ってやるのかと思いきや!

写真:三次元撮影

な、なんと!様々な角度から写真撮影をして、パソコン上で立体画像にするんだそうです。

写真は60コマ程度を角度をかえて撮影すれば、十分なんだそうです。

もともとは工業製品の生産にかかわる技術なんだとか。出来上がった立体画像はこんな感じだそうです。

写真:立体画像

もっと精密に撮るカメラ・機材もあるそうです。最新鋭の調査技術で、いとも簡単に計測ができて大変驚きました。

県内では、同じく国史跡指定の水子貝塚(富士見市)の縄文人骨も同様に計測調査されるそうです。

今回の調査によって、神明貝塚(の人骨)は、人類のルーツを明らかにする研究資料として活用されることでしょう。また、計測によって資料の現況を記録する大変有意義な機会となりました。

「神明貝塚って何!?」って思った、そこのあなたは、こちらの動画をご覧下さいね。

郷土資料館からみえる藤が咲いています。

#牛島のフジ も先日開園し、週末は4年ぶりの #春日部藤まつり 。 #春日部の藤 、今まさに満開です。 #かすかべプラスワン

写真:粕壁小のフジ

郷土資料館(教育センター)からみえる藤は、粕壁小学校に自生するものです。フジはツル性なので、他の樹木に巻き付いて、高いところに花をつけます。時折り、風にあおられ、ゆらゆらと花房を揺らします。万葉の人たちは、風で波のようにゆれる藤の花を「藤波」と形容しました。「藤波」、美しい言葉ですが、担当者はどうしても某プロレスラー、あるいは某メジャーリーガーを連想してしまいます。

昔の人たちがフジをどのように楽しんだか、親しんだのか。現在、郷土資料館では、春日部と藤の歴史を紹介し、春日部の藤をより楽しむための企画展を開催しています。

画像:春の花春日部展ポスター

ぜひ、牛島のフジ、藤まつり、そして、春日部の藤波と一緒にお楽しみください。クレヨンしんちゃんのお母さんみさえとフジのスタンプも用意していますよ。

顔ハメ、記念にどうぞ

クレヨンしんちゃんスタンプラリーの効果もあり、市外・県外からもお客さんが見えています。先日、県外からお越しのご家族も、しんちゃんのスタンプラリーを目当てにご来館。 #かすかべプラスワン #顔ハメ

スタンプついでに、館内をご見学いただきました。お子様は体験コーナー、大人の方は様々な展示を見て、楽しんでいただけたようです。

記念にオリジナルの押絵羽子板の顔ハメを兄妹でやってくれました。

写真:顔ハメパネルの兄妹

お兄ちゃんは、歌舞伎役者ばりの睨みのきいた顔でポーズ。撮影の前に「どんな顔すればいいの?」「笑顔がいいのかな?」と聞いてくれました。本物の弁慶の押絵羽子板(写真後方)を観てもらったところ、押絵の表情を真似してくれたようです。「本物と一緒に撮りたい」と話してくれたのでこちらで撮影。妹ちゃんも、かわいい藤娘になれました!

押絵羽子板の顔ハメは、春日部市郷土資料館だけ(たぶん)!

クレヨンしんちゃんのスタンプとともに、ぜひ記念に使ってください。