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学校日記
「社会を明るくする運動」作文コンテスト最優秀賞受賞
多摩市の中学生を対象にした「社会を明るくする運動」作文コンテストにおいて、1年生の山口 佳樹さんが最優秀賞に選ばれました。
「道なきところに道を」というタイトルの山口さんの作文は授業などで書いたものではなく、山口さん自身が日常生活で聞いたニュースを家庭で話題にし、多面的な視点で分析し深く考えた経験を自ら書き、応募したものです。
ぜひ、ご一読ください。
「道なきところに道を」
山口 佳樹
殺人、窃盗、暴力…日々どこかで事件が起こり、それが当たり前のように連日報道される日本。中には僕と同じくらいの年齢の人が犯罪に手を染めている事例もあり、親はどうしていたのか、周りの人達は何を見ていたのか、事件を起こした本人はどうしてそんなことをしたのか、不思議で仕方なく感じていました。
「人生終わったね。」ニュースを見ながら呟く僕に母は、「そんなことはないよ。あなたは裏を知らないから言えるんだよ。」と少し怒ったように言います。犯罪に裏も表もあるかよと思いましたが、きっとニュースを見ている大半の人も「怖いね~」、「嫌だね~」、「気をつけないとね~」と感想を言うだけで、どこか他人ごとに捉えているはずです。
そんな中、今年に入って保護観察中の男が自身を担当していた保護司を殺害する事件がありました。この犯人は過去、コンビニ強盗事件を起こし、保護観察付き執行猶予の有罪判決を受けていました。僕はこの事件のニュースを見た時、ハッとしました。これが母の言う「裏」ということ。言われてみれば、罪を犯した人達は出所後どうしているのか?刑期を終えた時、家族は温かく迎え入れるだろうか?帰る家なんてあるのだろうか?生きていくための仕事はすぐに見つかるのだろうか?「犯罪」や「逮捕」という言葉ばかりに目がいき、その後のことは全く想像していませんでした。
担当していた保護司の方は、この犯人のためにずっと社会復帰のための立ち直り支援をされていたとのこと。出所後に受けるであろう周りからの差別、将来への不安からくる絶望感など、様々な事に寄り添いながら社会復帰への道を導いてくれていたはずです。そもそも、家族でもない人がこうやって手を差し伸べてくれていたのに、なんて酷いことをするのだろうと、犯人には心の底から怒りでいっぱいになりました。と同時に、一人の人間を立ち直らせることの難しさを感じました。
では、なぜ犯罪が起こってしまうのか?その人自身の生まれもった性格も関係しているかもしれません。しかし根本をたどると家庭環境が崩壊していた人、歪んだ環境で育った人、身寄りがなく自暴自棄になっている人、僕には想像のつかない人生を歩んできた人など、本当に様々な問題が重なって、道を踏み外してしまったケースが多くあるように感じます。きっとこの犯人も、これまでの人生の過程で親や周りの人から、命の尊さや、愛されるという事を教えてもらえなかったのだろうなと思います。
一人で生きていく事はとても難しいです。だからこそ、拠り所のない人には社会や地域の人の力で居場所を作る必要があります。全部に正解はありません。でも立ち直る為にサポートする事に不正解はありません。まさに道がないところに道を作り、教科書がないところに教科書を作りサポートしている保護司の活動。危険と隣り合わせの仕事ですが、この60年、殺人事件にまで発展する事例はなかったそうです。つまりどれだけの人が保護司の活動でやり直す道を歩む事が出来ていたか、保護司の活動によって、どれほど世の中はまもられてきていたかということを僕はこのニュースで実感しました。
罪を犯した人が犯罪から立ち直るため、そして再犯を防ぐためにも、この事件には絶対に屈してはいけないと感じます。
中学生の僕は、犯罪から立ち直ろうとしている人を直接サポートする事は出来ません。でも街頭での啓発活動へ参加したりすることで、道なき道をつくる人がいること、罪を犯したからと偏見で人をみてはいけないこと、それを周りに伝えることは出来ます。小さな事ですが、少しでも世の中を変えていけるよう努力したいです。
都立多摩桜の丘学園との交流の振り返り授業(1年生)
1年生が9月から3回にわたって交流を行った振り返り授業をしました。
都立多摩桜の丘学園の知的障がい・肢体不自由の生徒との交流で生徒達にどんな心の動きがあったのでしょうか。
都立多摩桜の丘学園の大塚昌利先生が来校し、それらの交流をひとつひとつ振り返り、お話しくださいました。オンラインでの学校・学級紹介でお互いを知ることから始め、ボッチャによるスポーツ交流で直接話し笑い合い、大いに盛り上がりました。マラソン大会では一緒に走り、また都立多摩桜の丘学園の生徒達にたくさんの声援を送ってもらったことが思い出されます。
知らない=先入観でしか相手を見れない。
「かわいそう」「不自由」「不幸」「怖い」「何をしたらよいか分からない」という感情から
相手を知ることによって、相手を想い、考える気持ち。そして一緒に過ごし、できる少しの工夫が大切なのだということを学びました。自分の個性も人の個性も尊重し合い、助け合うことができれば、もっと多くの人が暮らしやすい社会に変わっていくのだと思います。
朝の体育館は凍えそうな寒さでしたが、少し温かい気持ちになった気がします。
生徒たちの印象的な交流
ボッチャ大会
・みんなと笑い合いながらしたから。
・一番話したり遊んだりして交流を深められたから。
・やる前は少し関わりたくないと思っていたが、一緒に優勝という目標を目指すことで、心が通じ合ったから。
・一番交流することができたと思うし、桜の丘学園の子たちと協力して試合して、ものすごく盛り上がったし、自分の中でもすごく楽しかったから。
・実際に話すことができ、アニメの話などもしてくれて楽しかった。
・障がいがあってもなくても、点が取れた時はみんなで一緒に喜んで楽しめたのが印象に残ってます。
・オンライン交流会よりも現実で会って話す方が楽しく、見えなかった一面も見た気がしてとても良かった。
・みんなでひとつになって協力して触れ合うことができたから。
生徒達が 感じたこと・考えたこと・「普通」とはどういうことか
・障がいをもっていても人や道具の力を借りれば同じスタートラインに立てる!人によって、普通は違う。理解し認め合って協力し合うことが大事。他人事として関わるのではなく同じ仲間として関わり合うこと。
・交流前は文字が書けて読めて会話したり、勉強するのが当たり前でそれはみんな同じだと思っていたけれど、交流後はみんな違うのが当たり前で、「自分たちが自分たちらしく生きていければ幸せ」というのはみんな同じなんだと思った。
・都立多摩桜の丘学園の子と交流しているとボッチャで勝ったら、一緒に喜んで、マラソン大会で走り切ったら、同じくらい疲れていて、同じ中学生なんだと実感した。みんな普通の中学生で、障がいやコンプレックスだって、その人の一つの個性で魅力だと思う。
・「生まれもった障がい」をもった人はそれが普通というのを聞いて、「自分」ではなくて「人それぞれの普通」があると感じた。
・交流してみて全てできることが普通ではないと思った。それぞれ得意や不得意があるからこそ、それが一人一人の個性だと思った。
・人間には違うところがあるのは当たり前で「できない」「苦手」と感じることは人によって様々、そのマイナスな所をできる人が埋める。埋めてもらう。これができれば素晴らしいなと思います。
・オンライン交流ではお互いを知ることから始め、ボッチャ交流では協力やサポートをし合うなど、障害の有無に関わらず、お互いの個性を尊重し合うことが大切だと分かりました。交流を通して私の中での普通は「自分らしく生きる」ことだと思います。「一人一人が大切で特別な存在」という事を忘れずに、これからも自分の個性、相手の個性を大切にしていきたいです。
挑戦する人の話を聞く会 (1年生)
1年生が進路学習として、挑戦する人の話を聞く会を受講しました。
講師として来てくださったのは、鈴木博文さん。現在「美術解説するぞー」というネームで活動されています。以前は中学校の美術の先生を9年されていましたが、子どもよりもまずは大人にアートの楽しさを伝えたいと考え独立し×art (かけるアート)を創業。美術解説や大人向けの美術教室の運営、美術解説動画の配信、本の執筆等活躍の場を広げていらっしゃいます。
しかも多摩市立諏訪中学校出身!生徒たちにとって先輩であり先生のような、とても身近に感じられる鈴木さんに、パネルディスカッションという形で生徒達から質問があがりました。
Q1.なぜ子どもより大人にアートを伝えたいと考えたんですか?
Q2.今の仕事を始める時の気持ちはどうでしたか?不安はありましたか?
Q3.美術をやる上で、うまくいかなくて悩んだことはありますか?どう解決していますか?
Q4.価値観は変わりましたか?
Q5.辛い時に支えになる人や言葉はありますか?それはどのような人や言葉ですか?
Q6.記憶に残っている恩師はいますか?生き方に大きな影響を与えたのはどのような人ですか?
Q7.ズバリ、美術はどういうものでしょうか?
これらの質問ひとつひとつにとても真摯に丁寧に答えてくださいました。
特に「不安はたくさん!考えても消えないけれど、とにかくやり続ける!」
「やらない後悔より、やる後悔」
「先のことはわからないが、色々なことが繋がっていく。だから今、目の前のことを一生懸命に頑張る」
「勉強をする意味とは脳の筋トレ。色々な事を理解することにつながる」
鈴木さんの歩んできた道筋になぞらえた分かりやすい説明が生徒たちの心にしみ込んだように感じました。
質問者の生徒は鈴木さんの話を聞き、自分の考えを伝えました
生徒達の印象に残ったこと、考えたこと、感じたこと。
・辛い時に支えになる言葉で「やらない後悔よりやる後悔」と言っていたのがとても印象に残っています。自分は行事の実行委員などやることが多くあり、その時に何をやって何をやらないのか分からず先生に聞いて区別していましたが、鈴木さんの話を聞いて、やってみて失敗してもよい経験になったなと思えるかもしれないから、たくさん挑戦してみたいと思った。
・自分は勉強がすごく苦手で自分の心の中でなんで勉強しないといけないんだって毎日思っていた中で、鈴木さんが教えてくれた「やらないよりやる後悔」「勉強をがんばるといろんなことを理解することにつながる」という2つのことを今日知りました。他にも美術の楽しさやアートの大切さなど知れて良い機会になりました。
・「バッターボックスに立って、バットを打ち続けるのが大切」という言葉がとても印象に残り、挑戦の大切さがよく分かりました。「この先、何がどうなるか分からない、目の前のことを一生懸命がんばる」という言葉は今の自分にも言えることで、これから目の前のことを一生懸命やり、つなげていきたいと思うことができました。
・不安だったり、悩んでるときにまずやってみるってことを聞いて、自分では不安になってあきらめたり、悩んで結局解決しないでほっといたりしていましたが、不安な時や悩んでる時は考える前に挑戦してみて、失敗してもなんども繰り返すことが大切なんだと思いました。
・鈴木さんの話を聞いて、チャレンジするのが大切ということが一番印象に残りました。10年後、20年後と自分が想像もしていないことがあるかもしれないけど、目の前のことを一生懸命やり、がんばることやコツコツ積み重ねる努力・挑戦しつづけることで新たな世界観・価値観が変わると思いました。
・私は今やりたい仕事はないけれど、未来の自分のために、選択肢を広げるために今できること、いまがんばれることをしたいなと思いました。印象に残ったのは点と点をつなげるということです。選択肢を広げるためには、たくさんの点が必要だと思ったのでとても良い言葉だなと思いました。
・その(将来の)でっかいこととは関係なくても、いつか繋がってやってよかったと思えるようになるという事を鈴木さんから学び、不安があっても陸上大会やほかのことに挑戦しようと思った。
・考えたこともなかった考えが多くあって、人生は広いなーと思った。また、一つ一つの事にも全力でがんばりたい。
ダンス発表会
2年生は3学期に入って保健体育でダンスに取り組んでいます。5日は、3クラス合同で授業を行い、自分たちのクラスの成果を発表し合いました。また、学校公開日のこの日は、保護者の方にも練習の成果を参観していただきました。寒い中お越しくださりありがとうございました。各クラス規定の振り付けはあるものの、クラスごとにオリジナルの掛け声やポーズを考え、ダンスを楽しんでいる姿が印象的でした。
レディネステスト
2年生は職場体験が終了し、現在発表に向けて事業所ごとにスライド作りに励んでいます。今回は、ハローワークの方をお招きし、職業レディネステストを行いました。職業レディネス・テスト(VRT)とは、自分がどのような職業分野に興味を持ち、どのような職業分野ならやっていく自信があるかなど質問に答えて自分の傾向を知るテストです。結果を受けて生徒たちは、自分の新しい面を発見したり、興味や関心を再確認したり、真剣に取り組んでいました。様々なデータから自分を客観視し、自分の将来を考える1つの取組として役立てて欲しいです。
<生徒の感想>
・私は将来の職業やなりたいものがなくて、少し不安でしたが今回のレディネステストで興味のある職業や自分が好きなこと、自信のあることに気付き、それを生かしてどの職業が向いているかを見つけることができました。
・働くということに対して、あまり深く考えたことはなかったけど、今回のレディネステストのおかげで、自分の将来についてポジティブに考えることができた。たくさんの不安もあるけれど未来を想像することが楽しく思えました。
・レディネステストの結果を見て、自分の事を客観的にみられて「自分はこのような職業が向いているんだ」「確かにそうかもしれない」と気付きがたくさんありました。
・今回のレディネステストでは、自分の新しい一面を知れただけでなく、自分の好きなことや関心のあることを仕事にしたいなという気持ちに近づけたことが1番良かったなと思います。
・これからは長所を磨き、自分がより成長できるように行動がしたいです。自分の長所を再確認する良いきっかけになりました。
・特に感じたことは、自分にあった仕事を見つけるために今いろいろなことにチャレンジすることです。
・他の人と比べたときに、それぞれ違っていてその人の個性が出ているなと思いました。
・自分の適性がどのようなもので、どのような職に向いているかをより広い視野をもって知ることができました。このテストでは自分の適性にあったものの中で自分の想像していなかった職や分野もあり、自分の将来を考える上での1つの指標になると思いました。