校長日記

2020年12月の記事一覧

12月1日(火)放送朝会の話

12月1日(火)放送朝会の話

12月に入りました。あと1カ月で今年も終わります。
新型コロナ感染症で世界中の人たちが大変だった1年間ですが、これからも起こるであろう様々な出来事に負けないで、しっかりと生活していきましょう。

 さて、今日は人権についてお話します。
12月4日から12月10日までを人権週間と言います。そして、その最後の日、12月10日は、「世界人権デー」とされています。
それにちなんで、全国の学校では、毎年、12月のはじめのこの時期に人権週間というのを設けて、人権について集中的に勉強しています。
 
 人権とは、「人は誰もがその人らしく生きていくことができる権利」のことです。
 人は、みんな違います。顔、体の大きさ、皮膚の色、性格、目が不自由であるというような障害のある人、ない人、男の子と女の子・・・など、みな違います。
 でも、みんな一人一人が、かけがえのない命をもっていて、その人なりに精一杯生きています。
 人はみな、その人なりに、人として生きる権利をもっているのです。ですから、自分を大切にすることはもちろんですが、同時に、
他の人の命や他の人の気持ちも大切にしていかなければなりません。
 みなさんのお家の人は、みなさんのことをかわいくて仕方がなくて大切な、大切な宝物のように思っています。

 ですから、自分の命や体を大事にすると同時に、友達や周りの人のことも大事にしていってほしいと思います。

 ここで、ある小学校3年生のお友達が書いた「とびばこ」という作文を紹介します。聞いてくださいね。

 私は、体育があまり好きではありません。
なぜかというと、走るのもあまり速くないし、跳び箱や鉄棒や1輪車など、ほかの友達はできるのに、私だけなかなかできないのです。それに、みんなから笑われるのが何より悔しくていやだからです。

 今日の体育は跳び箱です。準備体操をして、みんな、跳び箱の用意を始めました。
 私はもう、逃げ出してしまいたい気持ちでいっぱいです。
 
 用意ができました。優一郎君から、次々に跳び始めました。いよいよ私の番です。跳んでみるとやっぱり失敗です。2回目も失敗してしまいました。
3回目は、友達の跳び方を見て、さっきとちがう跳び方をしてみました。
 だけど、やっぱり跳べませんでした。何回跳んでもお尻が跳び箱の角に当たってしまいます。

 初めは小さく聞こえていた笑い声が、どんどん大きく聞こえてきました。
 その時「笑うな!」と、大きな声が聞こえました。一郎君です。体育館が一瞬、シーンと静まり返りました。私もびっくりしました。しばらくすると、
「笑ってごめん」とか「がんばれ、がんばれ」、「もっと勢いをつけると跳べるよ」とか言うみんなの声が聞こえてきました。

 私は思いっきり走りました。そして、手を強くつきました。身体が高く浮いたと思ったその時、私は跳び箱を越えていました。
 やったあ、とうとうできたんだ。夢じゃないんだ。跳べたんだ。私はとても信じられませんでした。みんなの拍手が聞こえてきました。


 というお話です。みなさん、どうでしたか。
みなさんは笑う人ですか。「笑うな!」と言う人ですか。「頑張れ!」と応援する人ですか。
 コロナで苦しむ患者さんを一生懸命治療してくださるお医者さんや看護婦さんに、感謝できる人ですか?
 それともうつるから来ないでと言う人ですか?
 
 寺方小学校501人のだれもが「学校は楽しいな」と思う学校にするにはどうしたらよいかを一人一人考えてみましょう。
これでお話は終わります。