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2025年11月の記事一覧

校長室のひとりごと「鶴は千年・亀は万年」

 昨日「サンディエゴの動物園で推定141歳のガラパゴスゾウガメが長い一生を終えた」というニュースが報道されていました。そういえば昔から「鶴は千年、亀は万年」と鶴や亀は長寿の象徴のように例えられてきましたが、まさか141歳とは驚きです。いつものようにネットで長寿について調べてみたところ、まず鶴ですが上野動物園のタンチョウが36年間生きたという記録が残っています。これが公式の最長寿だそうですが、非公式ではオウムやインコは鳥の中でも長寿で100歳を超えると言われているそうです。亀はと言えば、ガラパゴスゾウガメが175歳、アルダブラゾウガメが200歳以上という記録が残っているそうです。「鶴は千年、亀は万年」とまではいきませんがどちらも長寿には変わりありませんね。更に気になり長寿の動物について調べてみるとびっくりの結果でした。アイスランドガイ(二枚貝)の507歳が科学的に証明されており最長寿、ついでニシオンデンザメとシロナガスクジラが共に推定500歳以上、馴染みある鯉は200歳以上の記録があり、ハマグリも200年以上生きるとされています。いずれにしても長寿の動物の共通点はゆっくりとした代謝、細胞の修復能力の高さ、そして安定した生態環境だそうです。ちなみに人間の最長寿はフランス人女性の122歳という記録が残されているそうです。

校長室のひとりごと「宇宙ゴミ」

 空気が澄んでいるこの時期、夜空を見上げる機会が増えたように感じています。人工衛星をはじめ科学技術の進歩に伴い宇宙の謎も少しずつ解明されてきています。しかし宇宙開発が進み我々の生活が便利になる反面、問題も持ち上がっています。「宇宙ゴミ」です。「宇宙ゴミ」とは人工衛星やロケットの残骸で、地球近くの軌道を高速で周回しており、それが人工衛星などに衝突でもすれば破損はもちろん大変なことにもなりかねない無視できないゴミのことです。この「宇宙ゴミ」は現在推計で10cm超の物に限っても約5万個あると言われています。そしてこの「宇宙ゴミ」対策としてロボットアームで掴み回収する、レーザーで除去するなど様々な研究が進められていますが、これらは大がかりな設備・費用が必要になることから実用化には至っていません。そんな中、宇宙関連事業を手がけ3年の企業が「宇宙ゴミ」自体の発生を防ぐ装置を開発しました。この装置は新たに打ち上げたロケットや人工衛星が役目を終えたあと、樹脂製の膜が船の帆のように開き、わずかにある空気抵抗を利用し、周回軌道から離脱させることで徐々に落下を促し大気圏で燃えて消滅するという仕組みです。今後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH3ロケットにこの装置を搭載し実証実験を行うそうです。

 漠然と宇宙に興味を持ち「より遠くの星」「より新たな発見」など目先のことだけに注目していましたが、そのために発生する「宇宙ゴミ」について考えたことはありませんでした。

校長室のひとりごと「経営者の視点」

 もともとは一人の教員でしたが今は学校長という立場で中学校に勤務しています。直接生徒を指導する場面もほとんどなく、専ら「経営者」の視点で日々学校に勤務しています。文部科学省や千葉県の掲げる教育施策はもちろんのことですが、社会の変化や時代の流れなども考慮しつつ、定期的に経営の方向性を先生方に示しています。その経営の方向性を決めるために大切にしていることは、生徒達の実態です。どんな立派な経営の方針を掲げようと本校生徒の実態に即していなくては、ただの「絵に描いた餅」にすぎませんから。そして生徒達の実態を掴む一つの手段として年4回の定期テスト後に全校生徒対象に実施している「アンケート」があります。内容は定期テストへの取り組みを振り返るような設問や日々の学習について、学習以外での家庭での生活などについての設問です。例えばアンケートの中には「塾や習い事」についての設問がありますが、これにより生徒達の放課後の時間の使い方や様子を掴むことができます。また「自己肯定感」についての設問での回答の割合により教師の生徒への関わり方を示すことができます。「社会や地域」に関する設問では、学校としての地域への関わり方などを示してきました。

 11月も下旬になり、少しずつ次年度の青写真を考え始めます。生徒達は毎年1/3ずつ入れ替わりますからその年、その時ごとに正しく生徒の実態を把握し学校経営の具体的な戦略を先生方に示し、同じ方向で生徒たちと接することが大切だと感じています。

校長室のひとりごと「竹林の小径」

 京都といえばどんな風景、景色を思い浮かべますか?6月に行った修学旅行3日目は、嵐山方面の散策で「竹林の小径(こみち)」に行きました。この「竹林の小径」近辺は平安時代に貴族の別荘地だったそうで、手入れされた竹林が両側を覆う400mほど続く道で、小倉山歴史的風土特別保存地区の日本を代表する景観の一つです。行ったことがなくても一度はその映像や画像を見たことがあるのではないでしょうか。実際にこの小径を散策すると、両側の竹が道を覆い、その間から微かな木漏れ日が、日常の雑踏を忘れさせてくれる心地よい空間です。

 近年京都はオーバーツーリズムが問題となっていますが、6月の修学旅行でも「竹林の小径」は混み合い「人・人・人・・・」でした。それでも特別な景観に、初めての生徒達は感激していたものです。その「竹林の小径」での問題が話題になっています。「落書き」です。青々と立ち並ぶ竹に無数の心ない文字や記号が深く刻みつけられ、その被害は実に350本とも言われています。落書き被害は7.8年前から確認していたそうですが、ここ1.2年で急増しているそうです。これらの落書きは竹の表面を削ってしまっており、そこから竹が弱り枯れてしまう原因にもなり安全性の面でも大きな問題です。落書きが酷く弱ってしまった竹はやむをえず伐採される措置がとられるそうです。日本が誇る美しい景観を守るために、国籍などは関係なく観光客一人一人のマナーが問われています。

校長室のひとりごと「飛行機雲」

 今日のように空気が澄んだ今の季節、晴れた空を見上げるのは気持ちの良いものです。ここ野田市は飛行機の航路になっているため、空を見上げると通過する飛行機も見ることができます。そう言えば「飛行機雲が残ると雨が降る」という言い伝えがあります。これにはそれなりの根拠があるようです。飛行機雲とは飛行機の燃料が燃えるときに発生する水蒸気が雲の原因ですが、上空が乾燥しているようならすぐに飛行機雲は消え、逆に上空の湿度が高ければ、いつまでも飛行機雲が残り、飛行機が尾を引いたように見えるそうです。そもそも上空の湿度が高い状態とは、低気圧が近づいているなど雨雲が近づいているサインだと言えるため「飛行機雲が残ると雨が降る」という言い伝えは、概ね正しいと言えるでしょう。同じように「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えもあります。猫にとって敏感なセンサーでアンテナ的な存在の「ひげ」、この「ひげ」は微妙な湿度の変化を感知しますが、そのひげの湿度を嫌がり顔を洗う仕草をしていると言われています。ただ、そもそも猫のグルーミング行動の一つですから「偶然では」という説もあります。この言い伝えには、いわゆる科学的な根拠はありません。我が家の3匹の猫について観察し「猫が顔を洗うと雨が降る」を実証実験、データ集めをしてみようと思います。(でも今朝も顔を洗う仕草をしているように思いますが・・・)

校長室のひとりごと「市長と話そう集会」

 今日は「市長と話そう集会」が行われます。これは野田市長が年一回、市内の全小中学校を訪問し、次世代の地域を担う小中学生の生の声を聞き、今後の市政のヒントになればと始められたものです。一方生徒達にとっても、直接市長さんと対面で歓談し、市政についてや野田市の未来についてなどの質問や意見を交わすことで、野田市民としての自覚が高まるきっかけになっています。学校によってこの集会の持ち方は異なり「全校集会」のように全校が一堂に会する集会形式だったり、学級や学年の代表が参加し学級の考えや質問などを投げかける形式だったりと様々ですが、今回本校は、予め各学級で募った質問を学級の代表生徒が市長さんに尋ねる方法で会を進めます。生徒達が野田市、野田市政についてどんな疑問を持っており、直接どんな質問するのかといえば、例えば「野田市の魅力と野田市の課題について」「市長という立場で具体的に中学生に何を望むことは何か」「昨今の集中豪雨などによる野田市の水害対策」「市としての少子高齢化対策」など多方面にわたって質問するようです。

 今日の「市長と話そう集会」を受け、代表生徒が今度は各学級に報告することで市長さんのお考えや市政、更には自分たちに課せられた諸課題などについてを共有し、次の世代を背負って立つ中学生が「ふるさと野田」について考えを深めるきっかけになることを願っています。

校長室のひとりごと「野田の恵みを味わう」

 今の給食は本当に美味しいです。各校の栄養士さんが栄養バランスを考え抜いた献立で、生徒たちにも好評です。翌月の献立表が配られるとすぐに、私の好物にはマーカーで印をつけ校長室の一番目立つ場所に掲示するほど楽しみにしています。このホームページでも毎日の給食画像を掲載しているので納得していただけるのではないでしょうか。

 今日の給食は「野田の恵みを味わう給食の日」ということで、市内の小中学校で統一メニューです。献立メニューは「クリームライス、鶏肉の香草パン粉焼き、シューブレザ、ガルビュール、牛乳」です。と言われたところで私には鶏肉だということはわかって、それ以外は聞きなれない料理名なのですが、野田市の恵みである地元の食材を使っているところがポイントです。例えばお米は野田市の水と土から作られた「黒酢米」、この地域の農家さんが丹精込めて育てた「ほうれん草」、そして水はけの良い関東ローム層で育てられた色が濃く甘みが詰まった「ニンジン」など地産地消の食材を存分に生かした献立メニューです。校長の重要な仕事の一つに給食の「検食」があり、子供達が食べる30分前には「検食」、生徒が安全に美味しく食べることができるかをチェックします。ですから今日も生徒たちより一足先に「野田の恵み」を味わうかと思うと今から楽しみでなりません。

校長室のひとりごと「ドローンハイウェイ構想」

 千葉県北東部に位置し利根川の流れに抱かれ豊かな自然と積み重ねられた歴史ある「東庄町」をご存じでしょうか。イチゴ狩りが有名で私も子ども達が小さい頃に数回訪れている町です。誕生70周年を迎えた東庄町も人口流出、少子高齢化が加速度的に進み、新しいまちづくりに取り組んでいます。2023年3月に統廃合で使われなくなった小学校跡地に「東庄町ドローンパーク」が誕生しました。ここではドローン技能の習得、技能証明書の取得ができる教習所、産業用ドローンの修理を行う技術センター、農業用薬剤散布、スマート農業の支援など次の社会を見据えたドローン活用の中枢的な役割を持った場所です。東庄町の唯一の中学校では基本的に自転車による遠距離通学の生徒が多く、登下校の見守り活動も大変だったそうですが、今は週2回ドローンによる通学路の上空からの見守り活動を行っており、見守りの効率化だけではなく、ドローンに設置されたスピーカーを通して注意喚起も可能で犯罪抑止の効果もあるそうです。また利根川沿いという立地をいかし近隣自治体と壮大な計画「ドローンハイウェイ構想」が持ち上がっているそうです。これは市街地では心配な「もしものとき」の安全性も考慮した利根川上空をメインルートとするドローンによる物流の常時運用化を目指すというものです。

 かつては関東の物流の支えだった利根川水運を思わせるような壮大な「ドローンハイウェイ構想」、いずれ利根川の上流、ここ野田市にいながらドローンが東庄のイチゴを運んでくる日が来るのでしょうか。

校長室のひとりごと「デフリンピック」

 もともと体育教師の私は、これまで様々なスポーツを経験し、様々な角度からスポーツに関わってきました。そんな私なりの持論ですが、スポーツで一番大切なことは「情報」だと思っています。もちろん技術や体力、経験、時には「気合い」なども大切ですが、それらを最大限に発揮するためには、その時の気温や風、湿度など外的な情報を正しく判断し分析すること、つまり「情報分析」が大切です。では天候などの外的な情報をどうやって入手しているかと言えば、肌に当たる風の強さや風向き、体感で得る気温や湿度、会場の喧噪や様子など、いわゆる「五感」と言われる感覚が中心です。

 さて、日本で初めての「デフリンピック」が東京で開催されます。デフリンピックとは耳の聞こえにくいアスリートのための国際スポーツ大会で、五輪やパラリンピックのように4年に一度の開催、第1回の開催は1924年にフランス、パリでの開催でした。そして100周年の今大会が東京で明日開幕します。話を戻しますが、スポーツで大切な外的な情報の中には「耳」から得る情報も少なくありません。例えばスタートのピストルの合図、ゲーム中の審判のホイッスル、会場の応援の様子など・・・例えばデフリンピックでは陸上の短距離はスタートライン上の「スタートランプ」が赤く光れば「位置について」赤から黄色に変われば「用意」青に変われば「ドン!」というように、本来は「耳」から得る情報を「眼」からの情報「視覚による情報保証」が各競技でなされているのがデフリンピックの大きな特徴です。私の教え子もサッカーで出場します。デフリンピックに注目したいと思います。

校長室のひとりごと「世代を超えての交流」

 昨日は、3年生全員で尾崎小学校を訪問しました。市内小中学校音楽会で3年生の学年合唱を披露しましたが、その歌声、楽しそうに唄う3年生の姿が各学校の先生方の目にとまり、ぜひ小学生達に見せてあげたいという尾崎小学校の先生方のお願いを受けての訪問でした。小学生の前で誇らしげに唄う3年生、笑顔で体でリズムをとりながら見る小学生、双方にとって良い経験となったようです。

 明日は川間地区社会福祉協議会主催の「ふれあいの広場」です。この川間地区の地域行事では一番規模の大きな行事で、会場となる本校に多くの地域の皆さんが来校します。約5年間のコロナ禍で学校と地域との関わり、人と人との関わりが、途絶えてしまいました。感受性豊かで多感な中学生にとって、人と人との関わり、更には世代を超えての交流は何より大切なことだと常々感じています。この「ふれあいの広場」という地域行事に一部の発表生徒だけではなく多くの生徒が関わることができないかと社会福祉協議会の皆さんに無理にお願いし、今日の事前準備、明日の運営にも生徒が携わるという「協賛」という形で今年も本校は関わらせていただいています。

 3年生は、受付や総合司会をはじめ各ブースでお手伝いさせていただくことで、様々なことを肌で感じ地域の一員としての自覚を高めてほしいと思っています。1.2年生はそれぞれ学年発表、全校発表の合間に、地域の一員として活動する3年生の姿を見て来年、再来年の自分の姿と重ねてほしい、そんな「ふれあいの広場」になることを願っています。

*月曜日が振り替え休業になりますので、次は18日(火)です。

校長室のひとりごと「希望ナンバー」

  全国各地で手軽な足としてコミュニティバスが運行されていますが、我が野田市にも「まめバス」と呼ばれるコミュニティバスが運行され市民の足となっています。車体は野田市の名産「枝豆」色(黄緑色)に塗られ、フロント上部には「枝豆」のモチーフが施された可愛い小型バス、どこまで乗ってもワンコイン100円で乗車できることから、何台かある「まめバス」には「100」のナンバープレートが付けられています。また「野田市制75周年記念事業」の一環として、3月より「幸運を呼ぶまめバス」としてピンク色にラッピングされた特別仕様の一台が運行しています。ナンバーは「100」ではなく、末広がりの「8888」だそうです。

 ナンバープレートといえば、登録時に数千円払って「希望ナンバー」を付ける人が増えていますね。近年よく見かけるのが「358」、風水などから縁起が良い数字を合わせた3桁の数字です。またよく見かけるのが、パトカーの「110」、消防車や救急車の「119」「4771」。また名字を数字に当てはめた「141」「510」「310」「3110」や、犬好きの「9911(クンクンワンワン)」サーファーの「1173」など、気にしてみると実にユニークなナンバープレートを付けた車が走っているものです。皆さんの身の回りにも、このような希望ナンバーを付けた車が走っているかもしれません。

校長室のひとりごと「インフルエンザ」

 インフルエンザの流行が例年より早く、報道されているように全国的に学級閉鎖、学年閉鎖をしている学校も少なくありません。千葉県や他県でも「インフルエンザ注意報」が発令されており、本校でも先週末あたりから3年生を中心にインフルエンザが出始めています。冒頭で「今年は例年より早い」と書きましたが、例年であれば年明けの入試に備え、多くの3年生は12月にワクチン接種をするというイメージでしたが、今年はワクチンを接種する前に流行が始まったというところでしょう。ある医師によれば、大阪万博に世界中から人が集まり、冬のインフルエンザの時期に当たる南半球の人も多く日本を訪れたことも、この流行の時期の早さに影響しているのではないかと話しています。新型コロナ感染症を経験している我々にとってはインフルエンザなどの感染症対策は慣れていると思いますが、改めて予防策を確認しておきましょう。

  ・正しい手洗いやうがい

  ・マスクの着用

  ・休養と栄養で免疫力を高める

  ・人混みをできる限り避ける

  ・室内を適温、湿度を保ち、定期的に換気をする

  ・そして何よりワクチンの接種  など

 何しろ高熱が出るのがインフルエンザ、辛いインフルエンザにかからないように気をつけましょう。

校長室のひとりごと「1並びの11月11日」

 猛暑もいつの間にかおさまり、過ごしやすい日が続いています。例年思うことですが「秋・春」が短く、季節が「二季」になってしまうのかと不安になってしまいます。秋の深まり(冬の到来)を感じる昨今、気づけば校庭のイチョウは黄色く色づき始め、猛暑で葉焼けしてしまったもみじも、薄ら赤く、校庭の景色からも秋(冬)を感じる季節となってきました。

 ところで、1位は8月8日で69件、2位の10月10日は63件、3位は11月11日で61件・・・ これは何の順位でしょうか?日本記念日協会が認定した「記念日」の数が多い順のベスト3です。数字の「1」の形が4つ並んでいることから、今日11月11日は3番目に記念日が多いそうです。例えば「ポッキー&プリッツの日」「うまい棒の日」「きりたんぽの日」「チンアナゴの日」など確かに棒状の物が記念日になっています。一方変わり種としては漢字では「十一」と書くためプラス・マイナスで「プラズマクラスターの日」と言うのもあるそうです。「ポッキー・プリッツの日」が制定されたのは「1」が6本並んだ平成11年11月11日だそうです。ちなみに1位の8月8日には「世界のこの日(日本の猫の日は2月22日)」や「そろばんの日」などがあり、2位の10月10日には「眼の愛護デー」「銭湯の日」などがあるそうです。世の中には様々な記念日があるものですね。

校長室のひとりごと「ピグマリオン効果」

 よく先生方に「良いところを見つけて褒めてあげよう」と話しています。

 1963年、ある心理学者による実験です。実験は学生達にネズミを使った迷路実験を任せました。ネズミを二つのグループに分け、一方のグループは「訓練された賢いネズミ」だと学生に伝え、もう一方のグループは「訓練されていない『のろま』なネズミ」と伝え学生に渡しました。実際には双方のネズミとも個体差はありません。学生は無意識のうちに先生の期待に応えようと「賢いネズミ」と渡されたグループのネズミに声をかけたり、応援したりより丁寧に扱いました。実験は結果的に賢いとされたグループのネズミの方が優れた結果だったそうです。

 1968年、別の心理学者の行った実験です。小学校のあるクラスで知能テストを実施しました。後日このテストは「将来成績が伸びるかどうかがわかるテスト」だとクラスの担任に伝え、ランダムに選んだ一部の児童を「今後伸びる児童」だと担任に伝えました。数ヶ月後、「今後伸びる」と期待された児童は実際に成績が向上したそうです。「この子達は伸びしろがある」と担任が信じたことで、無意識のうちに子ども達への期待や接し方が変わり良い影響を与えたと考えられるという実験です。

 このように他者から期待されることで、成績や仕事の効率が向上する心理現象を「ピグマリオン効果」と呼んでいます。これとは逆に期待されないことで成績が下がったり、仕事の効率が下がったりすることもあり、これを「ゴーレム効果」と呼んでいます。

 

校長室のひとりごと「津波防災の日」

 今日は立冬、暦の上では冬の到来です。先日11月5日は「津波防災の日」。2011年3月11日東日本大震災が発生し、大地震による津波で多くの人が被害を受けたことは記憶にあるところです。この東日本大震災を機に「津波対策を推進に関する法律」が制定され、11月5日を「津波防災の日」にすることが記されました。1854年11月5日に発生した安政南海地震による津波が和歌山県を襲った際に、暗がりの中でもわかるように稲を焼いて避難場所を示したことで多くの人が助かったという逸話「稲むらの日」にちなんでいるそうです。先日5日には、各地で津波を想定した防災訓練が行われました。東日本大震災による津波で千葉県でも銚子や旭市は被害をうけましたが、銚子市では市として中学生も交えて高台に避難したり、避難所の設営などの訓練を行ったそうです。

 今年の7月30日、カムチャツカ半島付近でM8.7の地震が発生し、日本の各沿岸部では津波警報が発令されました。実は、ちょうどそのタイミングで私は九十九里の海岸におり、急に防災無線のサイレンが鳴り、海岸には消防車やパトカーが連なり始め、ただ事ではない状況に気づき、周囲の人々と共に急いで車に乗り込み、海岸を離れ高台方面へと車を走らせ帰路についたということがありました。幸い大きな被害に繋がる津波が到達することはありませんでしたが、危機を感じる経験でした。海に囲まれた島国、また地震大国と言われる「日本」、津波だけではなく、あらゆる災害への、知識や備えをすることが大切だと改めて感じました。

校長室のひとりごと「明晰夢(めいせきむ)」

 「夢」を見ていますか?ここで言う「夢」とは将来の夢や希望の「夢」ではなく、睡眠中に見る「夢」です。昔より「夢」は「神のお告げ」「不吉な予感」などと扱われてきた現象でこれまで様々な研究がなされています。近年は「夢を見やすい人・見づらい人」の特徴もわかってきており、夢を見やすい人の特徴として「ストレスを抱えている人」「睡眠の質が低い人」「感受性が豊かな人」「直感が鋭い人」などがあるそうです。ネガティブな夢を見るのは「疲労やストレス」のサインだとも言われています。私も夢を見ますが、朝起きると「夢」を見ていたはずなのに内容を覚えていない、なんてこともしばしばあります。また「夢」を覚えていても「どうせ夢ならもっと・・・」と欲張ることもしばしばです。「夢」について検索すると「明晰夢(めいせきむ)」という興味深い言葉がヒットしました。「明晰夢」とは、夢を見ている最中に「これは夢だ」と自覚し、内容をコントロールできる夢のことだそうです。そしてその「明晰夢」は訓練により能力が向上し、思った通りに夢の内容や夢の中での行動を操ることができるのだと言われています。「そんなことが可能なのか」と思ってしまいますが、「明晰夢」を見るための訓練方法に「日常生活で創造力を使う練習」「明晰夢を見たいと強く思い、夢でどうしたいかを具体化する」など簡単にできそうなので、私も訓練(?)を始めてみました。 今は、夢を操るまではいきませんが「これは夢だ」と夢の中で自覚することが少しずつできるようになってきました。

校長室のひとりごと「AI対AI?」

 昨日に続き、AI関連の話題です。今のところ本校では生徒のAI使用(悪用)が問題になってはいませんが、巷では夏休みの宿題にAIを使っている(悪用)という話や記事を見かけます。AIの使用、活用自体はこの時代ですから問題ありませんが、例えば小中学生の「読書感想文」「絵日記」「自由研究」「生活記録」など、あたかも自分の考えを綴ったかのようにAIを使用している例もあるようです。「ようです」なんて、のんきに他人事で構えている場合ではなさそうです。昨今大学のレポートや論文、課題をAIにつくらせ提出してくる学生が少なくないようです。そしてそのレポートや課題を採点する先生が四苦八苦しているという記事を読みました。以前は提出された文章を読み内容を採点するのが先生の仕事でしたが、最近はまず「AIかも?」と疑いの眼差しで本人の何十倍もの時間をかけて「AIっぽい」文章と向き合っているそうです。場合によっては、疑わしい膨大な文章をAIに読み込ませ、AIがAIによるものか判定するなど、AI対AIという訳のわからない状況にもなっているともいわれています。それでも限りなく黒に近いグレーの場合には、学生を呼び出し、口頭で内容を質問し受け答えで判断しているそうです。

 これまで読み書きが基本だった教育も、もはや過去の物となってしまったのかと思わされます。近い将来、教育、学問に何を求め、どんな能力を身につけさせたいのか、そしてそれをどう評価していくのか。なんだか訳がわからなくなってしまいます。

校長室のひとりごと「心のよりどころ?」

 皆さんは人工知能AIをどのくらい使っているのでしょう?実際に対話型AIを週1回以上使っている12~69歳1000人を対象にAIについて調査したところ「AIを信頼している」と回答した割合は86.0%、「AIと感情を共有できる」では10代と20代では7割を超え、40代以降でも5割だったそうです。更に踏み込んだ質問、「感情の共有相手として・・・」、では「親友が64.6%」「母親は62.7%」「父や配偶者が4割前後」という興味深い調査とその結果です。また、AIを使用している人の中には、AIに「ニックネーム」つけている人もいるようです。では実際にAIをどう使い、何を求めているのかといえば、全体の46.6%が「自分が知らないことを教えてほしい」と回答し、「心の支えになってほしい」が15.8%、10代に限っては23.8%が「心の支え」を求めているそうで、「自分の存在を認めてほしい」もほぼ同様の結果だったそうです。

 調査担当者は「AIは本音を話せる相手としてストレス対応にも役立っている」「ただAIが間違った回答をすることや、依存性があることも理解した上で上手に使ってほしい」と述べていました。私自身は、自分からAIを使う、頼ることはほとんどありませんが、スマホやPCで調べごとをしていると、知らずのうちに「AIの回答」なるものが表示され、知らず知らずのうちにAIに触れています。SF映画のようにAIロボットが家族のような存在になる日も、そう遠くはないかもしれませんね。