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校長室のひとりごと「宇宙ゴミ」

 空気が澄んでいるこの時期、夜空を見上げる機会が増えたように感じています。人工衛星をはじめ科学技術の進歩に伴い宇宙の謎も少しずつ解明されてきています。しかし宇宙開発が進み我々の生活が便利になる反面、問題も持ち上がっています。「宇宙ゴミ」です。「宇宙ゴミ」とは人工衛星やロケットの残骸で、地球近くの軌道を高速で周回しており、それが人工衛星などに衝突でもすれば破損はもちろん大変なことにもなりかねない無視できないゴミのことです。この「宇宙ゴミ」は現在推計で10cm超の物に限っても約5万個あると言われています。そしてこの「宇宙ゴミ」対策としてロボットアームで掴み回収する、レーザーで除去するなど様々な研究が進められていますが、これらは大がかりな設備・費用が必要になることから実用化には至っていません。そんな中、宇宙関連事業を手がけ3年の企業が「宇宙ゴミ」自体の発生を防ぐ装置を開発しました。この装置は新たに打ち上げたロケットや人工衛星が役目を終えたあと、樹脂製の膜が船の帆のように開き、わずかにある空気抵抗を利用し、周回軌道から離脱させることで徐々に落下を促し大気圏で燃えて消滅するという仕組みです。今後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH3ロケットにこの装置を搭載し実証実験を行うそうです。

 漠然と宇宙に興味を持ち「より遠くの星」「より新たな発見」など目先のことだけに注目していましたが、そのために発生する「宇宙ゴミ」について考えたことはありませんでした。