校長室のひとりごと
校長室のひとりごと「持続可能な五輪を目指して」
7月27日に開幕されるパリ五輪、パリの魅力を満喫してもらうためにも、できる限り既存の施設設備を活用するという方針のもと準備されてきました。各競技の出場権争いも大詰めです。そのパリ五輪の開会式が行われるのは、パリの中心部を流れる世界遺産「セーヌ川」という、スタジアムではない開会式は史上初となります。船に乗って各国選手団が入場してくるそうです。
セーヌ川は1923年に水質が安全ではないと判断されて以降100年間遊泳が禁止されてきました。昨年、国際水泳連盟はセーヌ川でWカップ大会開催が予定されていましたが、直前の水質検査で大会運営の水質許容基準を下回り急遽中止されたそうです。目前に迫ったパリ五輪でもセーヌ川でトライアスロン、マラソンスイミングを開催する計画ですが、国際水泳連盟、選手などの関係者は、開催に懸念を抱いていると報じられています。
これまでフランス政府、パリ市はパリ五輪の目玉となる「セーヌ川」会場の水質浄化費用として14億ユーロ(2370億円)の予算を投じ水質改善に取り組んできたそうです。
一説によると東京五輪では総額3兆円を超えたと言われています。膨大になりすぎた五輪開催に「待った」をかけるべくパリ五輪での「既存の施設設備の活用」という方向性は素晴らしいものですが、それを実行するというのはなかなか難しいということでしょうか。何しろ五輪を自国で開催するというのは、政治の上でも一大イベントなわけで、前回大会より素晴らしい大会になるようにと国家プロジェクト規模で行われ続けてきた五輪の歴史があります。いずれにしても、4年に一度のスポーツの祭典、選手主体の選手目線で素晴らしい五輪になることを願っています。